★補助線 Feed

2008年7月 7日 (月)

【補助線】プロジェクトマネジメントはチームで行え!

PMBOKプロジェクトマネジメントの導入をすると、例外なく、ドキュメントワークの大変さを訴えるプロジェクトマネジャーが出てくる。実際にプロジェクトの立ち上げの際には時間の制約があり、かつ、マネジメント業務が集中する中でやらなくてはならないので、本当に大変だと思う。いくら、ドキュメントワークに慣れているといっても、欧米のプロジェクトマネジャーはこれだけのドキュメントを本当に書くのかと疑問を持っているプロジェクトマネジャーも少なくない。

そう思った経験のある人は、PMBOKのプロジェクト活動の図式をもう一度、みてほしい。実はプロジェクトマネジメントの仕事というのはプロジェクトマネジャーが一人でやるような図式になっていないのだ。少なくとも、プロジェクトマネジメントを担当すべき人は3名いる。

(A)プロジェクトマネジャー
(B)プロジェクトスポンサー
(C)プロジェクトマネジメントチーム

である。プロジェクトマネジメントの指揮をするのがプロジェクトマネジャーであることは間違いないのだが、それはプロジェくマネジメントチームを結成し、プロジェクトマネジメントの体制を作り、さらには、プロジェクトスポンサーへのマネジメント活動の依頼をすることを意味している。

さて、プロジェクトマネジメント業務を分類すると、以下のように分けることができる。

(1)プロジェクト体制の整備
(2)プロジェクト運営方針の調整とステークホルダの調整
(3)プロジェクト運営に関する意思決定
(4)プロジェクトの統制
(5)プロジェクトマネジメント成果物作成作業
(6)プロジェクトの対外的アピール

PMBOKで問題にされているドキュメントワークの多さは、(4)の量の多さである。

さて、ここで問題は誰が何をするかだ。まず、確実にプロジェクトマネジャーの仕事だと言えるのは、(1)~(4)である。そして、(1)の中で、プロジェクトマネジメントチームの編成をする。その上で、(5)を依頼する。また(6)はプロジェクトスポンサーの仕事である。

ところが、現実には、(1)~(6)のほどんどがプロジェクトマネジャーの仕事になっている。これでは、いくら時間があっても足りない。

プロジェクトマネジャーがプロジェクトの立ち上げで真っ先にやるべきことは、プロジェクト憲章の作成でもなく、スコープの明確化でもない。プロジェクトの形を一緒に作ることのできるプロジェクトマネジメントチームの結成である。

2008年7月 1日 (火)

【補助線】プロジェクトマネジメントにおける型と守破離(しゅはり)

◆型と形

6月25日のPMstyle+メールマガジンの巻頭言に守破離(しゅはりと読む)について書いたのだが、短時間で簡単に書いたので、もう少し、詳しく調べて記事にしてみた。

どうも、守破離を論じる前の問題として、型とは何かという問題があるようだ。PMスタイルという型に関係するコンセプトを打ち出しながらいまさらの話で恐縮なのだが、いろいろと調べてみた。

東北大学名誉教授の源了圓先生は、型とは何かと考えるときに、形と型はどう異なるのか?がポイントだと指摘している。源先生によると、型を構成するものは心技体であり、

「型」とは、ある「形」が持続化の努力を経て洗練・完成したものであり、機能性・合理性・安定性を有し、一種の美をもっている。さらにそれは模範性と統合性を具えている。
【出典】http://www.sal.tohoku.ac.jp/80thanniv/minamoto.html

と指摘する。型が機能性、合理性、安定性、規範性、統合性というのは、分野に関わらず、型である限り必要な要素だというのは納得ができる。プロジェクトマネジメントで、米国プロジェクトマネジメント協会(PMI)により1987年に初めてまとめられたプロジェクトマネジメント標準と1996年にまとめられたPMBOK第1版を比較してみるとこれは非常によく分かる。

◆型とは家と間からなる

編集工学を唱える松岡正剛氏は、

型というものは、いろいろのものと一緒にある。一番わかりやすくいえば「家」と「間」とともにある。「家」は職能の伝統を守る門のことで、ここに家元も出てくれば、入門も破門も出てくる。
【出典】http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1100.html

と指摘する。

家は上の説明の通りである。日本人にはPMIを家だと見做している人が少なくない。違うと思うが、まあ、そう考えたい気持ちはわからなくはない。

◆間とステークホルダマネジメント

説明しにくいのは間である。日本人にとって、「間が悪い」などという言葉があるように、間という概念は浸透している。しかし、説明となると難しい。そもそも、間というのはなぜ必要なのか?

