★イノベーション戦略ノート Feed

2014年7月21日 (月)

【イノベーション戦略ノート:041】セレンディピティから生まれるイノベーション

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/
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◆セレンディピティとは

Hirameki


セレンディピティという言葉がある。簡単にいえば、偶然のひらめき。もう少し丁寧にいえば何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つけることである。

厳密にいえば、セレンディピティは現象ではなく、能力である。上の説明が能力だとどうなるか。

ふとした偶然をきっかけにひらめきを得て、幸運をつかみ取る能力

となるわけだ。なんだか神が下りてくるみたいな話になって、本当にそんな能力があるのかという話になる。



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2014年7月17日 (木)

【イノベーション戦略ノート:040】イノベーションを推進するフレーミング

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◆イノベーションに必要なチーミング

Frameエイミー・C・エドモンドソンの

チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ

を読んだいたら、イノベーションとフレーミングの関係の面白い調査の話が出てきたので、今回の戦略ノートはこの話題で。

この本は、従来のチームというのは固定化された集団だが、今、イノベーションや複雑性の高い仕事で必要とされているのは、動的な「活動」であるチーミングだということで書かれた本である。



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2014年7月15日 (火)

【イノベーション戦略ノート:039】クラウドストーミングでオープンイノベーション

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◆クラウドソーシング

Kumo

クラウドソーシングという調達方法が普及してきた。クラウドソーシングは、wired誌のコントリビューティング・エディターだったジェフ・ハウが2006年に提唱した概念で、

特定の仕事を成し遂げるために組織が不特定多数の人々と協働すること

を意味しており、どちらかというとスキル的(労働力)な調達を意味することが多かったが、やがて、クラウドファンディング(資本)、コンピュータ資源、データなど、多くのものが調達の対象になるようになった。

※詳しく知りたい人は、ジェフ・ハウの著書を読むことをお勧めする

ジェフ ハウ(中島 由華訳)「クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす」、早川書房(2009)



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2014年7月14日 (月)

【イノベーション戦略ノート:038】コンセプトについて考える

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◆アイデアの時代?

Concept105

よく技術によるイノベーションの時代は終わった。これからはアイデアの時代だとか、ビジネスモデルの時代だとか、デザインの時代だとかいう議論があるが、正直いうと違和感がある。

たとえば、日本企業には真似ができないくらい、新しいビジネスモデルを創造し、展開しているグーグルの技術開発はすざましい。ITに限らず、新規技術の開発を怠っていると5年後はないだろう。

この話は以下の記事で整理しているので、読んでみて戴きたい。

【イノベーション戦略ノート:029】技術とイノベーション

【イノベーション戦略ノート:030】続・技術とイノベーション

この話の中でちょっとだけコンセプトについて書いた。今回はコンセプトの話をしたい。



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2014年7月10日 (木)

【イノベーション戦略ノート:037】続・イノベーションのタイミング

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◆イノベーションはパラダイム曲線のどこで起こりやすいか

Timming_2

イノベーションの成功に欠かせない視点はタイミングである。イノベーションにとってパラダイムが重要な理由もタイミングの見極めにあるといってもよい。

前回説明したようにパラダイム曲線で見ると、新しいパラダイムは古いパラダイムが終わりかけたことに生まれるとは限らず、パラダイムが普及している段階や、さらには古いパラダイムが認識される途中で起こることもある。

では、イノベーションはパラダイムのどこで起こるのだろうか?今回はこの問題を考えてみたい。

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2014年7月 9日 (水)

【イノベーション戦略ノート:036】イノベーションのタイミング

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◆時計におけるパラダイムシフト

Timming

イノベーションとパラダイムの関係で有名な事例はいくつかあるが、もっとも有名な事例は時計のパラダイムシフトだろう。多くの人はぴんときたと思うが、機械式の時計からクオーツ時計にパラダムが変わった。

1960年代までスイスは圧倒的な時計王国だった。数字を見るとよく分かる。

販売個数ベースのシェア 65%
利益ベースのシェア 80~90%(推理)

それまでスイスは最高品質の自動巻きの腕時計において、イノベーションを追求していた。ところが、1970年に入り、時計作りのルールが変わり、機械時計から電子時計の時代になった。1981年までに時計作りに携わっていた6万2千人のうち5万人が職を失った。1980年の数字見ると

