2012年12月18日 (火)

【戦略ノート302】コストマネジメントのあり方について考える

Cost

◆コストマネジメントのポイントは予備費

IT系のプロジェクトでは、プロジェクトマネジャーにスケジュールと品質のマネジメントを任せ、スコープとコストマネジメントは組織職が行っているケースがある。今回は、プロジェクトマネジャーとプロジェクトリーダーという視点からこの問題について考えてみたい。

マネジメントとは、なんとかすることである。プロジェクトでは納期と予算という形でスケジュールとコストの制約条件が与えられ、目標としては、成果物やその品質、その他プロジェクトの目的に所以する目標(顧客を感動させるとか、チームメンバーの育成をするなど)が設定されることが多い。プロジェクトマネジメントは、プロジェクトに与えられた制約条件の中で、なんとかして目標を達成することである。分担でいえば、目的・目標や制約を決めるのがプロジェクトリーダー(プロジェクトスポンサー)であり、何とかするのがプロジェクトマネジャーである。

ソフトウエア開発を中心とするITプロジェクトにおいては、直接経費のほとんどは人件費であり、間接経費も直接経費に従量配賦するような会計システムをとっている企業が多く、コストマネジメントのある部分は工数管理で代替的に行っている。コストマネジメントをプロジェクトマネジャーに任さないという問題になるのは、予備費である。

続きを読む »

2012年12月17日 (月)

≪サプリ343≫自主性を手にいれる

まっさらなキャンバスに自分で線を引いて独立性と個人の目標を定め、自分の行動をとりたいなら、自主性を手に入れよう  (マイロ・シンデル、人材開発コンサルタント)

Supple

【成分】
◆自主性を手にいれる
◆プロアクティブがなぜ、難しいのか
◆自分から手を上げて、責任を取る
◆プロジェクトの条件設定をうまくしよう

続きを読む »

2012年12月15日 (土)

≪サプリ342≫権限と責任のギャップが価値である

責任と権限とがイコールであれば、その人の価値はあまりない
                          (清水勝彦、慶応義塾大学大学院経営管理研究科教授)

Supple

【成分】
◆RRAA
◆権限は成果責任より小さくする
◆ギャップは影響力で埋める
◆影響力の副次的効果
◆権限が足らないのでよい仕事ができる

続きを読む »

2012年12月10日 (月)

【10周年】10周年記念セミナー終了 最後にクロージングイベントやります!

12月8日にPM養成マガジン10周年記念セミナーの最終回を行いました。

最終回のテーマは「オープンリーダーシップ」、講師は阪本啓一さんです。阪本さんはいきPC080341なり、前提がコロコロ変わる時代に必要なスキルはマーケティング力(伝える力)とオープンリーダーシップだという宣言から始まります。

そして、オープンリーダーシップの10の原則として
#1 コミュニティを作る(interest-oriented)

#2 コミュニティはマーケティング・メディアと理解し、実践する

#3 アウェイ力をつける

#4 企画力を磨く

#5 命令ではなく、リードする 人間力(あり方 being)                                     (講師の阪本啓一さん)

#6 自分の貢献ポイントを知り、更新する

#7 算盤に強くなる

#8 ネットワークを磨き、更新しつづける

#9 自分に値段をつける (自分ブランド)

#10 非常識になる!

を説明。

続きを読む »

2012年12月 7日 (金)

【戦略ノート301】プロジェクトリーダーとプロジェクトマネジャーの責任論

Sekinin1◆任務を全うすることによって責任を取る

プロジェクトリーダーとプロジェクトマネジャーの関係を明確にするために、まず、「責任」という観点から考えてみたい。日本の組織ではこんな会話がよくある。プロジェクトリーダー=部長、プロジェクトマネジャー=PMだとしよう。

(PM)責任は私が取りますので、この方法でやらせてください。
(部長)どうやって責任を取るの。責任はとれるの?
(PM)・・・

責任を取るという言葉も難しい。

企業のトップとか、政治家が責任を取るという場合の相場は、辞任することだ。大臣が何かしでかしたら、大臣を辞めて責任を取ることだった。一般的に考えても責任を取るというのは、「懲罰」を受けるという意味合いがある。

