2009年3月20日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月19日

2日間、間が空いてしまった。本を読まずにいたわけでもないが、このブログに書くような本は読まない2日間でした。

明日から連休。

今日は夕方から「プロジェティスタ研究会」を開催。最終の新幹線がとれずに、早々に切り上げ、21時の新幹線で帰京(京は京都の京です)。

新幹線の中は基本、メルマガ記事、ブログ記事を書くが、さすがに、ざわついていてそんな気分にならず。本を読みあさる。

1冊目。

こういう研究は貴重だ!こうなってくるとビジネス書というより、人間観察だなあ。

ジョン・コッター(金井 壽宏、加護野 忠男、谷光 太郎、宇田川 富秋訳)「ビジネス・リーダー論」、ダイヤモンド社(2009)

内容はおいおい、書籍紹介を書くと思うので、そちらに回すとして、金井、加護野という組み合わせの翻訳は始めて見たような気がする。加護野先生は退官らしいが、自分が引っ張ってきた舎弟と最後の仕事と言うことか。

2冊目。

小西 正行「だから、社員がやる気になる!」、日本実業出版社(2009)

今、旬な経営者の経営論。本としては良くできていると思うし、読んでいてもおもしろい。

でも、僕でもおそらく毎年50人くらいは経営者の方にお会いしていると思うが、同じようなことを言っている人は結構いるんだよなあ。

昨日お会いしたある社長が皮肉混じりにこんなことを言っていた。

オンリーワンになるもっとも手っ取り早い方法は、周りを見ないことだと最近の若い人は知っている。うちにはそんな社員は要らない。

深い真実である。

上野 佳恵「情報調査力のプロフェッショナル―ビジネスの質を高める「調べる力」」、ダイヤモンド社(2009)

この本はいい本だ。コンサルタント向けに書かれた本のようだが、ビジネスマンもぜひ、読んでほしい。調べるというのは仕事の基本だが、調べる力があまりにも貧弱という人は極めて多い。

特に、目立つのは、聞くことと調べることを混乱している人が目立つ。例えば要求を分析するというのは調べる仕事である。

2009年3月17日 (火)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月16日

最近、ビジネスインテリジェンスに興味を持っていて、ちょこちょこと本を読んでみたり、人の話を聞いたりしている。

なかなか、すっきりとする本にも出会わないし、インターネットで検索しても、わかったようなわからないような記事とか、用語解説、ツールの紹介が多い。

何かに似ているなと思っていたら、ハタと思い当たった。80年代の人工知能だ。アーティフシャルインテリジェンス。米国ではきちんとしか科学的な研究をしているところに、現場チックな技術だけで入り込んでいった日本では一過性のブームで終わった。

ただ、AIもすてたものではなく、80年代に夢物語だと思われていたことが、どんどん、情報家電などの中に組み込まれている。やはり、科学技術の進歩というのは世の中を変えると痛感する。その中で、日本が貢献したのは、ファジーだけだというのは悲しい。ちなみに、なぜ、ファジーが成功したかはこの本に詳しい。

湯谷 昇羊「 「できません」と云うな―オムロン創業者 立石一真」、ダイヤモンド社(2008)

インテリジェンスの活用というのは、人間の知を超えたものだから、ある意味で、ツールの議論が先行するのは仕方ないのだとは思うが、結局、ツールだけが一人歩きすると、結局、AIの二の舞になりそうな気がする。

そんなことを思いながら今日読んだのがこの本。意外とよい本だった。

北岡 元「ビジネス・インテリジェンス―未来を予想するシナリオ分析の技法」、東洋経済新報社(2009)

CI(競合インテリジェンス)だけは体系化できているといってもよいくらい進んでいるのがよくわかった。この本を読むと、確かにビジネスでも役立っているというのがよくわかる。

この本を読むと、少なくともCIについては実用化の域に達しているような印象を受けるが本当か?CIだけであれば、

ベン・ギラッド(菅澤 喜男監修、岡村 亮訳)「「リスク」を「チャンス」に変える競争戦略」、アスペクト(2006)

