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◆イノベーションのリスクは高いのか
イノベーションにリスクはつきものである。米国の調査では、コンシューマー向けの新商品は毎年3万点発売されているが、95%は失敗している(採算がとれていない)。5%しか成功しないにも関わらず、リスクをとっていることになる。
日本の食品業界には千三つという言葉がある。千の商品を出して三つしか売れないという意味だが、それでも新商品を出し続けている。率にすれば1%に満たない大変なリスクを取っていることになる。
そうしないと生きていけないからというのもあるが、これでも、実は結構、成功する確率は高いのではないかと思う。
ラスベガスのカジノとか日本のパチンコなど客を集めなくてはならないギャンブルの還元率は95%程度だといわれる。日本の国営ギャンブルは75%、宝くじは45%である。還元率と勝つ確率は違うのだ比較はしにくいが、宝くじを買うよりははるかに成功する可能性が高いのではないかと思うわけだ。
どうも日本企業はリスクを取らないといっているのは、石橋をたたいても渡らないといっているのとは違うようで、実際には渡っている可能性が大きい(ただし、何人かが渡るのをみた後で)。
ここで重要なことは(当たり前だが)、リスクはとるとらないかの二元論ではないことだ。
さらにいえば、リスクの評価の方法の問題がある。既存の商品を生き延びさせることのリスクとの比較をしてしまう。このため、たとえば、新しいコンセプトの商品を開発しようとする代わりに、既存の商品をマイナーチェンジして、販促を強化しようという話になるわけだ。
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