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2008年2月 8日 (金)

【補助線】「安全」はプロジェクトマネジメントの中でどう扱われているか?

◆ITプロジェクトには安全の問題はないのか?

この2~3年、ずっと気になっているのが、この問題だ。なぜ、気になりだしたかというと、ITプロジェクトを中心に発生しているメンタルヘルスの問題。

ITプロジェクトにかかわっている人に安全というと、建設のプロジェクトとかで工事の安全の問題だという風に矮小化して考える人が多いのだが、この認識は正しくない。そもそも安全の問題とは、労働安全衛生の問題であり、「健康問題」、「労働災害」、「快適職場づくり」など、すべての問題を含む。

Photo_2つまり、この2~3年、問題視する企業が増えているメンタルヘルスの問題は、「安全衛生」のもっとも重要な課題の一つだというのが一般的な認識である。

この「安全」の問題はプロジェクトマネジメントではどう扱えばよいか?

僕はプラント工事などの現場の現場の経験もあるが、仮に、ITプロジェクトのような人の働かせ方を工事現場でしていたら、とんでもない話だとしてすぐに改善勧告が入るだろう。

◆プロジェクトの安全管理パターン

通常、工事系のプロジェクトの現場では、「安全管理体制図」がつくられる。これは2つのパターンがあり、社内の投資工事などでは通常、ラインでプロジェクトを推進していくので、組織体制が反映された安全管理体制になる。この場合は、プロジェクトマネジャーが安全管理責任者になるよりは、そのプロジェクトスポンサーになるラインマネジャーが安全管理責任者になるケースが多い。

これに対して、発電所を作るといったオンサイトのプロジェクトでは、顧客側の安全管理体制があり、そこに組み込まれるような形でプロジェクトの安全管理体制を構築する。プロジェクト作業に伴う安全管理についてはプロジェクトの中で見ているわけだ。安全上の問題が発生すれば、プロジェクトの中で自律的に処理される。

◆PMOにメンタルヘルス活動はできない

ITプロジェクトでは、一見、前者の安全管理が行われているようにも見えるが、実際にはオンサイトのプロジェクトが多く、機能していないケースが増えている。そこで、プロジェクトの問題だからということでPMOにおハチが回ってきている組織が多い。

これはむちゃくちゃな話である。経営組織はコンプライアンスと安全衛生については必ずガバナンスが必要である。つまり、この2つの観点から従業員が正しくない行動をしたときに、それを権限を以て強制的にやめさせることができる必要がある。これができないと経営しているとはいえない。

実際にコンプライアンスでは、これまでガバナンスをあいまいにしてきたため、いろいろな問題が噴出している。米国であれば、株主訴訟で企業がつぶれてもおかしくないような事例がいくつもある。

従業員の安全衛生の問題もコンプライアンスと同じくらい重要な問題である。たとえば、従業員が無理をして労働をしようとした場合には、それを強制的に止める機構がなくてはならない。

これは従業員のためだけではなく、常に最高の品質の商品を提供するためでもある。つまりは、従業員と組織のWin-Winの関係を維持するためでもある。

◆安全衛生管理は誰がすべきか

このように考えると、安全衛生は、組織から正当な権限を委譲された人が管理すべき問題であり、これはプロジェクトの業績に対する責任を持つ人でもある。PMOがそのような立場にあることはレアケースだろう。

SIプロジェクトでいえば、顧客に実施体制を示すが、普通に考えると、これが「安全管理体制」である。

百歩譲って、上位管理者が明確に権限を委譲するわけでもなく、プロジェクトの成果責任をプロジェクトマネジャーに丸投げすることは仕方ないとしても、安全管理に対する責任を丸投げするような上級管理者は即刻、辞表をだすべきだろう。

特にSI業界では、この問題は深刻である。

プロジェクトの常識になりつつある、「リソースを渡さない」、「結果を求める」まではいいとしても、そこに、「メンバーの安全衛生管理の責任を持て」という三重苦になると、多くのプロジェクトマネジャーは音を上げてしまうのではないだろうか?

