ビジョンでチームを動かす
吉田典生「会社をぶっ壊して、チームを創ろう! 」、日本実業出版社(2008)
お薦め度:★★★★1/2
過激なタイトルであるが、内容は会社の文化や慣習にあまりとらわれずに、チームを中心としていい仕事をしようという趣旨で、チームマネジメントの方法について書いた本。
この本の中核になっているのは
・価値観のWhy(あなたの存在理由)
・ゴールのWhat(向かいたい場所は)
・手段のHow(向かっていく方法は)
とゴールへの3つのアプローチと、それぞれでチームの存在理由、向かいたい場所、向かっていく方法と整合を図ることによって、個人がやる気を出し、それがチームの成功に結び付いていくステップ。
また、チームがより能力を発揮するために対話を促していく「かき混ぜ隊」を作ることを提案している。「かき混ぜ隊」は
・引き出す力
・受け入れる力
・伝わる力
の3つのコミュニケーションの能力にたけ、文字通り、
・知りあう
・認め合う
・共有する
という3つの仕掛けの中心にくる人たち。これにより、想像を超えたチームパフォーマンスが発揮されると主張している。
さらに、「かき混ぜ隊」による対話の改善を「共有する組織のビジョンを創造し、維持するための対話の段取りと実行」と、「対話する人たちの適材適所、状況と性格に応じた接し方」の2つで実現していく方法を解説している。
吉田典生さんはコミュニケーションやチームなどのヒューマン系を中心にした数多くの本を書かれているが、一貫して、ビジョンの大切さを主張されている。特に、その点に焦点をあてて書かれた本に
吉田 典生「ビジョンマッピング やる気を創る技術」、PHP研究所(2006)4569655505
がある。ビジョンという言葉は曖昧な言葉であるが、「はっきり」としたものがビジョンであるというところがポイントになっているので、はっきりとはどういうことか分からなければ、この本を併せて読むことをお勧めしたい。
【目次】
Prologue 幸せな会社を支える不幸な人々
Part1 壊すべき「会社」、創りたい「チーム」
Part2 元気が出る会社のぶっ壊し方
Part3 想像を超えたチームを創る三つの仕掛け
Part4 「対話の改善活動」がチームを伸ばす
Part5 卓越したチームへの道
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