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2015年1月

2015年1月23日 (金)

【戦略ノート315】ステークホルダーマネジメントについて考える

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9747307/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Stakeholder

◆ステークホルダーマネジメントが重視される時代

現行のPMBOK(R)である第5版から、ステークホルダーマネジメントが新しい知識エリアとして設定されている。戦略ノートでステークホルダーについては久しく書いていないので、これから時々、書いてみたいと思っている。

戦略ノートなので、あまりテクニカルな話は書く予定はないので、手法的なことを知りたい人は鈴木道代が書いている連載

ステークホルダーマネジメント

などを参考にして戴きたい。

ステークホルダーマネジメントはマネジメントの中心的なイシューである。ある意味で、計画やリスクマネジメントよりも重要なものであり、人で事業や組織を動かすことはステークホルダーマネジメントだといってもよい。

PMBOK(R)ではステークホルダーマネジメントの存在はだんだん大きくなっている。当初はコミュニケーションのプランを作るために、どのようなステークホルダーがいて、どのようなコミュニケーションが必要かを考えるための手段であり、知識エリアでいえばコミュニケーションの知識エリアの活動であった。

ここでお断りをしておくが、PMBOK(R)のステークホルダーという概念はプロジェクトを中心にして考えているのでプロジェクトの外部関係者だけではなくプロジェクトマネジャーやプロジェクトメンバーもステークホルダーという理屈になる。が、議論の中では特別に断らない限り、ステークホルダーはプロジェクトの外部関係者だけを指して議論を進めていくので、注意しておいてほしい。



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2015年1月22日 (木)

【戦略ノート314】コンセプチュアル・プロジェクトマネジメント

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Honsitu2

◆考え抜くプロジェクトマネジメント

PM養成マガジンを立ち上げて、プロジェクトマネジメントの普及活動をする中で、PM養成マガジンで提供するサービスコンセプトとして「プロジェクトマネジメントOS」というコンセプトを提唱した。

そして、プロジェクトマネジメントOSを身につけ「考え抜く」プロジェクトマネジメントをしようと働きかけてきた。

しかし、考えるというのは当たり前のようで意外と難しいことが分かった。まず、全般的な印象として考えることよりは、知っていることが重要だと思う人が多いことが挙げられる。簡単にいえば、思考より、知識(情報)が重視される。



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【イノベーション戦略ノート:068】なぜ、卓越したアイデアは実行できないのか

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Idea◆卓越したアイデアは実行できない

イノベーションアイデアを評価するのは難しいといわれるが、それ自体はそんなに難しいものではない。新規性と独創性があれば優れたアイデアだと言ってよい。にも関わらず、評価が難しいのは、そのようなアイデアはなかなかイノベーションとして実行できないからだ。

むしろ、新規性の高いアイデアであればあるほど、イノベーションは実行しにくいといっても過言ではない。このため、実行しやすいアイデアがいいアイデアだと評価される風潮すらある。

よいアイデアに基づくイノベーションが難しいのはいくつかの理由がある。



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2015年1月20日 (火)

【戦略ノート313】プロジェクトとプロダクト

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9747307/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Product

◆プロジェクトとプロダクトの関係

アジャイル開発が増えてきて、マネジメントする対象はプロジェクトがいいのか、プロダクトがいいのかという議論がされるようになってきた。この問題はどちらがいいというよりも、活動の性質によって違うというのが答えであるが、どう違うのかを少し整理してみたいと思う。

要求にもプロジェクトに対する要求とプロダクトに対する要求がある。スコープにもプロジェクトスコープとプロダクトスコープがあるし、品質概念にもプロジェクト品質とプロダクト品質がある。

要求であれば、プロジェクト要求はプロジェクトの進め方であり、プロジェクトの目的とどうするか、組織体制(プロジェクトの組織的位置づけ)をどうするかといったことが主となる。プロダクトに対する要求はそのプロジェクトで開発する製品、サービス、システムに対する要求である。

スコープであれば、プロダクトスコープというのはプロジェクトの作業によって生み出される成果物(正確にいえば成果物に対する要件)を意味している。ただし、成果物は有形、無形のいずれの場合もある。これに対して、プロジェクトスコープは成果物をつくるための役務を意味している。