という結構優れものの本があるが、まあ、これを読んでいると、日本企業がボロクソだ。もっとも北岡先生の本でも出てくるのは米国の事例ばかりだが、、、

2009年3月16日 (月)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月15日

このコーナーには専門書はできるだけ書かないようにしているので、書いていなかったが、この1ヶ月くらいの間にインストラクショナルデザインの本を5冊くらい読んた。当然、目的があるのだが、それは内緒。

僕の目的からすれば、今日、読んだこの本が一番よかった。

島宗 理「インストラクショナルデザイン―教師のためのルールブック」、米田出版(2004)

この本は、特にインストラクショナルデザインに興味がないというか、あまり、関わりがない人にもビジネス書としてお奨めする。

島宗先生の仕事の中では

島宗 理「パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学」、米田出版(2000)

が一般の人たち向けの仕事としてよい仕事だと思うが、インストラクショナルデザインも、パフォーマンス・マネジメントに劣らず、良い仕事だ。ただし、パフォーマンス・マネジメントを一度読んでおかないと、理解しにくい部分があるかもしれない。

ということで、夜になってもう一冊。

久恒 啓一「タテの会議 ヨコの会議―時間半減、生産性倍増の実践ノウハウ 」、ダイヤモンド社(2009)

久恒 啓一さんの本は最近あまり読んでいなかったが、いつの間にファシリテーションに進出してきたのだろう。ただ、論理の立て方は独特で、やはり、読ませるなあ。これはミーティングマネジメントの本のようで、実はそうでないのかもしれない。

2009年3月14日 (土)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月13日

平日では珍しく、事務所で一日仕事をした。

となると、やらなくてはならないことをほっといて、本を読んでしまう(苦笑

ジョン・コッター(村井 章子訳)「企業変革の核心 「このままでいい」をどう打ち破るか」、日経BP社(2009)

ジョン・コッターの新作。今までの変革の話とは切り口を変えているが、基本的に言っていることは同じ。

コッターの話は、理路整然としており、理論としては納得するのだが、落ちない気がするのはなぜだろうか。

大学院で

ジョン・コッター(梅津 祐良訳)「変革するリーダーシップ―競争勝利の推進者たち」、ダイヤモンド社 (1991)

を読んだときには、すごい衝撃を受けた。このあと、何冊も出た本を読んだが、なかなか、この本ほど印象に残ったものがないし、何か気持ち悪い。唯一、違う感覚だったのが、

ジョン・コッター、ホルガー・ラスゲバー(野村 辰寿、藤原 和博訳)「カモメになったペンギン」、ダイヤモンド社(2007)

実は僕が同じような読後の感覚を持つのが、柴田昌治さん。ご多分に漏れず、

柴田 昌治「なぜ会社は変われないのか―危機突破の企業風土改革」、日本経済新聞社(1998)

で共感を覚えファンになったのだが、そのあとは、そうだなと納得しながらも、共感できない。両者の共通点はなんだろう?

さて、共感というなら、思いっきり共感できた本を読む。

キム・ソンファン「絶対肯定―成功をつかむ人のマインド」、東洋経済新報社(2009)

日本語で書かれた本みたいなのだが、絶対肯定という言葉は宗教用語なのだろうか?日本人がこういう考え方ができないのはなぜだろうかと考え込んでしまった。

この本を読んでいて、思い出して引っ張り出してきた本。

山口浩「リスクの正体!-賢いリスクとのつきあい方」、バジリコ(2009)

リスクマネジメントを大変独創的に、わかりやすく書いてあり、おもしろかった。日本人はリスクを考えないと言われてきた。だからといって、絶対肯定というのはもっとも苦手とする考え方なのだ。ここが興味深い。

絶対肯定をするからリスクを考えるべきなのか?リスクを意識したくないから、絶対肯定はしないのか?

