★イノベーション・リーダーシップ Feed

2013年4月 2日 (火)

【イノベーション・リーダーシップ】第7話 トライブを率いる

Tribe ◆トライブとは

イノベーティブリーダーが活動しようとしたときに、真っ先に問題になるのが、リソースである。一人でできることは限られている。新しいことを興すときには常について回る話だが、社内のリソースは承認された活動とならないと割り当ててもらうことができない。社外のリソースを使うにも資金がない。

組織に所属して働く人がいろいろと考え、一人でできる範囲でアクションを起こすことができても、大抵はここで挫折をする。イノベーティブリーダーの活動もまた同じだ。

イノベーティブリーダーの活動の最初の難所を乗り越える方法として、「トライブ」という概念が注目される。トライブは部族という意味で、「トライブ」という本を書いた、セス・ゴーディンは

互いにつながり、リーダーとつながり、アイデアとつながった人々の集団

だと定義している。そして、2つのトライブの例を挙げている。

続きを読む »

2012年10月22日 (月)

【イノベーション・リーダーシップ】第6話 シナリオのチカラ

◆コンセプト実現シナリオのポイントはドライビングフォース

Scenarioコンセプトができたら、そのコンセプトと具体的なアクションに落とし込んでいく。その際に、ポイントになるのがコンセプトの実現シナリオである。

実現シナリオの中で最大のポイントになるのは、そのコンセプトを実現する際に、根本的な変化要因は何かである。これを「ドライビングフォース」と呼ぶ。

たとえば、ドライビングフォースは以下のようなフレームの中にあると考えてみると
いいだろう。

(1)商品
(2)市場
(3)技術
(4)生産能力
(5)販売手段/物流
(6)天然資源
(7)規模/成長
(8)売上/利益

ドライビングフォースを見つけるには、社会、業界、自社などに関する情報収集を行わなくてはならないが、この際には(1)~(8)の要因ごとに、コンセプトの実現に関連する情報を集めていけばよい。

続きを読む »

2012年10月 9日 (火)

【イノベーション・リーダーシップ】第5話 コンセプトのチカラ

Concept4◆ビジョンを実現するコンセプト

ここまで、ビジョニングについて述べてきた。ビジョンを実現するために欠かせないのがコンセプトである。

コンセプトという「概念」は分かりにくいのだが、一言でいえば、ビジョンに向かっていくために自分は実現したいことである。ここで考えなくてはならないのは、ビジョンというのは単発のアイデアで実現できるものではないということだ。人によっては、実現できないからビジョンだという人もいる。実現できるべきか、できなくてもいいのかの議論はここではしないが、いずれにしても単発のアイデアではなく、継続的な活動であるということだ。そして、その継続的な活動の背骨(シナリオ)になるのがコンセプトである。

続きを読む »

2012年8月 6日 (月)

【イノベーション・リーダーシップ】第4話 ストーリーのチカラ

Story◆行動を伴う共感を得るには

前回は、リーダーの掲げるビジョンは、フォロワーが自分のものだと思ったときに初めて、ビジョンになったといえるという話をした。

では、どのようなときにフォロワーはリーダーの掲げるビジョンを自分のものだと思えるのだろうか?キーワードとして、しばしば、「共感」というキーワードが語られる。共感しなくてはならないことは確かなのだが、問題はそのあとの行動である。

・共感したから期待を込めて見守ろう
・共感したからチアガールになろう
・共感したから一緒に行動しよう

など、いくつかのレベルが考えられる。プロジェクトを進めていく上では、どれも重要なのだが、フォロワーが自分のものだと思うのは、行動するレベルだろう。もう少し正確にいえば、ビジョンの浸透というのは、共感する人が、だんだん、行動に移ってくることだといえる。

続きを読む »

2012年7月11日 (水)

【イノベーション・リーダーシップ】第3話 ビジョンの源泉

Gensen◆ビジョンとはなにか

前回、ビジョンのチカラとイノベーティブ・リーダーにとってビジョンはどのような意味があるのかというお話をした。

イノベーティブ・リーダーがビジョンを巻き込みにつなげていくには、ビジョンを作ること自体りは、それを他の人に理解し、信じてもらうことが重要であり、もっと重要なのは「自分のこと」として考えてもらうことである。

なぜか?これは、ビジョンというものの性格に関わってくる。前回の記事では拡張されたプロジェクト目的がビジョンであると述べたが、ビジョンは一般的には

・現実から飛躍している
・実現を信じることができる

の側面を持つ構想だといえる。人によってはビジョンは実現できないからビジョンなのだと考える人もいる。これも一つの真実だといえよう。

そのようなビジョンの性格も踏まえて、ミソは、実現を「信じる」ことができるという点である。現実から飛躍しているというポイントは、ある程度の客観性がある。しかし、実現を信じるかどうかは、相当に主観的な部分があって、極論すれば人によって違う。そこで、プロジェクトビジョンを作るためには、信じてもらえるように説得することが極めて重要なファクターになる。

続きを読む »

2012年6月26日 (火)

