2013年6月25日 (火)

【イノベーション戦略ノート:010】ビジネスモデルとイノベーション

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
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◆プロダクトアウトと技術イノベーションFujisan

今回から、イノベーションの対象について考えてみたい。

イノベーションというと多くの人が技術(テクノロジー)の革新を思い浮かべる。技術のイノベーションは、研究開発活動によって新しい技術を開発する。そして、その技術を使って実現できることを見つけ出し、それを商品化するという流れで行われる。

この背景には、自社でできる商品を開発して、市場に出していくという企業のあり方がある。いわゆるプロダクトアウトである。プロダクトアウトの勝敗はどれだけ機能、性能的に優れた商品を作れるかにかかっているが、それは企業の技術力に依存する。したがって、技術の研究開発によって企業の技術力を向上させていくことが市場での勝利に直結している。いわゆる技術開発競争である。


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【イノベーション・リーダーシップ】第9話 イノベーティブリーダーの思考法(2)~ルールを変える

Rule2 ◆スポーツではルール変更で痛い目にあってきた日本

日本のスポーツは強くなって、国際ルールが変更になり、まったく勝てなくなったという経験を何度と持つ。よくたとえに出されるのがスキーのジャンプ競技である。ジャンプ競技ではスキー板の長さを決める方法を変えられて、身長の低い日本人は全く勝てなくなった。複合では、ジャンプと距離の点数を変えられ、勝てなくなった。

こんな例がいくつもあるのだが、日本人はルールを決めることに無頓着である。ルールがどう変わっても、その中で最高の成績を出せるようになることに美意識を持つ。まあ、この手の話は政治的な要因が絡むのでそれも一つの考え方だろう。たとえば、こんな話はどうだろうか?


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2013年6月16日 (日)

【イノベーション・リーダーシップ】第8話 イノベーティブリーダーの思考法(1)~前提を疑う

Innvpen_2 ◆イノベーティブリーダーの思考法

久しぶりのイノベーション・リーダーシップ。今回から少し、イノベーティブ・リーダーの思考法について考えてみたい。思考法という場合、2つの意味合いがある。

一つは文字通り「思考法」で、頭の使い方だ。イノベーティブ・リーダーの代表的な思考法というと、ラテラル・シンキング(水平思考)と呼ばれるものだが、それ以外にもクリティカルシンキングやコンセプチュアルシンキングなども有効である。実は、これらの思考法の体系というのはMECEにはなっておらず、たとえば、前提を疑うという思考様式は3つのいずれでも言われている。そこで、ここでは、これらの思考法の枠を設けずに、思考の原則について述べていく。

もう一つの思考法の意味合いは、リーダーシップの意味合いで、イノベーションを実行する、あるいはイノベーションを推進するリーダーとしてどのように考えるかである。こちらの思考法は、マネジメントの議論であるのでイノベーションマネジメントの連載で取り上げていくこととし、ここでは取り上げない。

◆イノベーティブリーダーの思考様式

さて、イノベーティブリーダーの思考様式としてよく見かけるものを思いつくままに挙げてみると

・前提を疑う
・ルールを変える
・視点を変える
・質問をする
・組み合わせを変える
・失敗を歓迎する
・試して評価する
・アイデアを改良する
・アイデアを増やす
・抽象と具象を考える

といったものがある。

これらについて、説明をしていく予定である(増えたり、減ったするかもしれない)。

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2013年6月13日 (木)

≪サプリ366≫「抽象×イメージ×主観」で考える

Supple_2 独自で強い発想は「抽象×イメージ×主観」から生まれる(村山昇、概念工作家)

【成分】
◆「抽象×イメージ×主観」から素晴らしい成果が生まれる
◆「具象×論理×客観」が必要ないわけではない
◆見える化への拘り
◆主観を嫌う
◆「具象×論理×客観」の呪縛を解く

【効用】
・PM体質改善
  創造力アップ、問題解決能力向上
・PM力向上
  プロ意識の向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、弱気克服

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≪サプリ365≫人を喜ばせる想像力を巡らせる

Supple 計画を立てる前に儀式をする(吉田松陰、思想家)

【成分】
◆自分は今何のために働いているのか
◆プロジェクトをやろうという覚悟
◆コンピュータの前に盛り塩をし、お祓いをする
◆儀式は不要なのか
◆儀式とチーム

【効用】

・PM体質改善
  リーダーシップ発揮、自信をつける、顧客感度アップ、問題解決能力向上、
・PM力向上
  ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

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2013年6月 9日 (日)

【イノベーション戦略ノート:009】イノベーションの限界と新しい動き

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◆イノベーションの限界

Ringo

一つは、神戸大学経営学部の三品和弘教授のイノベーションから「リ・インベンション」という文脈。もう一つはいま、世界で注目されるビジネス・シンカーの一人、ダヴ・シードマンがの「WHATからHOW」という文脈。最近、イノベーションの限界説を2つ見かけた。

いずれも限界として指摘しているのは、イノベーションの成果が非常に短期間で優位性をなくしているということ。もちろん、一つのイノベーションの成功に胡坐をかいているわけではない。競合が対抗商品を出すのを横目でみながら、自らもさらにイノベーションを続けていった結果である。

たとえば、ドコモの携帯を考えてみてほしい。ドコモの携帯のイノベーションはすごかった。通話の品質はどんどんよくなり、i-modeという画期的な通信サービスプラットホームも提供した。どころが、アップルからスマートフォンが発売されてからは、あっという間に劣勢になり、ユーザの流出が止まらない。

このことがイノベーションの効率の悪さを物語っている。

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2013年6月 7日 (金)