ところが、小泉政権の時だったと思うが、大臣が問題発言をした際に誰もが思わなかった対応をした。

「大臣を続け、大臣としての任務を全うすることによって責任をとります」

と言い出した。

こういう言い方をされると、反論するのが難しい。任務をまっとうすることが責任を取る方法だと言われると、受け入れざるを得ない。せいぜい、潔くないといったあまり役に立たない非難をするくらいしかできない。また、非難にさらされながらも、任務を行うことは懲罰といえなくもない。

続きを読む »

2012年12月 4日 (火)

【戦略ノート300】リーダーとマネジャーのコラボレーション

Leader1◆はじめに

ついに戦略ノートも300回になった。

戦略ノートは、PM養成マガジンの配信を始めてしばらく、唯一のコンテンツとして配信していた。PM養成マガジンとしては本号が1104号なのだが、僕自身は、戦略ノートの300回の方が感慨深い。この機会にバックナンバーを読んで戴けると嬉しい。途中からメルマガからブログ記事に飛ばす形態にしたため、「プロジェクトの補助線」ブログにも収録されているものもあるが、プロジェクトマネジメントOS本舗のサイトに299話、すべて収録されている。

戦略ノート

ということで、300話目のテーマを何にしようかと1ヶ月くらいいろいろと考えていたのだが、これをテーマにすることにした。

「リーダーとマネジャーのコラボレーション」

このテーマは実は今までも何回か書いたことがあるのだが、プロジェクトマネジメントのもっとも基本的なテーマである。

続きを読む »

2012年11月30日 (金)

【10周年】最終回は、PM養成マガジン創刊からのテーマです!

SaisyuuPM養成マガジン編集長の好川哲人です。

PM養成マガジン10周年記念セミナーですが、2月11日に野村恭彦さんのワークショップ

ゲームストーミングによるプロジェクト活性手法」(57名)

でスタートし(URLは報告記事)、その後、

システム思考は私たちに何をもたらすか?」(小田理一郎さん;45名)

イノベーションの方法としてのデザイン思考」(棚橋弘季さん;40名)

プロジェクトの経験から学ぶ力をつける」(嶋田至さん;29名)

ユーザ主体開発」(谷島宣之さん;49名)


とプロジェクトマネジャーとしてのセンスを磨くためのテーマを取り上げてきました。第5回までで、延べ220名の方に参加していただきましたが、いよいよ、12月8日で最終回です。

続きを読む »

2012年11月23日 (金)

≪サプリ341≫足らないものを埋めていく

プロジェクトを成功に導くために必要なことは、足らないものを埋めていくことである
(三木雄信、ジャパン・フラグシップ・プロジェクト代表取締役)

Supple

【成分】
◆プロジェクトマネジメントの基本
◆計画段階ではすべては満たされない
◆過去の経験に基づいて満たすと過不足が生じる
◆足らないものをどんどん埋めていく
◆イノベーションの手段としてプロジェクトであることを再認識しよう

続きを読む »

2012年11月20日 (火)

≪サプリ340≫上司をマネジメントする

上司も部下も含めてプロジェクト達成のための一つのチームであり、そのメンバーをいかにマネジメントしていくかが大切である  (冨山和彦、経営共創基盤代表取締役CEO)

Supple

【成分】
◆プロジェクトスポンサーという存在
◆プロジェクトスポンサーのマネジメント
◆マネジメントと指揮命令は異なる
◆上司も多様性の一つ
◆上司を動かすこと、上司に任せること

続きを読む »

2012年11月16日 (金)

【戦略ノート299】現場に不協和音を生じさせることはできるか

Kakusu◆ある遅延プロジェクト

現場で力を発揮しているリーダーは、現場に不協和音を生じさせるような意思決定ができないという指摘がある。今回はこの問題について考えてみたい。

あるコンサルの現場で、こんなことがあった。その会社では、エースと言われるプロジェクトマネジャーがプロジェクトが納期遅れを起こした。実はかなり早い段階でスケジュールを遅れがあったようで、プロジェクトマネジャーはそれを隠していた。しかし、プロジェクトマネジャーの上司に当たる担当部長に、顧客からプロジェクトの対応がおかしいという指摘があり、調査したところ、遅れが判明した。まあ、ここまではまれにある話だ。

続きを読む »

PMstyle 2024年11月~2025年3月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

カテゴリ

Googleメニュー

  • スポンサーリンク
  • サイト内検索
    Google

最近のトラックバック

Powered by Six Apart

プロフィール

フォトアルバム

好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。