ブックレビュー・イニシアチブ Feed

2015年1月 6日 (火)

【ブックレビュー】がんばると迷惑な人

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太田 肇「がんばると迷惑な人」、新潮社(2014)

承認欲求で知られる太田肇先生の新しい指摘と提案。

仕事の質が変わって昔ながらの頑張りが通用しなくなったにも関わらず、頑張りから抜け出せない人に向けて、仕事の質を上げることが重要であることを説いた一冊。

今年は女性活用とか、ホワイトカラーエグゼンプションとかで、働き方が大きく変わりそうだ。変わる方向性として、この話はぜひ押さえておきたい。

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2014年11月 5日 (水)

【ブックレビュー】世界標準のNEMAWASHI(ネマワシ)の技術

4484142309新 将命「伝説の外資トップが公開する 世界標準のNEMAWASHI(ネマワシ)の技術」、CCCメディアハウス(2014)

単行本><Kindle

日本人は根回しがうまいと多くの人が思っている。実際に根回しなしには動かないので、根回しの巧拙が仕事の成果を決めるといっても過言ではない組織は多くある。根回しができる人は仕事もできるというのも現実である。

一方で、日本人はロビー活動が下手だ。東京オリンピック招致でこそ溜飲を下げたが、スポーツにしてもルール変更に常に泣かされているし、政治や経済活動でも、いいようにルールを決められ、ロビー活動は下手だという印象がついて回る。

このギャップは何だろうとずっと思っていたが、伝説の外資系経営者といわれる新さんのこの本を読んで、よく理由が分かった。やはり、ここでも日本でだけ通用するガラパゴス・ルールがあるらしい。この本は、グローバルに通用する根回し(日本的な根回しと区別する意味でNEMAWASHIと表記されている)とはどんなものかを解説している。

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2014年10月20日 (月)

【ブックレビュー】イノベーションは日々の仕事のなかに――価値ある変化のしかけ方

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パディ・ミラー、トーマス・ウェデル=ウェデルスボルグ(平林 祥訳)「イノベーションは日々の仕事のなかに――価値ある変化のしかけ方」、英治出版(2014)

イノベーションはその重要性は古くから言われているが、なかなか、うまく実現できない課題である。そのため、偶発性(セレンディピティ)の産物だとか、組織ではなく卓越した個人が実現するものだといった説さえある。

この本は、イノベーションは特別なことではなく、奇をてらってもうまくいかない。日常業務の一環として行うことが成功させる方法であるということを前提に、世界最高峰ビジネススクールIESEのイノベーション実践法を解説した一冊である。

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2014年10月 2日 (木)

【ブックレビュー】センスは知識からはじまる

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水野 学「センスは知識からはじまる」、朝日新聞出版(2014)

単行本><Kindle版

クリエイティブディレクターとして幅広い活躍をする水野学さんのセンス論。センスというのは特別な能力ではなく、さまざまな知識を最適化することにより、ものごとを最適化する能力だという。そして、それは開発可能なスキルだとした上で、センスを磨く方法を提唱している。

センスよくなりたいと思う人は必読の一冊。

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2014年9月30日 (火)

【ブックレビュー】コミットする力 いつもの仕事をスペシャルな冒険に変える

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ジョン・ヤンツ(高橋 璃子訳)「コミットする力 いつもの仕事をスペシャルな冒険に変える」、阪急コミュニケーションズ(2014)

単行本><Kindle版

カリスマコンサルティング、ジョン・ヤンツがコミットメントについて書いた一冊。コミットメントとは

「責任を持って関わること」

であるが、この本ではジョン・ヤンツらしく、魂だといい

仕事に愛する意気込み、力強い文化、相乗効果を生み出すコミュニティなどさまざまな要素が絡みあう全体的なムードのようなもの

だとしている。

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2014年9月18日 (木)

【ブックレビュー】エッセンシャル版 ミンツバーグ マネジャー論

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ヘンリー・ミンツバーグ(池村 千秋訳)「エッセンシャル版 ミンツバーグ マネジャー論」、日経BP社(2014)

