★補助線 Feed

2011年7月20日 (水)

【補助線】PM1.0とPM2.0との違い

プロジェクトの区分はさまざまな方法があるが、プロジェクトマネジメントを考慮したときに、

・ゴール(目標)
・ソリューション(目標達成方法)

に注目して整理すると分かり易い。


つまり、プロジェクトの目標(ゴール)が明確かどうか、および、目標の達成方法(ソリューション)が明確かの2軸でプロジェクトを区分するわけだ。

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2010年4月25日 (日)

【補助線】シンクロニシティ

 ◆カーズナーの「次世代プロジェクトマネジャー育成」セミナー

4月23日の金曜日にMIRの浦正樹ダイレクターとプロジェクト経営に関する情報交換ミーティングを行った。その中で、前日に行われたハロルド・カーズナー博士のセミナーの内容が話題になった。

プロジェクトマネジメントの将来
~次世代プロジェクトマネジャーを育成する~

主催は、ハロルド・カーズナー博士がSenior Executive Directorを務めるInternational Institute for Learning, Inc.(IIL)の日本のブランチ。

僕がプロジェクトマネジメントに関してもっとも大きな影響を受けた人を一人上げるとすればハロルド・カーズナー博士であり、22日のセミナーにも参加したかったくらいなので、浦さんからいろいろとセミナーの内容を聞いた。

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2010年4月13日 (火)

【補助線】グローバルスタンダードの幻想

◆取り残されるという「勝手な思い込み」

我々のもう一つの失敗はグローバルスタンダードに従わないと世界から取り残されるのではないかという、勝手な思い込みしてしまったことである。これは大変な勘違いであった。文化ほど独自なものはない。文化は弱さの原因でもあるが、他の人のまねできない強さ、つまり、独自能力の原因でもある。

このフレーズは、加護野忠男先生の「経営の精神」に出てくるフレーズである。この議論で最も念頭に置かれているのは、SOX法による内部統制である。SOXに限らず、一般的な議論だと思うが、この議論は難しい議論である。何が難しいかというと、競争のルールをどう考えるかだ。

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2010年4月 4日 (日)

【補助線】ミドルは自利を解放せよ

◆自利利他

加護野忠男教授の書かれた「経営の精神」に、「自利」という言葉が出てきて、興味を持ち、いろいろと調べていたら、深い言葉だ。「自利利他」は最澄伝教大師の言葉で、利他を実践すればいつかは巡り巡って自分の利益になるというような考え方ではなく、「利他の実践がそのまま自分の幸せなのだ」のようだ。

辞書を引くと、宗教用語としての自利は

仏道修行によって自分によい果報をもたらすこと。自分の成仏を目的とすること

とある。同時に、「自分の利益」であり、「私利」とも書かれている。宗教用語が本来の意味だとすれば、私利と自利は逆の意味のようにも取れる。調べてみてもよく分からなかったのだが、「私」と「自」はなんとなくだが、違うようなイメージがあるからだ。ただ、私利は「私利私欲」を連想したイメージを持っているからだけかもしれない。

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2010年3月31日 (水)

【補助線】プロジェクトマネジャーの役割はプロジェクトマネジャー自身で決める

◆役割と仕事の混乱

プロジェクトマネジャーの役割は何かという議論を一度、本音でしてみたい。多くのプロジェクトマネジャーが理解できていないし、PMOや組織もあまりよく理解できていないのではないかと思う。また、それによって、権限委譲があまり適切に行われていない、つまり、役割を果たすだけの権限が与えられていないようにも思う。

プロジェクトマネジャーの研修のときに、必ず、この質問をすることにしている。出てくる意見のベスト3は

・進捗の管理
・計画の策定
・チームビルディング

である(統計を取っているわけではないので、順位は分からないし、表現もまちまちであるが)。

こういったことはプロジェクトマネジャーがやらなくてはならないことである。それは間違いない。これは仕事(作業)であって役割ではない。まず、この認識があまりできていない。もちろん、できている人もいる。よく出てくる意見をいくつか上げると

・メンバーを安心して仕事ができるようにし、能力を引き出す
・顧客との関係を良好にする
・リスクに早く気付き、影響を抑える

といったものが多い。

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2010年3月28日 (日)

【補助線】エンジニアからマネジャーへのトランジション

エンジニアがよいプロジェクトマネジャーになること(トランジション)は意外なくらい難しい。この記事はエンジニアの仕事とプロジェクトマネジャーの仕事はどう違うのかを明確にした上で、トランジションの障壁になっているものを整理し、どうすれば変わることができるのかを、著者のコンサルティング経験に基づき、整理したい。

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2010年3月23日 (火)