間について調べていたところ、やはり、源先生の指摘がもっとも納得できた。著者なりにまとめてみると、

間というのは心技体の心の部分に関わるものである。いろいろな間があるが、たとえば、能の世阿弥は父である観阿弥の教えを成熟させていく中で、本質的な美の追求と、観客を本位とした美の実現という異なる二つの方向性を、いかにして両立させるかという問題に行き当たった。そこで、静止してはいるが全身全霊がこもった緊張状態である「せぬ隙」を生み出した。ただし、そうした内心の精神的な動きを観客に知られては具合が悪いので、自分自身が自分の心を隠すことが必要だと考えた。これが「無心」であり、無心ができて、心技体が完成する

というのが源先生の見解である。プロジェクトマネジメントの型を極める中で、この間というは意外と重要ではないかと思われる。ステークホルダマネジメントの本質は間にあるのではないかと思うからだ。

◆型の成熟と守破離

このように型というのはいろいろな視点がある。このほかにの見方もあると思うが、源先生の指摘のように「形」の延長線上にあるのだと思う。つまり、型を極めるというのは、形から入り、型を覚え、型を破り、新しいものを作っていくプロセスということになる。

このプロセスを示したのは、守破離である。このプロセスを、守破離という言葉で表現したのは、江戸時代の茶匠、川上不白の『不白筆記』である。

川上不白の『不白筆記』では、

守ハマモル、破ハヤブル、離ハハナルと申候。

とある。また、川上不白は『茶話集』で

守は下手、破は上手、離は名人

とも記している。

この考え方自体は禅の考え方で、川上不白が影響を受けたのではないかと推察される達人がいる。ひとりは上で名前の出てきた世阿弥で、『風姿花伝』で「序破急」を説いた。もう一人は歌集『利休百首』にて、

規矩作法 守り尽くして 破るとも 離るるとても 本を忘るるな」

と説いた千利休である。いずれにしても、まず最初は型を守り、次に型を崩してみる。そして、最終的に型から離れるというプロセスである。離れるというのが若干イメージしにくいが、離れるというのは松岡正剛氏の家が重要な要素であるという説明を考えるとよく分かる。家を離れるのだ。家を離れたからといって好き勝手にやってよいという話にはならない。千利休のいうように「本を忘るるな」である。すなわち、本質を見失うなということだ。

◆プロジェクトマネジメントにおける守

この守破離のプロセスは、プロジェクトマネジメントにおいても、展開でき、有用なものであると思われる。

まずは、守である。教えられた型を徹底して学ばなければならない。この学びの中では形が出発点になる。形を覚え、そこから型の意味を学んでいくのだ。スキルを「身につける」とかいうのは、この段階をさす言葉で、ここでは教えが必要である。

プロジェクトマネジメント道では、PMBOKの型を覚え、PMPの資格を取るというのが王道かもしれないが、PMBOKにこだわる必要はない。ある程度の範囲で型と認めているものであれば、何でもよい。たとえば、企業独自の流儀とか、業界独自の流儀とかでもよいわけだ。

◆プロジェクトマネジメントにおける破

次の「破」はその身に付いたスキルをつかって、行動をすることだ。あまり使わない言葉だが、身につけるに対して、「身を働かせる」といってもよい。落語で芸を揶揄する言葉に「箱入り」というのがあるが、この段階で箱からでなくてはならない。そのためには創造性や工夫が必要である。そして行動において重要なことは、その行動による影響をきちんと認識し、感じておくことが必要だ。

プロジェクトマネジメントでいえば、PMBOKを覚え、実際にやってみる中で、現実に合わないところがあれば、変えていく。たとえば、プロセスのインプットやアウトプットを変える、ツールを変えるといったこと。あるいは、プロセスそのものを破ることも破だといってもよいかもしれない。

ここで重要なことは、実際に変えてみたときにどのようなことが起こったかをしっかりと観察し、型の持つ意味をしっかりと理解することだと思う。それが上手に型を崩すことにつながっていく。

◆離とはキャリアである

そして、「離」は自由自在に行動すること。しかし、本質を踏み外してはならない。

能や茶道のような求道的なものとは少し違うかもしれないが、マネジメントにおいてもやはり、この本質なるものはあると思われる。本質に行き当たるには、何のために仕事をしているのか、そして何のためにマネジメントをするのかというところがポイントになるのだろう。

それはたぶん、顧客のためであったり、社会のためであったり、あるいは自身のためであったりする。著者はビジネスの世界ではそこまでに積み上げてきたキャリアを活かして仕事をする、あるいはキャリアをかけて仕事をするといったことが、離に当たるのではないかと思っている。ここで重要なことは、自由に行動するということは、すなわち、自身のキャリアをかけているのだということをきちんと認識することである。

キャリアが型に変わると言ってもよいと思う。

型を持たないスタイル、キャリアをかけて仕事をするというスタイル。これが「ひとつ上のプロマネ。」の目指しているところである。

2008年6月23日 (月)

【補助線】ステークホルダ4つのタイプ

極論かもしれないが、プロジェクト(マネジメント)への権限委譲は、プロジェクトマネジャーの職位(職制)を基準にして議論される現実がある以上、びっくりするようなプロジェクトへの権限委譲が行われることは極めて珍しい。プロジェクトマネジャーが係長級であれば係長の権限+α、部長であれば、部長の権限+αしか権限は与えられないことが圧倒的に多い。