Kindle版><紙版

ミンツバーグを最初に知ったのは、神戸大学のMBAコースで金井壽宏先生のゼミで、「マネジャーの仕事」という本を、すばらしいエスノグラフィーだと紹介されたことだった(確か、この本を読んで、エスノグラフィーを書くという課題が出された)。

ヘンリー ミンツバーグ(奥村 哲史訳、須貝 栄訳)「マネジャーの仕事」、白桃書房(1993)


このエスノグラフィーは非常にインパクトがあった。マネジャーというと、じっくりと落ち着いて熟考し、重要な決断をする仕事のようなイメージがあったが、ミンツバーグのエスノグラフィーによると全く違い、30分もまとまった時間がない仕事だと分かった。

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2014年9月11日 (木)

【ブックレビュー】はじめる戦略~ビジネスで「新しいこと」をするために知っておくべきことのすべて~

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ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル(花塚 恵訳)「世界トップ3の経営思想家による はじめる戦略~ビジネスで「新しいこと」をするために知っておくべきことのすべて~」、大和書房(2014)

リバース・イノベーション」で知られるのビジャイ・ゴビンダラジャン、 クリス・トリンブルのコンビが書いた「Beyond the Idea: How to Execute Innovation in Any Organization」という本がある。

日本では

イノベーションを実行する

として翻訳されている。

この本、イノベーションの実行に焦点を当てた類書のない素晴らしい本で、事例もふんだんに取り上げられているのだが、紹介した人からは事例を読んでもぴんと来ないという意見が多い。イノベーションの本は、一般のビジネス書のように事例を自分たちの仕事でイメージするのは難しいからだろう。

日本でイノベーションがなかなか進展しない理由の一つは、新しいことをしなくてはならないイノベーションではほかの分野のように模倣が難しく、事例が役に立たないからだ。これがイノベーションという仕事の特性だと思われるが、このハードルの解消策を本として考えると、同じ目線でその本の中に入っていろいろと考えるような作り方が必要なのだと思う。疑似エスノグラフィーと言ってもいいだろう。

そのような作り方の一つの方法はストーリーとケーススタディであるが、「イノベーションを実行する」のストーリー版の本が出た。

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2014年7月 4日 (金)

【ブックレビュー】「好き嫌い」と経営

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楠木 建「「好き嫌い」と経営」、東洋経済新報社(2014)

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件」で知られる楠木建先生の対談集。

企業の戦略ストーリーの創造は経営者の直観やセンスに大きく依存している。

その根底には、その人を内部から突き動かす「好き嫌い」があるというのが楠木先生の仮説で、その後、その仮説を実証すべく、東洋経済の季刊誌Think!で「楠木教授の好き嫌い対談」という企画で特徴のある経営者と好き嫌いを巡る対談をするという連載があった。

それをまとめたのが本書である。

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2014年6月24日 (火)

【ブックレビュー】33の法則 イノベーション成功と失敗の理由

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オリヴァー・ガスマン、サシャ・フリージケ(山内 めぐみ、黒川 亜矢子訳)「33の法則 イノベーション成功と失敗の理由」、さくら舎(2014)

教授、学者として活躍する二人の著者が、BMW、メルセデス・ベンツなどのドイツ企業の実例、日本やアメリカ企業のイノベーション、その他グローバルに進化し続ける企業の成功の秘訣を分析した一冊。


大きなテーマは、なぜ、大抵の企業は、似たり寄ったりの製品を提供してしまうのか? イノベーションの失敗と成功を分けるものは何か?

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2014年6月18日 (水)

【ブックレビュー】「ひらめき」を生む技術

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伊藤 穰一(狩野 綾子訳)「「ひらめき」を生む技術 (角川EPUB選書)」、KADOKAWA/角川学芸出版(2013)

MITメディアラボで伊藤穣一所長が自分の人脈をつなぎ各界の第一線で活躍するスペシャリスト達を呼んで、学生たちの前でディスカッションする「カンバセーション・シリーズ」の中から、伊藤さん自身が対談した4名の対談録に、伊藤さんの解説をつけた本。

刺激を受けるという点においては、まれにみる一冊だ。


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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。