【コンセプチュアル仕事術】第9話~実行力の源泉はコンセプチュアルスキルにあり
◆2つのプロジェクトマネジメント標準
プロジェクトマネジメントの標準というと米国のプロジェクトマネジメント協会(PMI)が作ったPMBOK(R)を思い浮かべる人が多いと思う。PMBOK(R)は1987年に原型ができ、1996年に標準として世に出された。その後、改版を重ね、現在は2012年に発表された第5版が最新版となっている。
PMBOK(R)の初版はその名前の通り、知識体系が中心で、ひとつのマネジメントがプロセスとして確立されているのはリスクマネジメントだけだった。その後、プロセス志向が強くなり、第3版からは形の上ではすべてのマネジメントがプロセスとして連結された(ただし、インプットやアウトプットが抽象度が高く、プロセスだとは言い難い面もある)。
プロセス的になってきた背景は2つあり、一つは知識体系をの使い方が固定化してきて、標準プロセスとして提供しても問題なくなってきたことがある。もう一つはPMBOK(R)の普及とともに底辺が広がり、認定資格と知識体系という組み合わせだけでは活用できなくなってきたことだ。
これに対して、日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が作ったP2Mという標準がある。こちらは基本的にプロセスはない。コンピテンシーという言い方をしているが、概念的な標準があり、それを利用者が解釈して実行するようになっている。
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