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2020年11月12日 (木)

【コンセプチュアル講座コラム】組織文化を変革にはコンセプチュアルスキルが不可欠だ

バックナンバーはこちら https://mat.lekumo.biz/ppf/conceputual_col/

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B01msyh6k8◆シャインの組織文化のモデルとは

組織文化が、単なる風土としてではなく、組織変革の対象としてであったり、あるいは戦略実行の環境、マネジメントの環境などのツールとして注目されるようになってきました。その中でエドガー・シャイン博士が80年代に提唱した組織文化が注目されています。

これは、

Edgar H. Schein「Organizational Culture and Leadership(The Jossey-Bass Business & Management Series)」、Wiley(1982)

という本で、それ以来、版を重ね、現在の最新版は2016年に出版された第5版です。翻訳も、第1版がダイヤモンド社から、第4版が白桃書房から出版されています。

この本は、シャインの独自の考えで組織文化をモデル化し、その変革プロセスやリーダーの役割を明示したもので、多くの事例を交えて、抽象的な議論と、具体的な例示の行き来で書かれている本です。

この本でシャインが示している組織文化モデルは

レベル1:人工的に創造されたもの(artifact)
レベル2:信条と価値観(espoused belief and values)
レベル3:基本的仮定(assumption)

という3つのレベルから成り、相互関係があるとしています。


◆3つのレベルの特性

この3つのレベルの特性を考えてみると、

レベル1:可視的なもの。ツールなど
レベル2:意識下にあるもの。行動、プロセス
レベル3:無意識下にあるもの。人

という捉え方ができます。これはコンセプチュアルなモデルになっています。

レベル1とレベル2の間の関係は、具象と概念です。レベル2の価値観は概念ですが、レベル1はその具体化になっています。つまり、レベル2のような価値観の背景には、レベル1があることになります。例えば、

「すべてのレベルの社員が自分が何をしようとしているのかを考え、常に「適切なことを成し遂げる」ことを推し進めることに責任を負う」

という価値観があったとすれば、

・ロビーやオフィスに置かれた家具は高級ではなく、機能的である
・ランチの間でも仕事に夢中になっている
・地位に伴う特権は全く存在していない
・マネジャーや従業員は砕けた服装をしている

といったレベル1の文化があったりします。そして、この間には、レベル2があって、それによってレベル1が決まっている場合もあれば、レベル1があってその結果、レベルのような価値観ができているものもあります。そのような相互の影響があるわけです。


◆レベル3が必要な理由

例えば、経営者が自分の会社にある価値観を定着させたいとすれば、そのための具体的な方法を考えて、レベル1として実践していけばよいわけです。あるいは、自分たちの企業のビジョンを定着させるために、マネジャーがそこで生まれる価値観を考え、それの具体的な実践をメンバーがさまざまな視点から考え、目に見える形で実践していけばいいわけです。

ここに、目に見えるレベル1の使い方があるといえます。ここでさらに興味深いのは、レベル3があることです。

シャインはレベル3の説明として、価値観に伴う意味を理解し、それがいかに表に現れた行動と関連しているかを示すためには前提条件を理解することが必要だとしています。実は、ここが重要です。前提条件の理解によって、レベル2とレベル1の関係が変わってくるからです。

例えば、上の例では

・個人は責任を担い、正しきことを実行する能力を備えている

という前提条件を基本的仮定としておいていますが、この前提条件がなければ、いくらレベル1の要素を整えても、レベル2のような行動はできないでしょう。

つまり、レベル2で組織として実現したい価値観があっても、できる場合とできない場合があることになります。逆にいえば、本当にそのような価値観を実現したければ、どのような前提が必要かを考え、それを実現する必要があります。


◆組織文化変革には、コンセプチュアルスキルが不可欠だ

組織変革や組織文化の変革を試みている企業はよく見かけるようになってきましたが、自分たちの目指す姿だけではなく、その前提条件を考え、その前提条件の実現のために具体的に何をすべきかを考えている組織はあまり多くありません。

このような発想をするには、コンセプチュアル思考が不可欠です。コンセプチュアル思考でレベル2の価値観を実現する前提条件を概念的に考え、その前提条件を実現できる方向に組織を持っていく人工物を考え、それによって前提条件を組織に刷り込んでいく。これが組織文化の変革へのアプローチということになります。

言い換えると、前提条件を理解することは、価値観の本質を見極めることに他なりません。
このように考えてみると、シャインの組織文化のモデルは非常にコンセプチュアルなものであり、このモデルで組織文化の変革を実践するには、マネジャーやチームがコンセプチュアル思考できることが不可欠だといえます。


◆関連セミナー

組織文化の変革を疑似体験するセミナーをVUCAマネジメント塾で行います。

━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆VUCA時代の事業と組織文化のつくり方~組織文化編◆
 日時:日時:2020年12月08日(火) 14:00-16:00
 場所:ZOOMオンライン
 講師:好川哲人(有限会社エムアンドティ)
    新井宏征(株式会社スタイリッシュ・アイデア 代表取締役)
 詳細・お申込 https://vuca-mgmt-201105.peatix.com/
 主催:プロジェクトマネジメントオフィス、スタイリッシュ・アイデア
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13:50    開場
14:00-14:15 VUCAと向き合う(新井宏征)
14:15-14:45 組織文化でVUCAを乗り越える(好川哲人)
14:45-14:55 質疑
14:55-15:50 ワーク(好川哲人)
15:50-16:00 VUCAサービス紹介(新井宏征)
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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。