2020年5月12日 (火)

【コンセプチュアルスキル入門】第18話(最終回) コンセプチュアルスキルの高い人になるには(2)

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◆はじめに
 
前回はコンセプチュアルスキルの高い人のイメージを明確にするために、構想、計画、問題解決、意思決定、対人関係、イノベーションの6つの視点から、それぞれどういうことができる人かを整理し、さらに、構想、計画の2つについて具体的な人材の事例を示しました。
 
今回は、残りの4つについて具体的な人材のイメージを示し、最後にまとめをしたいと思います。

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2020年5月 5日 (火)

【コンセプチュアル講座コラム】正解がない問題に対応するクリティカルシンキング

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◆変わってきた「正解がない」という意味
 
10年前には「正解がない」という言葉を人によってさまざまな答えがあるという風に考える人が多かったように思います。しかし、今、正解がないという意味は全く違います。本当に答えが見つからないないのです。
 
コロナを例にとればよく分かると思います。
 
コロナの治療にいろいろな薬が効くとニュースになっていますが、いわゆる「特効薬」はありません。同じ薬が効く人もいれば、効かない人もいる。これは、別の治療薬の転用だから専用の薬ができれば特効薬ができると考える専門家がいると同時に、本質的に特効薬がないウィルスではないかと心配している専門家もいるようです。
 
ビジネスにおいても、VUCA時代に突入しており、正解がない問題という場合には、特効薬がないケースが圧倒的に多くなっています。しかし、人は心のどこかで特効薬になる正解を求めています。
この意識を変え、対応するスキルを身に付ける必要があります。

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2020年4月20日 (月)

【コンセプチュアル講座コラム】パーパスはミッションを超える

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◆パーパスはベネフィットを超える
 
日本でもパーパスという概念が徐々に浸透してきています。日本語でいえば、存在意義です。
パーパスの話をすると、雰囲気は分かるが、どんなメリットがあるのかということをきかれることが多いです。既にパーパスを導入している企業といえば、P&G、テスラ、ソニー、ユニリーバ、ネスレ、ナイキといった企業で、単に収益だけを追い求めているわけではない企業が並びますので、収益性とはあまり関係がないというイメージがあるようです。
 
2018年にIIRC(国際統合報告委員会)が「purpose beyond profit」というレポートを発表しました。
 
 
このレポートでは、
 
「世界50カ国、CEO41名、CFO177名を含む経営幹部を対象とする調査結果として、79%の経営幹部が、経営戦略における長期の見通しが価値創造にプラスになるとしている。また長期の見通しを有する企業はより収益性が高く、より時価総額が大きい。」
 
と報告しています。さらに、調査対象の経営幹部の一人の意見として
 
「利益を成長の推進力とすることはサステナブルではないため、成長の推進力は利益ではないことを認識して、より大きな全体像を描く必要がある」
 
という意見を紹介しています。これから分かりますように、このレポートのタイトル通り、パーパスは収益を超えたものであるべきだという認識があります。

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2020年4月16日 (木)

【コンセプチュアル講座コラム】レジリエンスとコンセプチュアルスキル

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◆レジリエンスとは
 
東日本大震災の後、レジリエンスという心理学の言葉が、経営学や社会システム論などで広く使われるようになり、一種のレジリエンスブームになりました。レジリエンス(resilience)とは、跳ね返り、弾力、回復力、再起力、復元力といった意味の概念です。
 
経営学ではレジリエンスは
 
「困難な状況にもかかわらず、うまく適応できる力」
 
として使われるようになり、リスク対応能力、危機管理能力などの上位概念として広く使われるだろうと期待されていました。詳しく知りたい人は、好川が連載していた「イノベーション戦略ノート」に書いた記事がありますので、お読みください。
 
第21回 イノベーターのレジリエンス(2013.12.11)
https://pmstyle.biz/column/innvnote/innvnotet21.htm
 
当時は、レジリアンスという概念はいろいろなメディアで取り上げられ、レジリエンスという言葉をタイトルに含む書籍も何冊も出版されましたが、その後、震災復興とともに消えていったようなイメージがあります。書籍の出版も、海外ものの翻訳ばかりになってしましました。
 
