仕事のオキテ?!
パット・ハイム、スーザン・ゴラン(坂東智子訳)「会社のルール 男は「野球」で、女は「ままごと」で仕事のオキテを学んだ」、ディスカヴァー・トゥエンティワン(2008)
お薦め度:★★★★1/2
以前、
エイドリアン・メンデル(坂野尚子訳)「女性(あなた)の知らない7つのルール―男たちのビジネス社会で賢く生きる法」、ダイヤモンド社(1997)
を紹介したが、この本よりインパクトのある本だ。
発想は同じ。まず、男性と女性は、その経験から異なったルールを持っている。ビジネスの世界は男性社会なので、女性は自分たちのルールでいくら成果を上げても、決して認められることはない。
この本が面白いのは、だから、男性に合わせるのではなく、男性のルールを観察し、熟知することによって、最低限、併せるところを決めればよいと指摘している点。それを7つのルールとしてまとめている。
7つのルールを紹介する前に、どう違うのかを紹介しておこう。男性が経験してきたのは、野球(ゲーム)で、女性が経験してきたのはままごと(遊び)だという。そのルールの違いは、以下のようなものだという。
【野球のルール】
・一番大事なのは勝つこと
・作戦をたてなければゲームには勝てない
・勝つことがすべて。だからズルも大目に見られる
・会話を通して、問題を解決する
・内心はどうあれ、とにかく強気にふるまう
・権力があれば、自分の考えを押し通すことができる
【ままごとのルール】
・究極のゴールはみんなを満足させること
・ベストを尽くせば、うまくいく
・フェアなのが一番。だからルールは守るべき
・会話を通して、友情を築く
・笑みをたやさず、感じよくふるまう
・相手を動かすには交渉が必要
この違いを克服し、ビジネスで認められるには
ルール1 トップの言うことには逆らわない
ルール2 対立を恐れない
ルール3 チームプレイに徹する
ルール4 リーダーらしくふるまう
ルール5 自分を有利に見せる
ルール6 批判されてもめげない
ルール7 ゴールをめざす
の7つのルールを守ればよいというのが、この本の主張だ。この中の、3つ~4つはエイドリアン・メンデルのルールと同じだ。
この本を読んでも、はやり、日本は女性社会だと思ってしまった。日本は女性の価値観で、子供たちにゲームを教えている。社会が女性社会なら、それを生かしていくというのが道理というものだ。つまり、グローバルな活動の中で最小限必要な考え方だけ取り入れていけばよい。そんな使い方もある本ではないかと思う。
【目次】
はじめに
序章 男は「野球」で、女は「ままごと」でビジネスのルールを学んだ
男のルールと女のルール、ここが違う!
能力だけで昇進できるのは二十代まで!?
男社会のシステムを理解しよう
「ゲーム」と「遊び」はどこが違う?
男の子は「競争」、女の子は「協調」を学んできた
男は「ゴール」を、女は「過程」を重視する
ルール1 トップの言うことには逆らわない
ルール2 対立を恐れない
ルール3 チームプレイに徹する
ルール4 リーダーらしくふるまう
ルール5 自分を有利に見せる
ルール6 批判されてもめげない
ルール7 ゴールをめざす
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