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2019年11月 8日 (金)

テクノロジーからテクノロジー思考へ

 

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蛯原 健「テクノロジー思考 技術の価値を理解するための「現代の教養」」、ダイヤモンド社(2019)
 
 
お薦め度:★★★★
 
 
 
 
 
 
 
 
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日本のビジネスの国際的な地位の低下を招いている要因はいろいろとあるのだろうが、やっぱり、突き詰めれば「テクノロジー」だと思う。念のために断っておくが、いわゆる「技術力」ではない。
 
例えば、IT技術(以下、テクノロジー)におけるイノベーションはともかく、テクノロジーを利用したビジネスモデルのイノベーションはこの20年全く起こっていない。分野によっては技術イノベーションは生まれている分野もあるが、ビジネスモデルのイノベーションが生まれていないという状況はあまり変わらない。
 
なぜかと考えたときに、日本の企業では昔からある、経営層が「私は技術のことは分からない」という苦笑いが思い浮かぶ。特に、ITはその進展が急速なため、技術者がマネジャーやエグゼクティブになってもこれが起こる。
 
この背景には日本人の訳の分からないワンチーム観がある。同じことができる集団を目指すと思い込むと、当然技術力では現役の技術者に敵うはずがないので、「苦手」となる。問題はその対処で、苦手だといって逃げ回るのだ。一昔前なら、それがスマートだとされていた。
 
ところが、マネジャーであれば必要なことは技術そのものでなく、技術観である。これを逃げ回ると、技術だけはあるけど、技術のビジネス活用ができないとか、技術マネジメントがちゃんとできないといった問題に陥る。
 
 
 
本書で言っている「テクノロジー思考」というのは技術そのものではなく、
 
世界のあらゆる事象、組織、ビジネスにテクノロジーが深く関わり、強い影響を与えている事実に焦点を合わせた思考方法
 
のことだ。僕はそれを技術観と呼んでいる。
 
本書は
 
「文系ビジネスマンを中心とする「ノン・テクノロジスト」たちに、新たな視点を与えてくれる1冊」
 
と宣言されている通り、ITリテラシーが低く、そのためにステークホルダーとの関係を築けないと思っているマネジャーやエグゼクティブにぜひ読んで欲しい一冊。
 
本書の時代認識は
 
「『イノベーションか、死か』『テクノロジーか、死か』そういう時代を今、我々は否応なしに生きている」
 
である。まさに、今の時代はこういう時代だと思う。
 
極論すれば、テクノロジーそのものは海外にやらせておけばよい。日本が成長するために必要なのはそこではない。テクノロジー思考なのだ。そして、テクノロジー思考によるイノベーションなのだ。
これなくしては、これからの日本もどんどん、ビジネスの競争力が落ちていき、国際的な地位を下げていくだけになるだろう。
 
日本を何とかしたいと思っている人、必読の一冊。

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本書の著者の蛯原さんと、山口周さんの対談です。

“インターネットの外”が競争の主戦場──投資家・蛯原氏と山口周氏が語る「テクノロジー思考」とは?

https://bizzine.jp/article/detail/3958

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