コンセプチュアル講座 Feed

2021年1月 5日 (火)

【コンセプチュアル講座コラム】VUCAワールドで、創造性と生産性を両立させるコンセプチュアルスキル

バックナンバーはこちら https://mat.lekumo.biz/ppf/conceputual_col/

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Vuca16◆「創造性が大切」が建前に終わる理由

自組織の創造性を高めたいというのは、トップリーダーだけでなく、組織のリーダーであればだれもがそう思うことです。一方で、現実には逆の行動をしていることが多いという現実があります。

例えば、組織の創造性を高めたいと思っているリーダーに、業務において生産性(実用性)と創造性のどちらを選びますかと聞くと、多くの人が生産性だと答えます。そんな二択は選べないというリーダーもいますが、両立しなくてはならないというリーダーはわずかです。つまり、「創造性が大切だ」というのは建前に過ぎないと思われるのです。

このような現実の背景には少なくとも3つの理由があると思われます。

一つは、創造性の発揮をリーダー自身が行わなくてはならないと思い込んでいることです。実際に創造的な成果を生み出す活動になると、まずは周囲に何か考えてくれと振りますが、自らが発案しなくてはならないと思っているリーダーが多く、一方でそのような時間は取れず、実現できないままになっているケースをよく見かけます。

さらにリーダーがこのように考える理由として、完璧な答えを出さなくてはならないと思い込んでおり、メンバーにはそのスキルがないと思っていることがあります。これが、二番目の理由です。

三つめは、ステークホルダーが求めるものが、その仕事に遠い人は創造性が大事だと言いますが、当事者に近くなってくるとやはり実用性が大事だと考える現実です。

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2020年12月24日 (木)

【コンセプチュアル講座コラム】概念と形象の行き来を促進するミドルマネジメント

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Middle


◆VUCAの時代に通用しなくなった従来の組織スタイル

古くから言われている組織マネジメントのスタイルの区別に

「トップダウン型」
「ボトムアップ型」

の2つがあります。これは、組織には階層があることを前提とし、その関係に注目したもので、トップが自分の集めた情報に基づいて意思決定するのがトップダウン、現場の意見を集約し、調整することによってトップが意思決定するのがボトムアップ型です。

一方、VUCAの時代に求められるマネジメントは、

(1)変化が激しく、迅速な意思決定が求められる環境下で成果を上げる
(2)新たな価値の創造と事業の発展を目指す

の2つです。

トップダウンは迅速な意思決定という点では優れていますが、経営環境の変化を的確に把握することが難しく、(1)がクリアできていない組織が多くなっています。また、ボトムアップ型では、新しい価値創出や事業発展に対しては一定のパワーを発揮できましすが、迅速な意思決定ができないため激しい変化に対応できません。

このような理由が多くの企業がVUCAじ手を焼いている理由です。

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2020年11月 2日 (月)

【コンセプチュアル講座コラム】「ハイ・コンセプト」の時代に不可欠なコンセプチュアルスキル

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◆ナレッジワーカーの時代は終わった!?

ダニエル・ピンクの

「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代」(三笠書房、2006)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07RZPXZDH/opc-22/ref=nosim

を読み直す機会がありました。この原著は、

「A Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule the Future」

というタイトルで2005年にRiverhead Books社から出版された本で、日本語版は大前研一さんが翻訳をし、解説を書かれています。

この本で、ピンクは19世紀から20世紀までを

農業の時代 → 工場の時代 → 情報の時代 コンセプトの時代

と分け、それぞれ、以下のような人が中心になるとしています。

農業の時代:農夫
工場の時代:工場労働者
情報の時代:ナレッジワーカー
コンセプトの時代:創造する人、他人と共感できる人

日本でも90年代からナレッジワーカーの時代だと言われるようになってきましたが、この5年くらい、ナレッジワーカーの時代は終わったなと感じることがよくあります。ピンク流にいえばいよいよコンセプトの時代に入ってきたと思われます。

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2020年10月21日 (水)