というよりも、組織側もバカではないので、そのプロジェクトを実施するには、だいたいどういう組織上の権限が必要かを見極め、プロジェクトマネジャーを決めているのが現実だろう。したがって、仮に課長級のプロジェクトマネジャーを想定したルールがあったとしても、部長級のひとがプロジェクトマネジャーになった場合には、部長としての権限も巧みに使いながらプロジェクトを動かしていくのが普通である。

そのように考えてみると、特に職位の低いプロジェクトマネジャーの場合には、ステークホルダへの対応がプロジェクトの成否の分かれ目になることが多い。平たくいえば、職位の高いステークホルダを如何にうまく使うか、これがステークホルダマネジメントの本質だといえよう。

さて、そのステークホルダへの対処だが、タイプによってよく考えていく必要がある。ステークホルダの分類は、プロジェクトへの影響で分類することが多いが、ここでは少し、違った視点からの分類を試みてみたい。

プロジェクトへの関心とプロジェクトへの支援行動に注目して、ステークホルダの分類をする。すると、ステークホルダは4つのタイプに分けることができる。

最初は関心が高くて支援も十分に行ってくれるステークホルダ。これは「ステークホルダの鏡」である。このタイプに対しては、「味方になる」という前提で付き合うのがよい。

そのためには正攻法で行くのに限る。必要に応じてコミュニケーションをとり、できるだけ正直に状況を報告し、相談をする。また、プロジェクトマネジメント活動の中で、スポンサーとしての活動は任せてしまうのがよい。

上司がこのタイプであれば理想なのだが、現実にはそううまくいかないので、このようなステークホルダを探し出す努力も必要だろう。

二番目は関心は高いが、支援行動が少ないステークホルダ。いわゆる、「口だけ出す」というタイプである。このタイプのステークホルダは2つの意味で要注意である。ひとつは評論家的にいろいろなことを言う。職位が上であれば全く無視するのは難しい。二つ目は調子のいいことを言ってもやらない。このタイプはヒューマンスキルに自身のないプロジェクトマネジャーは避けて通った方がよいだろう。ヒューマンスキルに覚えのあるプロジェクトマネジャーであれば毒を食らわば皿までといった使い方もある。組織の中で口だけだすタイプの人間の共通的な特徴はプライドが高いことだ。というより、プライドが高いので失敗したくないので、やらないといった方がよいだろう。この点を徹底的についていくとよい。

ただし、言っていることの10%でも実際にやってくれれば儲けものというくらいの感覚でないとプロジェクトにとっては大きなリスク源になってしまうので、注意!

三番目は関心は高くないが、支援行動をするタイプ。このタイプはあまり見かけないが、たとえば、事業部の重点プロジェクトなどではこのタイプのステークホルダが現れることがままある。要するに、プロジェクトはどうでもいいのだが、自身の上司への体面を保つために支援をしているのだ。このタイプのステークホルダはプロジェクトが支援を必要としているかどうかよりは、自分のできることをやるタイプが多い。「ヒラメ」タイプである。

このタイプのステークホルダをどう使えるかが、ステークホルダマネジメントのポイントになるのではないかと思う。悪く言えば、自分のことしか考えないし、上だけを見ているのだが、逆にいえば、プロジェクトを支援することが自分のためだと思えば労を惜しまないひとが多いし、組織上層部に対する覚えもめでたいし、ある意味組織を動かす方法も知っている。このタイプを使わない手はない。彼にとって、このプロジェクトの成功がいかにメリットのあることかを常にインプットしていこう。

最後は関心も持たず、また、目立った支援行動もしないタイプ。頼まれて仕方ないときにだけ、支援をする。いわゆる「丸投げ」タイプである。このタイプとつきあうときに重要なことは期待しないことだ。受動的な性格のひとが多いので、持っていき方を間違えなければ、戦力になる。このタイプも意外とプライドの高いひとが多いので、プライドをくすぐるような持って行き方をするのがよいだろう。

2008年6月19日 (木)

【補助線】あなたは大野耐一になれるか?

◆あなたは大野耐一になれるか?

トヨタウェイのエバンジェリスト若松義人氏が書いた「大野耐一から学んだトヨタ鬼十訓」という本の中に、こんな話が出てくる。

新車の生産性向上のプロジェクトの一環で、社員のD氏がカンバン方式の指導で部品メーカに行った。この部品メーカはカンバン方式を取り入れて間もないところで、カンバンの紛失が相次ぎ、機能していない状況だった。

このままでルールを守っていれば受注を受けても生産ができず、部品メーカはもちろん、トヨタ自身が困ると考え、カンバンを増発した。これを知った大野氏は「カンバンを探しもせずに、勝手に増発するとはどういうつもりだ」と叱ったという。

プロジェクトマネジャーの上司、あるいはプロジェクトスポンサーであるあなたは大野耐一になれるだろうか?