しかし、レジリエンスの必要性が薄れてきているかというとそんなことはありません。年々、レジリエンスの必要性は高まっており、極めつけだと思われるのが今回のコロナだと思われます。
  
 

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2020年4月14日 (火)

【コンセプチュアルスキル入門】第17話 コンセプチュアルスキルの高い人になるには(1)

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◆コンセプチュアルスキルの高さ
 
コンセプチュアルスキル入門のまとめとして、コンセプチュアルスキルの高い人とはどのような人なのかを例を使って紹介したいと思います。そして、コンセプチュアルスキルの高い人になるにはどうすればよいかを提案したいと思います。
 
この連載でずっと述べている通り、コンセプチュアルスキルはナレッジワーカーであれば新入社員から必要なスキルですが、やはり、必要なスキルの中での比重が大きくなるのはマネジャーです。そこで、ここではマネジャーを例にとって話を進めて行きたいと思います。
 
また、この記事を読まれるに当たり、ぜひ、一度、PMstyleのコンセプチュアルスキル診断を実施してみて頂くことをおすすめします。この記事から、自分のコンセプチュアルスキルの高さを見極める一助になると思います。こちらから診断できます。
 
PMsytleコンセプチュアルスキル診断
 
内容に入る前に一つ注意してほしいことがあります。それは、コンセプチュアルスキルが高いことは仕事ができることに直結していますが、低いことは仕事ができないということではないことです。例えば、コンセプチュアルスキルは高くないのに、人間力が高くて仕事ができる人もいれば、意思決定が早くて仕事ができている人もいます。
 

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2020年4月 6日 (月)

【コンセプチュアル講座コラム】成果と成果物~労働制度の観点から

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◆時間型労働制と成果型労働制
 
前回、成果物と成果を分ける時代だという話を書いたところ、ある方から成果とは何かという質問を頂きました。

【コンセプチュアル講座コラム】仕事の成果物と成果を分けて、働き方を変える
https://mat.lekumo.biz/ppf/2020/03/post-23d9.html
 
今回はこの点を踏まえて、もう一度、別の観点から整理しなおします。その観点とは、労働制度です。
労働制度には、時間型労働制と成果型労働制があります。この記事では、少し、乱暴ですが、時間型労働制は工場型パラダイム、成果型労働制はアート型パラダイムに基づくものだと考えて議論していきます。
工場パラダイムとアートパラダイムの違いはこちらをお読みください。
 
【PMスタイル考】第164話 プロジェクトは工場かアートか
 https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2020/02/post-d201.html
 
 

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2020年3月24日 (火)

【コンセプチュアル講座コラム】仕事の成果物と成果を分けて、働き方を変える

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◆働き方改革の現状を概観する
 
VUCA時代には成果と成果物を分離しなくてはならないという話をしています。内容はこちらをお読みください。
 
【PMスタイル考】第158話:プロジェクトの成果と成果物
 
今回は少し違ったからこの問題を考えてみたいと思います。その観点とは、働き方改革です。
 
多くの企業が働き方改革に取り組んでいますが、あまり、芳しい効果が得られておらず、一方で生産性の向上は不可欠で、仕切り直しをしている企業すら出てきているような状況です。この状況に対して、残業だけだと働き方の改革にならないといった指摘を始め、さまざまな問題が指摘されていますが、問題解決の取り組みはあまりなされていないのが現状です。
 
そもそも働き方改革の必要性が出てきた背景には、一人の抱える仕事が増えてきたことにあります。もちろん、多くの仕事では、人員が削減され、業務の範囲が増えて、現実に仕事は増えています。これに対して、多くの組織は、例えば非正規社員を活用して対応してきました。しかし、景気がよくなると当然、人が足らなくなります。そこで、効率化をしようとしたことに働き方改革の動機があります。
このようなニーズに対して、経営として押さえているのは結果で、効率がよくなれば仕事をする時間が削減できるので、残業が減るということで、残業に注目するような管理が行われるようになってきました。

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2020年3月19日 (木)

【PMstyle+ウォッチ】第1回 「マネジメントをコンセプチュアルにする」

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PMstyleプロデューサーの好川哲人です。

新しい試みとして、PMstyleの会員向けのメルマガである「PMstyle+」で過去に書いた記事をテーマを決めてまとめて紹介するという特別号を配信することにしました。
第1回は
 
