★ビジネス名著 Feed

2021年4月14日 (水)

究極のブックガイド~人類の歴史に残る200冊

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堀内 勉「読書大全 世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊」、日経BP社(2021)

(Kindle)https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08ZML1RW9/opc-22/ref=nosim
(紙の本)https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4296000160/opc-22/ref=nosim

 

 

堀内勉さんは、書評サイト「HONZ」の中で、もっとも好きな評者。いったい、どんな人だろうと思っていたが、この本を読んで、よ~く、分かった。ビジネスでも修羅場を踏まれているようだし、何よりも世界観が素晴らしい!

まず、びっくりしたのは、第一部で自身の学問の見方を示し、それぞれの分野について解説していること。この部分だけで、本書を読む価値があると思った。この体系は

1.宗教と神話
2.哲学と思想
3.経済と資本主義

の3つの領域に分け、それぞれにいくつかの分野を示している。

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2021年2月27日 (土)

心理的安全性は「あったほうがいいもの」ではなく、「なくてはならないもの」

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エイミー・C・エドモンドソン(村瀬俊朗解説、野津智子訳)「恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす」、英治出版(2021)

(Kindle)https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08R8KBZKZ/opc-22/ref=nosim
(紙の本)https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862762883/opc-22/ref=nosim


◆概要

ハーバードビジネススクールのエイミー・エドモンドソン教授の「The Fearless Organization」の翻訳。最近、キーワードになりつつある、「心理的安全性」に関する一冊。加えて、早稲田大学の商学部の村瀬俊郎先生が興味深いのある解説を書かれている。

心理的安全性とは

「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」

と説明した上で、自身の研究も含めた数多くの心理的安全性に関わる調査や研究の結果から、第1部「心理的安全性のパワー」、第2部「職場の心理的安全性」、第3部「フィアレスな組織をつくる」の3部から構成されている。

第1部では、心理的安全性の概念について説明し、過去にどのような研究がなされてきたかを紹介している。

第2部では、ケーススタディーを行った多くの組織において、心理的安全性がパフォーマンスと組織の健全性にどのような影響を与えているかを示している。

第3部では、リーダーがどんなことをすれば、誰もが率直に話して仕事をし、貢献・成長・成功し、チームを組んで、ずば抜けた成果を出す組織を創り出せるかを明確にしている。

本書の特徴の一つは、著者の20年に渡る研究結果を元に書かれており、非常にケーススタディーが豊富なことだ。

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2020年7月16日 (木)

知識の「幅」でVUCAな世界に対応する

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デイビッド・エプスタイン(中室 牧子解説、東方 雅美訳)「RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる」、日経BP(2020)


(Kindle)https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0868DR36/opc-22/ref=nosim
(紙の本)https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822288773/opc-22/ref=nosim

 

お薦め度:★★★★★

  

  

  

  

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2020年6月19日 (金)

「思考の落とし穴に陥らない」ためのリスト

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ロルフ・ドベリ(中村 智子訳)「Think right 誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法」、サンマーク出版(2020) 


(Kindle)https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B089LQ12NK/opc-22/ref=nosim
(紙の本)https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763138030/opc-22/ref=nosim

お薦め度:★★★★★

 

 

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2020年5月 1日 (金)

コロナ後に向けてレジリエンスを高めよう!

Rejiri3_2◆はじめに

 コロナ自粛で経済活動がどん底に落ちています。
 
まあ、考えようによっては、100年生きるとしても人生の中で唯一といってもよい経験でしょうから、糧になる時期だと思います。日本でも緊急事態宣言があと1ヵ月くらいは続きそうなな感じですが、オンライン飲み会やチャレンジでつながることに飽きてきたら、一人で本を読むのはいかがでしょうか?
 