【コンセプチュアル講座コラム】VUCAについて書いた記事のリスト

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Vucamgticon◆はじめに

2020年10月から、VUCAマネジメント塾を始めることになりました。

「VUCAマネジメント塾 ~ VUCA時代のマネジメントスタイルを探求する」
https://vuca-mgmt.peatix.com/

いい区切りなので、これまでVUCAについて書いた記事をリストにしておきます。ここをVUCAマネジメントに関する情報発信のポータルにしたいと思います。

◆「コンセプチュアル講座コラム」に書いた記事

まず、コンセプチュアル講座コラムで書いた記事をご紹介します。

コンセプチュアルスキルとVUCAは切れない関係があり、現時点でもPMstyleの公開講座の中で、VUCAに関連させた講座は増えています。それに関連して、何本かVUCAに関連する記事を書いています。VUCAについて言葉は知っているけど、、、という方はまず、「「VUCA」再入門」という記事を読んでみてください。

【コンセプチュアル講座コラム】なぜVUCAなプロジェクトにはコンセプチュアルな視点が必要なのか
https://mat.lekumo.biz/ppf/2020/10/vuca-116b.html

【コンセプチュアル講座コラム】共創で共感を生み出す
https://mat.lekumo.biz/ppf/2020/09/post-711c.html

【コンセプチュアル講座コラム】具体/現場にこだわるのでVUCAになる
https://mat.lekumo.biz/ppf/2020/08/vuca-2a6b.html

【コンセプチュアル講座コラム】VUCAに適応できるコンセプチュアルな組織文化を創る
https://mat.lekumo.biz/ppf/2020/08/vuca-0c6e.html

【コンセプチュアル講座コラム】「VUCA」再入門
https://mat.lekumo.biz/ppf/2020/03/vuca-a672.html

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2020年10月 8日 (木)

【コンセプチュアル講座コラム】なぜVUCAなプロジェクトにはコンセプチュアルな視点が必要なのか

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Vucaproject◆プロジェクトはVUCA前提か

著者は「VUCA時代のプロジェクトマネジメント」や「VUCA時代のプロジェクトデザイン」という連載を書いていますが、これに対して

「結局、VUCAっていままでとなにが、どう違うのですか」

という質問が結構あります。期間が限られていて、その中で初めて取り組むことが含まれているプロジェクトではそもそも

・要求の不確実性
・要求曖昧性

の2つは必須であり、また規模が大きくなってくると、

・複雑性

が出てくると感じている人が多いようです。また、最近のプロジェクトでは、前提条件や制約条件が変わることも珍しいことではありません。つまり、

・変動性

もあると考える人も少なくないようです。そんなこともあって、今、世の中がVUCAと騒ぎだしているけど、従来、起こっていたことを別の言葉で言い出しているのではないかと感じている人が多いようです。

この記事では、このような意見に対して、VUCAはこれまでとは異なるという説明を試みてみたいと思います。

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2020年9月30日 (水)

【コンセプチュアル講座探訪】VUCAに適応するマネジメント~「マネジメントをコンセプチュアルにする」

バックナンバーはこちら https://mat.lekumo.biz/ppf/conceptual_course/
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◆VUCA時代の変化

VUCAによって時代が大きく変わりつつあります。ここでは、企画、意思決定、行動、行動規範、人材価値という5つの視点から見ていきたいと思います。

まず、企画についてはこれまでは予測に基づき行ってきましたが、VUCAの時代には予測はできず、如何に変化に対応するかが問題になってきます。

次に、意思決定です。従来は最適性を求めて意思決定をしてきましたが、VUCAの時代には最適という概念はなくなります。そのため、柔軟に変えていく柔軟性が求められます。

3番目は行動です。これまでは、計画に時間をかけていました。これに対して、VUCAの時代には試し、結果を見て修正することが重要になってきました。

4番目は行動規範です。行動規範とは、何を基準にして行動をするかですが、これまでは経験でした。しかし、VUCAの時代においては学習です。

最後は人材の価値をどこに置くかです。これは行動規範と関連してきますが、これまでは経験豊富な人が重視されていましたが、VUCAの時代には、学習能力が高い人が重視されるようになってきています。

このようにVUCAの時代にはこれまでのやり方が成り立たなくなる大きな変化が起こっています。

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2020年8月18日 (火)

【コンセプチュアル講座探訪】「パーパス」でプロジェクトを動かす~VUCA時代のプロジェクトデザインの実践的方法

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Pd4◆VUCA時代に通用するプロジェクトマネジメントを学びませんか。

