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※第1回報告「ゲームストーミングによるプロジェクト活性手法」
第2回報告「システム思考は私たちに何をもたらすか?」
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PM養成マガジン10周年記念セミナーのセッション3、棚橋弘季さんによる「未来のユーザー要求を創出する方法としてのデザイン思考」(当日タイトルは、「イノベーションの方法としてのデザイン思考」)が無事終了しました。
今回は、二子玉川のカタリストBAで行い、申込者は40名でした。雨の中、たくさんの方にお集まりいただきました。
最初の1時間がデザイン思考の概要を講義していただきました。概要と言いながら、ポイント、ポイントでは実践的な話も多く、後のエクスサイズの実践的な意味が分かるようなとてもよい講義でした。また、講義後の質疑も、デザイン思考を使ったプロジェクトのコンサルティングでは、契約形態はどうするかなど、かなり、実務を意識したやりとりがありました。
ただ、この時点での質問は、デザイン思考を頭で理解しようとした質問が目立ちました。棚橋さんも、一生懸命答えようとされていましたが、中には口では説明しにくい質問もありました。
そののち、エクスサイズを2つ行いました。最初のエクスサイズは、代表者にゼリーを食べてもらい、その様子を観察するというものでした。2回行い、観察結果を併せて、簡単な利用者モデル像を作ってみるというものでした。
この演習については、人の行動では通常は見落としていることが多いことに気付いた人が多かったようです。
二番目のエクスサイズは、スケッチの行動観察をし、ソリューションを考えるとエクスサイズでした。まず、代表者がぬいぐるみや人形をスケッチし、他の人はそれを観察します。今度は、観察した行動の中で、意図が分からない点を質問しました。
要求定義の前提は、ユーザ自身が何が欲しいかわからないということですが、結構、分からないという意味は、ロジカルに要求を組み立てても出てこないと言うことで、観察してみて、よく分からないところに、ユーザ自身が分からないことへの対応のヒントがあるのだと思いました。
エクスサイズが終わった後の質問は質ががらりと変わり、本質的な質問が多かったように感じました。これだけでも、このエクスサイズでデザイン思考の入り口に入ることができたようで、よいエクスサイズだったと思います。
今回のワークショップは、プロジェクトマネジメント関係の人が集まっているということで、棚橋さんは自らアウェイだと言われていました。確かに講義の時点では、アウェイ感があった思いますが、終わってみれば、みんながデザイン思考や棚橋さんのファンになっていたようで、主催者としてうれしかったです!
次回(第4回)は内省(リフレクション)をテーマにしたワークショップです。多くの方の参加をお待ちしています。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【PM養成マガジン10周年記念セミナー】
第4回 プロジェクトの経験から学ぶ力をつける
~グループプロセスに焦点をあてたリフレクション~
日時:2012年08月04日(土) 13:30-16:30(13:00受付開始)
場所:カタリストBA(東京都世田谷区)
講師:嶋田 至氏 LLCチーム経営 パートナー
広瀬 義浩 氏 合同会社チーム経営 パートナー
詳細・お申込 http://www.pmstyle.biz/smn/pm_magazine10_4.htm
主催 PM養成マガジン(運営:PMstyle)
3PDUを発行します。
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【カリキュラム】
13:30-13:50 オリエンテーション
13:50-14:50 グループプロセスに焦点をあてるワーク
(フープダウンとふりかえり)
14:50-15:05 小講義「グループプロセスについて」
15:05-15:30 プロジェクトの経験をふりかえるワーク
15:30-16:10 対話による気づき
16:10-16:30 気づきの共有~プロジェクト運営の教訓を探る
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いま、イノベーションが求めらています。イノベーションを実現するポイントは
(1)トップやシニアのビジョンと熱意
(2)ミドルの創造力と行動力
(3)現場の創造力と実行力
の3つだと言われます。
イノベーションにおいて、ミドルマネジャーが中核になるのは間違いありませんが、その道は2つあると思われます。ポイントは創造です。
