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2010年3月

2010年3月31日 (水)

【補助線】プロジェクトマネジャーの役割はプロジェクトマネジャー自身で決める

◆役割と仕事の混乱

プロジェクトマネジャーの役割は何かという議論を一度、本音でしてみたい。多くのプロジェクトマネジャーが理解できていないし、PMOや組織もあまりよく理解できていないのではないかと思う。また、それによって、権限委譲があまり適切に行われていない、つまり、役割を果たすだけの権限が与えられていないようにも思う。

プロジェクトマネジャーの研修のときに、必ず、この質問をすることにしている。出てくる意見のベスト3は

・進捗の管理
・計画の策定
・チームビルディング

である(統計を取っているわけではないので、順位は分からないし、表現もまちまちであるが)。

こういったことはプロジェクトマネジャーがやらなくてはならないことである。それは間違いない。これは仕事(作業)であって役割ではない。まず、この認識があまりできていない。もちろん、できている人もいる。よく出てくる意見をいくつか上げると

・メンバーを安心して仕事ができるようにし、能力を引き出す
・顧客との関係を良好にする
・リスクに早く気付き、影響を抑える

といったものが多い。

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【PMスタイル考】第12話:プロジェクトインテグリティ

◆インテグリティとは何か

最近、プロジェクトにおいて「インテグリティ」という概念が注目されるようになってきました。この概念はたいへんに興味深い概念です。

まず、インテグリティという言葉はどういう意味かを紹介しておきましょう。オックスフォード英語辞典には

1.正直。強い道徳性をもっていること。高潔さ。
2.分断されていない全体性。(例)領土の保全と国家の主権を確保する
3.構造が損なわれず、統合された、健全な状態。(例)小説の統一性
4.電子データの内部の一貫性、損なわれていないこと

の4つくらいの意味が記されています。1.は主に人間性についてインテグリティという言葉が使われるときの意味です。また、4.は情報処理の世界では普通に使われている使い方です。マネジメントでは、主に、2.や3.の意味が重要になってきます。

インテグリティという言葉の根底にあるのは

全体が分断されずに統合されており、完全で、うまく機能している

というニュアンスです。キーワードは、統合、完全、ですね。

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2010年3月30日 (火)

PMサプリ213:異質性が高ければ、強固な参加の理由が必要

一人一人の能力が高く、異質性が高ければ高いほど、参加のための理由は強固なものでなくてはならない(北垣武文、経営コンサルタント)

【成分】

◆ビジョナリーリーダー
◆両雄を並ばせないと、爆発力は生まれない
◆あるプロジェクトの目的
◆核になる「想い」と「物語」が異質な人を惹きつける

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2010年3月29日 (月)

【PMスタイル考】第11話:プロジェクトとアドミニストレーション

◆管理原則の父

「マネジメントの父」は、ピーター・ドラッカー博士、「科学的管理法の父」はフレデリック・テイラー博士です。では、「管理原則の父」と言われているフランス人がいます。誰か、ご存じでしょうか?

アンリ・ファヨール博士です。ファヨール博士は経営におけるアドミニストレーションのプロセスと原則を示したことで知られますが、そのプロセスとは、

・計画する
  将来を探求・吟味して、活動計画を作成する
・組織する
  原材料や設備、資本、人的資源などの計画実行に必要な資源を準備する
・命令する
  従業員が自分に求められる機能を遂行できるように指示・配慮する
・調整する
  すべての活動を結びつけ、統合し、調和させる
・統制する
  ルールや指示にしたがって物事が行われていることを監視する

というものです。1900年代の前半に管理原則は欧米を中心に受け入れられました。

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2010年3月28日 (日)

【補助線】エンジニアからマネジャーへのトランジション

エンジニアがよいプロジェクトマネジャーになること(トランジション)は意外なくらい難しい。この記事はエンジニアの仕事とプロジェクトマネジャーの仕事はどう違うのかを明確にした上で、トランジションの障壁になっているものを整理し、どうすれば変わることができるのかを、著者のコンサルティング経験に基づき、整理したい。

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2010年3月26日 (金)

【PMスタイル考】第10話:リスクインテリジェンス

◆PMstyleリスクマネジメント成熟モデル

PMstyleでは、プロジェクトリスクマネジメントの5段階というモデル(PMstyleリスクマネジメント成熟度モデル)を開発し、活用しています。以下のようなモデルです。

【レベル1】場当たり
プロジェクトマネジャーが気づいた範囲でリスク対策を立てている

【レベル2】体系化
プロジェクトマネジャーがプロジェクトリスクマネジメントの手法を導入して、リスクマネジメントを行っている

レベル3:標準化
組織としてリスクマネジメント標準手法や標準リスク事象を導入し、プロジェクトマネジャーやリスクオーナーとなるメンバーが標準に則り、リスクマネジメントを行っている。

