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2014年11月

2014年11月24日 (月)

【イノベーション戦略ノート:062】経営から始まるイノベーション、現場から始まるイノベーション

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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◆イノベーションはどこから始まるか

世間ではイノベーションの必要性が言われており、企業の経営者はイノベーションをしろという。一方で、これまでのイノベーションは現場から始まることが多かった。新しい技術があれば、自社でも研究開発を行い、その活用方法を模索すべく新しい事業や製品を開発する。

このようなやり方はイノベーションの個人依存を生み出した。日本の経営者の間では、イノベーションは個人によって成されると考える人が多い。つまり、経営者がイノベーションを号令をかけているのは、組織的に対応してほしいということではなく、イノベーターが表れてほしいという願望を言っているケースが多い。

願望である限り、当面の業績がイノベーションの犠牲になることはあってはならないし、不幸にもイノベーターが出てこなくて、なかなかイノベーションが生まれなくてもやむなしとする。おそらく、これが今、多くの企業で起こっていることである。

安倍政権の第3の矢が期待されているにも関わらずなかなか放たれないのと同じように、企業におけるイノベーションもなかなか起こらない。

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2014年11月17日 (月)

【イノベーション戦略ノート:061】製品ライフサイクルとイノベーション戦略

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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◆iPhone6はなぜ、新鮮さがないといわれるのか

新しいiPhoneが登場したときに、変わったのは大きさだけで新鮮味がないとか、目新しいのはApple Payと呼ばれる決済方式だけだとか、イノベーション好きのアップルファンからは批判的な声が多かった。

しかし、イノベーションが行われていないかというとそういうことでもない。

今回の戦略ノートはこの話題を取り上げてみたい。



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2014年11月11日 (火)

【戦略ノート311】組織的プロジェクトマネジメントの守破離

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9747307/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Kata◆プロジェクトマネジメントの守破離

PM養成マガジンの創刊以来のコンセプトの一つは、プロジェクトマネジメントにはスタイルがあり、プロジェクトマネジャーとして成長していくことは、守破離のプロセスを実践していくことだというもの。このコンセプトの解説として、たとえば、2008年にこんな記事を書いている。

【補助線】プロジェクトマネジメントにおける型と守破離(しゅはり)
https://mat.lekumo.biz/ppf/2008/07/post-8c42.html

この議論では、PMBOK(R)の知識エリアにあるような各マネジメントスキルの守破離を中心に考えているが、今回の戦略ノートは、プロジェクトマネジメントそのものの守破離について議論してみたいと思う。



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2014年11月 6日 (木)

【イノベーション戦略ノート:060】イノベーションの起こる交差点をつくる

バックナンバー https://mat.lekumo.biz/ppf/cat9922971/━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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◆あるブレークスルーの事例

水平思考やシックスハットで知られるエドワード・デ・ノボ博士がイノベーションは既存の知識の組み合せである主張のために紹介している事例がある。事例は、人の腎臓の特性に関わるもので、以下のようなものだ。

生理学者は長年腎細管の長いループが何のためにあるのか突き止められないでおり、おそらく特別な機能はないのだろうと考えていた。ところがあるとき一人のエンジニアにループを見せると「対向流増幅誌システム」の一部だろうと即座に指摘された。「対向流増幅システム」は溶液の濃縮のための一般的なエンジニアリングシステムだ。これによって、腎細管の謎が解けた。

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2014年11月 5日 (水)

【ブックレビュー】世界標準のNEMAWASHI(ネマワシ)の技術

4484142309新 将命「伝説の外資トップが公開する 世界標準のNEMAWASHI(ネマワシ)の技術」、CCCメディアハウス(2014)

単行本><Kindle

日本人は根回しがうまいと多くの人が思っている。実際に根回しなしには動かないので、根回しの巧拙が仕事の成果を決めるといっても過言ではない組織は多くある。根回しができる人は仕事もできるというのも現実である。

一方で、日本人はロビー活動が下手だ。東京オリンピック招致でこそ溜飲を下げたが、スポーツにしてもルール変更に常に泣かされているし、政治や経済活動でも、いいようにルールを決められ、ロビー活動は下手だという印象がついて回る。

このギャップは何だろうとずっと思っていたが、伝説の外資系経営者といわれる新さんのこの本を読んで、よく理由が分かった。やはり、ここでも日本でだけ通用するガラパゴス・ルールがあるらしい。この本は、グローバルに通用する根回し(日本的な根回しと区別する意味でNEMAWASHIと表記されている)とはどんなものかを解説している。

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2014年11月 4日 (火)

【イノベーション戦略ノート:059】イノベーションを「基本的仮定」にする

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◆トヨタのイノベーション

「トヨタ式のリーダー育成法」という本を読んでいて、ふと、思ったことがある。それは、イノベーションを当たり前にするというやり方もあるということだ。以前、PMスタイル考に

第91話:日常業務の一環としてイノベーションを実現する
https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2014/10/post-9d3c.html

という記事を書いたが、その一つの方法だといえる。

トヨタ自動車の創業者ともいえる豊田喜一郎は1931年にガソリンエンジンの試作を行う。これがトヨタ自動車の実質的なスタートになる。このとき、自動車において日本は米国に数十年の遅れをとっていたそうだ。つまり、国産で自動車を作るには数十年かかると考えられていた。ここで、豊田喜一郎は数十年を埋める決心をする。イノベーションに舵を切ったわけだ。

そして、一つ一つ、課題に取り組んでいく。まず、最初に取り組んだのがエンジンの国産化だった。このような状況の中で60馬力のエンジンを1935年5月までに作るを中心にした4W1Hを決める。そして、1年前の時点では30馬力のエンジンしかできていないかったにもかかわらず、ギャップを見える化して、目標を達成。

ここを足掛かりにして、なんと1936年にはトヨタ初の生産型乗用車「トヨダ・AA型乗用車」の生産を始める。エンジンの試作から5年後のことだ。

 

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。