むう、、、

2009年3月13日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月12日

最近の世の中を見ていて、危機意識を持つのが如何に難しいかがよくわかる。危機を言っているのは経営層だけで、それも実際に実感を持って言っているかというと怪しい。

特に、今回は相当に深刻な状況だと思うのだが、昨年の秋頃から、「未曾有」とか、「100年に1度」といった言葉に慣れてしまって、あきらめにも似た奇妙な安心感があるのは不思議だ。

その奇妙な安心感を生み出している最大の元凶はこれだろう。東京から京都への移動中に読む。

井上 久男、伊藤 博敏「トヨタ・ショック」、講談社(2009)

よく取材してあり、分析も納得性が高い。この1年のトヨタの事業計画を見ていると何が起こっているのだろうと、訳がわからなくなるが、この本1冊読めば、だいたい、わかる。結論からいえば、戦略の失敗で、それがサブプライムで顕在化してしまっただけだ。

そんなに多くの実例を知っているわけではないが、つたない経験からいえば、戦略の失敗というのはそれが短期的に顕著に出てくることはない。機会損失にとどまることも多いし、短期的には大きな問題にならず、長期的な問題にとどまることも少なくない。環境が変わって神風なんてこともあるわけだ。

それが、どの企業も片っ端から、あぶり出されたのは、やっぱり未曾有かもしれない。そんなことを考えながら目を通す。

新横浜を過ぎて読み始め、名古屋に着く前に読み終えてしまった。他に手持ちの本がなかったので、電車で座れないとき用にカバンに入れている本を取り出す。

水野 俊哉「知っているようで知らない 法則のトリセツ」、徳間書店(2009)

結構、気に入っていて、ちびちび読んでいたのだが、京都に着くまでに残っていたページを読み終えてしまった。まとめて読むのはつらい。途中で飽きた。もう少し、全体の流れがあると読みやすいが、この方が売れるんだろうな。

2009年3月12日 (木)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月11日

今日、新大阪から東京に移動する新幹線で読んだ本。いい本だなあ。

佐々木 常夫「部下を定時に帰す仕事術 「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵」、WAVE出版(2009)

昨年、

吉越 浩一郎「「残業ゼロ」の仕事力」、日本能率協会マネジメント出版情報事業(2007)

の紹介記事を書いたときに、おおむね、共感を覚えながらも、何か違和感が残った理由がわかった。それだけでもこの本を読んだ価値があったというものだ。

「うつ病の妻と自閉症の長男を守るために毎日6時に退社しながら、社長にまで登りつめた男が編み出した」という出版社がとってつけたようなコピーはどうでもいい。ただし、吉越さんの主張とは似て非なるものだ。

理由はまた、紹介記事を書くときに触れる。

もう一冊、これは読もうと決めていて、事務所に買い置きを取り出してきたもの。

ジョセフ・ナイ(北沢 格訳)「リーダー・パワー」、日本経済新聞出版社(2008)

昨年の暮れに出た本。

「ソフト・パワー」のジョセフ・ナイの新刊だということで、出版された時分にすぐに読んだが、あまり、何も感じなかったのだが、ある人が訳者のあとがきとオビにある

リーダーシップは正確な情報と正しい分析能力に基づきさえすれば、誰もが、いつでも学習可能なスキルなのである

という主張をボロクソに言っていたので、興味がわいて改めて読み直してみた。

スキルという言葉の解釈の問題かもしれないが、なぜ、こんなあとがきを書いたかの方が不思議だ。正確な情報と正しい分析能力がリーダーの稚拙を分けるが、これだけでリーダーシップが生まれるとは書いていないように思うのだが、、、ある意味で、ソフトパワーで主張していたことを、違う切り口で書いている。

せっかくなので、この本も紹介記事、書こうかな。。。

2009年3月11日 (水)

「着眼大局、着手小局」で問題を解決する

4534045212 高橋 浩一「レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング」、日本実業出版社(2009)

お奨め度:★★★★★

日本でのシステム思考のエバンジェリストの一人、高橋浩一さんのシステム思考の書籍が出た。

システム思考をやっている人と話をしていると、他のフレームワークと組み合わせることを嫌う人が多い。そのために、どうしても、教科書的な感じの本が多いのだが、そんな中で、この本は、システム思考と他のフレームワークを組み合わせる提案をしている。その意味で、日本で初めての実践的なシステム思考の本だと言っても良いだろう。

