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2014年12月

2014年12月19日 (金)

【イノベーション戦略ノート:065】ITイノベーションについて考える

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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◆2つのITイノベーション

この戦略ノートも今回で65回になるが、ITイノベーションについての議論を避けてきた。別途、まとまった記事を起こしたいと思っていたからだが、難しくなってきたので戦略ノートで少しずつ議論していこうと思う。まず、今回は全体像を明確にしよう。

ITイノベーションという言葉はあまり意味が明確ではない。テクノロジーを使ったイノベーションであることは間違いないが、大きく分けると2つの考え方があるように思う。一つはイノベーションの文脈自体は経営(戦略)にあり、戦略をテクノロジーによって実現するという考え方である。つまり、戦略上必要なビジネスモデルのイノベーションなどを、テクノロジーを使って実現しようとする考え方だ。これをITイノベーションと呼ぶことにする。

もう一つは、テクノロジーのポテンシャルに注目して、イノベーションを起こし、新しいビジネスやビジネスモデルを創出していくという考え方である。この場合、経営戦略そのものがテクノロジーを活かしたものであることが求められることになる。言い換えると、テクノロジーが経営戦略をつくっているといってもよい。これをテクノロジー主導ITイノベーションと呼ぶことにする。

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2014年12月15日 (月)

【イノベーション戦略ノート:064】コンセプトをイノベーションする

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◆吸引力が落ちない掃除機

第23回にダイソンのことを書いたが、以前、ダイソンの創業者であるジェームズ・ダイソン氏の講演を聞いたときに印象に残った言葉ある。それは、

「Make it work properly(ものが正しく動くようにしろ)」

という言葉だ。第23回の記事を読んでもらうと、ダイソンがいかにこの考えを実践しているかがよく分かると思う。

【イノベーション戦略ノート:024】続・模倣によるイノベーション~ダイソン掃除機
https://mat.lekumo.biz/ppf/2014/02/024-968b.html

ダイソン氏が偉大なところは、「掃除機の吸引力は落ちるものだ」という常識を受け入れなかったところにある。もちろん、吸引力が落ちるというのは正しく動いていないからに他ならない。これがイノベーションにつながった。

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2014年12月 2日 (火)

【イノベーション戦略ノート:063】統合的思考でイノベーションを!

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◆イノベーションか、オペレーション・エクセレンスか

あなたの会社は、もっとも大口の取引先A社からどんどん斬新な製品を次々と出していることが評価されている。ところが、そのA社の経営者が変わり、役員会で製品の価格が高いことに批判の矛先が向いてきた。もちろん、他社にはない製品を購入しているのだから合理的な判断というよりは、感覚的な要素が大きい。

あなたの会社の中でも、A社の意向に沿って新規性を追い求めるより、コストダウンに注力すべきだという意見と、自社が取引先から評価されているのは新規性にあるので今の方針を継続していくべきだという意見に二分されている。

どのように考えればいいのだろう。

こういうときに大抵は二者択一を考える。上のケースだと、A社がどのように動くかがまず問題になってくる。コストダウンしなくては取引量を減らされるかもしれないが、コストダウンに走って新規性を失うと会社そのものが選ばれなくなる可能性もある。もう一つの視点は、数年のスパンで見たときに、A社以外の取引先も含めてどちらが売上げや収益が大きくなるかという判断の問題になる。

イノベーションを取るか、オペレーション・エクセレンス(オペレーションの洗練)を取るかという問題に直面しているわけだが、このような状況は意外と多い。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。