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2008年8月 6日 (水)

残業ゼロという思想

4820717138 吉越 浩一郎「「残業ゼロ」の仕事力」、日本能率協会マネジメント出版情報事業(2007)

お薦め度:★★★★1/2

トリンプを日本で定着させた吉越浩一郎さんが、自らのトリンプでのマネジメント手法を伝える本。残業をゼロにするマネジメントを、ライフワークバランスの本としてまとめられているが、デッドラインのマネジメント、イシューマネジメント、ミーティングマネジメントなど、マネジメント手法としても興味深い。

吉越氏はこの本の中で、残業ゼロを実現しるための仕組みとして、問題を小さく分けて考え、その問題ごとに明確なデッドラインを設定した上で、会議をできるだけ回数を増やすことを提案している。その一方で、「残業は悪いことだ」という考えを徹底的に浸透させ、刺激を与える。これによって、社員一人一人が残業したい方法を考えるようになって、ボトムアップの改善が行われるようになってくる。共感できるやり方である。

特に、問題を体系的に捉え、優先順位を付けて解決していくというアプローチではなく、問題を細分化し、デッドラインを決め、次から次に取り組んでいくという方法は非常に合理的な方法だと思われる。仮説思考のサイクルを非常に素早く回すことができるからだ。トヨタの改善などに通じるものがある考え方である。

また、チーム作りにおいて、フォロワーシップを非常に重視していることも注目される。現場を強くするにはリーダーを強くするだけでは不十分で、フォロワーシップを徹底的に充実させる必要がある。そのようなフォロワーシップを持った人がリーダーになって初めてリーダーシップが身につくと述べている。これも共感する。

私たちはプロジェクトマネジメントのコンサルティングの際に、プロジェクト憲章に残業をしないということを入れてもらえるように強く主張する。だいたい、どんな組織でも何か外部からの刺激がなくては問題解決エンジンが動かないと考えているからだ。その刺激として、本書で提案されている残業をしないという刺激を与えるのは、最近のライフワークバランスを考えて仕事をしようという風潮とも合い、非常によい方法だと思う。

マネジャーの人には、ぜひ、読んでみてほしい一冊である。

【目次】
第1章 御社の残業がなくならない理由
第2章 問題はとにかく「分けて」考える
第3章 次に「会議」を変えていこう
第4章 「続ける」ための考え方
第5章 「速くて強い」チームの作り方
第6章 「仕事の常識」はこれだけ変わった
第7章 ほんとうのワークライフバランス

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