2015年8月17日 (月)

【イノベーターのためのコンセプチュアル思考術(2)】コンセプチュアル思考とコンセプチュアルスキル

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Conceptual8◆ビーイング・コンセプチュアル

前回はコンセプチュアル思考のイメージについて説明しました。この連載では、主にコンセプチュアル思考についてイノベーションの視点から説明していこうと思っていますが、そのまえにコンセプチュアルスキルについて触れておきたいと思います。

前回説明したようにクリティカルシンキングとロジカルシンキングを組み合せるとコンセプチュアル思考になるわけですが、ここでコンセプチュアルである(ビーイングコンセプチュアル)ということが重要な条件になってきます。では、コンセプチュアルであるとはどういう状態なのでしょうか?

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2015年8月11日 (火)

【イノベーション戦略ノート:082】イノベーションにおいて問いが重要な理由

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Toi

◆技術統合における事例

ずいぶん、古い本の話で恐縮だが、ハーバードビジネススクールのマルコ・イアンシティ教授が「技術統合―理論・経営・問題解決」(NTT出版、2000)の中で、技術統合の必要性を示す例として興味深い事例を挙げているので紹介しよう。

SGIのレゴ・システム(グラフィック・ワークステーション)の開発プロジェクトで発生したASICのバグ(予想外の処理遅れ)によりシステムのハングが起こるという問題の対処に関する事例だ。

最初の段階では、ASICの問題だということで、ハードウエア設計チームが独断で判断し、問題源のある特定領域での解決を図ろうとし、4週間の時間と20万ドルの費用をかけて、チップの再設計を行った。ところが再設計したチップがまた新たな問題を引き起こした。デスマーチだ。

それで問題はハードウエアのチームでは収まらなくなり、プロジェクト全体の問題になった。そこで、OSのソフトウエアチームの提案は「実行遅延(待ちサイクル挿入)し,タイミングを取る」というものだった。実際にOSを手直してみるとそれで問題は即刻解決した。ASICとOSの2つの領域の知識の組み合わせが問題を解決したのだ。



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2015年7月28日 (火)

【プロジェクトリーダーのためのコンセプチュアルスキルノート(1)】コンセプチュアルなプロジェクトリーダーは本質を見極める

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◆はじめに

Honsitu52014年5月~10月に、「コンセプチュアル・プロジェクトマネジメント講座」という全10回の連載をした。これはコンセプチュアルスキルをプロジェクトマネジメントにどのように応用するかを説明した解説だったが、その後、そもそもコンセプチュアルスキルがよく分からないという話を何とか耳にした。

この連載の中では第1回と第10回にコンセプチュアルスキルの概要と、コンセプチュアルスキルを身につける方法を述べた以外は、コンセプチュアルスキル部分についてはセミナーに来てくださいという建付けにしていたので、こういう要望が出てきたのだと思う。たとえば、本質を見極めるにはどうすればよいのかといったことが分からないということだ。

そこで、新たにプロジェクトリーダーが必要とするコンセプチュアルスキルについて解説する連載を始めることにした。コンセプチュアルスキルの体系で解説することも考えたが、あくまでもプロジェクトリーダーとして必要とするコンセプチュアルスキルという点に焦点を当てることにした。その意味でタイトルは「ノート」とした。

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2015年7月24日 (金)

【イノベーターのためのコンセプチュアル思考術(1)】コンセプチュアル思考とは実践のための思考法

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Conceptualcreative_2

◆コンセプチュアル思考とは

イノベーションを実現するには、新しいことを考えることが欠かせない。これを否定する人はいないと思います。では、どのような思考が必要なのでしょうか?

この連載では、イノベーションに必要な思考法として、コンセプチュアル思考を取り上げ、どのようにイノベーションに結び付けていくかを考えてみたいと思います。

コンセプチュアル思考ってなんだ、聞いたことないという方もいらっしゃると思いますが、一言でいえば

 クリエイティブシンキング+ロジカルシンキング

です。



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2015年7月13日 (月)

【イノベーション戦略ノート:081】オープンイノベーション

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Open

これまで何度かオープンイノベーションという概念に触れてきたが、あまりきちんと説明していなかったので、今回説明しておきたい。

◆オープンイノベーションとは

オープンイノベーションは、2003年にカリフォルニア大学バークレー校のヘンリー・チェスブロウ教授が提唱した新しいイノベーションの概念で、自社技術だけでなく他社や大学などが持つ技術やアイデアを組み合わせ、革新的なビジネスモデルや革新的な研究成果、製品開発につなげるイノベーションである。