◆大野耐一の不在に泣くプロジェクト

ミドルマネジャー研修やシニアマネジャー研修のような場でこの話を聞くと大方の人は、大野氏のようにするという。しかし、現場を見ていると、D氏がとった行動を示唆したり、あるいはひどい場合には指示しているケースが多い。黙認しているケースも含まれると、大野氏支持派より、D氏支持派の方がマジョリティのように思える。

プロジェクトマネジャーと対話をしていると、プロジェクトで重大な問題が発生したときにプロジェクトを止めて考えることはできないという人が圧倒的に多い。走りながら考えるしかないという。つまり、D氏になっている。

なぜだろうか?大野耐一がいないからだ。

プロジェクトを預かっているとしても、組織に影響があるリスクは取りにくい。そのため、もっと有効な策があるとしても、応急処置で終わってしまうことが多い。スケジュールが遅れてきたら外注を投入する、コストがオーバーしそうになったら外注の質を下げ、コストも下げる。

プロジェクトマネジャーがリスクを取らずにできることはここまでだ(といっても、このような応急処置こそ、リスク源なのだが、、、)

◆上位マネジャーは忙しい

そのようなリスクを取りたければ、相談に来いという上位マネジャーも少なくない。これはナンセンスである。自らがそういう大局的な判断を自発的にできるだけの時間が取れないマネジャーに相談したところで、(能力はあるかもしれないが)埒があかない可能性の方が高い。まず、判断に至ったロジックを説明するだけでも一苦労。さらに、リスクを取るという場合には、判断に加えて、決断が入る。決断した理由など相手が納得できるように説明できるものではないし、そもそも、説明するものでもないだろう。

では、なぜ、ひとつひとつのプロジェクトに対応できないのか?答えは単純だ。多くのプロジェクトを抱えていること、そして、プロジェクト以外にもやるべきことが多いからだ。
そこで、ここだけは押さえておこうということで、自分なりに工夫して、プロジェクトの報告を受けたりしている。

◆上位マネジャーとプロジェクトマネジャーの意識のずれをスポンサーシップで解消する

ところがそのポイントが、プロジェクト側が見ておいてほしいポイントとずれているのだ。これが最大の問題である。ただし、この場合、組織の中の力関係として上位マネジャーの方が強いので、プロジェクトマネジメントがゆがめられることになる。さすがに最近では減ってきたが、計画を細かく作っている暇があったら作業をしろという上位マネジャーは絶滅しているわけではない。

米国では、上位マネジャーがどのように振る舞えばプロジェクトマネジメントが機能し、プロジェクトの成功に結び付くかというところに体系的なノウハウがある。それは「プロジェクトスポンサーシップ」という形で整理されている。何回か、このプロジェクトプロジェクトスポンサーシップについて書いてみたい。

大野耐一を目指して!

2008年6月16日 (月)

【補助線】橋下知事に学ぶリカバリーマネジメント

◆「取りあえず、出血を止める」というすごさ

先日、「大阪維新プログラム」が発表された。橋下大阪府知事になって100日あまり、情報公開手法もあり、常に顛末が注目された改革案が「大阪維新プログラム」だ。

大阪府はいわば、トラブルプロジェクトである。今回の維新を改革だとみる向きもあるが、もはや、改革という状況は過ぎている。橋下知事自身が公言しているように、民間企業であれば倒産しているような状況である。トラブルプロジェクトとして見たときに、橋下手法はなかなか、参考になることが多い。

まず、

「取りあえず、出血を止めるためのものだ」

という強烈なメッセージだ。

このメッセージはすごい。これで、この後の痛みを伴うシナリオを暗示するととにも、止血というメタファによって自らの施策の正当性を暗に主張している。血を止めなくては死んでしまうぞと暗に言っているわけだ。反対するステークホルダも多いようだが、彼らにとどめを刺すような言葉である。

リカバリーの際には、この出血というメタファはキーワードである。何もしないと、状況はどんどん悪くなっていく。大阪府の例でいえば、5兆円の借金があれば、年利1%で借りていても1年間で500億円借金は増えていくのだ。緊迫感が出てくる。求心力にもなる。

プロジェクトでもまったく同じだ。プロジェクトの場合にはお金より、時間だろう。何もしなければ、時間だけが過ぎていく。すると、遅延率はタクシーメーターのように上がる。これは数字上の問題ではない。事実、生き延びることは難しくなるのだ。

◆一生懸命やっていても神風は吹かない

どうも、一生懸命やっていると神風が吹くと思っている人も少なくない。戦後60年以上を過ぎてもまだ、この感覚は変わらないようだ。そういう人たちは、一攫千金を狙う。

たとえば、大阪府の例であれば、税収(法人税)を増やすことを考える。赤字を抱えて有効な産業施策など打ち出せない中では、妄想にすぎない。この傾向はプロジェクトでもよくある。プロジェクトの場合は焦りかもしれないが、止血などしている時間はないという発想になってしまう。血を流している状況で何をどうやってもベースラインを少しでも回復できるはずはないのだ。やり方を変えてやろうとすることは、ほとんど、初期計画の際に棄却したアイディアのはずだ。