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書籍紹介ブログ宣言&2月の紹介書籍一覧

このブログを書評という人がいる。特に出版社関係に多いような気がするが、気のせいかもしれない。

このブログは書評ではない。本の評価は基本的にしていない。読んでほしいと思う本を紹介しているだけの「書籍紹介ブログ」である。

ひとさまが一生懸命書いた本を評価するなど、おこがましくてできるものではない。ただ、おこがましいというのは、元来の意味でのおこがましいかもしれない。

あえて評価というなら、昨年からのスタイルで「ほぼ日 読書日記」に読んだビジネス書はほぼ書いているので、この中から、紹介する本を選ぶという行為に評価が含まれている。ただし、選択には渡世の義理もあるので、必ずしも評価とはいえない。

なぜ、書評ブログと言われるのだろうとつらつらと考えてみると、結局、★をつけていることなんだろうと思うが、基本的にこの方針を明確に意識し出してからはほとんど★4つ以下はないはずだ。昔は、あまりこの点を明確に意識していなかったので、★3つなんて本も時々あったが、★3つだと思う本を紹介してもしょうがないなと思うようになり、今の方針が明確になってきた。

併せて昨年の後半から「ほほ日 読書日記」をつけだしたので、この方針が一層明確になってきた。

正直なところ、アマゾンなどで★1つとか、★2つとかいった評価を書いているのは理解に苦しむ。

僕はビジネス書の購入費用はすべて会社持ちだが、まあ、自腹を切って購入した本がつまらなければ、腹いせに書いてやろうという気持ちがまったく理解できない訳ではないが、時間の無駄のような気がする。

ということで、遅くなったが2月に書いた紹介記事は以下の7冊だった。

エンツォ・マーリ(田代 かおる訳)「プロジェクトとパッション」、みすず書房(2009)お奨め度:★★★★★
https://mat.lekumo.biz/books/2009/02/post-d583.html

冷泉 彰彦「アメリカモデルの終焉、金融危機が暴露した虚構の労働改革」、東洋経済新報社(2009)
お奨め度:★★★★1/2
https://mat.lekumo.biz/books/2009/02/post-be9b.html

P.F.ドラッカー著、特別寄稿:ジム・コリンズ、フィリプ・コトラー、ジェームズ・クーゼス、ジュディス・ローディン、カストゥーリ・ランガン、フランシス・ヘッセルバイン(上田惇生訳)「経営者に贈る5つの質問」、ダイヤモンド社(2009)
お奨め度:★★★★★
https://mat.lekumo.biz/books/2009/02/post-0ae3.html

村山 裕三「京都型ビジネス―独創と継続の経営術 (NHKブックス) 」、日本放送出版協会(2008)
お奨め度:★★★★
https://mat.lekumo.biz/books/2009/02/post-0834.html

ハワード・ビーハー、ジャネット・ゴールドシュタイン(関美和訳)「スターバックスを世界一にするために守り続けてきた大切な原則」、日本経済新聞出版社(2009)
お奨め度:★★★★1/2
https://mat.lekumo.biz/books/2009/02/post-42d0.html

リコ・ドゥブランク「情熱仕事力―PASSION for SERVICE」、オータパブリケイションズ (2009)
お奨め度:★★★★★
https://mat.lekumo.biz/books/2009/02/post-2450.html

ラルフ・ウォルドー・エマソン(伊東奈美子訳)「自己信頼[新訳] 」、海と月社(2009
お奨め度:★★★★★
https://mat.lekumo.biz/books/2009/02/post-2406.html

説教本

4534044259 説教本

久米 信行「考えすぎて動けない人のための 「すぐやる!」技術」、日本実業出版社(2008)

お奨め度:★★★★1/2

新入社員や入社2~3年目の社員を想定して書かれたような自己啓発書であるが、意外と深い。というか、取り上げられている31項目が自信を持ってできているという中堅社員はあまりいないような内容。