「計画を緻密に策定に、計画通りにプロジェクトをコントロールする」

これが従来考えられていたプロジェクトマネジメントの基本です。しかし、VUCA時代という環境が不確実/曖昧/複雑なため、プロジェクトの成果物が変動するのが当たり前な時代を迎えて、このようなやり方ではうまくいかないプロジェクトが増えています。

もちろん計画やコントロールの重要性が無くなったわけではありません。マネジメントとして、計画やコントロールだけでは不十分なのです。

では、VUCAの時代に足らないものは何か。

PMstyleでは2つあると考えています。それは

(1)プロジェクトを実施する意味
(2)環境変動に対応して、プロジェクトの目標や計画を自在に変更できる構造

です。

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2020年7月13日 (月)

【コンセプチュアルリーダー塾コラム】業務の中で課題の本質を見極める

コンセプチュアルリーダー塾 : https://mat.lekumo.biz/ppf/juku/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

Juku1
◆コンセプチュアルリーダーの3つの行動

PMstyleではコンセプチュアルリーダーを

(1)業務の中で課題の本質を見極めて、
(2)無駄を省き効率的に仕事を進める
(3)本質を実現する新しい方法を考案し生産性を高めていく

という行動がとれるリーダーであると定義しています。コンセプチュアルリーダー塾で身につけて頂きたいことはこの3つです。今回は、(1)についてイメージを掴んで頂ければと思います。

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2020年5月26日 (火)

【コンセプチュアル講座コラム】コンセプチュアルスキルを鍛えて、レジリエンスを高める

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◆レジリエンスとは
 
東日本大震災の後、レジリエンスという心理学の言葉が、経営学や社会システム論などで広く使われるようになり、一種のレジリエンスブームになりました。レジリエンス(resilience)とは、跳ね返り、弾力、回復力、再起力、復元力といった意味の概念です。
 
経営学ではレジリエンスは
 
「困難な状況にもかかわらず、うまく適応できる力」
 
として使われるようになり、リスク対応能力、危機管理能力などの上位概念として広く使われるだろうと期待されていました。詳しく知りたい人は、好川が連載していた「イノベーション戦略ノート」に書いた記事がありますので、お読みください。
 
第21回 イノベーターのレジリエンス(2013.12.11)
https://pmstyle.biz/column/innvnote/innvnotet21.htm
 
当時は、レジリアンスという概念はいろいろなメディアで取り上げられ、レジリエンスという言葉をタイトルに含む書籍も何冊も出版されましたが、その後、震災復興とともに消えていったようなイメージがあります。書籍の出版も、海外ものの翻訳ばかりになってしましました。
 
しかし、レジリエンスの必要性が薄れてきているかというとそんなことはありません。年々、レジリエンスの必要性は高まっており、極めつけだと思われるのが今回のコロナだと思われます。
  
 

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2020年5月12日 (火)

【コンセプチュアル講座探訪】VUCA時代の思考法~「コンセプチュアル思考のポイントと活用」講座(ZOOM版)

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◆VUCAというパラダイム
 
VUCAに関する記事をいくつか書いてきましたが、なぜ、そんなにVUCAに拘るのかという意見を聞くことがよくあります。いつの時代にも不確実性や不安定さはあり、それに対してはリスクマネジメントで対応できているじゃないかという意見が多いようです。
 
いろいろな人と議論をしているうちに、キーワードとして意識するようになったのが、パラダイムです。パラダイムという言葉は
 
「(科学上の問題などについて)ある時代のものの見方・考え方を支配する認識の枠組み」
 
という意味です。枠組みが変わることをパラダイムシフトといいます。パラダイムシフトというと「天動説から地動説へ」とか、「ニュートン力学からアインシュタイン相対論へ」といったシフトを思い浮べる方が多いと思いますが、歴史上、パラダイムシフトは多数あります。
 
VUCA時代が一つのパラダイムで、VUCA化というのはパラダイムシフトと考えると非常にすっきりします。何に関するパラダイムかというと、社会や経済など非常に広範なパラダイムだと考えることができます。これまでのパラダイムは、世界は
 
・予測できる
・最適化できる
 
といったパラダイムでした。これに対して、VUCA時代というのは
 
・予測てきない
・最適は存在しない
 
という性質のパラダイムです。
 

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。