また、これが「改善しない」温床になっていることも事実だ。

長くなってきたので、プロジェクトが自律的に安全衛生を管理するときには、どのように考えて行うべきかは別の機会に譲る。

2008年2月 3日 (日)

【補助線】プロジェクトを成功させるプロマネと失敗させないプロマネ

先日、渡辺貢成さんの現場力セミナーのグループディスカッションをきいていて、ふと思ったことがある。

それは、成功と失敗の関係である。

プロジェクトを失敗させないためには何をすればよいか?

人と同じことをすればよいのだ。そのために、他人はできているが自分はできないところを直していく。これはみんな得意であるし、大好きだ。

これに対して、プロジェクトを成功させるためには何が必要か?

そう簡単に答えはでない。まずは、成功の定義が必要である。成功の定義の中で重要なことは、誰かが一旦やり遂げたのと同じ成果は成功とは言わないことだ。

誰かがやり遂げた時点でそれは当たり前になり、それをクリアするだけでは失敗しなかったに過ぎなくなる。

プロジェクトを成功させるといのは、誰もできなかったような成果を上げることだ。そのためには、人と違うことをすることが必要である。これは嫌いな人が多い。

いろんな理由がある。そんなことをしたって評価されないというのが大きい。それどころか、それで失敗をすれば叩かれるというリスクもあるのだ。

この話はひとつ上のプロマネ。にも通じる。普通のプロマネは、プロジェクトを失敗させないことを目標にする。ひとつ上のプロマネ。はプロジェクトを成功させることを目標とする。

これを成長段階だと考えるべきではない。つまり、失敗させないことができるようになれば、次の段階は成功させるようになることだと考えるべきではない。プロジェクトを失敗させないことを重視するプロジェクトマネジャーのほとんどは、一生、失敗させない努力をして終える。もちろん、その中でのレベルはある。規模や、複雑さが大きなものを失敗させないようにできるようになるレベルアップだ。

しかし、100億のプロジェクトを失敗させないプロジェクトマネジャーが、100万円のプロジェクトを成功させることができるかというと、たぶん、ほとんどできない。これは、100億の事業を管理できる上級管理者の多くが、起業家としては成功しないことと本質的に同じ現象である。一言でいえば、DNAが違うのだ。

もちろん、組織にはプロジェクトを失敗させないプロジェクトマネジャーと、成功させることのできるプロジェクトマネジャーの両方が必要だ。

ただ、成功させるプロジェクトマネジャーが少なすぎる。積極的に開発していかねばならない。「ひとつ上のプロマネ。」の育成である。

そのスタートは、プロアクティブに成功を目指せることである。

「3%の改善は難しくても、30%の改善はぱっとできることがある」という人は意外と多い。たとえば、自動車メーカの役員の講演会でこんな話を聞いたことがある。

ある部品を一生懸命コストダウンをするが、どうしても目標原価に到達しない。ある人が、その部品を使わない構造にしようと言い出すと、設計変更によって部品数が20%減り、コストは30%減った。別に技術的に難しいことしたわけではない。違う方向を向いて普通にやったらそうなったという感覚なのだそうだ。

普通のプロマネとひとつ上のプロマネはパラダイムが違うのだ!

2008年1月22日 (火)

【補助線】年金問題に学ぶリカバリーマネジメント

◆なりすましを防ぐ?!

消えた年金問題で、年金特別便なる通知で不明者の確認をしようという取り組みが始まった。始まるなり、窓口で本人確認のヒントを与えるような対応を一切するなというマニュアルを作ったとかで、顰蹙を買った。なりすましを防ぐというのがその理由だそうだ。そして、それがマスコミに取り上げられると、1週間もしないうちに、方針を変更し、

「持ち主とみられる人が相談者のみ」で「相談者の他の年金記録の加入期間との重複がほとんどない」場合は、〈1〉事業所の所在地〈2〉事業所の業種内容〈3〉事業所での加入期間――の3情報を伝えることを許可する
(読売新聞より)

と変更したとのことだ。現時点で僕のところには来ていないので、よくわからないのだが、一連の対応に違和感を感じている人は少なくないのではないだろうか?

