【戦略ノート287】プロジェクトを推進するシステムはなぜ変わらないのか
◆システムの一部だけを変えることはできない
かつて、プロジェクトマネジャーの育成をするときに、上位管理者をどうするかということがしばしば、話題になった。プロジェクトマネジャーが一生懸命、新しいやり方を学び、業務の中で実践しようとしても、上位管理者が足を引っ張ることが多い。たとえば、プロジェクト計画書を時間をかけて作成していると、「そんな時間があれば早く着手しろ」と平気で言い切る上位管理者はいまでも少なくない。
この問題は厄介である。次世代のリーダーの育成方法に関して、「ハイ・フライヤー」という本を書いた、南カリフォルニア大学マーシャルビジネススクールのフレーズはモーガン・マッコール博士は
組織というものはひとつのシステムであり、他の部分への影響を及ぼすことなく、システムの一部だけを変えることはできない。ある人が変化を試みているにもかかわらず、属しているシステムが同じ状態であった場合には、その人はジレンマに陥ってしまう。
と指摘しているが、まさに、プロジェクトマネジメントのトレーニングを受け、行動を変えようとした人は、ジレンマに陥っていた。PMstyleでは、半年~1年かけて行うアクションラーニングによる行動変革を求めるトレーニングをやっているため、この問題にいやというほど直面した。
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