自分自身に許可を与える
ティナ・シーリグ(高遠裕子訳、三ツ松新解説)「20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義」、 阪急コミュニケーションズ(2010)
お奨め度:★★★★★
この本は、スタンフォード大学アントレプレナー・センターのエグゼクティブディレクターであるティナ・シーリングが、自身の体験、創造性開発プログラムでの受講者のパフォーマンス、自分でみた企業の事例など、極めて豊富な事例に基づき、自分への許可をどのように与えるかについて体系的に述べたものである。
ティナ・シーリグ(高遠裕子訳、三ツ松新解説)「20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義」、 阪急コミュニケーションズ(2010)
お奨め度:★★★★★
この本は、スタンフォード大学アントレプレナー・センターのエグゼクティブディレクターであるティナ・シーリングが、自身の体験、創造性開発プログラムでの受講者のパフォーマンス、自分でみた企業の事例など、極めて豊富な事例に基づき、自分への許可をどのように与えるかについて体系的に述べたものである。
ジョン・コッター(黒田 由貴子監訳)「リーダーシップ論―いま何をすべきか」、ダイヤモンド社(1999)
お奨め度:★★★★1/2
もう1ヶ月くらい前であるが、新幹線の中で、Harvard Business Review 2010-2を眺めていたら、リーダーシップに対する認識は退化しているのではないかという錯覚に駆られた。
Harvard Business Review2010年 02月号、ダイヤモンド社(2010)
それでこの際なので、多くの人にこの本を読んで、リーダーシップの原理原則、マネジメントとリーダーシップの統合などについて、きちんとした知識を持ってほしいなと思ってこの本を紹介することにした。
リーダーシップの本質について誰よりも考えつくし、知り尽くしているハーバードビジネススクール教授のジョン・コッター先生がリーダーシップについて、Harvard Business Reviewに投稿してきた論文5編に加えて、序章に、自らの研究、コンサルティングの経験に基づく、組織を動かす10の教訓をまとめて1冊の本にしたもの。
特に、コッター先生のリーダーシップ論はプロジェクト型の経営と非常に相性がよい。その意味で、今後、いままでにもまして注目されるようになるのではないかと思う本だ。
スティーブン・コヴィー、ブレック・イングランド、ロバート・ホイットマン「結果を出すリーダーになる」、キングベアー出版(2010)
お奨め度:★★★★★
不透明で困難な時代にリーダーが行うべきことを、フランクリン・コヴィー社のこれまでのソリューションをベースに考察した一冊。モデルとして、ツール・ド・フランス(世界でもっとも過酷な自転車のロードレース)で、個人で7連覇を遂げたランス・アームストロングを取り上げ、さまざまな考察をしている。そして、アームストロングと敗者の間には
規律ある実行力を備えたチームが勝利を手にし、これに欠けるチームが敗者になる
というルールを見つけた。
マイケル・ロベルト(飯田 恒夫訳)『なぜ危機に気づけなかったのか ― 組織を救うリーダーの問題発見力』、英治出版(2010)
お奨め度:★★★★
150人以上の企業経営者や、事業部のリーダーや部課長クラスの人の意見を聞いて、まとめた問題発見の実践的方法論についてまとめた本。
佐々木 常夫「そうか、君は課長になったのか。 」、WAVE出版(2010)
お奨め度:★★★★1/2
リーダー向けの啓蒙で人気を博する東レ経営研究所の佐々木常夫社長の新作。石田君という、自身が課長だったときに新入社員で入ってきた後輩が、新任の課長になり、その後輩へのアドバイスの37の手紙という形で書いている。これは、著者が僕も座右の書の一冊である「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」の愛読者だということだからだとのこと。
読んでいるうち、文脈でしか伝わらないことをこの舞台装置を使って伝えており、非常に巧みな方法である。その意味で、最近、増えてきた課長本の中では、よい意味で異色だといえる。
2010年第3回のビジネス書の杜セミナーは、以前からやりたいなあと思っていた「クリエイティブ・チョイス」のセミナーです。こういう発想や行動ができないと、これからは生き延びていけないのではないかと思います。
講師は、
堀内 浩二「必ず最善の答えが見つかる クリエイティブ・チョイス」、日本実業出版社 (2009)
の著者であり、また、この言葉を作られた堀内浩二先生です。『最善の答えは「選ぶ」のではなく「創り出す」』という問題解決の奥義を学びましょう!