そもそも、「突合」というのは役所用語なので、どんなアルゴリズムでやっているのかよくわからないのだが、普通のマッチングアルゴリズムで照合をして、特別便を持って窓口に来た人がなりすましをする確率がどのくらいあるのだろうか?

◆年金リカバリーの3つの特徴

この点も含めて、一連の対応には、3つの特徴がある。

(1)責任回避のために対応策を狭める
(2)目先の問題に対応するための朝令暮改
(3)自身の利益を最優先する

まあ、役所の論理だといえば、それまでだが、これはプロジェクトがトラブルに陥ったときに傷口を広げる方法を示唆している。

◆責任回避のために対応策を狭める

まず、この3つの行動の根底にあるのは、(1)の自らは責任がないというスタンスである。このスタンスがある限り、効率のよい問題解決はできない。逆にいえば、適切な問題解決をするためには問題があればあることを認めることがスタートである。

年金問題でいえば、自らの責任であると認めれば、その瞬間に無条件に申請に応じるという選択肢が出てくる。そこで初めて本格的調査をし、その選択肢も含めて、オプションを決定することができる。認めない限り、仮に今の方法が無条件に応じるという方法の倍のコストがかかってもやることになる。もちろん、モデルは作って無条件に応じるという選択肢も検討はしていると思われるが、責任はないということだけは決まっている以上、結論ありきのモデルになりがちだろう。

プロジェクトのトラブルでも同じだが、このように責任論を考えて、リカバリーの選択肢を狭めてしまうことがある。気をつけたいところだ。

◆朝令暮改

次に、朝令暮改。年金においては、これだけむちゃくちゃなことをしておきながら、いまさら、なぜ、世間の目を気にするのかという気もするが、そんなものではないのだろう。これ以上、非難されるのは飛んでもないという思いも強いのだと思う。

プロジェクトでトラブルを起こしたときに、特にプロジェクトマネジャーは同じような心境に陥ることが多い。失敗してしまった。これ以上、失敗の上塗りはできないので、とりあえず、ステークホルダが言い出せば何も戦略を持たずに、方針を変える。

大きなトラブルには必ず、この構図がある。なぜか?ステークホルダが一枚岩ではないからだ。そもそも、トラブル時の判断は非常に難しい判断だ。ゆえに、A部長が白といえば白に見えてくるし、そこにB部長がやってきて黒だといえば黒に見える。そんなものだ。これで迷走をする。

最後に責任を押し付けられるのはどうせプロマネなのだ。A部長の言う通りにやって失敗しても、結局、「プロマネ、おまえは何を考えているんだ」ということになる。開き直って自分の方針を貫くべきだ。

◆顧客の利益を最優先する

年金で最も目につくのは(3)だろう。年金特別便なるもの自体、訳がわからない。なぜ、特別便の代わりに、各地域の事務所から訪問をしないのだと思う。人もいないし、予算の制約もあってできないという。この問題よりプライオリティの高い予算など、人の生死にかかわる問題しかない。それこそ、C型肝炎とか、その類だ。

この期に及んでも、まずは自分の利益を確保し、そのあと、できる範囲で対応するのだ。きっと、このやり方は傷を深くする。

プロジェクトのトラブルでも同じような状況をよく見る。たとえば、SIのプロジェクトであればトラブルのときに真っ先に考えるべきなのは、顧客の利益の確保である。しかし、まず、そんなことはしない。自分たちの利益(赤字になるのなら赤字幅)をして、その上で何ができるかと考える。これでは墓穴を掘っているみたいなものだ。

年金もそうだ。予算がほしければ、国民に不安感を与えず、払うべきものを払い、それによって産業が活性化し、税金が増え、自らの活動の予算が増えるというのが道というものだろう。