「マネジメントをコンセプチュアルにする」
 
というテーマで、4本の記事を紹介したいと思います。
 
【PMスタイル考】第154話:VUCA化するビジネスやプロジェクトをマネジメントする
https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2019/07/vuvca-a142.html
※なぜ、プロジェクトやビジネスのマネジメントをコンセプチュアルにしなくてはならないのかを解説しています。
 
【PMスタイル考】第159話:マネジメントをコンセプチュアルにしよう
https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2019/11/post-0e27.html
※マネ人メントをコンセプチュアルにする考え方を解説しています。
 
【PMスタイル考】第161話:「役に立つ」から「意味がある」へ
https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2020/01/post-f031.html
※コンセプチュアルなマネジメントで重要なのは、「役に立つ」ことではなく、「意味があること」です。
 
【PMスタイル考】第166話 VUCAはP-D-Rでマネジメントする
https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2020/03/vucapdr-31e0.html
※マネジメントサイクルにP-D-Rを導入することによって、VUCA時代の複雑な環境に対応したマネジメントをしていきます。

なお、PMstyle+の会員になるには、以下のページからご登録ください。
 
PMstyle+会員とは
https://pmstyle.biz/toroku.htm
 

2020年3月10日 (火)

【コンセプチュアルスキル入門】第16話 専門分野の知識を別の分野に応用する

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◆専門スキルの転用の限界
 
日本ではやっと終身雇用が終焉を迎えそうな気配になっています。終身雇用が終わるということは同時に年功序列が終わることを意味しており、より高い報酬を得ようとすると、キャリアで得たスキルなどをうまく活用する必要があります。
 
もっともシンプルな活用の方法は、自分のスキルが必要としている企業へどんどんと転職していくことです。昔の日本であれば大企業で働いていると、えられたスキルは中小企業で活用できるとか、あるいは発展途上国に行って活用できるといったキャリアパスがありましたが、今はそれも怪しくなっています。
 
日本が国際的に後れを取った一因でもありますが、終身雇用の大企業で使っているスキルが古いという問題があり、そこでやってきたことを発展途上国はもちろん、国内の中小企業でも活かせないケースが増えています。
 
たとえば、一昔前なら大手のIT企業に勤めていればIT化したい中小企業から引く手数多でしたが、今では、中小企業はシステム開発をせずにIT化をしており、あまり役に立たなくなってきています。
 
また、これも大企業が先行しており、中小企業からの人材の要望が多かったのが品質管理の分野ですが、こちらはISOの専業のサービスベンダーが増えて、中小企業が自社で人を抱えて取り組むような状況ではなくなってきました。

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2020年3月 5日 (木)

【コンセプチュアル講座コラム】コンセプチュアルスキル診断の原理

PMstyleプロデューサーの好川哲人です。

PMstyleコンセプチュアルスキル診断について共有しておきたことがあり、コラムを書きました。
 
 
◆コンセプチュアルスキル診断の概要
 

Skill_sindan

PMstyleコンセプチュアルスキル診断は、PMstyleで2015年から正式に運用を始めた診断で、PMstyleがコンセプチュアルスキルの提唱者である、ロバート・カッツのモデルをベースに発展させたコンセプチュアルスキルの診断を行うシステムです。2019年までで3000人強の方に実施して頂いています。
 
この診断では、25問の質問に答えることにより、コンセプチュアルスキルを思考軸のバランス行動の2つの視点から評価し、診断結果を表示します。思考軸としては、コンセプチュアルスキルに不可欠だと考えている
 
・抽象的/具象的 のバランス
・主観的/客観的 のバランス
・直観的/論理的 のバランス
・大局的/分析的 のバランス
・長期的/短期的 のバランス
 
の5つで、これらのバランスを評価し、診断しています。また、行動はコンセプチュアルスキルの高低によって違いが出てくる行動特性を評価するもので、
 
・構想
・計画
・問題解決
・意思決定
・対人
 
の5つの行動に注目して、どれだけコンセプチュアルスキルが高いかを診断しています。これらの2つの視点の評価から、最終的に10点満点のスコアで診断しています。
 
PMstyleコンセプチュアルスキル診断はこちらから実施できます。
 

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。