【開催要領】
テーマ:『クリエイティブ・チョイス』
~最善の答えは「選ぶ」のではなく「創り出す」~
講師:堀内浩二(ほりうちこうじ) 先生
日時:2010年03月27日(土) 13時30分~16時30分
場所:勝どき区民館(アクセス)(東京都中央区)
受講料:5000円(税込み)
書籍持ち込み割引あり(詳細は申し込みページ)
概要:
事業を始めるか始めないか、転職するかしないか。わたしたちの仕事や生活は二者択一に思える選択肢に満ちています。功罪相半ばする選択肢から、どちらかを選ばなければなりません。多くの場合は期限付きで、じっくり考える時間もありません。しかし問題を性急に「XかYか?」「イエスかノーか?」と絞り込んでしまうと、他にあり得た選択肢を見逃してしまうおそれがあります。
本セミナーでは『クリエイティブ・チョイス』をテキストに、そのような問題にどう取り組み、選択肢をどう創り出し、選択に対する満足度をどう高めるかを考えていきましょう。
2010年2月のベスト3です。
1位 もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
2位 論点思考
2月の1位は、話題のベストセラーでした。ビジネスマンが多く読んでいると思いきや、コンサルタントも読んでいるようで、何回もこのネタを聞いたような気がします(笑)。
歴学編集部「論語ビジネス塾―世界一の教科書に学ぶ」、ダイヤモンド社(2010)
お奨め度:★★★★
「論語」から、「指導力」、「決断力」、「人間関係力」という3大スキルの本質を読み解くことをテーマにした本。ただの論語の解説本ではない。7章からなる本の筆者は、名だたる人たちなのだ。
大島 洋「管理職の心得―リーダーシップを立体的に鍛える」、ダイヤモンド社(2010)
お奨め度:★★★★★
リーダーシップを、「自己のあり方」、「他者との関わり方」、「組織との向き合い方」という3つの視点から捉え、管理職として効果的なリーダーシップをとるにはどうすればよいかを論じた一冊。フレームワークが適切なので、読めば間違いなくすっきり!
アラン・ウェバー(市川裕康訳)「魂を売らずに成功する-伝説のビジネス誌編集長が選んだ 飛躍のルール52」、英治出版(2010)
お奨め度:★★★★★
ハーバードビジネスレビューでマネジメントやビジネスとアイディアを結びつけることを学び、米国でもっとも早く成長した雑誌といれれる「ファスト・カンパニー」を作り上げ、そして、新しいアイデアや方向性を探索する旅をしたアラン・ウェバーが、キャリアの中から厳選した、新しい52の「新たな経験則」を1ルールを数ページでまとめた一冊。52を選んだスコープは本のタイトルでもある「魂を売らずに成功する」ための経験則だ。
すべての解説には、「So What」がついており、コンセプトだけではなく、具体的なアクションのヒントも手に入れることができるのもすばらしい。
新 将命「経営の教科書―社長が押さえておくべき30の基礎科目」、ダイヤモンド社(2009)
お奨め度:★★★★★
経営の原理原則を30にまとめた本。社長を経験した人が語る原理原則を書いた本は山のようにあるが、この本は、新将命さんという20年以上にわたり、多くの会社で社長を経験された方が、豊富な経験の中で共通的に言えることを体系的にまとめていらっしゃるので、価値がある一冊。30の原理原則を7つのジャンルに分けている。ちょっと長くなるが、記事の最後にリストアップしておく。
ビジネス書の杜Award2009セミナーを開催しました。場所は、銀座ブロッサム。18時過ぎに会場に到着。タクシーを降りると、駐車場の出口がすごい人混み。何かイベントがあったのかと思いつつ、会場のある7階へエレベーターで。ドアが開くと黒山の人だかりでした。イベントは「ブルーリボン賞授賞式」でした。インターネットで検索してみると、こんな記事が見つかりました。
授賞式自体は終わっていましたが、談笑する男優・女優さんがちらほら。えらいところで、セミナーしたなと後悔しつつ、気を取り直しつつ、セミナーの準備。ちなみに、ここは中央区の公共施設で、会場費も東京国際フォーラムほど高くありません。
さてセミナーの方、講師は
の著者の太田芳徳さん。参加者は38名でした。太田さんが途中で「マネジメントをしている人は?」と質問したところ、参加者の三分の二くらいの人が手を挙げていました。PMsytleのセミナーで顔なじみのプロジェクトマネジャーの方はほとんど手を挙げていませんでしたので、プロジェクトマネジャーを入れると、ほとんどがマネジメントの担当者ではないかと思います。
毎年、参加者の方の熱心さに頭が下がるのですが、今年も同じ印象を受けました。内容も太田さん流のこだわりがあり、また、噂に聞いていた「太田小咄」もふんだんに飛び出し、とてもよいセミナーでした。