【補助線】失敗が「恥」と結びつく文化を克服しよう

◆「21世紀枠に負けたことは末代までの恥です」

第82回選抜高校野球大会で監督が騒動を巻き起こしている。騒動を起こしたのは、開星(島根)の野々村直通監督(58)。新聞によると、3月22日、第1試合で「21世紀枠」の向陽(和歌山)に1―2で敗れたあとのインタビューで、「21世紀枠に負けたことは末代までの恥です」などと発言したらしい。

スタンフォード大学のアントレプレナー・センターでエグゼクティブ・ディレクターを務めるティナ・シーリグ氏が自身の集中講義の内容を紹介した書籍「What I Wish I Knew When I Was 20(邦訳「20歳のときに知っておきたかったこと」(阪急コミュニケーションズ、2010)」で面白い指摘をしている。


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2010年2月 2日 (火)

【補助線】プロジェクトのインテグリティ

◆リーダーの人間力

最近、人のインテグリティについて体系かつ、分析的に述べれた名著、ヘンリー・クラウドの「Integrity」の翻訳が出た。ビジネス書の杜にも紹介記事を書いたが、プロジェクトに関わるすべての人にとって、とても大切なことが書いてある本なので、ぜひ、一読をお奨めする。

リーダーの人間力
https://mat.lekumo.biz/books/2010/02/integrity.html

さて、この記事で書こうとすることは、人のインテグリティの話ではない。人に人間性というインテグリティが必要であるように、プロジェクトにもインテグリティが必要である。プロジェクトをインテグリティという目で見ていると、インテグリティのないプロジェクトは「大きな失敗」をすることも多いし、失敗しないまでも大きな成果は得られにくい。


ヘンリー・クラウドの本の解説を借りながら、プロジェクトのインテグリティについて考えてみたい。

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2010年1月27日 (水)

【補助線】プロジェクトマネジメントとプロジェクト管理

◆マネジャーとリーダーの違い

PM養成マガジンを始めたころに、「プロジェクト管理とプロジェクトマネジメントは違う」、「プロジェクトマネジャーがすべきことはプロジェクトマネジメントであってプロジェクト管理ではない」と言い続けてきた。それは言葉の遊びだと指摘されることも少なくなかったが、僕の中では明確な区別があった。そろそろ、区別を明確にしたいと思う。

これに関連する議論で、マネジャーとリーダーはどう違うかという議論がある。この議論は、古くから行われている。この議論のベースラインができたのは、ハーバード・ビジネススクールの名誉教授アブラハム・ザレズニック氏の論文
「マネジャーとリーダー:その似て非なる役割」
という論文だ。この論文はハーバードビジネスレビューに1977年に掲載され、当年のマッキンゼー賞を受賞し、大変有名な論文である。ザレズニック氏はマネジャーとリーダーはまったく別の人種であるとして、以下のような指摘をしている。

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2010年1月26日 (火)

【補助線】プロジェクトライフサイクル考

◆構想・企画 → 売り込み・巻き込み → 実行 → 終結

プロジェクトマネジメントが定着するにつれて、プロジェクトライフサイクルに対する概念が曖昧になってきたように感じる。フェーズの並びがプロジェクトライフサイクルだという考え方にだんだんシフトしているような感じがする。

プロジェクトマネジメントでは、プロジェクトの開始(組織の承認)から終了までがプロジェクトライフサイクルである。プロジェクト側からみればそういうことなのだが、経営側から見れば、「プロジェクト立ち上げ」の準備というフェーズがある。プロジェクトの企画、あるいは構想である。

ガバナンス的にいえば、どんなプロジェクトでもこのフェーズはあり、重要である。

さらに、構想がまとまってきたら、売り込み、あるいは巻き込みのフェーズが必要である。プロジェクトメンバーとして、あるいは協力者としてステークホルダを巻き込んでいくフェーズである。このフェーズをきちんとやらないと、大きな成果を得ることは難しくなる。できる範囲でしかできないからだ。

そして、プロジェクトの実施のめどが立てば、プロジェクトは実行のフェーズに移る。ここでは、プロジェクトのプラニング作業を行い、策定した計画に従ってプロジェクトを進めて行く。

最後は、終結。プロジェクトの成果をしかるべき人に引き渡す。プロジェクトでやってきたことに意義を持たせるためにはここが大切である。IT業界では、「動かないコンピュータ」という言葉がある。せっかくシステムを作ったのに動かないのでは、それがいくらすばらしいシステムでも一文の価値もない。終結というのは終わりではなく、プロジェクトの成果が会社や顧客、世の中に貢献する「始まり」である。「始まり」はしっかりとする必要がある。

このようにプロジェクトライフサイクルは

構想・企画 → 売り込み・巻き込み → 実行 → 終結

が一般的である。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。