ビジネス書の杜で取り上げたテーマはレジリエンス(resilience)です。コロナ後の回復はV字ではなく、U字になるとかという話もありますが、いずれにしてもレジリエンス(回復力)次第でしょう。早く、コロナ被害から立ち直るためにも個々の人がレジリエンスという概念を理解し、高めていきたいものです。
 

◆レジリエンスの広まり
 
レジリエンスは、元々はストレスとともに物理学の用語でした。ストレスとは「外力による歪み」であり、レジリエンスはそれに対して「外力による歪みを跳ね返す力」として使われています。
 
その後、精神医学でも用いられるようになりました。精神医学では、「極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持することができる能力」という意味で使われます。
 
さらに、2013年のダボス会議で国際競争力としてのレジリエンスが取り上げられ、それ以降、政治、経済、環境、技術、人材育成などさまざまな分野で使われるようになってきています。ビジネスやマネジメントの世界ではレジリエンスは「困難な状況にもかかわらず、うまく適応できる力」の意味で使われます。
 
日本で、ビジネスにおけるレジリエンスが注目されるようになったのは、100年「LIFE SHIFT(ライフ・シフト): 100年時代の人生戦略」ですっかり有名になったリンダ・グラッドソンが「未来企業 レジリエンスの経営とリーダーシップ」という本でレジリエンスを議論したことがきっかけだと思います。これについては後で紹介します。
 
このようにレジリエンスにはいくつかの側面がありますが、ビジネス書の杜では、ビジネスやマネジメントの視点からレジリエンスについて勉強するために読みたい本を紹介したいと思います。なお、この記事を書いている好川は、ビジネスの視点からしかレジリエンスの本を読んでいませんので、もし、別の領域でよい本があれば、是非、教えてください。
 
 
◆レジリエンスのバイブル
 
まず、レジリエンスといえばこの本がバイブルです!

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アンドリュー・ゾッリ、アン・マリー・ヒーリー(須川 綾子訳)「レジリエンス 復活力--あらゆるシステムの破綻と回復を分けるものは何か」、ダイヤモンド社(2013)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478012334/opc-22/ref=nosim
 
これは特に分野を限定せず、レジリエンスをシステムとして解説した本です。災害や大混乱によって破綻するシステムと安定を取り戻すシステムの違いは何か、急激な状況変化に適応できる組織や機関、システムはどうすれば構築できるかを、レジリエンスという概念を使うことによって説明した本です。
 
少々概念的ではありますが、まず、レジリエンスというのを正しく理解するためには、特定の分野での本を読むより、こういうアプローチの本を読んだ方がよいと思います。この本の後で出版された本を見ていると、大体、この本て少々されているシステム構築のスキームに包含されていると思われます。
この本が今回、紹介する中で、今、最も読んで欲しい本です。
 

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2019年11月 1日 (金)

MBAコンセプトの本質を知り、使いこなす

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グロービス、嶋田 毅「ダークサイドオブMBAコンセプト」、東洋経済新報社(2019)
 
 
お薦め度:★★★★★
 

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2019年10月28日 (月)

VUCAの時代に活躍するために読んでおきたい本

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◆はじめに
 
VUCAが急速に広まってきています。VUCAとは
 
「Volatility」(変動性:変化が激しく不安定)
「Uncertainty」(不確実性:問題や出来事の予測がつかない)
「Complexity」(複雑性:多数の原因や因子が絡み合っていること)
「Ambiguity」(曖昧性:出出来事の因果関係が不明瞭で前例もない)
 
の略語で、一言でいえば、
 
「あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、将来の予測が困難な状態」
 
です。
 
このような時代にはロジカルシンキングなどの従来の方法をいくら勉強しても役に立ちません。VUCAに対応した勉強が必要です。中でも重要だと考えられているのが、直感や主観をうまく活用していくことです。また、その具体的な方法として最近注目されているパーパスという概念があります。
 
この記事では、このような本を紹介したいと思います。
 
 
◆タイトルにVUCAが入っている本
 
まず、タイトルにVUCAが含まれている本を紹介しておきます。昨年まではありませんでしたが、今年になって何冊か登場してきています。
 

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就実大学経営学部編「VUCA世界における日本の選択 (就実大学グローカルブック) 」、吉備人出版(2019)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860695720/opc-22/ref=nosim
 