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【ほぼ日 読書日記】2009年3月11日

もう、勝間・本田はいいだろうって人にこれ。どんな自己啓蒙書より、これだ。

東京から京都に移動する新幹線の中で、適当に項目を選んで読みふけった。

呂 新吾(祐木 亜子)「呻吟語―時代を生き抜く人のための中国古典」、春日出版(2009)

もう10年くらいになるが、こういう1ページ1項の本を毎日、ずっと読むというのをやっている。朝読んで、その日は、それを意識して仕事をするというのを実践している。

なかなか、毎日はできないが、できる日はやっている。コンピテンシーの開発というのはこういう方法しかないと考えるようになってからで、人にも勧めている。

最近は、

ピーター・ドラッカー(上田 惇生)「ドラッカー 365の金言」、ダイヤモンド社(2005)

を愛用しているか、呻吟語はよさそう。原著を知らないので、訳がいいのか、もともとの文章がいいのかわからない部分があるが、言葉がすばらしい。すっと入ってくる。こういう啓蒙書の必須条件だよなあ。

【ほぼ日 読書日記】2009年3月11日

もう、勝間・本田はいいだろうって人にこれ。どんな自己啓蒙書より、これだ。東京から京都に移動する新幹線の中で、適当に項目を選んで読みふけった。

呂 新吾(祐木 亜子)「呻吟語―時代を生き抜く人のための中国古典」、春日出版(2009)

もう10年くらいになるが、こういう1ページ1項の本を毎日、ずっと読むというのをやっている。朝読んで、その日は、それを意識して仕事をするというのを実践している。

なかなか、毎日はできないが、できる日はやっている。コンピテンシーの開発というのはこういう方法しかないと考えるようになってからで、人にも勧めている。

最近は、

ピーター・ドラッカー(上田 惇生)「ドラッカー 365の金言」、ダイヤモンド社(2005)

を愛用しているか、呻吟語はよさそう。原著を知らないので、訳がいいのか、もともとの文章がいいのかわからない部分があるが、言葉がすばらしい。すっと入ってくる。こういう啓蒙書の必須条件だよなあ。

2009年3月10日 (火)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月9日

今日は以前、「マネジメントバイブル」を書籍プレゼントをして貰った、國貞さんにセミナーをやって戴きました。ただし、弊社のプライベートセミナーなので、告知はしていませんが、こんな内容でした。

書籍プレゼントといえば、先週までの佐々木さんのプロデュース能力関係の本ということで、もう一度佐々木さんの本をプレゼント。

佐々木 直彦「大人のプレゼン術 自分と相手がワクワクドキドキする10か条」、PHP研究所(2005)

開始。プロデュース能力を読むには、この本は絶対に読んだ方がいいと思って、ちょっと古い本だが、プレゼントを企画した。応募はこちら。なかなか、味のある本。

さて、今日読んだ本。その1。半年以上前の本で、

久米 信行「考えすぎて動けない人のための 「すぐやる!」技術」、日本実業出版社(2008)

日常的な行動の壁になる質問に、久米さんがアドバイスするような形で、全部で31話。また、あちこちの本屋で平積みで見かけるし、結構売れているらしいが、この本が救いたいのは、こういうったことを自覚できない人なんだろうなと思う。

まあ、「考えすぎて動けない人」のためと限定しているから、確かにいいのか。悩みポイントはいいと思うが、回答はイマイチのものが多いような印象。行動が難しすぎるものが多い。なかにはそうそう!というものもあるが、こんなことができるなら、こんなことで悩まないとツッコミたくなるものが多い。

で、三島さん、また、やったねのような本をもう一冊読んだ。一冊丸ごと、強く共感!

香山 リカ「文章は写経のように書くのがいい」、ミシマ社(2009)

アマゾンに、写経じゃなくって、習字だろうって、コメントがついていた。仰せの通り。習字でも共感する!

