★補助線 Feed

2012年5月 8日 (火)

【補助線】曖昧な責任と振り返り

Sekinin◆責任者は社長です。

日本の組織は責任の所在がはっきりしないと言われることが多い。よく笑い話になるのが、責任者は誰かと聞いても、「何に関する責任ですか」といわれるという話だ。RAM(責任分担表)のようなものを作って、責任分担をしているのでそのような対応になるのかというと、必ずしもそうでもない。阿吽の呼吸のもとに、そのような責任分担が行われており、責任の所在があいまいになっている。そして、責任を突き詰めていくと、社長ということになってしまう。もちろん、正常なロジックではない。現場の問題で社長が責任者というのは、責任者はいませんということに等しい。

冒頭から何を意気込んでいるかというと、いまさら責任論をしたいわけではない。この記事で議論したいのは、責任が不明確なのに、振り返りができるのかという問題だ。

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2012年4月10日 (火)

【補助線】持論作りのエクスサイズ(加筆とまとめ)

Jironメルマガ10周年記念のアクティビティとして、持論をつくるという活動をやっている。

補助線にも何度か持論に関するコメントを書いたが、メルマガで誌上体験と称して、持論をつくるエクスサイズを行った。この補助線は、エクスサイズに加筆し、まとめたものである。

ぜひ、実践してみてほしい。

なお、持論作りのアクティビティは、現在、応募者30名で、あと、18名、応募があれば実施することにしている。応募はこちらからできます。

PM養成マガジン10周年記念イベント第2弾 アクティビティ「持論を持とう!」
https://mat.lekumo.biz/ppf/2012/02/jiron.html

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2012年4月 6日 (金)

【コミュニティ】交流の場「プロジェクトの補助線」を創りました

Communityメールマガジン「PM養成マガジン」と「戦略実行プロフェッショナル」の読者交流のための場(コミュニティ)を創りました。名称は、公式ブログと同じで「プロジェクトの補助線」です。

活動としては、

(1)メルマガへの読者の声の収集
(2)メルマガから読者への問いかけと対話
(3)メルマガセミナーの企画・実施・フィードバック
(今回の10周年のような感じ)
(4)メルマガの内容に関して、読者から読者への問いかけと対話
(5)コミュニティ上の読書会
(6)テーマを決めたディスカッション
(7)情報交換
(8)アンケートなどの調査
(9)読者の提案による活動

といったことをやりたいと思っています。

facebookのグループ機能を利用していますので、参加するには、facebookのアカウントを取得し、グループへ登録申請をしていただく必要があります。

facebookのアカウントをお持ちでない方は、まず、facebookのトップページ

http://www.facebook.com/

にアクセスし、アカウント登録のボタンを押して、ナビゲーションに従って登録してください。

アカウントをお持ちの方は、

プロジェクトの補助線
http://www.facebook.com/groups/383399338361491/

にアクセスし、登録申請をしてください。

なお、これに伴い、「読者の声」は廃止することにしました。ご了解ください。

2012年3月30日 (金)

【補助線】プロジェクトにおける洞察と創造

Insight2◆あるプロジェクトの要件定義

あるプロジェクトでの話。要件定義の取りまとめに、ユーザがあまり協力的ではない。あなたがプロジェクトマネジャーなら、どういう対応をするだろうか?

このケースで問われるのは、顧客が何を考えてそのような行動をとっているかを洞察する力である。では、どうすれば洞察できるのか?

ユーザと話し合いをしてみる。ユーザはユーザ部門と取り纏めているマネジャーだ。

ベンダ:もう少し対応時間をとってほしいのですが
ユーザ:今は、四半期のラストスパートで忙しいので、難しいですね
ベンダ:それが終われば対応できますか
ユーザ:ほかにも急ぎの仕事はあるので、確約は難しいです
ベンダ:協力してもらうために、我々が何かお力になれることはありますか
ユーザ:どういう協力が必要なんですか
ベンダ:時間をとって、必要なことについて一緒に検討して貰えるとありがたいのですが
ユーザ:であれば、担当者の業務を見て貰えば分かるのではないかと思いますが。

といった感じで話がかみ合わない。どうすればよいのだろうか?

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2012年3月14日 (水)

【補助線】持論について考える(後)

(前半)持論について考える(前)Jiron

◆持論の使い方と効用(3)~成長の糧にする

三つ目は、持論を糧にしてプロジェクトマネジャーとして成長していくことだ。持論を持つことによって、持論を適用してみて、その結果に基づいて、自分のやり方を振り返ることができる。もちろん、持論がなくても振り返ることはできるが、持論により振り返りの焦点が絞られる。重要なことは、多くのプロジェクトマネジャーの持論というのは、プロジェクトの結果に大きな影響を持つポイントを中心にしていることだ。たとえば、プロジェクトマネジャーにプロジェクトを成功させる「コツ」はなんですか?と聞いたら、どうでもよいことなど出てこないだろう。その人が、自分なりにここさえ押さえておけば大丈夫というポイントが出てくる。

つまり、持論を持ち、持論を中心に振り返りを行うことより、プロジェクトを成功させる方法を合理的に習得することができる。言い換えると、戦略的に成長できるのだ。この振り返りは内省と呼ばれるが、内省を誘発し、かつ、内省の結果を整理する役割を果たすのが持論である。そして、持論の成長とともに、プロジェクトマネジャーとして成長していくといってもよい。

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2012年3月13日 (火)

【補助線】持論について考える(前)