販売個数ベースのシェア 10%以下
利益ベースのシェア 20%以下

になった。スイスに変わって台頭してきたのが日本である。1960年代にすでに品質ではスイスと肩を並べていたものの、世界でのシェアは1%以下だった。ところが80年代になると、33%以上のシェアを占めるに至った。



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2014年7月 8日 (火)

【イノベーション戦略ノート:035】パラダイムの変化に対応する

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◆テリットという会社

Paradaim

日本ではあまり知られていないが、イタリアにテリットという会社がある。かつては携帯電話の製造をしていた会社で、倒産の危機に瀕していた。そこから見事に立ち直り、今ではこれから市場の拡大が期待されるある分野で世界市場の30%を占めるに至っている。

ある分野とは、M2M(Machine to Machine)、いわゆるモノのインターネットの通信手段である。

この会社は倒産の危機にあったときに、無線M2Mの戦略目標を立て、見事に戦略実行に成功した。今年は1800万台を出荷し、4年後には1億台の出荷をもくろんでいる。その背景にはモノのインターネットの急速な普及の見込みがある。ガートナーによると、2020年までに260億以上のモノが互いに接続されることになると予想されている。その中の1億を自分たちの携帯電話を売り込もうとしている。

この中でも有望な分野としては、

自動車、セキュリティ、盗難防止、決済、自動販売機、遠隔測定法(telemetering:いわゆるインテリジェントメーター)、遠隔医療によるヘルスケア、ホームエレクトロニクス

などがあるという。

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2014年7月 2日 (水)

【イノベーション戦略ノート:034】イノベーションの流儀

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◆はじめに

RyugifacebookのPMstyleページで、今年の3月くらいから、「イノベーションの流儀」というシリーズのミニ記事を書いている。いろいろな開発事例を取り上げ、そこからイノベーションの流儀(方法論)を学ぶという趣旨でやっている。

PMstyle facebookページ

10回を超えたので、一度、まとめて紹介してみました。

興味がある流儀があれば、紹介しているURLに詳細があるので、クリックしてみてください。その際、別のサイトに移動するので、了解の上でお願いします。

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2014年7月 1日 (火)

【イノベーション戦略ノート:033】イノベーションをめぐるジレンマ

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◆破壊的イノベーション

Dilemma1

イノベーションのジレンマ(正確にはイノベーターのジレンマ)は、ハーバードビジネススクールの教授であるクレイトン・クリステンセン先生が名付けた破壊的イノベーションの理論である。破壊的イノベーションはパラダイムシフトの際に起こる既存の市場を壊滅させるイノベーションである。

最近の例でいえば、フィルムの市場を破壊したデジタルカメラがそうである。破壊的イノベーションの特徴は、パラダイムシフトの特徴といってもよいが、あり得ないと思われることが起こることだ。

クレイトン・クリステンセン「イノベーションのジレンマ 増補改訂版」、翔泳社(2001)

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2014年6月30日 (月)

【イノベーション戦略ノート:032】良い失敗と悪い失敗

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◆組織における3種の失敗

Sippai

イノベーションにおける失敗について語られるときに、良い失敗(意味のある失敗)と悪い失敗(意味のない失敗)という言葉が出てくる。今回の戦略ノートは、失敗の意味について考えてみた。

失敗の区分についてはいろいろな言及があるが、「最も影響力のある経営思想家」50人に選ばれた組織学習の専門家であるハーバードビジネススクールのエイミー・エドモンドソン教授は、組織における失敗には

(1)予防できる失敗
(2)複雑さに起因する失敗
(3)「知的な失敗」

の3つがあると指摘している。この区分がもっともしっくりくる。

※「安心して失敗できる組織をつくる 失敗に学ぶ経営」(ダイヤモンド・ハーバードビジネスレビュー、2011年7月号)

予防できる失敗とは、不注意や不勉強による失敗である。複雑さに起因する失敗とは、業務プロセスやタスクの複雑さ、難しさに起因する失敗である。このような失敗は(1)の失敗とは異なり、避けることは難しい。

イノベーションにおいて重要なのは、(3)の知的な失敗である。知的な失敗というのは、デューク大学のシム・シトキン教授の造った言葉だ。



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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。