【イノベーション戦略ノート:008】イノベーションにチームが必要な2つの理由

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◆イノベーションに必要なもの

Term5

イノベーションにはいろいろなものが必要だ。ひらめきも必要なら、前回述べた管理も必要だ。セレンディピティのような偶然性も必要かもしれないし、それこそ、運も必要だろう。

話は脱線するが、イノベーションのためには失敗も必要だ。失敗が必要だと言うことを気楽に考えすぎている人がいる。特に、いま、失敗することが許されない仕事をしている人はことさら、失敗の必要性を説くが、失敗することはそんなに生易しいことではない。失敗すれば落ち込むし、モチベーションを維持することはたいへんだ。第4回でレジリエンスの話をしたが、レジリエンスは不可欠だ。

失敗しようと思えば、リスクをとる必要がある。これもイノベーションには不可欠な要素である。

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2013年6月 5日 (水)

【イノベーション戦略ノート:007】イノベーションは管理できる

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◆イノベーションに取り組めない理由Kanri_2

このメルマガでは、前提としてイノベーションは組織が取り組むものだと考えている。しかし、現実にはそうではない。人材投資のところで触れたように、イノベーションのための人材を育てるという発想もなければ、イノベーションのマネジメントのための組織プロセスを構築するという発想もない。

イノベーションは「志ある社員」が会社のために頑張ってくれた結果であると考えている経営陣が圧倒的に多い。従って、今年度はイノベーションに取り組もうと言えば経営陣の役割は終わりで、後はマネジャーに任せる。マネジャーもその辺の体温はよく分かっているので、スルーパスして、結果として忙しいので新しいことを考えている余裕はなかったということになる。

一方で、成長戦略をとっている企業では、イノベーションは不可欠である。何度も繰り返しているように、売り上げを上げるには3つの方法しかない。

(1)既存の商品を改良したり、営業を強化する
(2)新しい商品を作る
(3)M&A

現金なもので少し景気が上向いてくると、(1)で成長を目論む企業が増えるが、市場そのものの成長が止まっている成熟した市場では(1)は(2)よりはるかに難しい。なので、結局、イノベーションの取り組むしかない。改めて自分たちの活動を振り返ってみてほしいのだが、実は忙しいというのは(1)で忙しい。市場が成熟していると成果が出にくくなるので、余計に忙しくなる。

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2013年6月 4日 (火)

【イノベーション戦略ノート:006】イノベーションを分類する(2)

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Bunrui_3 ◆はじめに

前回イノベーションの区分の軸として、以下の5つを示し、(1)~(3)について説明した。今回は、(4)~(5)について説明する。
(1)イノベーションの目的
(2)イノベーションのリソース範囲
(3)イノベーションの推進力
(4)イノベーションのスパン
(5)イノベーションのタイプ

◆イノベーションのスパン

イノベーションというと、短期集中型の活動のイメージが強いが、実際には長期間かけて行うイノベーションもある。長期のイノベーションでよく引き合いに出される事例にコカコーラのイノベーションがある。

コカコーラは長期間、高い成長率を維持していたが、1990年代の終盤から成長に陰りが見え、収益が落ち込んできた。もっとも深刻な問題は、世界的なコーラの需要の落ち込みだった。飲料業界全体で、水分をとれればいいというものから、商品の新規性に重点が置かれ、また、ニーズが多様化してきた。

このような中でコカコーラは、コーラを中心にした飲料メーカから、総合飲料メーカになることを目指した。そして、1999年から2004年にかけて技術とビジネスモデルの両方でイノベーションの展開を始めると同時に、イノベーションセンターを作り、イノベーション文化の普及と、イノベーションプロセスの開発にも取り組んた。

そして、経営の分散化を行い、「シンク・ローカル、アクト・ローカル」を徹底した。その結果として今のコカコーラがある。日本では、コーラはもちろんだが、水、お茶など、ほとんどのジャンルでベスト3に入る商品を展開している。まさに、総合飲料メーカに生まれ変わったわけだ。

このようにイノベーションには長期にわたって成長することを目的とするイノベーションもある。

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【イノベーション戦略ノート:005】イノベーションを分類する(1)

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Bunrui_2 イノベーションという言葉に関しては、イメージが独り歩きしているような感じになってきた。いろいろなところにイノベーションという言葉がみられるようになってきた。戦略ノートで議論を進めていくにあたって、少し概念の整理をしておきたい。

整理に当たっては

(1)イノベーションの目的
(2)イノベーションのリソース範囲
(3)イノベーションの推進力
(4)イノベーションのスパン
(5)イノベーションのタイプ

の5つの軸について考える。

◆イノベーションのスパン

イノベーションというと、短期集中型の活動のイメージが強いが、実際には長期間かけて行うイノベーションもある。長期のイノベーションでよく引き合いに出される事例にコカコーラのイノベーションがある。

コ カコーラは長期間、高い成長率を維持していたが、1990年代の終盤から成長に陰りが見え、収益が落ち込んできた。もっとも深刻な問題は、世界的なコーラ の需要の落ち込みだった。飲料業界全体で、水分をとれればいいというものから、商品の新規性に重点が置かれ、また、ニーズが多様化してきた。

こ のような中でコカコーラは、コーラを中心にした飲料メーカから、総合飲料メーカになることを目指した。そして、1999年から2004年にかけて技術とビ ジネスモデルの両方でイノベーションの展開を始めると同時に、イノベーションセンターを作り、イノベーション文化の普及と、イノベーションプロセスの開発 にも取り組んた。

そして、経営の分散化を行い、「シンク・ローカル、アクト・ローカル」を徹底した。その結果として今のコカコーラがあ る。日本では、コーラはもちろんだが、水、お茶など、ほとんどのジャンルでベスト3に入る商品を展開している。まさに、総合飲料メーカに生まれ変わったわ けだ。

このようにイノベーションには長期にわたって成長することを目的とするイノベーションもある。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。