【イノベーション戦略ノート:006】イノベーションを分類する(2)
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前回イノベーションの区分の軸として、以下の5つを示し、(1)~(3)について説明した。今回は、(4)~(5)について説明する。
(1)イノベーションの目的
(2)イノベーションのリソース範囲
(3)イノベーションの推進力
(4)イノベーションのスパン
(5)イノベーションのタイプ
◆イノベーションのスパン
イノベーションというと、短期集中型の活動のイメージが強いが、実際には長期間かけて行うイノベーションもある。長期のイノベーションでよく引き合いに出される事例にコカコーラのイノベーションがある。
コカコーラは長期間、高い成長率を維持していたが、1990年代の終盤から成長に陰りが見え、収益が落ち込んできた。もっとも深刻な問題は、世界的なコーラの需要の落ち込みだった。飲料業界全体で、水分をとれればいいというものから、商品の新規性に重点が置かれ、また、ニーズが多様化してきた。
このような中でコカコーラは、コーラを中心にした飲料メーカから、総合飲料メーカになることを目指した。そして、1999年から2004年にかけて技術とビジネスモデルの両方でイノベーションの展開を始めると同時に、イノベーションセンターを作り、イノベーション文化の普及と、イノベーションプロセスの開発にも取り組んた。
そして、経営の分散化を行い、「シンク・ローカル、アクト・ローカル」を徹底した。その結果として今のコカコーラがある。日本では、コーラはもちろんだが、水、お茶など、ほとんどのジャンルでベスト3に入る商品を展開している。まさに、総合飲料メーカに生まれ変わったわけだ。
このようにイノベーションには長期にわたって成長することを目的とするイノベーションもある。
◆イノベーションのタイプ
イノベーションには
・インクリメンタル
・セミラディカル
・ラディカル
の3つがある。持続的なイノベーションを実現するには、この3つのイノベーションを組み合わせて行く必要がある。一般論としては、技術とビジネスモデルでどのイノベーションが適切かが決まるとされる。
インクリメンタルは、ビジネスモデルに小さな改善を加えるタイプのイノベーションである。多くの場合、イノベーションの目標は明確で、目標達成の手段やプロセスの問題を解決する。
ラディカルイノベーションは新しい製品やサービスをまったく新しい方法で提供するイノベーションである。大きな方向性は決まっていても、イノベーションの結果、どのような成果が得られるかもはっきりしないケースが多い。
技術もビジネスモデルを新規な場合、セミラディカルは技術かビジネスモデルのいずれかが新規で、もう一方が既存に近い場合である。
◆戦略実行とイノベーション
イ ノベーションに対する認識としては、インクリメンタルイノベーションが繰り返されているうちに、ラディカルイノベーションを起こす必要があり、大変革が起 こるという認識がある。従って、業界で大変革が起こるまではインクリメンタルイノベーションを繰り返すという考え方が正解である。
しかし、戦略実行という観点からとらえると、少し様相が変わってくる。戦略を実行するイノベーションでは、この組み合わせとタイミングを適切に選ぶ必要がある。
上に述べたコカコーラのイノベーションは、コーラを復活させるためのインクリメンタルイノベーションと、新しい飲料を開発し、販路を作っていくラディカルイノベーションを併せて行っていることが分かる。
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5.イノベーション・リーダーシップ
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