2013年7月22日 (月)

【イノベーション・リーダーシップ】第12話 イノベーティブ・リーダーの思考法(4)~点と点をつなげる

Ten ◆「点と点をつなげる」

イノベーション・リーダーの思考法の中で、やはり、大切だと思うのは組合せである。組合せをいろいろと考えられる。これが大切だ。

スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式のスピーチ「ステイ・ハングリー、ステイ・フーリッシュ」で、真っ先に「点と点をつなげる」という話をしたのは有名だが、組合せの重要性を真っ先に言っているわけだ。実際に、アップルのiPodやiPhoneはいくつもの点と点をつないでできた商品である。

全文を読んでみたい方はこちらにある。

ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳 (日本経済新聞)

また、イノベーションという言葉を作ったシュンペーターもイノベーションは新結合、つまり、新しい組合せを見つけて、新しい価値を創り出すことであるといっている。

続きを読む »

2013年7月16日 (火)

【イノベーション戦略ノート:013】20%ドクトリン

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆3Mの15%ルールSukanku

ライアン・テイトというアワードのライターが「20%ドクトリン」と名付けた方法がある。勘のいい人はお気づきだと思うが、この命名は今ではすっかりと有名になった、勤務時間の20%は自由に使ってもよいというグーグルの20%に由来するものだ。イノベーティブな企業であり続けるための方策である。

ライアン・テイトの書いた本で紹介されているように、今や、大きな組織で20%ルールはそんなに奇異なものではなくなってきているし、スタートアップに20%ルールを使っている企業さえある。

グーグルが20%ルールをシリコンバレーに持ち込んだのだが、その元祖はポストイットで有名な3Mという会社である。3Mのポストイットと並ぶ代表商品の一つにスコッチマスキングテープがある。

この商品は副社長が中止を指示した開発を、一人のエンジニアが命令に抵抗して行ったものだ。このため、この商品は密造テープと呼ばれたそうだ。


続きを読む »

2013年7月12日 (金)

【イノベーション・リーダーシップ】第11話 イノベーティブ・リーダーの思考法(3)~視点を変える

Taka ◆視点は膠着する

人間は集中すればするほど、他のことが目に入らなくなってくる。そのため、常に目に入る範囲でしかものごとを考えることができなくなり、思い込みや固定観念に陥ってしまう。この問題のやっかいなことは、手ごわい問題に行き当たったときに、目に入る範囲には答えがないことがよくあることだ。

たとえば、あなたがアパレルの販売管理システムの開発をしているベンダーのプロマネだとしよう。顧客がどうしてもこの機能を追加してほしいと言ってきた。予算はない。このときに、あなたは一生懸命に

・もっと安く作る方法はないか
・仕様的に削れる部分はないか
・もう少し開発生産性を上げる方法はないか

といったことを考える。どうしてもアイデアがでなければ、顧客にどういう意向かを相談する。

このような症状はまさに、視点の膠着である。開発のことしか考えていない。このような状況に陥らないために、視点を変えることが大切である。

続きを読む »

≪サプリ369≫多様性を確保する

多様性を確保する。そこから発想が生まれる(窪田良、アキュセラCEO)

Supple【成分】
◆いつものメンバーで
◆プロジェクトマネジメント的発想?!
◆多様性は克服するものか、活用するものか
◆ダイバーシティーを排除するのは不作為
◆イマドキのプロジェクト

続きを読む »

2013年7月11日 (木)

≪サプリ368≫創造的な意思決定をしよう

ディシジョンテイキングからディシジョンメイキングへ(山川和子、講演・執筆家)

Supple【成分】
◆ディシジョンメイキングといえばKT法
◆選択肢から選ぶだけでいいのか
◆イノベーションを外注する?!
◆創造的意思決定

続きを読む »

2013年7月 6日 (土)

【メルマガセミナー】PM養成マガジンセミナー、復活します

Cyo 昨年1年は10周年記念のイベントにたくさんの方に参加していただき、ありがとございました。

PM養成マガジンは創刊2年目くらいから数年間セミナーを開催していましたが、PMstyleのセミナーに発展的に消滅しました。

昨年、1年間、改めてやってみてやはり、メルマガセミナーにはメルマガセミナーの良さがあると思い、復活させることにしました。

実は、10周年のクロージングでおこなった50分ほどのスピーチをセミナーにしてほしいという要望があり、4月に試験的に開催しました。なかなか、好評でしたので、このトライアルを発展させ、PM養成マガジンセミナーとして本格的に復活させることにしました。