それにしても、以外とありそうでなかったテーマ。三島さんのセンスもすごいと思うが、写経のように書いてしまう香山先生はやっぱりすごい。

2009年3月 8日 (日)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月7日

日本ではなぜか、「対話」がコミュニケーションの話になる。サーバントリーダーシップが支援型リーダーシップだという話になる。まったく、検討外れではない。しかし、似て非なるものだ。

日本がグローバルスタンダードというが、欧米で認められていることに染まる必要はないと思う。しかし、本質を求めることなく、わかるところだけとるといういいとこ取りは感心しない。

また、一冊の名著が英治出版の手で翻訳された。そんなに簡単に読める本ではないが、苦労して読む価値はある。今日、やっと読み終えた。

マーガレット・ウィートリー(東出顕子訳)「リーダーシップとニューサイエンス」、英治出版(2009)

同じ装丁で、4冊目になる。もちろん、装丁だけではない。

デヴィッド・ボーム(金井真弓訳)「ダイアローグ 対立から共生へ、議論から対話へ」、英治出版(2007)

ジョセフ・ジャウォースキー(金井壽宏監修、野津智子訳)「シンクロニシティ 未来をつくるリーダーシップ」、英治出版(2007)

ロバート・グリーンリーフ、ラリー・スピアーズ(金井壽宏監修、金井真弓訳)「サーバントリーダーシップ」、英治出版(2008)

この4冊の中では、僕はこの本が一番印象深いし、意義があると思う。キャリアのせいかもしれない。

複雑系は、結局のところ、一過性のブームで終わってしまったが、この本は日本の社会に何か変化をもたらすのだろうか?

2009年3月 7日 (土)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月6日

東京から京都への移動。例によって、栄松堂で本を買い込み、新幹線へ。

3冊買ったのだが、結局、1冊で終わり。

キース・ソーヤー(金子 宣子訳)「凡才の集団は孤高の天才に勝る―「グループ・ジーニアス」が生み出すものすごいアイデア」、ダイヤモンド社(2009)

グループジーニアスという現象について解説した本。この本を読む前は、日本流の有効性を確認できるのではないかと思って読み出したのだが、違う。

昨日読んだ小池 和男先生の本とも関係しているのだが、少なくとも、日本組織はこういう意味では、チームとして機能していない。コラボレーションもないし、フローに入ることもない。なんだろう。。。

昨年読んだXチームの話に近い。日本人にはなかなかできないことかもしれないが、やらなければ将来はないな。

当事者としてプレゼンする

4569644627 佐々木 直彦「大人のプレゼン術 自分と相手がワクワクドキドキする10か条」、PHP研究所(2005)

お奨め度:★★★★

2005年7月の出版。一風変わったプレゼンテーションの本。こんなつかみで始まる。

(1)いま、やりたいことをやっていますか?
(2)応援してくれる人はいますか?
(3)毎日楽しいですか?
(4)会議で自分の意見が通りますか?
(5)好きな人と夢を共有できますか?
(6)お客さまとうまくいっていますか?
(7)周囲から一目置かれていますか?
(8)セクシーで論理的なビジュアルを使ってプレゼンできますか?
(9)未来がひらけていくと信じられますか?
これらをすべて「YES」にできる10か条があります。

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2009年3月 6日 (金)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月5日

昨日(3月4日)は、本を読んだのに珍しく日記を書かなかった。タメ日記。

まず、昨日読んだ本。

D.Q.マキナニー(水谷 淳訳)「論理ノート」、ダイヤモンド社(2005)

セミナーの資料作りのために久しぶりにひもといた。やっぱりこの本はおもしろい。最近、やたらと軽いロジカルシンキングの本が目立つが、この本で書いてある程度の作法は押さえておく必要があるよなあ。

「風が吹けば桶屋が儲かる」のどこがおかしいかわからない人は、一度読んでみる価値あり。

もう一冊。すてきな本が出た。

首藤 明敏「ぶれない経営―ブランドを育てた8人のトップが語る」、ダイヤモンド社(2009)

博報堂系の関係会社の社長という立場もあるのかもしれないが、このラインナップはすごい。ラインナップだけで何を言いたいかわかる。

そのうち、紹介記事を書きたいが、僕的に圧倒的に印象に残ったのは一休の森社長の言葉。

お客様のニーズを追いかけるのではなく、環境の変化の中で常にお客様の訳に立つ会社であり続けたい。

すごすぎる言葉!座右の銘にしたい!

