VUCAの時代を生き残る方法
<Kinde>https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07Q8645CY/opc-22/ref=nosim
<紙の本>https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569842453/opc-22/ref=nosim
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お薦め度:★★★★1/2
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大ベストセラー「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2013)の河野 英太郎さんの書かれたVUCA(ブーカ)時代の仕事の仕方について述べた一冊。よくまとまっており、共感するところも多い。
VUCAは、
「Volatility」(変動性)
「Uncertainty」(不確実性)
「Complexity」(複雑性)
「Ambiguity」(曖昧性)
「Uncertainty」(不確実性)
「Complexity」(複雑性)
「Ambiguity」(曖昧性)
の頭文字を取った言葉で、「あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、将来の予測が困難な状態」を指す概念だ。本書はVUCAの時代を迎えて、ビジネスパースンが
・自ら変化を放棄する
・変化に過剰に反応してしまう
・変化に過剰に反応してしまう
のどちらかのパターンに陥り、途方に暮れているという問題認識のもとで、現実問題としてどのように対処していけばよいかを示している。
本書で述べられていることの基本スタンスは、VUCA時代であるからこそ、仕事の「キホン」に戻ることで、VUCA時代に起こることを4つの「新しい現実」に即して解説している。
まず、一番目の現実は「限られた時間で効率よく成果を出すことが求められている」という現実で、このために、生産性への工夫をする必要があるとし、さまざまな工夫を教えてくれている。
二番目は上司も含めて誰も答えを持っていない中で、行動していかなくてはならないという現実で、これに対処するためには筋のよい問題解決が必要だとし、そのキホンについて述べている。
三番目は、メンバーの多様性が増し、さまざまな価値観が職場にあふれる中で、自分のやったことをそのまま教える指導スタイルでは通用しなくなった現実で、それに対処するために必要な多様なメンバーをまとめるリーダーシップのキホンについて述べている。
四番目は、ある一つの組織で定年まで働いていればよいという時代は終わったという現実の中で、どんな環境でも働けるサスティナビリティが求められる中、それを実現する自己投資のキホンについて述べられている。
生産性に関しては
「その仕事、目的に対して「合理的」ですか?」
を大きなテーマとして
・「なくしたい仕事」を挙げてみる
など、15項目の方策を上げている。また、問題解決については
「「正しさ」より「早さ」」
をテーマとし、
・違和感を大切にする
など8項目の方策を上げている。さらに、リーダーシップについては
「ガンダムのブライト艦長のようなリーダーを目指そう」
ということで、
・チームや個人向けの目標に設定し直す
など13項目の方策を示している。最後に、サスティナビリティについては
「「自分への投資」を始めよう」
をテーマに
、
・3年経ったらコンフォートゾーンと考える
など14の方策を示している。
VUCAの時代への移行は起こることは間違いない。問題はそのスピードで、どう見るかによって本書の評価は変わる。ゆっくりと変化していくのであれば、書かれていることは共感できる項目が多い。しかし、もし、急速にやってくるなら本書で示されているようなイノベーションへの取り組みでは間に合わないだろう。
まあ、日本がどう変わっていくかという現実を考えれば非常に現実的なソリューションを不足なく示してくれている一冊だろう。
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