しかし、今は当初とは状況が違うといって、安い人件費を大量に投入する誘惑から逃れることができない。大方のトラブルの際には状況は確かに変わっている。ただし、初期計画当初より、スキルフルな人材が大量に必要という方向にだ。

◆学ぶべき点その1~安定化

我々は止血を「安定化」といっているが、トラブルの際には、まず、止血だ。

かつ、止血に成功しても、そのあとが大変である。今度は、まさに、血のにじむような努力をしないと回復できない。「取りあえず、出血を止めるためのものだ」という言葉にはそのようなニュアンスまで含まれている。すごい言葉である。

◆学ぶべき点その2~情報を隠さない

橋下大阪府知事のやり方に学ぶべき点の第2点目はこの情報公開の手法である。

トラブルが起こったプロジェクトでは何かと隠したくなることも多いし、船頭が多くなることを恐れて、対応策を密室で議論することが多い。ところが橋下知事はこれをオープンにした。当然、住民、府職員、府下の自治体などのステークホルダからは喧々諤々の意見が出てくる。十分かどうかは別に、そこで議論させ、その結果を見ながら決断をした。これが、「大阪維新プログラム」である。当然、施策の影響のあったステークホルダは面白いはずはない。ただし、経緯を知っている。ここが大切だ。

この点もトラブル時は大いに参考にしたい。トラブルが起ると隠したくなるのは心情的に分かる。ここで隠すといっているのは子供のように報告をしないとかいう次元の話ではない。報告を多少カモフラージュするだけだ。ベースラインとのバリアンスは事実であるので隠しようがないが、そのあとどうなるかなど、所詮、あてものである。隠すつもりであれば、いくらでも作文できる。上の話と同じで、隠しているうちに神風が吹いて、つじつまが合うと信じている人も少なくない。

特に計画をきちんとしていないと、このあたりの冷静、客観的な評価は結構難しい。

しかし、隠してもいいことなど一つもないことを認識すべきだ。むしろ、隠すことによってものごとを一直線にできなくなるというデメリットがどれだけ大きいか。そう思えば、トラブルの際には情報はすべて公開し、常に本音で見通しを報告すべきである。

◆学ぶべき点その3~ステークホルダを味方にし、動かす

三番目は、ステークホルダへの働きかけである。マスコミを見ていると、聖域を作っていると批判的な評価が多いようだが、国側の法律でがんじがらめになっていて手を出せないところも多いようだ。それについては問題指摘をして、国政や国の行政に投げている。一方で、産業振興施策では既存の枠組みを無視して、地域で民間企業のボードを作って、施策を検討している。このように自分の力の及ばないところについては、自分で何かするのではなく、ステークホルダを最大限に活用して何とかしようとする姿勢は、特に、リカバリー時にはみならうべきであろう。

以上の3つの点において、プロジェクトリカバリーの活動で、橋下手法はたいへん、参考になるし、合理的なアプローチだといえよう。

◆セミナーのご案内

PMstyleでこんなセミナーをやっています。

〓【開催概要】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
 ◆ケーススタディで学ぶプロジェクトリカバリーの手法とスキル◆
  日時:2008年08月22日 10:00-18:00 7PDU取得可能
  場所:ヴィラフォンテーヌコンファレンスセンター(東京・港区)
  講師:好川哲人(プロジェクトマネジメントオフィス)
  詳細・お申込はこちら
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【カリキュラム】
1.プロジェクトリカバリーの進め方とマネジメントのポイント
2.プロジェクトのアセスメントとリカバリーの決定
3.プロジェクトリカバリープランの策定と調整
4.リカバリーの実施と安定化
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2008年6月 9日 (月)

【補助線】目的と目標を区別する

目的と目標という言葉を分けて使っていない人は多いと思う。あるクライアントから、そこにこだわる意味が分からないという指摘を受けた。

両者には明確な違いがある。プロジェクトの目的とはプロジェクトによって達成したいことである。目標とはその目的を達成するために、達成しなくてはならないことであり、一般的には一つの目的に対して、複数の目標が設定される。

ややこしいのは、ひとつのプロジェクトにおいて目的というのは一通りではない。組織としての目的もあれば、顧客としての目的もある。もちろん、プロジェクトマネジャーの目的もあるし、チームの目的もあるだろう。そして、異なる目的に対して、同じ目標が設定されることもある。P2Mに目的―目標連鎖というツールがあるが、これは目的と目標のネットワークをマネジメントしながら、プロジェクトを進めていくためのツールとして用いられている。