自らの利益は、顧客の利益から生まれるものだという商売の原則を思い出す必要がある。

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(5)ステークホルダの意見を調整し、リカバリーへの協力を取り付ける
(6)リカバリーマネジャーを決定し、リカバリーチームを結成する
(7)プロジェクトリカバリープランを作成する
(8)リカバリープランによりプロジェクトをコントロールする
(9)プロジェクトの状態を安定化させる
(10)レッスンズラーンドを行い、再発防止に努める
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2008年1月19日 (土)

【補助線】今年はプロジェクトマネジメントの仕組みを撤廃します

◆今年はプロジェクトマネジメントの仕組みを撤廃します

年明け早々、ある中堅機械メーカのH社長からメールが届いた。人とおりの近況報告の後に、こう書かれていた。

=====
今年はプロジェクトマネジメントの仕組みを撤廃することを決心しました。好川さんも、責任があるんだから手伝ってくださいよ。
=====

この企業は弊社のというより、好川の個人事務所(技術士)のクライアントで、8年くらい前に産業用機械の開発プロセスにプロジェクトマネジメントの仕組みを導入するお手伝いをした企業である。

年賀メールにこんなことを書いてきたのは、おそらく、半年くらい前に1冊の本を紹介したところに始まるのではないかと思う。その本とは、米国のコロンビア大学ビジネススクールの教授が技術ジャーナリストと一緒に書いた

エリック・エイブラハムソン、デイヴィッド・フリードマン「だらしない人ほどうまくいく」、文藝春秋社(2007)

である。

もっとも、この本を紹介したのは常々、この社長がこの本に書いてあるようなことを言っていたからなのだが、、、

◆きっちりがいいなど、誰が決めたのだろう?

この本は非常に面白い指摘をしている。

それは、人間はきっちりしなくてはならないと思いこんでいるが、ビジネス(パフォーマンス)という視点で考えたときに、本当に正しいのかという問題提起だ。むしろ、だらしない方がよい場合もあるのではないかと言っている。日本でも、だらしないのは敵のように嫌われるが、なぜ、嫌われるのか?

この問題に対して、

・病的なだらしなさ(片付けられない症候群)は議論の対象外
・たとえば、眼科医のようにだらしないのは論外という仕事もある

という前提を置いた上で、「だらしな系」と「きっちり系」という対立軸を設定して、だらしないことの効用を分析している。

分析内容については、この記事の最後につけておくが、この本も、この議論も結構考えさせられるものがある。おそらく、H社長の会社でもかなりの部分が当たっていたのだと思う。

歴史的に見ても、この種の価値観は為政者の都合のよいように作られるものだ。だらしないよりきっちりしている方がよいなどと誰が決めたのか?

身近なところでも、家庭で整理整頓してあたりまえだというのはたとえば、母親が片付ける手間が省けるので好都合だ。組織で計画的に物事を進めなさいというのは管理する手間が省けるという管理者にとって好都合だ。

これが都合ではなく、経済合理性があると言おうとすれば、エイブラハムソン先生らが言うように、片付けるのにどれだけのコストがかかって、それによってそのコスト以上の生産性の向上がみられる必要がある。

たとえば、プロジェクトマネジャーが計画を作って仕事をすることに対して、そんなことはやってられないと抵抗する背後には理屈がある。ただしいかもしれないし、情緒的な問題を経済合理性を使って言っているだけかもしれない。

◆何も考えずにキッチリがよいというのは思考停止

ただ、いずれにしても、どんな場合でもキッチリが良いのだというのは思考停止以外の何物でもないだろう。

この思考停止が単に整理整頓や計画のコストだけの話であればあまり大した問題ではないかもしれない。しかし、きっちりすることによって、創造性や柔軟性が排除され、機会損失が起こるようであれば、それこそ、きっちりと一度考えてみる必要がある問題だ。

