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2020年11月 2日 (月)

【コンセプチュアル講座コラム】「ハイ・コンセプト」の時代に不可欠なコンセプチュアルスキル

バックナンバーはこちら https://mat.lekumo.biz/ppf/conceputual_col/

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◆ナレッジワーカーの時代は終わった!?

ダニエル・ピンクの

「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代」(三笠書房、2006)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07RZPXZDH/opc-22/ref=nosim

を読み直す機会がありました。この原著は、

「A Whole New Mind: Why Right-Brainers Will Rule the Future」

というタイトルで2005年にRiverhead Books社から出版された本で、日本語版は大前研一さんが翻訳をし、解説を書かれています。

この本で、ピンクは19世紀から20世紀までを

農業の時代 → 工場の時代 → 情報の時代 コンセプトの時代

と分け、それぞれ、以下のような人が中心になるとしています。

農業の時代:農夫
工場の時代:工場労働者
情報の時代:ナレッジワーカー
コンセプトの時代:創造する人、他人と共感できる人

日本でも90年代からナレッジワーカーの時代だと言われるようになってきましたが、この5年くらい、ナレッジワーカーの時代は終わったなと感じることがよくあります。ピンク流にいえばいよいよコンセプトの時代に入ってきたと思われます。


◆思考法の変化~左脳のロジカルシンキングから右脳思考へ

これを象徴するのが、思考法だと思われます。

90年代には思考法としてロジカルシンキングが中心に据えられました。新入社員からロジカルシンキングのトレーニングが行われるようになり、2000年代に入ると、大学でも教えるようになってきました。

そのような取り組みの成果でもありますが、今ではロジカルシンキングはできて当たり前で、特別な存在とは見られなくなってきました。問題は、そのあとに必要な思考法はどのようなものかということです。直観とか、大局思考とか、いろいろと候補は出てきていましすが、ロジカルシンキングに較べると弱く、まだ模索中といった感じです。

大きくいえば、左脳思考から右脳思考へ中心が移ってきたわけですが、左脳思考のロジカルシンキングのように決定的な思考方法はありません。たぶん、これは右脳思考の一つの特徴だと思われます。


◆ダニエル・ピンクの答え

そのような中で、ピンクは「コンセプトの時代を動かしていくのはどういう能力なのか」という問いに対して、右脳による活動が不可欠だとした上で、「センス」という言葉を使って単なる思考法を超える統合的な提示をしています。デザイン、物語、シンフォニー、共感、遊び、生きがいの6つのセンスだと指摘しているのです。もっと正確にいえば、

(1)機能だけでなく、「デザイン」
(2)議論よりも「物語」
(3)個別よりも「全体のシンフォニー(調和)」
(4)論理ではなく「共感」
(5)まじめだけでなく「遊び心」
(6)モノよりも「生きがい」

の6つです。

そして、これらのセンスにはを実現していくのはロジカルな思考ではなく、これまでとは全く異なる新しい思考やアプローチが必要だとしています。そしてそれを「ハイ・コンセプト」、「ハイ・タッチ」の2つの能力であると整理しています。


◆「ハイ・コンセプト」と「ハイ・タッチ」

「ハイ・コンセプト」とは

・パターンやチャンスを見出す能力
・芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力
・人を納得させる話のできる能力
・一見バラバラな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力

などです。これに対して、「ハイ・タッチ」とは

・他人と共感する能力
・人間関係の規模を感じ取る能力
・自らに喜びを見出し、また、他の人が喜びを見つける手助けをする能力
・日常的な出来事についてその目的や意義を追求する能力

などです。それぞれの能力については、「ハイコンセプト」に事例を交えて詳しく説明されていますので、ぜひ読んでみてください。


◆全体のシンフォニーとは

さて、今回、議論したいのは、3番目のセンスである「個別よりも「全体のシンフォニー(調和)」」というセンスです。ピンクが言っているセンスとは、

「バラバラの断片をつなぎ合わせる能力」

です。

この能力は「一見、無関係に思える分野に関連性を見出す力」とか「特定の答えを出す力」だと考えるがちです。よくイノベーションがバラバラの断片をつなぎ合わせることだと言われますが、イノベーションの能力をこのように考えてしまうとイノベーションは起こせません。

そうではなく、この能力は

・広範なパターンを見つける能力
・誰も考えなかったような要素の組み合わせから新しいものを創造する能力

です。

脳神経科学の研究により、右脳は同時的、文脈的、調和的に機能することが分かっていますので、このような能力は右脳のに備わっている資質です。つまり、右脳は調和的に機能するのです。

この点について、ピンクは面白い例えをしています。それは

オーケストラの演奏を聴く際には個別のパートの演奏を聴くのではなく、オーケストラ全体の演奏に耳を傾ける

というものです。このように考えるとオーケストラの演奏の素晴らしさは、指揮者の調和のとれた思考によって実現されるわけです。さらに、識者の仕事は「多種多様な演奏者の楽器によって奏でられる音を集め、統合された心地よい音楽を生み出すことだ」とも言っています。

同じように起業家や発明家といったイノベーターもずっとこのような能力に富む人達が成功を治めてきました。ある意味で特別なイノベーターになるためには必須の能力だったわけですが、コンセプトの時代にはさらに多くの人にとって必要不可欠な資質となっているのです。


◆「ハイ・コンセプト」を実現するコンセプチュアルスキル

ピンクはコンセプトの時代に成功するには3つのタイプがあるとしています。それは

・一見バラバラな多様な秩序の間にある関連性を理解する
・明らかに無関係な要素を結び付けて、新しいものを生み出す
・ある物事を他の観点からとらえることができる

の3つです。

これらは調和力の解釈といってもいいですが、コンセプチュアルスキルの要素であることは疑いようのないことです。つまり、ハイ・コンセプトな時代に活躍するにはコンセプチュアルスキルが必要不可欠だといえます。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。