品質についていえば、プロダクトの品質は成果物の品質や成果物を開発するプロセスの品質、つまり、一般にいう品質である。これに対して、プロジェクトの品質というのはもう少し広い概念で、計画に対してどれだけ正確に実行ができるかという程度を示す概念である。簡単にいえば、計画通りに実行できればプロジェクト品質は高いといえる。

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2015年1月19日 (月)

【イノベーション戦略ノート:067】失敗を許容することは正しいのか

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◆収益確保のためには失敗は許容できない

イノベーションを推進する、イノベーティブな組織を作るといったときに、必ず出てくるのが、

・リスクを取れるようにすること
・失敗を許容すること

である。今回の戦略ノートはこの問題について考えてみる。

ちょっと大上段な話になるが、この問題の本質は何のために経営戦略を作るのかという話にさかのぼる。ざっくりといえば、堅実な経営計画がありそれを実行するための戦略なのか、それとも経営ビジョンに基づく成長目標がありそれを実現することまで含めた戦略なのかによって変わってくる。

前者の場合、大前提として計画通りの収益確保があるので、そこにおいて失敗してもいいというのは考えにくい方針だし、リスクを取ることも望ましいとはいえない。実際に現場のマネジャーの意見を聞いても失敗を許容することは自部門の方針になじまないという人が多い。

日本の場合、ミドルアップダウンで戦略策定をしているケースが多いので、後者はあまり多くないが、後者の場合、成長のための模索があり、ある程度失敗は仕方ない部分があると考えられなくはないし、リスクを取ることは不可欠だともいえる。

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【戦略ノート312】マネジメントの計画が持つ意味について考える

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Keikaku_2◆プロジェクトマネジメントの歴史

プロジェクトマネジメント計画という概念がある。これは、プロジェクトのマネジメント計画である。今回の戦略ノートは当たり前のようで、意外と理解されていないプロジェクトの計画の意味を考えてみたい。

プロジェクトマネジメントの教科書を見ると、プロジェクトの歴史は古代のピラミッドの建立にまでさかのぼる。そして、現在のプロジェクトマネジメント、つまり、近代プロジェクトマネジメントの形ができたのがマンハッタン計画(原爆の開発)だという事例が使われていることが多い。

ピラミッドは権力の象徴であり、どれだけの時間や金がかかってもよかった。むしろ、時間や金をかけて作ることが望ましかったのかもしれない。これに対して、原爆の開発は戦争を早く終わらせるために可能な限り急いで行われたとされる。

ピラミッドで行われていたマネジメントはスコープ定義と要員調達と作業段取りだけであり、原爆の開発ではPMBOK(R)でいう10のマネジメントがほぼすべて行われていたと考えられる。

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2015年1月 7日 (水)

【イノベーション戦略ノート:066】イノベーションのパターン

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◆技術とビジネスの組み合せ

今年はイノベーションの重要性の認識が深まった1年だったように思う。その中で、もやもやしている議論に技術とイノベーションの関係がある。今年最後の戦略ノートはこ

の問題を整理して、来年へのステップにしたいと思う。

イノベーションには2つの構成要素がある。技術とビジネスである。あるいは技術とシステムだといってもよい。

技術にもビジネスにも新しいものと既存のものがある。したがって、イノベーションのパターンは

(1)既存のビジネス×新しい技術
(2)新しいビジネス×既存の技術
(3)新しいビジネス×新しい技術
(4)既存のビジネス×既存の技術

の4通りがあり得る。ではそれぞれについて見ていこう。



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2015年1月 6日 (火)

【ブックレビュー】がんばると迷惑な人

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太田 肇「がんばると迷惑な人」、新潮社(2014)

承認欲求で知られる太田肇先生の新しい指摘と提案。

仕事の質が変わって昔ながらの頑張りが通用しなくなったにも関わらず、頑張りから抜け出せない人に向けて、仕事の質を上げることが重要であることを説いた一冊。

今年は女性活用とか、ホワイトカラーエグゼンプションとかで、働き方が大きく変わりそうだ。変わる方向性として、この話はぜひ押さえておきたい。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。