本を読んだときには、あまり感じなかったことですが、太田さんの話を聞いているうちに、15年前の「ミドルマネジャーはなんのために仕事をするのでしょう?」という金井壽宏先生のゼミでの最初の問いかけを思い出しました。
難しい問題ですね、、、
最後になりましたが、今回は、英治出版様にご後援を頂きました。また、「「決める」マネジメント」のプレゼントもして頂きました。どうも、ありがとうございました。
長尾 一洋、小関 由佳「見える化コミュニケーション」、中経出版(2009)
お奨め度:★★★★1/2
見える化といえば、
トヨタ 管理 改善
という連想ゲームが長く続いていたが、最近、かなり、風向きが変わってきた。マネジメントの手段になってきたのだ。そのきっかけになったのが、NIコンサルティングの長尾 一洋さんが、自分たちのメソッドを書籍化されたこの本。
長尾 一洋「仕事の見える化」、中経出版(2009)
長尾さんの本は、新幹線においている雑誌「WEDGE」の連載を読めば内容が分かるので購入することは少ないが、この本あたりから、購入するようになった。このあと、「営業の見える化」、本書とだんだん、マネジメント色が強くなってきている。
その意味で、集大成になっている一冊。
内田 和成「論点思考」、東洋経済新報社 (2010/1/29)
お奨め度:★★★★1/2
3年前に出版された問題解決法の名著
内田 和成「仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法」、東洋経済新報社(2006)
の実践編。BCGのコンサルタントが行っている、正しい論点の設定(問題設定)に焦点を当てた問題解決方法を具体的に解説している。仮説思考をどのように使うかもはっきりと分かる。コンサルタントはもちろんだが、経営企画やPMOなど、社内でコンサルティングの業務をしている人は必読の一冊。
問題解決は今ではビジネスマンだけではなく、あらゆる人が関心を持つテーマになっています。
問題解決の普及は3つくらいのステップがあったように思います。最初は、管理職や専門家の中での普及です。このエポックメイキングをしたのが、佐藤 允一さんの本です。
佐藤允一「問題構造学入門―知恵の方法を考える」、ダイヤモンド社(1984)
※この本は2003年にビジネス書風に書き直したものがでています。
佐藤 允一 「新版 図解・問題解決入門―問題の見つけ方と手の打ち方、新版版」、ダイヤモンド社(2003)
あっという間に1月も終わり。2010年1月のベスト3です。
1位 プロデュース入門─オリジナリティが壁を破る
https://mat.lekumo.biz/books/2010/01/produce_hirano.html
2位 「決める」マネジメント──人を活かす職場をつくる
https://mat.lekumo.biz/books/2009/11/post-d73a.html
3位 もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
https://mat.lekumo.biz/books/2010/01/management.html
ヘンリー・クラウド(中嶋 秀隆訳)「リーダーの人間力 人徳を備えるための6つの資質」、日本能率協会マネジメントセンター(2010)
お奨め度:★★★★★
僕は「ビジネス書」を読むときには、誰かを念頭において読むことが多い。しかし、まれに読んでいるうちに、自分ゴトとして、自分を念頭においた読み方になっていることがある。久しぶりにそんな本に出会った。インテグリティに関する本である。そして、その衝撃は生半可ではなかった。
「ビジネス書の杜」の今年の目標の一つは、「3冊まとめて本を読む」という書籍紹介を行うことです。
この書籍紹介方法は、松岡正剛さんのイシス編集学校が3冊屋という企画として書店で展開している方法です。実際に参加してみて、「3冊であることの意味」をぼんやりと感じることができましたので、ビジネス書という分野に限定して、でもう少し、極めてみたいと思っています。おつきあいいただければ幸いです。
ビジネス書の杜では、この企画を「杜の中の「三本の樹」」と名付けることにしました。
初回のお題を何にしようかと迷っているうちに、もう1月も終わりになって、慌てて決めました。第1回のお題は
決める3冊
です。
【決める3冊】
●西村 行功「シナリオ・シンキング―不確実な未来への「構え」を創る思考法」、ダイヤモンド社(2003)
●後 正武「意思決定のための「分析の技術」―最大の経営成果をあげる問題発見・解決の思考法」、ダイヤモンド社(1998)
●リクルートHCソリューションユニット、太田芳徳「「決める」マネジメント」、英治出版(2009)
最近のコメント