メルマガセミナーの特徴は

・個人に受講できる価格
・個人で参加できる時間帯(土曜日か、平日夜)
・メルマガの内容とのある程度の関連性がある内容
・参加型

の4つです。

今年準備しているテーマは2テーマです。いずれも創刊以来、こだわり続けているテーマです。


続きを読む »

2013年7月 5日 (金)

【イノベーション戦略ノート:012】イノベーションと組織

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆イノベーションと組織の論点Innvatioon_2
最近、イノベーションへの組織的取り組みを話題にした記事をよく見かけるようになってきた。この議論はある意味でイノベーション戦略の本質である。イノベーションと組織に関する議論には

・イノベーションは個人によるものか、組織によるものか
・イノベーションを生み出す組織とはどのようなものか
・組織によるイノベーションはどのように行われるのか
・戦略とイノベーションの関係はどのようなものか
・イノベーションと組織プロセスはどのような関係があるか

などの論点がある。これらの論点を通して、イノベーションはどのような戦略を持って行われるのかを考えてみたい。

続きを読む »

2013年7月 2日 (火)

【イノベーション・リーダーシップ】第10話 イノベーションにおける主観の役割

Kanjyo ◆イノベーションには主観が不可欠

いろいろな人たちと話をしていて、イノベーションは起こせないだろうなと思わせる共通 の特徴がある。それは、論理性や客観性へのこだわりだ。理由を抽象的にいえば、論理性や客観性は底上げの道具であって、競争の道具ではないからだ。これ は、オペレーションの道具であっても、イノベーションの道具ではないことを意味している。

もちろん、論理性や客観性が不要などと言っているわけではない。

論 理的に考えて全く市場がない商品を直感だけで開発してみてもうれない。過去にはこれで痛い目にあった人は少なくないだろう。自分がこんな商品が欲しいと 思って開発しても、他の人がまったく欲しがらなければ商品は売れない。この手の話、直感とか自分が欲しかったとかいう話は当たれば目立つし、大ヒットする 傾向もあるのでもてはやされるが、冷静に考えれば、失敗の率は高くなることはすぐに分かる。

魚のいないところに釣り糸を垂れても大物どこ ろか、魚は釣れないわけで、大物を釣ろうとおもえば、まず、魚がいそうなところを探す必要がある。これが、論理性や、客観性の役割である。問題は、ここか らで、どんな餌をつけるのか、どのあたりの深さを狙うのかは論理的に考えていても人と同じ答えしか出てこない。ここで、必要なのは直感であり、主観であ る。

つまり、イノベーションには客観と主観、論理と直感のいずれもが必要なのだ。


続きを読む »

2013年6月28日 (金)

≪サプリ367≫高業績なマネジャーはアジリティが高い

アジルなマネジャーは明晰な方向感覚を発揮して速やかに決断を下し、部下が提起した問題に丁寧に対策を講じ、会社の価値感に沿った行動をする(エイドリアン・ゴスティック、コンサルタント)

Supple_2【成分】
◆アジリティが業績評価の指標に
◆「あるマネジャーの行動
◆とりあえず、やってみる
◆手持ちの情報で方向性を示す
◆リスクの管理から変化の管理へ

続きを読む »

2013年6月27日 (木)

【イノベーション戦略ノート:011】経営戦略とイノベーション

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆経営者のイノベーション観Sosiki2
これまでに何度か述べてきたように、イノベーションは経営戦略で決めた成長をするための一つの手段である。

日本の企業経営者のイノベーション観は、現場から偶発的に起こるものであって、マネジメントや管理の対象ではないというものが多い。これは、イノベーションに対する見方というよりも、経営そのものが戦略を作ってトップダウンでやるものではないと思っている延長線上にあるイノベーション観だと言ってよい。事実、過去の例を見てもイノベーションは現場のミドルの活躍が欠かせない。これを野中郁次郎先生は「ミドルアップダウン」と呼んでいる。

戦略経営の中でも、ミドルの役割は重要である。ちょっと脱線するが、戦略についての話をしておく。


続きを読む »

PMstyle 2024年11月~2025年3月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

カテゴリ

Googleメニュー

  • スポンサーリンク
  • サイト内検索
    Google

最近のトラックバック

Powered by Six Apart

プロフィール

フォトアルバム

好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。