さて、今日。仕事を終えてから、一冊の本を読む。

小池 和男「日本産業社会の「神話」―経済自虐史観をただす」、日本経済新聞出版社(2009)

小池先生らしい傑作。日本の会社は、、、」とまことしやかに語られることを、独特のメトリクスを設定して検証している。この本もいずれ紹介したいと思うが、例えば、

日本人は会社人間、日本は集団主義

といったことをどんどん検証している。非常に小池先生らしい本だ。これを読んでいると、近頃の若いものは、、、というのが、単に年寄りの愚痴に過ぎないということがよくわかる。

サブタイトルが「経済自虐史観をただす」というとても気になるタイトル。結局のところ、蟻もしない、自虐観をあおり立てて、成長の原動力にしてきたということか、、、

2009年3月 3日 (火)

【ほぼ日 読書日記】2009年3月3日

むう、

中原 淳、長岡 健「ダイアローグ 対話する組織」、ダイヤモンド社(2009)

コミュニケーションの本質に近づこうというアプローチであることはよくわかる。しかし、どうも話が難しくなりすぎているような気がする。社会構成主義、システムとかいう話はわかるが、だからなんだと言いたくなるようなまどろっこしさがある。

気になるテーマであることは間違いない。例えば、2008年のビジネス書の杜で、デヴィッド・ボームの

デヴィッド・ボーム「ダイアローグ 対立から共生へ、議論から対話へ」、英治出版(2007)

は30冊以上売れている。ちょっとした驚きである。

ただ、ドラッカーのコミュニケーション原則は響くが、ダイアローグになると響かないのはなぜだろうか?時期の問題なのだろうか?

立脚点がはっきりしていないことにも一因がありそうだ。まだ、盲人が象を語っている状況なのかもしれない。

コミュニケーションといえば、今、こういう本を読んでいる。

クリスティアン・マラッツィ(多賀 健太郎訳)「現代経済の大転換―コミュニケーションが仕事になるとき」、青土社(2009)

いわゆる社会科学書で、難しくてまだよく理解できていない。が、労働が感情労働化するというのはよくわかる。原書は15年前の本だが、すごい先見力である。

【ほぼ日 読書日記】2009年3月1日

「日記に書籍の写真を載せる件」についてだが、予想以上の不評につき、中止。今後も、写真を載せるのは、紹介記事を書く本に限ることにした。

さて、2週間ぶりに東京。1週間、東京にいないのは年に数回あるか、ないか。

東京以外ではほとんど本屋に行かないので、どんな本が出ているか楽しみにしながら、夕食後にいつもの本屋さんに。いいものを見つけた。

高橋 浩一「レバレッジ・ポイントを見つけ出せ! 問題発見力養成講座 “木を見て森も見る”システム・シンキング」、日本実業出版社(2009)

プロジェクトマネージャー養成マガジンの初期に開催していた「メルマガセミナー」でシステム思考の話をして戴いたことのある高橋浩一さんの新作。ホテルに戻って早速読む。

タイトルは、コバンザメ作戦か?レバレッジポイントはもともと、システム思考が元祖だからいいか。

システム思考がイマイチ盛り上がらない一つの理由は本ではないかと思う。確かに、ピーター・センゲという偉大なるグルの

ピーター・センゲ(守部 信之訳)「最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か」、徳間書店(2005)

というバイブルと、何冊かのワークブック、および、バージニア・アンダーソンの

バージニア アンダーソン、ローレン ジョンソン(伊藤 武志)「システム・シンキング―問題解決と意思決定を図解で行う論理的思考技術」日本能率協会マネジメントセンター(2001)

とトレーニングブックと、かなり良質な本の翻訳は出版されているものの、日本人のオリジナルの本となると、寂しい。

西村さんの書かれた

西村 行功「システム・シンキング入門」、日本経済新聞社(2004)

枝廣淳子さんの書かれた

枝廣淳子、内藤 耕「入門! システム思考」、講談社(2007)