抽象的かもしれないので、例をあげてみよう。新技術を使った商品Aの開発プロジェクトがある。このプロジェクトの全社的な目的は
(G0)新しい層の顧客に受け入れられる商品を獲得すること
だった。そして、事業としての目的は
(G1)商品群としてのシェアで競合しているX社を抜くこと
だったとしよう。また、開発現場(プロジェクト)としての目的は、
(G2)新技術に対する可能性を広げる
ことだった。さらに、営業的には
(G3)商品ラインナップに厚みを持たせることにより、顧客を囲い込むこと
といった目的があった。

まず、G0から設定された目標は
(O0-1)○○と△△の機能を持った商品とすること
(O0-2)1年以内に開発し、原価は3000円。開発費用は2億円で、原価に変動のない範囲で許す
(O0-3)商品リピート率を40%にすること
の2つだった。次に目的G1達成のために
(O1-1)商品Aを年間50万個販売すること
(01-2)商品Aの相乗効果で、他の商品の販売数を平均1%増やすこと
(O1-3)商品群のシェアを25%にすること
の2つを策定した。さらに、G2からは
(O-1)3つ以上、20億円のポテンシャルを持つ技術Bの適用市場を探すこと
が設定された。最後のG3からは、
(O3-1)商品群のシェアを25%にすること
(O3-2)商品リピート率を40%にすること
を設定した。この(O3-1)は(O0-3)と同じものである。こんな感じだ。

さて、では、なぜ、目的と目標は混同されるのだろうか?これには明確な理由がある。商品を作ることそのものが目的になっているようなプロジェクトが多いからだ。たとえば、IT業界で特定の分野でよく行われている製造請負といった仕事がある。これをプロジェクトとして使っていこうとすると、一定の制約条件(QCD)のもとでものを作ることそのものが目的であり、それは同時に目標にもある。このようなプロジェクトはあまり付加価値の高くないというより、プロジェクトとして実施することにあまり意味があるとはいえない。

IT業界に関していえば、システムの請負でやる場合にも同じような目的の立て方をする会社やプロジェクトマネジャーがいる。付加価値が期待できるところをモノを作ることだけを目的にしているのは組織としてみれば大変な「ロス」である。

会社がそのようにやるというのは、評価の問題との関係が出てくるので、そんなに単純な話ではないが、極力、付加価値を大きくするような目的の策定をして、プロジェクトを立ち上げたいものである。

2008年5月26日 (月)

【補助線】ゲームか遊びか?

【チームワーク観A】
・チームワークとはチームのために自分を犠牲にすること
・チームのためにはやりたくないこともやらなくてはならない
・「いいやつ」よりも「勝てるやつ」とチームを組みたい
・勝つことがすべて。だからズルも大目に見られる
・ユニフォームでチームの一員であることを示す

【チームワーク観B】
・チームワークとはみんなが満足できる方法を探すこと
・自分が満足いく働きをすることがチームのためになる
・いい人であれば友だちがたくさんできる
・フェアなのが一番。だからルールは守るべき
・洋服は自分を表現するためのもの

あなたのチームワーク観に近いのはAだろうか、それともBだろうか?

実は、これは「ビジネス書の杜」でも紹介したが、パット・ハイムが書いた「HARDBALL for WOMEN(邦訳:会社のルール)」の中で指摘されている「野球のルール」と「ままごと」のルールである。

もう一度、最初の話に戻る。チームワーク観Aは野球のルールであり、チームワーク観Bはままごとのチームワーク観である。

パット・ハイムの主張は、男性は野球(ゲーム)からルールを学び、女性はままごと(遊び)からルールを学んだため、このような差が出てきたというものである。このようなチームワーク観の背景にあるのは、遊びから学べるものと、ゲームから学べるものの違いであり、遊びから学べるものは

・相手と仲良くする
・対立を避ける
・円満解決を目指す
・過程を楽しむ
・全員で決定する
・みんなで協力しあう

であり、ゲームから学べるものは

・監督の言いつけは必ず守る
・競争するのは当たり前
・チームプレイに徹する
・権力を振るう
・自分を有利に見せる
・批判を受け止める
・ゴールに集中し、勝ちを目指す

だという。

プロジェクトというのは後者のルールで行われるゲームである。少なくともアメリカでは。ところが、日本のプロジェクトマネジメントは実は「遊び」の価値観を取り入れつつある。特に、若者を中心にして。

このルール、どこから始めるかが問題なのだが、とりあえず、ビジネスであれば、「ゴールに集中し、勝ちを目指す」である。ところが、今のプロジェクトマネジメントは、いろいろと気を使いすぎなのだ。とりあえず、ゴールを明確にし、それの達成に一直線に進むといった文化を持つ組織は少ないし、必ずしも、よしとしない。

なぜか?小学生から延々と、協調性の重要性を刷り込まれてきたからだ。競争の重要性を教わってきていないのだ。競争ではとにかく目標を達成すればよい。協調は勝つこと自体にそんなに意味はない。勝負は結果であると考え、プロセスを重視する。

さて、あなたはどちらの道を選びますか?プロジェクトマネジメントはゲームに有効なマネジメントである。遊びに有効なマネジメントもある。日本型のマネジメントである。

2008年5月19日 (月)

【補助線】持続的動機づけは可能か?