Jiron3◆標準とは

みなさんならマネジメントにおける「標準」とは何?と聞かれたら、なんと答えるだろうか?簡単そうで、多面性があり、意外と難しい。その中の一つは、

そのとおりにやればうまく行く方法論やプロセス

というものである。

組織がプロジェクトマネジメントの標準を決めるということは、標準に従ってプロジェクトマネジメントを行って、プロジェクトがうまく行かない場合には組織が責任を持つという意味である。ただし、一足飛びにそのような標準を定めることができないので、そこで、標準を実践しながら、問題を見つけ出し、改善しながら、プロジェクトの成功の度合いを高めていく。このような活動を成熟度の向上と呼ぶ。

標準が成熟していないとき、つまり、うまくいく確率がそんなに高くない場合に、プロジェクトマネジャーはどのように対応すればよいのだろうか?プロジェクトをうまく進めるために不十分なところは、自分で決めながら進めることが必要だ。標準をこのように活用すればうまく行くという自分なりの方法を持つことが必要になる。

組織によってはプロジェクトマネジメントの標準が存在しない場合もある。そのような場合には、すべてのやり方を自分で決め、自分なりの方法を確立する必要がある。

いずれにしても、プロジェクトマネジャーは置かれた状況で、プロジェクトの進め方、あるいは、プロジェクトマネジメントの方法について、自分なりに「こうすればうまくいく」という方法論を持たなくてはならない。多くのプロジェクトマネジャーは頭の中にぼんやりとそのような考えを持っているが、それを形式化、文書化したものが持論である。

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2012年2月21日 (火)

【補助線】経験から賢く学ぶ

Keiken◆賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ

ドイツ帝国初代宰相のオットー・フォン・ビスマルクの有名な言葉に、

賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ

という言葉がある。プロジェクトマネジメント関係者の中には、歴史を「自分以外の経験」と読み替える人が多い。たとえば、自分が担当した以外のプロジェクトの経験に学ぶ。この読み替えは正しいのだろうか?

話は変わるが、かつて、高度成長期の日本は経験至上主義だった。特に、定型的な業務を行うときには経験は極めて重要である。求人のときに経験者が優遇されるのは、経験が重要だからである。

定型的な業務では、学びより、覚える(倣う)ことが重要である。仕事を覚える。覚えるためには、理屈よりは経験だ。ゆえに、経験は重視される。これは別に日本に限ったことではない。どこの国に行っても同じだ。

ところが、マネジメントのような非定型な業務になると話はそう簡単ではない。経験がいらないかというと、経験は必要である。しかし、覚えるだけではうまく行かない。そこで、「学び」が必要になってくる。

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2012年2月14日 (火)

【補助線】「プロジェティスタ」 再起動

◆過去の活動の振り返り

Creative32008年8月~9月に補助線の記事として

【補助線】プロジェクトマネジャーから、プロジェティスタへ

【補助線】出でよ!プロジェティスタ!

という記事を書いた。また、その後も

【補助線】洞察とプロデュース

といった記事を書いてきた。

また、2009年から「プロジェティスタ研究会」なるものを立上げ、同研究会とPMstyleの共催で、2010年5月~2011年3月にかけて、東京で5回、関西で1回、イノベーションをテーマにしたワールドカフェを行った。2011年3月のワールドカフェは11日に開催し、第2ラウンドをやっている最中に東日本大震災が発生し、古い施設だったので結構、怖い思いをした。

【PMstyleCafe】プロジェティスタ研究会主催ワールドカフェ(5月19日)報告

さらに、2010年~2011年にかけて何度か、

プロジェティスタの仕事術

というセミナーを行った。

プロジェティスタについては、震災をきっかけに時間が止まってしまった。震災後のいま、本当に必要な人材はプロジェティスタだという思いはあるのだが、動けなかった。

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2011年11月29日 (火)

【補助線】創造性とプロセス

Process◆プロセスが好きな人と、嫌いな人がいる

PMBOK(R)のプロセスの複雑さとか、ドキュメントの多さなどもやっと受け入れられて、なんとなく落ち着いてきた感がある。

一方で、PMIの今のトピックスはアジャイルである。今年の4月から、プロフェッショナル認定制度(Agile PMP)のトライアルが始まり、北米の年次大会でも年々、発表が増えている。アジャイルの活動は興味深い。PMIとしてはプロジェクトマネジメント、プログラムマネジメントやポートフォリオマネジメントのような標準を持たずに展開している。さし向き、アジャイルウェイのようなとらえ方をしているように見える。

世の中には、プロセスが好きな人と、嫌いな人がいる。プロセスが適したプロジェクトとプロセスは適さないプロジェクトがある。トラディッショナルなプロジェクトマネジメントとアジャイルの境界はここにあるのかもしれない。

そもそも、標準とは何かという議論もある。標準というのは、それを適用することによって確実にうまく行くメソドロジー(方法論)である。プロセスを標準にするということは、メソドロジーの適用の仕方を限定しているということで、たいへん、勇気のいることだ。




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2011年7月24日 (日)

【補助線】アナログ放送の終了日にプロジェクトXについて考えた

◆テレビの紆余曲折

今日でアナログ放送は終了。歴史的な日だ。

テレビで、いろいろと回顧特集をやっていた。その中で、たかじんの「そこまで言って委員会」で、田原総一郎さんや、池田信夫さんがでてきて、レギュラーメンバーと面白い議論をしていた。口火を切ったのは、田原氏。田原氏が社会に出た時代のテレビというのは、新聞社を落ち、出版社を落ち、でもマスコミにという人がテレビに行った。格も低く、テレビだから(仕方ない)という理由で何でも許された。イロモノだ。そういう時代だったそうだ。

池田信夫さんの時代は、テレビは根付き、よい人材が入ってくるようになってきた。そして、テレビは全盛期を迎える。特に、NHKはアカデミックな人たちも含めて、出演がステータスになったそうだ。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。