【イノベーション・リーダーシップ】第2話 ビジョンのチカラ

Projetista◆はじめに

前回はイノベーティブ・リーダーの6つの活動

(1)ビジョンを掲げ、プロジェクトを立ち上げる
(2)価値創造のシナリオを作る
(3)社内外の人々を巻き込む
(4)チームを動かし、問題を解決する
(5)イシューの管理
(6)無理難題への対処

の概要について述べた。今回から、それぞれについて、つらつらと、考えていきたいと思う。とりあえず、ビジョンから。

続きを読む »

2012年6月25日 (月)

【イノベーション・リーダーシップ】第1話 イノベーティブ・リーダーとイノベーション・リーダーシップとは

Creative3◆イノベーティブ・リーダーとは

1)自発的に何かを企て
2)デザイン思考を駆使して
3)イノベーションを起こす

リーダーである。

本来、リーダーとはイノベーティブなものだ。しかし、なぜか、イノベーティブではないリーダーが多く存在する。この連載は、リーダーをイノベーティブにすることを目的としている。

本連載の開始に当たってコミュニティを作った。名前は「イノベーティブ・リーダー」への旅。いろいろなことを考え、新しいことに取り組み、体験を共有し、イノベーティブ・リーダーへ成長していく旅を一緒にしていきたいとの想いからだ。

イノベーティブ・リーダーへの旅

続きを読む »

2012年6月 4日 (月)

【補助線】ミドルマネジャーがイノベーションを起こす方法

Innovationいま、イノベーションが求めらています。イノベーションを実現するポイントは

(1)トップやシニアのビジョンと熱意
(2)ミドルの創造力と行動力
(3)現場の創造力と実行力

の3つだと言われます。

イノベーションにおいて、ミドルマネジャーが中核になるのは間違いありませんが、その道は2つあると思われます。ポイントは創造です。

一つは、創造は部下に任してしまうという方法です。部下の創造力を引き出し、さらには、その実現においても部下に権限委譲し、やらせる。自分は、社内の調整や、部下の支援を中心に動く。この場合、ミドルマネジャーの創造活動は、「質問」で行われます。部下のアイデアを喚起する質問を投げていく。言い換えると、課題を見つけ、どんどん、部下に投げていき、アイデアを求め、よいアイデアにリソースを投入していきます。

もう一つは、ミドルマネジャー自身が創造の中心になることです。みずから、どんどん、アイデアを出していきます。そして、部下を巻き込みながら、そのアイデアを実現していきます。


どちらの方法がよいかは一概には言えません。管理者に求められているものによっても違いますし、業務によっても違うと思いますし、組織風土によっても違うでしょう。

立場的にいえば、前者はスポンサーです。これに対して、後者は「プロジェティスタ」と呼ばれます。

この連載のリードは、2つの連載のリードになっています。一つは、「プロジェティスタ養成講座」、もう一つは「イノベーションを生み出すマネジメント」です。

では、ぼちぼち、書いていきますので、お楽しみください。

2012年5月29日 (火)

【イノベーティブリーダーへの旅】オンラインのSIGを作ります。

Creative3イノベーティブリーダーの普及活動を再開します。

イノベーティブリーダーとは、

1)自発的に何かを企て
2)デザイン思考を駆使して
3)イノベーションを起こす

リーダーです。

まず、オンラインでSIG(スペシャル・インタレスト・グループ)的なものをつくろうと思って、場を準備しました。

どうすれば、プロジェティスタになれるかを議論したいと思います。

当面のキーワードは、アジャイルリーンデザイン思考「小さく賭ける」など。

興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。

イノベーティブリーダーへの旅

2012年2月14日 (火)

【補助線】「プロジェティスタ」 再起動

◆過去の活動の振り返り

Creative32008年8月~9月に補助線の記事として

【補助線】プロジェクトマネジャーから、プロジェティスタへ

【補助線】出でよ!プロジェティスタ!

という記事を書いた。また、その後も

【補助線】洞察とプロデュース

といった記事を書いてきた。

また、2009年から「プロジェティスタ研究会」なるものを立上げ、同研究会とPMstyleの共催で、2010年5月~2011年3月にかけて、東京で5回、関西で1回、イノベーションをテーマにしたワールドカフェを行った。2011年3月のワールドカフェは11日に開催し、第2ラウンドをやっている最中に東日本大震災が発生し、古い施設だったので結構、怖い思いをした。

【PMstyleCafe】プロジェティスタ研究会主催ワールドカフェ(5月19日)報告

さらに、2010年~2011年にかけて何度か、

プロジェティスタの仕事術

というセミナーを行った。

プロジェティスタについては、震災をきっかけに時間が止まってしまった。震災後のいま、本当に必要な人材はプロジェティスタだという思いはあるのだが、動けなかった。

続きを読む »

PMstyle 2024年4月~7月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

カテゴリ

Googleメニュー

  • スポンサーリンク
  • サイト内検索
    Google

最近のトラックバック

Powered by Six Apart

プロフィール

フォトアルバム

好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。