プロジェクトメンバーのモチベーションを気にするプロジェクトマネジャーが増えている。このテーマで話をしていると、2つのタイプがいることがわかる。

箱の中で満足させようとするタイプと、箱の外を見せて満足させようとするタイプだ。前者は、プロジェクトの作業内容であるとか、作業環境に気を配り、楽しく仕事をしてもらうタイプである。後者はプロジェクトの成果に対する評価を向上させることによって満足させうようとするタイプである。

あなたはどちらだろうか?

前者と後者の絶対的な違いは状況をコントロールできるかどうかである。担当させる仕事とか、環境というのは、上位組織との条件闘争が必要になるにせよ、コントロール可能である。ところが、外部の評価というのは結果と出さない限り得られないし、評価指標すら、状況に応じて変わってしまうことも少なくない。

このような背景があるのだが、「お客に評価されても仕方ない」、「営業に評価されても仕方ない」といった(捨て)セリフを吐くプロマネは意外なくらい多い。このブログを読んでいる方はそんな行動はしないと思うが、心の中ではそう思ったことがある人は多いのではないかと思う。

どちらがいいかは火を見るより明らかである。メンバーを箱の中で満足させて、気持よく仕事をしている、そしてそれが結果的に外部の評価を受けたとしても、持続性はない。この種のマネジメントは麻薬と一緒で、その満足感がなくなると、動機が失われてしまう。結果として何をやってきたかというと、箱の中でメンバーが満足できるロジックを顧客に押し付けるという行動である。過剰な機能の提供、必要性の根拠に乏しい技術開発や新規技術の適用など。この辺まではご愛敬であるが、ここにたとえば、専門性を盾にとった予算水増し、納期の延長などが入ってくるともはや愛嬌では済まない。いくつく先はコンプライアンスの欠如である。これでは持続的になりようがない。

プロジェクトメンバーの動機を持続的に維持するための方法は、顧客満足と連動させるしかない。顧客満足が高めることを動機にする。顧客は満足すれば、要求レベルが上がる。そこでその要求レベルを達成することを動機にする。

このロジックには欠かせない要素がある。顧客満足に対する上位組織(組織内評価者)の評価である。

理想的な企業像は組織がそのような価値観を持っており、従業員は顧客を満足させれば評価も高くなる。しかし、現実には絵に描いた餅である。顧客満足を優先すれば、顧客の言いなりにならざるを得ない。すると、上位組織からは何をやっているのだということになり、評価は逆に低くなることが現実だろう。

この悪循環を断ち切る切り口はどこにあるのだろうか?

「もの」信仰を捨てることだ。上に述べた機能第一主義も結局はここにあるのだが、この悪循環は

 よいものを提供すれば顧客は満足する
   → 欲しがるものを提供すれば顧客は満足する

といった変化はあるものの、もの(商品)で満足させようという発想は全く変わっていないのだ。これをやっている限り、顧客の言うことなど聞こうものなら、コストは青天井になる。

ここを離れて、結局、顧客は何を欲しいのだろうという本質を考え抜く、そこにだけ、問題解決の糸口があるのではないだろうか?

2008年5月12日 (月)

【補助線】インフォームド・コンセントを導入しよう

ある中堅SI企業の一事業部が、インフォームド・コンセント制度なるものを取り入れようとしている。提案書にインフォームド・コンセントシートなるものを添付しようとして、今、内容を検討している。

インフォームド・コンセント (informed consent) は、「正しい情報を得た(伝えられた)上での合意」を意味する概念。(Wikipedia)日本ではもっぱら医療行為に対して適用されるが、英語の本来の意味としては「あらゆる」法的契約に適用されうる概念だとある。

たとえば、弁護士の世界で、依頼者に対して、正しい情報を伝え、合意をするというインフォームド・コンセントの考え方があるという。

もう少し、Wikipediaの解説を紹介しよう。

医療行為の患者が説明を受けるべきなのは、

 治療や臨床試験・治験の内容

である。その上で、方針に合意するのだが、問題は説明の内容だ。説明は、対象となる行為の名称・内容・期待されている結果はもちろんだが、

 代替治療、副作用や成功率、費用、予後

まで説明すべきだとされている。つまり、リスクが含まれているのだ。ここがミソ。

SIのような顧客が費用を出すプロジェクトでリスクをどう扱うかは悩ましい。

が、やはり、リスクを隠したままでプロジェクトを進めていくことは、どう考えてもよい影響があるとは思えない。リスクを隠したままでプロジェクトを進めていくことが、コミュニケーションを形骸化させているケースが多いからだ。

あなたのプロジェクトでも考えてみてはどうだろう?

2008年5月 2日 (金)

【補助線】あなたにとって、ステークホルダは敵ですか?味方ですか?