などがある。日本人の書いた本の中では、枝廣淳子さんと小田 理一郎さんの共著

枝廣 淳子、小田 理一郎「なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方」、東洋経済新報社(2007)

がシステム思考のイメージがしやすい良い本だと思うがいずれも、使い方をイメージできるような本では無かった。教科書の域を抜けていない。

高橋さんの本はこの点が非常に良くできている。初の実用書といってもよいだろう(って、書きすぎか?)。

システム思考は、センゲのイメージもあってか、孤高の思考法みたいなところがある。ほかのフレームや思考法との組み合わせがよくわからないという話をよく聞く。

高橋さんの本では、5章以降でほぼ半分のスペースをコンサルティング事例だと思われるような活用法の紹介に当てている。特に、5章はレバレッジポイントの見つけ方を説明しつつも、それをワークショップの中でどのように使っていくかを事例で説明していて、とてもよい。これはすばらしいなあ。

そのうち、紹介記事を書くので、この本はここまで。ちなみに、来年は僕はこんなセミナーをやる予定。

プロジェクトのレバレッジマネジメント
http://www.pmstyle.biz/smn/reverage.htm

高橋さんの本を読んで貰えば、1日目のプログラムは要らんなあ、、、

さて、時間が前後するが、移動の新幹線の中で戴きものの本に目を通す。

大宮 知信、竹間 忠夫「できる奴はIC(インディペンデント・コントラクター)になる! 」、アールズ出版(2009)

取材対象に際だって興味深いものは無かったが、ルポとしては絶品。おもしろい!作品としてのおもしろさを際立たせるための取材対象を選んでいるのではないかと勘ぐりたくなるよう。

僕は、ノンフィクションライターになりたいと思っていた時代があり、高校から大学時代に、ノンフィクションを読みあさっていたし、大宅壮一ノンフィクション賞の選考記事なども読んで研究していた。自分では相当目が肥えていると思っている。

最近のルポは、取材対象で読ませているものがほとんど。演出を決めて、必要な情報をとったとしか思えないような本が多い。TV的手法。そんなルポはインターネットで書けてしまう。エスノグラフィーがない世界。

もちろん、取材対象もライターの実力のうちだと思うが、やっぱり、こういう本の方が感動を覚える。やっぱり、この世代の著者の取材力と編集力はすごいわ、、、

2009年3月 1日 (日)

【ほぼ日 読書日記】2009年2月28日

2月5日の日記に

=====
ということで、多少、がっかりした僕の目に一冊の本が入ってきた。この本屋はいったい、どういう本屋なのだ。この本をこんな棚に並べるとは!ものの道理がわかりすぎ!
そのあと、いろいろと仕事を済ませて、急ぎの原稿をほったらかして、3時間その本に没頭!メッチャ感動!
まだ、消化できていないので、紹介は明日。お楽しみに!
=====

と書いたのだが、やっと、紹介記事を書いた!

この本とは!

エンツォ・マーリ(田代 かおる訳)「プロジェクトとパッション」、みすず書房(2009)

です、はい。紹介記事はこっちにあります。

プロジェティスタのバイブル!

2009年2月28日 (土)

プロジェティスタのバイブル!

4622073900 エンツォ・マーリ(田代 かおる訳)「プロジェクトとパッション」、みすず書房(2009)

お奨め度:★★★★★

イタリアの巨匠エンツォ・マーリのプロジェクトデザイン論。

エンツォ・マーリは伝説的なモダンデザインの工房「ダネーゼ」とのコラボレーションを開始して、世界中に名を覇せた工業デザイナーである。日本では無印良品のデザイナーとして有名である。この本は自身のプロジェッティスタとしての考えをまとめ、後輩に伝えることを目的として書かれたプロジェクト哲学の書である。こういう本を書いてくれる人がいるというのがイタリアだと思わせる一冊。

■■■■■■【目次】■■■■■■

第1章 斧の一撃のものがたり
第2章 三つの地平線
第3章 必要、そしてまた必要
第4章 自然の方法論
第5章 学生へのいくつかの助言

■■■■■■■■■■■■■■■■

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