外部の知識をどのようにうまく使うのかがポイントで、内部と外部の知識の有機的な結合が必要になる。

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2015年6月30日 (火)

【イノベーション戦略ノート:080】差別化とイノベーション

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Sabetu

◆リニュアルに向けて

イノベーション戦略ノートは、イノベーションに関するネタであればなんでもアリのノート記事として書いてきたが、誌面刷新を機に、もう少し、イノベーションの戦略・視座に絞った内容にしようと思う。

リニュアル第1回は差別化について。



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2015年6月23日 (火)

【イノベーション戦略ノート:079】イノベーションで顧客の声をどう扱うべきか

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Customer

◆顧客の声がイノベーションに与える影響

顧客の声がイノベーションに与える影響の評価は難しい。イノベーションのジレンマで指摘されたように、顧客の声に応えて、インクリメンタルイノベーション(持続的イノベーション)を行っているうちにイノベーションの成果が顧客のニーズを超えてしまい、顧客は別の側面に目を向けるようになり、そこで破壊的イノベーションに負けてしまうというように、顧客に振り回されることはイノベーションにとって望ましいことではないと考えられている節がある。

スティーブジョブズが言ったといわれる、顧客は自分が何が欲しいか知らないという顧客の評価もある。これは、顧客が欲しいものはすでに具現化されているもので、イノベーションで生まれる成果は顧客に聞いても分からないという意味だ。

ただ、一方で、現実には顧客の声がきっかけになってイノベーションが起こることも少なくない。

そのように考えてみると、イノベーションにおいて顧客の声をどのように扱うかは一つのポイントであることは間違いない。この連載でも触れたようにイノベーションを顧客の要求に対するソリューションとして企てるべきか否かという議論もある。これまでにも顧客の声についてはいろいろと書いてきたが、今回は別の視点から考えてみたい。

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2015年6月22日 (月)

【イノベーション戦略ノート:078】イノベーションは顧客価値と社内政治である

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Syanai◆イノベーションには社内政治が不可欠である

前回に続き、今回も「イノベーションは日々の仕事のなかに」のパディ・ミラー氏の指摘をめぐる話。

パディ・ミラー氏は前回紹介した制約とともに、イノベーションには社内政治が不可欠であるといっている。この指摘を目にしたときに、結局そういうことかと思ったことがある。それは、「良いものは売れる」神話である。

この3~4年、ビジネスモデルブームで、ビジネスモデルイノベーションが盛んにいわれている。ブームのきっかけになったのは、2012年に翻訳が出版されたアレックス・オスターワルダーの「ビジネスモデルジェネレーション」である。この本でアレックス・オスターワルダーは非常に魅力的な「ビジネスモデルキャンパス」なるフレームワークを提唱し、それに多くの人が興味を持った。もうすぐ、この続編で価値創造に焦点を絞った本が出るので、また、話題になるだろう。



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2015年6月19日 (金)

【イノベーション戦略ノート:077】イノベーションにおける制約と主体性

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Syutai

◆制約はイノベーションの源泉

この連載の中でも制約がイノベーションの源泉になることは何度か述べたが、『イノベーションは日々の仕事のなかに」(英治出版、2014)の著者パディ・ミラー氏はもう一つキーワードがあるという。それは主体性である。今回はこの問題について考えてみたい。

制約がイノベーションの源泉であるならば、リーダーは積極的に制約を与えればよい。たとえば、プロジェクトの予算を削るとか、リードタイムを短縮するとかである。それも数%という非率ではなく、松下幸之助が「3%のコストダウンは難しいが、3割ならばすぐにできる」と言ったとされるように30%といった比率にする。するとゼロベースで考えるので、解決策が見つけやすくなる。そこのイノベーションが起こるわけだ。



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2015年6月17日 (水)

【イノベーション戦略ノート:076】イノベーションには創造的な計画が必要

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Mirai◆計画の創造性

第73回でイノベーションにおける計画の議論をしたが、今回は少し視点を変えて、計画というものを考えてみたい。その視点とは、計画の創造性という視点である。

創造的問題解決というのは比較的よく使われる言葉だ。意味合い的には、これまでになかった方法で問題解決を行うという意味で、以下の2つの場合に必要になる。

・既存の問題の制約が変化し、新しい解決方法が必要になる
・新しい問題に対して、既存の解決方法が通用しない場合

いずれもイノベーションが求められることになる。

これに対して、計画が創造的であるとは、その計画が社会や個人にとって新しい価値を生み出すことである。



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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。