河野英太郎「本当は大切なのに誰も教えてくれないVUCA時代の仕事のキホン」、PHP研究所(2019)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569842453/opc-22/ref=nosim
 
時吉康範, 時吉 康範他編集「2030 経営ビジョンのつくりかた VUCA時代を乗り切る」日本経済新聞出版社(2019)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532322898/opc-22/ref=nosim
 
柴田 彰「VUCA 不確実な時代の7つの能力」、日本経済新聞出版社(2019)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532323126/opc-22/ref=nosim
 
 
◆VUCAについて触れている本
 
次に、VUCAに触れている本として、ぜひ、読んでおくとよいものは、以下の2冊です。
 
山口周「ニュータイプの時代」(ダイヤモンド社)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/447810834X/opc-22/ref=nosim
 
岩下智「面白い! 」のつくり方(CCCメディアハウス)
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484192217/opc-22/ref=nosim
 

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2014年1月25日 (土)

「情けは人のためならず」を理論化した一冊

4837957463アダム グラント(楠木 建訳)「GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代」、三笠書房(2014)

お奨め度:★★★★★+α

対人行動の基本関係をギバー(人に惜しみなく与える人)、テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)、マッチャー(損得のバランスを考える人)の3つのタイプに分けて、事例と心理学実験などを通じて、仕事におけるタイプと成果の関係を分析した一冊。米国でウォートン校史上最年少の終身教授になった著者のデビュー作として米国を始め、全世界で話題になった書籍の翻訳。

監訳者の楠木先生が「情けは人のためならず」を実証実験し、理論化された本だと述べられているがまさにそんな感じの本である。「情けは人のためならず」に共感できる人にはお奨めしたい。

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2013年9月28日 (土)

あたなが仕事の中で行っている「善行」は成果を生んでいるか

4905154510ジェイク・ブリーデン(宮本喜一訳)「世界一の企業教育機関がつくった仕事の教科書」、アチーブメント出版(2013)

お奨め度:★★★★★+α

グーグル、スターバックス、マイクロソフト、IBMなどの企業をクライアントにもち、エグゼクティブ教育では世界一だと言われるディーク・コーポレート・エディケーションで教鞭をとる著者が新しい仕事の常識を述べた一冊。もし、これらの企業においてリーダーがこの本にあるような行動をできているのだとすれば、エクセレントカンパニーであることが納得できると思わせる一冊。すべてのリーダーに読んで欲しい。


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2013年3月17日 (日)

変化を生み出す、原理原則とは何か?

4862761453_2 ジョセフ・ジャウォースキー(金井 壽宏監訳、野津智子訳)「源泉――知を創造するリーダーシップ」、英治出版(2013)

お奨め度:★★★★★

みなさんはダニエル・デフォーの「ロビンソン漂流記」を読まれたことはあるだろうか。

ロビンソン・クルーソーという船乗りが大西洋の赤道近くの無人島で長い間暮らしたときの物語である。イギリス人のロビンソンはひょんなことからブラジルで農園を経営することになる。農園は軌道にのり、事業を拡大するためにアフリカから黒人を連れてきて奴隷にしようと考える。ロビンソンは船長としてアフリカに向かうが途中、嵐に見舞われ、船は難破してロビンソンだけが生き残り、船は赤道近くの無人島にたどり着く。ロビンソンは船にあった銃・弾丸・火薬そしてナイフ・斧などを島に運び、28年間、島で生活するという物語だが、小学生のときにワクワクしながら、何度も読んだ覚えがある。

なぜ、ワクワクしたのかというと、ロビンソン・クルーソーになって、どことも分からない無人島で、生き延びていかなくてはならないという実際には体験できない状況でいろいろと想像するからだ。

ジョセフ・ジャウォースキーの「シンクロニシティ」を最初に読んだときに連想したのが「ロビンソン漂流記」だった。「ロビンソン漂流記」はサバイバルの旅、「シンクロニシティ」は内面の旅だが、「シンクロニシティ」という本は「ロビンソン漂流記」を読んだときのように一体化しながら読む本だろうなと思った。

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