【レベル4】定着化
組織としてリスクマネジメントに取り組み、個別プロジェクトにおける失敗の経験などが標準リスク事象として反映されている

【レベル5】インテリジェンス化
プロジェクトマネジャーやリスクオーナーのリスクマインドが醸成され、リスクに対する効率的かつ、効果的な管理に向けた継続的な改善が行われている

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2010年3月25日 (木)

【PMスタイル考】第9話:アカウンタビリティを高めるために

◆レスポンシビリティとアカウンタビリティ

プロジェクトを成功させるためには、2つの責任を全うすることが必要です。一つは、レスポンシビリティ。これはRAM(Responsibility Assignment Matrix:責任分担表)としてプロジェクトマネジメントの手法の中に出てくるので、よく認識されています。「実行責任」ということで、プロジェクトチームのメンバーの一人一人が、自分の与えられた仕事を遂行する責任です。

もう一つ、アカウンタビリティという責任があります。これは日本語では、「説明責任」とか、「成果責任」と呼ばれる責任です。分かったようで、よく分からない言葉なのですが、もともとアカウンタビリティは経営の用語で、企業がステークホルダに対して持つ経営判断に対する説明の責任です。今、アカウンタビリティという言葉を使うときは、もっと広い意味で使われていて、組織や個人が影響を与えたことに対して、その意志決定の理由を合理的に説明する責任です。簡単にいえば、組織や個人がどうしてそのような行動をとったかを合理的に説明する責任ということです。

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2010年3月24日 (水)

【PMスタイル考】第8話:責任を明確にするということ

◆プロジェクトマネジメントで変わったもの、変わらないもの

プロジェクトマネジメントが日本で注目されるようになってきたのは、21世紀になってからですが、それでもかれこれ、10年近くになります。この間に変わってきたものと、相変わらず変わっていないものを一つずつあげるとすれば、みなさんは何を取り上げられますか?

変わってきたものは仕事のスタイルです。

・計画をたてて仕事をする
・進捗を管理しながら仕事をする

というワークスタイルは定着してきましたし、定着したと言えるかどうかは微妙ですが、

・ドキュメントによるコミュニケーションを行う

というスタイルもかなり浸透してきたようです。

これに対して、あまり変化がないと思うのは、「責任」を明確にして、責任を果たしながら仕事をするという点です。

この議論はプロジェクトマネジメントの前提とする組織観と、日本流の組織観の根本的な違いがあり、相当に難しい問題です。

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2010年3月23日 (火)

【補助線】失敗が「恥」と結びつく文化を克服しよう

◆「21世紀枠に負けたことは末代までの恥です」

第82回選抜高校野球大会で監督が騒動を巻き起こしている。騒動を起こしたのは、開星(島根)の野々村直通監督(58)。新聞によると、3月22日、第1試合で「21世紀枠」の向陽(和歌山)に1―2で敗れたあとのインタビューで、「21世紀枠に負けたことは末代までの恥です」などと発言したらしい。

スタンフォード大学のアントレプレナー・センターでエグゼクティブ・ディレクターを務めるティナ・シーリグ氏が自身の集中講義の内容を紹介した書籍「What I Wish I Knew When I Was 20(邦訳「20歳のときに知っておきたかったこと」(阪急コミュニケーションズ、2010)」で面白い指摘をしている。


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【PMスタイル考】第7話:プロジェクトの成功要因は奥が深い

◆プロジェクトKSF

ちょっと機会があって、プロジェクトの成功要因(KSF)の研究について調べている。プロジェクトの成功はプロジェクトマネジメントの成功と異なり、ある意味での歴史的検証が必要である。たとえば、商品開発のプロジェクトで、スケジュール内、予算内で商品を開発したとしても即座にプロジェクトは成功だったとはいえない。ITのプロジェクトで、スケジュール内、予算内で顧客の要望するシステムを作っても成功だとはいえない。商品であれば売れるかどうかが問題であり、システムであればそのシステムがライフサイクルを終えるときに満足しているかどうかが問題だからだ。

もっといえば、プロジェクト終了から10年くらいたった後で、そのプロジェクトの実施にどのような意味があったが問題である。

調べた範囲でいえば、だいたい出てくるのは

(1)ステークホルダとの良好なコミュニケーション関係の構築
(2)プロジェクトチームやプロジェクトマネジャーの問題解決能力

の2つに加えて、もう一つある。最近、機会あるごとにこの質問をしているのだが、なかなか、正解に行き着かない。なんだかおわかりだろうか?

(3)プロジェクトの明確な定義がされていること

である。

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好川哲人

技術士&MBA 技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。