一つは、創造は部下に任してしまうという方法です。部下の創造力を引き出し、さらには、その実現においても部下に権限委譲し、やらせる。自分は、社内の調整や、部下の支援を中心に動く。この場合、ミドルマネジャーの創造活動は、「質問」で行われます。部下のアイデアを喚起する質問を投げていく。言い換えると、課題を見つけ、どんどん、部下に投げていき、アイデアを求め、よいアイデアにリソースを投入していきます。
もう一つは、ミドルマネジャー自身が創造の中心になることです。みずから、どんどん、アイデアを出していきます。そして、部下を巻き込みながら、そのアイデアを実現していきます。
どちらの方法がよいかは一概には言えません。管理者に求められているものによっても違いますし、業務によっても違うと思いますし、組織風土によっても違うでしょう。
立場的にいえば、前者はスポンサーです。これに対して、後者は「プロジェティスタ」と呼ばれます。
この連載のリードは、2つの連載のリードになっています。一つは、「プロジェティスタ養成講座」、もう一つは「イノベーションを生み出すマネジメント」です。
では、ぼちぼち、書いていきますので、お楽しみください。
10周年特別インタビューの第3回です。
第1回は、イントロダクションとして、リフレクションとは何かをお話し戴きました。第2回は、もう少し、踏み込んでリフレクションがこの対談の一番の関心事でもあるプロジェクトマネジメントをどう変えるのかについてお聞きしました。今回は、この問題について、具体的な事例を紹介しながら、リフレクションの効果を具体的にお聞きしたと思います。
なお、インタビュー中に出てくる8月のワークショップというのは、こちらになります。
【PM養成マガジン10周年記念セミナー】
第4回 プロジェクトの経験から学ぶ力をつける
~グループプロセスに焦点をあてたリフレクション
http://www.pmstyle.biz/smn/pm_magazine10_4.htm
イノベーティブリーダーの普及活動を再開します。
イノベーティブリーダーとは、
1)自発的に何かを企て
2)デザイン思考を駆使して
3)イノベーションを起こす
リーダーです。
まず、オンラインでSIG(スペシャル・インタレスト・グループ)的なものをつくろうと思って、場を準備しました。
どうすれば、プロジェティスタになれるかを議論したいと思います。
当面のキーワードは、アジャイル、リーン、デザイン思考、「小さく賭ける」など。
興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。
イノベーティブリーダーへの旅
(その1)プロジェクトリーダーシップの4つの役割
(その2)リーダーシップの活動
前回、リーダーシップの4つの役割について説明し、それぞれの役割でどのような活動をするかを述べた。
今回は、もう少し具体的に、その活動でどのような行動をすべきかを考えてみよう。
◆人ベースと仕事ベース
慶応ビジネススクールの高木晴夫先生が「「人ベース/仕事ベースのアークテクチャーにおける組織学習装置」という研究をされている。最近、この研究成果が書籍になって出版された。この本だ。
高木 晴夫「組織能力のハイブリッド戦略」、ダイヤモンド社(2012)
この本はグローバルな経営環境の中で生き延びていくために、人ベースと仕事ベースをどのように組み合わせていけばよいかを、163社の調査に基づいて考察したものである。
高木先生によると、経営組織の仕組みは、仕事ベースと人ベースに分けることができる。仕事ベースは、まず仕事があり、その仕事をするために人を採用する。人ベースは、まず人があり、その人が仕事をとってきて実施していく。分業が進むと仕事ベースになっていくわけだが、日本の組織は人ベースのままで仕事をしている企業が多い。
今回の戦略ノートは、この問題をプロジェクトマネジメントの問題として考えてみたい。ちなみに、今回、初めての試みとして、このネタをメルマガのオンラインコミュニティ「プロジェクトの補助線」に投げ、意見を戴いた。その上で、記事を書いた。
(その1)プロジェクトリーダーシップの4つの役割
(その3)リーダーシップの行動
◆プロジェクトリーダーシップ
前回の記事に対して、ある方からリーダーシップの範囲を超えているのではないかというコメントを戴いた。一般的にリーダーシップという言葉はリーダーの行動を指す言葉であるので、この指摘は正しい。ただ、この連載で言っているリーダーシップは、いわゆるプロジェクトリーダーシップであり、プロジェクトを進めるために必要なロールの行動を併せたものである。
好川哲人
技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。
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