【デザイン思考】マネジャーのための「デザイン」思考[仮]~第2回 経営と現場のマネジメントを統合する「価値」
◆現場レベルの進捗、経営レベルの進捗
通常のプロジェクトマネジメントのやり方では、進捗は成果物で測る。もっと正確にいえば、スケジュールはスコープ(成果物)をベースにして設定されるので、進捗もそのようになる。現場のレベルでは妥当な考え方である。
ところが、経営・事業レベルで考えるとこれではまずいことがある。極端な例を挙げると、たとえば商品は完成しても、当初見込んだほど売れそうにないというケースがある。このようなケースは、成果物の進捗は100%であるが、プロジェクトとしての進捗は到底100%には及ばないと考えざるを得ない。SIプロジェクトのようにプロダクトスコープを決定するのが顧客であり、契約上の取り決めの場合にはあまりこういう問題は起こらないかもしれないが、現実にはベンダーがリリースを決めた成果物が、顧客側から要求と違うと指摘されるケースは少なくない。
このような問題を考えてみると、成果物だけでプロジェクトの進捗を計測することは、必ずしも合理的ではなく、別の指標が必要である。それが、「価値」だ。
価値は現場レベルの進捗(成果物)と経営レベルの進捗を統合的に扱う指標になる。
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