ステークホルダマネジメントがプロジェクトの肝だというのは多くの人が同感するところだろう。ステークホルダマネジメントがうまくできる人がよいプロジェクトマネジャーであるというのも異論はないだろう。

ここで本質的な問題がある。それは

 ステークホルダマネジメントは敵か、味方か

という問題だ。

ある人はステークホルダはリスクだという。ある人はステークホルダは味方だという。

この問題はその人のプロジェクトマネジャーとしての資質を決定づける問題である。はっきりいえば、

・ステークホルダを味方にできる人はAクラス
・ステークホルダを敵にしながらもうまく対処できる人はBクラス
・ステークホルダを敵にしてしまって足を引っ張られる人はCクラス

だとランキングしてまず、間違いない。なぜか?言葉を言い換えてみればすぐに分かる。

Aクラス:自分(のチーム)の能力以上のことをできるプロマネ
Bクラス:自分(のチーム)のできる範囲のことをできるプロマネ
Cクラス:やるべきこともできないプロマネ

となる。

Aクラスの人は、PMstyleでは「ひとつ上のプロマネ。」と呼んでいるプロジェクトマネジャーだ。ステークホルダの「力を借りる」ことができるので、能力以上のことができるのだ。実際に、顧客や組織の力をうまく借りて、プロジェクトを進めている人はあなたの周りにもいるのではないだろうか?

これに対してBクラスはいわゆる「箱の中で仕事をする人」だ。もちろん、能力が高い人は箱の中に入ったままで、完璧に与えられた仕事はする。

Cクラスは論外としても、プロジェクトは与えられた課題を達成する仕事だから、できる範囲のことをきちんとできればよいと思う人もいるかもしれない。

これは間違いだ。

組織はあいつは能力以上のことをやると信頼できれば、目標を高く設定できる。つまり、組織からすれば、より多くの収益、より高い顧客満足を期待できるわけだ。ゆえにAクラスなのだ。

実は、Aクラスと能力の高いBクラスのプロジェクトマネジャーの差というのは、心構え、あるいは、ちょっとしたヒューマンスキルの差にすぎない。ちょっとしたコツを掴めば、Aクラスのプロジェクトマネジャーになることができる。

ぜひ、Aクラスを目指してほしい。

あなたをAクラスのプロマネ。に導くセミナーを2件ご紹介しよう。

【1】ステークホルダーを動かす ~「影響力の法則」
影響力の法則を実践し、プロジェクトステークホルダをうまく動かすことをテーマに
したワークショップ型のセミナーを開催します。2日間のセミナーですが、影響力の
法則の本には書いていない、実践ポイントがわかるセミナーです。

影響力の法則を身につけたい方は、ぜひ、ご参加ください!14PDU発行されます。

〓【開催概要】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆ステークホルダーを動かす ~「影響力の法則」    ◆14PDU取得可能
  日時:2008年5月8日 10:00~18:00 5月9日 9:30-17:30
  場所:ダイヤモンド社石山記念ホール (東京都渋谷区)
  講師:高嶋 成豪(インフルエンス・テクノロジーLLC)
  詳細・お申込 http://www.pmstyle.biz/smn/influence.htm
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【カリキュラム】
1 オリエンテーション
2 影響力の基盤
3 影響力の法則
4 現実への応用1
5 現実への応用2
6 現実への応用3
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【2】「ひとつ上のプロマネ。養成講座」~ステークホルダーへの影響力を身につける

ひとつ上のプロマネとは、既存のやり方に拘らず、「考え抜いて」プロジェクトを成
功させるために必要な、姿勢とスキルに裏打ちされたプロジェクトマネジメントを行
うことにより、プロジェクトを成功に導くことのできるプロジェクトマネジメントと
プロジェクトマネジャーです。

第1回ではプロジェクトマネジメントの最も肝要となるところで、ステークホルダを
分析し、そのステークホルダをプロジェクトに協力してもらうようにマネジメントし
ていく方法について議論し、ステークホルダに影響を与え、協力を得る方法について
考えます。

〓【開催概要】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
 ◆ 「ひとつ上のプロマネ。養成講座」
    第1回 ステークホルダーへの影響力を身につける◆7PDU取得可能
  日時:2008年5月20日(火) 10:00-18:00
  場所:銀座ビジネスセンター(東京都中央区)
  講師:好川哲人(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/stakeholder.htm
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【講義】
・ステークホルダはプロジェクトに対して何を求めているか
・プロジェクトにおけるステークホルダ接点の作り方とタイミング
・影響力を与える方法
・ステークホルダコミュニケーションの仕組みづくり

【グループ討議】
・プロジェクトへ影響力のあるステークホルダの見極めと分析
・ステークホルダの求めるものは何か?
・ステークホルダに影響力を与えるには

【ロールプレイ】
・顧客から仕様変更要求があったときの対処ロールプレイ
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PMstyle 2025年9月~12月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。