マネジメント談義 Feed

2019年10月11日 (金)

【コンセプチュアル講座探訪】管理からマネジメントへ~「マネジメントをコンセプチュアルにする」

バックナンバーはこちら https://mat.lekumo.biz/ppf/conceptual_course/
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◆業務管理とマネジメントの違い
 
一般的に日本のマネジャーはマネジメントができないと言われます。なぜでしょうか?
 
企業には組織があります。例えば、事業部の中にいくつかの部があり、それぞれの部にはいくつかの課があります。そして課の中にはいくつかの係があったり、チームがあったり、プロジェクトがあったりします。
 
一般的には、マネジャーというのは課長以上の人です。つまり、係やチーム、プロジェクトは業務を遂行する組織であり、その長やリーダーは業務リーダーになります。つまり、業務の遂行に対して責任を持つ人です。
 
これに対して、マネジャーは業務の結果に対して責任を持つ立場にあります。
 
ちょっと脱線しますが、プロジェクト組織の場合には、課の中の複数の係の業務を統合する以外にも、部の中や、事業部の中でも組織されることがありますが、その場合のマネジャーは組織的にはプロジェクトマネジャーの上の立場の人になります。プロジェクトマネジメントの用語でいえば、プロジェクトスポンサーと呼ばれます。
 
いずれにしても、組織の成果を管理しなくてはならないわけですが、ここが一つ、重大な問題が潜んでいます。それは、業務がきちんと行われることと、期待した成果が生まれることは別だということです。
 
これはプロジェクトを考えるとよく分かります。スケジュールとコストを守り、要求仕様どおりの製品を作ることはプロジェクトマネジャーの責任ですが、その製品によって計画していただけの利益が上がるかどうかはその上位のプロジェクトスポンサーの責任です。つまり、業務がきちんと行われることによって、計画していた成果を実現するのがマネジメントという活動です。これが業務とマネジメントの関係です。業務を管理することは業務リーダーの仕事で、マネジャーの仕事ではありません。

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2010年4月25日 (日)

【補助線】シンクロニシティ

 ◆カーズナーの「次世代プロジェクトマネジャー育成」セミナー

4月23日の金曜日にMIRの浦正樹ダイレクターとプロジェクト経営に関する情報交換ミーティングを行った。その中で、前日に行われたハロルド・カーズナー博士のセミナーの内容が話題になった。

プロジェクトマネジメントの将来
~次世代プロジェクトマネジャーを育成する~

主催は、ハロルド・カーズナー博士がSenior Executive Directorを務めるInternational Institute for Learning, Inc.(IIL)の日本のブランチ。

僕がプロジェクトマネジメントに関してもっとも大きな影響を受けた人を一人上げるとすればハロルド・カーズナー博士であり、22日のセミナーにも参加したかったくらいなので、浦さんからいろいろとセミナーの内容を聞いた。

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2010年4月13日 (火)

【補助線】グローバルスタンダードの幻想

◆取り残されるという「勝手な思い込み」

我々のもう一つの失敗はグローバルスタンダードに従わないと世界から取り残されるのではないかという、勝手な思い込みしてしまったことである。これは大変な勘違いであった。文化ほど独自なものはない。文化は弱さの原因でもあるが、他の人のまねできない強さ、つまり、独自能力の原因でもある。

このフレーズは、加護野忠男先生の「経営の精神」に出てくるフレーズである。この議論で最も念頭に置かれているのは、SOX法による内部統制である。SOXに限らず、一般的な議論だと思うが、この議論は難しい議論である。何が難しいかというと、競争のルールをどう考えるかだ。

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2009年9月18日 (金)

【補助線】マニュフェスト考

◆「計画」に対するマインドセット

いよいよ、鳩山政権が発足した。政権交代もさることながら、なんと言っても「理系」それも、経営工学でStanfordのPh.Dを持つ鳩山由起夫氏が日本のリーダーになることが注目だ。良くも悪くも、社会の価値観や風土が変わるのではないかと期待が高まる。

ビジネス上で考えてみたときに、理系と文系の違いで目立つのは、(構想も含む広い意味での)計画に対する感覚だと思う。いいか悪いかは別にして、日本人のビジネスマンは「計画は計画、実施は実施」と考える傾向が強い。良くも悪くも人に依存した仕事の進め方をする。Aさん、Bさんの計画は単に計画に過ぎないと考える。リスクマネジメントまでを計画ベースで行うプロジェクトマネジメントが普及してきても、この計画に対するマインドセットはあまり変化していないように思える。ここが変われば相当な社会的インパクトがある。

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2009年6月 8日 (月)

【補助線】サーバントリーダーシップと「家族型経営」

◆注目されるサーバントリーダーシップ

ロバート・グリーンリーフの提唱する「サーバントリーダーシップ」というリーダーシップがある。昨年末に日本語訳がでた影響もあると思うが、とにかく、注目されるようになってきた。

とくに、トーマス・フリードマンの予言する「フラット化する世界」の中で、従来型のリーダーシップに代わって、中心的なリーダーシップ概念になるだろうと言っているのをよく耳にする。もう少し、さかのぼれば、ピーター・ドラッカーのいうナレッジワーカーには、サーバントリーダーシップが必要になるのだろう。

リーダーシップがそうであるように、サーバントリーダーシップも具体的にこういうものだという説明がしにくい概念である。ロバート・グリーンリーフのサーバントリーダーシップを日本に紹介された神戸大学の金井壽宏教授はご自身に子供ができた頃に、「親の子供に対する行動」をサーバントリーダーシップの説明に使われていたが、いまだに、この説明がもっともしっくりとくる。

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2009年1月28日 (水)

プロマネ ミメロギアで遊ぶ

編集工学を提唱する松岡正剛氏が作った編集ゲームに「ミメロギア」というのがある。ミメロギアはミメロギアミメーシス(模倣)とアナロギア(類推)という二つのギリシア語をくっつけた松岡氏の造語。

まず、ペアの言葉でお題がでる。たとえば、「珈琲・紅茶」、「トヨタ・ニッサン」。

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2009年1月13日 (火)

【補助線】MBAとえびすさん

Images_3 三連休初日の1月10日は、神戸大学のMBAコースのプロジェクト研究の発表会というのにMBAフェロー(MBAコースのOB)ということで駆り出された。

MBAフェローとして参加していた人は15名。全部で12グループの発表を聞き、点数を付けるという志向のイベントだが、MBAコースに行っている人の労力に拍手という感じだった。僕たちがMBAコースに行っていた頃に比べると、だんだん、大変になってきているようだ。コースとしては充実しているということだ!

いくつか、気になった発表もあったので、また、別の機会に触れるかもしれない。

さて、18時すぎまで、このイベントがあって、そのあと、京都に戻り、その足で京都ゑびす神社の「十日ゑびす大祭」に。毎年行っているが、今年は不景気のせいか、境内だけではなく、参道まで参拝客の列ができていて驚いた。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。