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2020年9月29日 (火)

【コンセプチュアル講座コラム】共創で共感を生み出す

バックナンバーはこちら https://mat.lekumo.biz/ppf/conceputual_col/
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Kyokan

◆VUCA時代の顧客満足は共感が重要になる

VUCAの時代には、製品やサービスを通じて新たな顧客価値を創出ししていくことが必須になります。顧客やユーザも自分たちが必要なものがはっきりと分からなかったり、欲しいものが変動したりするためです。

このような時代に対応するために、コンセプチュアルスキルを高め、概念的なレベルで要求やニーズを把握し、それを具体化することで製品にし、顧客にぶつけてみて、受け入れられない場合には、速やかに別の具体化した製品を提供していくという対応が現実的であることは常に述べている通りです。ところが、顧客が価値と感じるかどうかすら分からない状況で概念から繰り返し製品を提案していると数の勝負になってくる可能性がありますし、最悪の場合、そのようなスタンスを取ることに対して、顧客が疑念を持つこともあり得ます。

一方で、顧客が何に価値を感じるかはその顧客の分析をすれば分かるというわけでもありません。ゆえにVUCAになると考えてもよいかもしれなせん。


◆主観と客観の行き来で、共感ポイントを探し出す

顧客に固定的な価値観がない中で、顧客が満足する価値を提供するには、顧客に価値があると感じてもらう働きかけが必要です。このような働きかけには、コンセプチュアルスキルの主観と客観軸を有効に活用していく必要があります。

つまり、主観と客観の行き来をしながら、共感ポイントを探していき、共感を生み出していきます。このような展開をするためには、顧客との共創がポイントになります。

VUCAへの対応の難しさの一つは、顧客は自分たちの必要なものがはっきりと分からないにも関らず、新しいものを受け入れることに抵抗感があることにあります。これは論理的にかんがえれば矛盾なのですが、ある意味で人間の本質なのである程度仕方ないと考えて受け入れざるを得ません。


◆顧客の文化や行動を変える

そこで、必要なことは顧客の文化や行動を変えることです。

つまり、VUCAの時代であることを認識し、行動を変革していくことが不可欠だと認識させる必要があります。では、どのような行動が必要なのでしょうか。必要な要素はいくつかありますが、特に重要なのは以下の2つだと考えられます。

(1)共創を行い、共感を得る
(2)リスクを取る

共創をすることは要求が曖昧なときに、どんどん提案していくだけではなく、顧客を巻き込んで共創に持ち込んでいくことです。VUCA時代の難しさである必要なものがはっきり分からないけど、新しいものを受け入れたくないという問題の解決策は正解を見つけ出すことではありません。なぜなら正解はないからです。

解決するには、一緒に作り上げ、共感を生み出すことがすべてだといってもよいでしょう。共感を生み出す方法はいろいろ考えられますが、VUCAで変動が激しいことを考えると、共創することがもっとも効果的で効率的だと考えられます。

これが(1)ですが、ただし、このような共創を成功させるには一つ条件があります。それが(2)のリスクを取ることです。これは、顧客側もリスクを取ることもそうですが、それ以前に提供者側がリスクを取る必要があります。このリスクの話は提供者と顧客でよく擦り付け合いになりますが、提供者側がリスクを取って初めて顧客がリスクを取ると考えた方がよいでしょう。

現実問題として、顧客と共創をするということは、提供者にとっては新しい価値を提供する必要が出てくるということで、大きなリスクを取ることになります。ゆえに、共創という形態をとっても、本質的に新しい価値を生み出すことができずに、取り組みとしてはさほど効果がなかったという結果に終わることがよくあります。共創で新しい価値を生み出すには、まず提供者が覚悟を決めることが不可欠で、これによって、本当の顧客の価値になるものを創り上げていくことができます。


◆既存の生活や仕組みと統合できる

もう一つ、大きなポイントがあります。それは、

(3)共創で生まれた新しいものを既存のものとうまく統合できる

ことです。例えば、消費財であれば既にある生活スタイルの中にうまく導入できることですし、生産財であれば、既存のオペレーションの中にスムーズに導入できることです。

もちろん、いずれの場合も、それが新しいものであることが前提ですので、そこにはリスクを取り、受け入れることを共感することが不可欠であることはいうまでもありません。


◆そもそも、共感とは何か

ここで、注意しなくてはならいのは、共感には種類あることです。例えば、金井良太さんの「脳に刻まれたモラルの起源」(岩波書店、2013)によると「感情的側面」と「認知的側面」の2種類があると指摘しています。

感情的側面」とは、他者の感じていることを自分の感覚として感じることです。例えば、新しいサービスの話を聞いて、自分が便利になると感じたり、新しい商品の話を聞いて誰かを幸せにできたりするといったことです。

これに対して、「認知的側面」とは、相手の立場から見える状況を推測して分析することです。相手の視点や立場を理解することで、その人に「感情移入」するわけではありません。共創の際の考え方もいろいろとあると思いますが、どちらかというと認知的な側面を重視しながら進めていった方がよい結果を生むのではないかと思います。

このほかにも共感の分類はいくつかありますが、いずれにしても、目指す共感の概念を明確にしておくことが重要です。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。