だらしな系のプロジェクトマネジメントなんていうのもあるのではないかと思う。たとえば、ライトブレーンプロジェクトマネジメントやアジャイルプロジェクトマネジメントはその代表例ではないかと思う。

<だらしな系の特徴>
・素早く、劇的に、多様に、より少ない労力で状況に適応し、変化することができる
・異質なものを簡単に内側に取りこむことができる
・環境や情報や変化となじみ、そこから有益な影響を受けられる
・さまざまな要素に触れ、変化を促し、問題を顕在化させ、新たな解決策を導き出してくれる
・比較的少ない労力で目標を達成することができる。労力の一部をアウトソーシングすることができる
・大きく異なる要素でも内に組み込むことができるため、攻撃や妨害や模倣に対する抵抗力がある

<きっちり系の特徴>
・需要の変化や予期せぬ出来事、新たな情報に対して融通がきかず、対応が遅れがちである
・内に含めるものの量や種類を制限する。有益なものや、不可欠なものも排除してしまうことがある
・外部からの影響を遮断して、決して相容れることがない
・未知の存在や不測の事態を嫌い、それが現れると、即座に排除しようとする
・システムを維持するために常に大きな労力が必要になる。その労力はすべて自分で背負いこまなければならない
・強さと弱さを併せ持ち、たやすく破壊されたり、失敗をおかしたり、混乱したり、模倣されたりする

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2008年1月10日 (木)

【補助線】失敗の回避はゼロサム、プラスサムにしてこそプロジェクトマネジメント

◆コーエン&ブラッドフォードモデル

今日、コーエン&ブラッドフォードの「Influnence without Autohrity」を日本に紹介され、ビジネスの展開をされている高嶋成豪さん、高嶋薫さんにお会いした。2時間弱のディスカッションだったが、有益な時間を過ごすことができた。

アラン・コーエン、デビッド・ブラッドフォード(高嶋薫、高嶋成豪訳)「影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル」、税務経理協会(2007)
https://mat.lekumo.biz/books/2007/12/post_df63.html

コーエン&ブラッドフォードが提唱している影響力の法則は

法則1:味方になると考える
法則2:目標を明確にする
法則3:相手の世界を理解する
法則4:カレンシーを見つける
法則5:関係に配慮する
法則6:目的を見失わない

の6つを順に回していくモデルだが、今日はひたすら法則1に話題が集中した。実は、この本が出てから、何度か、コーエン&ブラッドフォードのモデルをセミナーや講演で紹介したことがあるが、やはりこの部分に反応する人が多い。

◆敵になると思うから敵になる

多くの人は、ステークホルダに対して、敵だという先入観を持って接する。そうすると、自分たちが望んでいるように動いてもらうことはほぼ絶望的になる。セミナーでうなずいている人はたぶんそのことを実感している人だと思う。

なぜ、そんなにネガティブにものごとを考えるかということが問題だ。答えは一つ。

失敗したくないからである。プロジェクトを失敗させないためにプロジェクトマネジメントをやりだした組織は、ステークホルダをリスク要因だと考える。そして、言葉は悪いが、「足を引っ張られないためにはどうすればよいか」をひたすら考えるのだ。

心情的にはよく分かるのだが、このような発想パターンはジレンマだと思う。どんなプロジェクトでもステークホルダとの信頼関係を構築でき、ステークホルダの協力が得られれば失敗確率は劇的に少なくなるだろう。失敗したくなければ、これが正道だ。

ところが、失敗したくなければないほど相手を信頼できるハードルは高くなる。すると相手が中立的でも敵に見える。人間同士、付き合い方によって味方にもなれば、敵にもなる。敵だと見なされれば、そのプロジェクトに対して中立的な立場だった人が敵になるのは当然のことだ。結果として敵を増やすことになり、失敗の原因を作ることになる。

このジレンマを解消する答えはどこにあるのだろうか?

ここで重要な考え方はプラスサム(WinWin)だ。ゼロサムであれば、敵でも味方でもないステークホルダは敵だというのは間違いではない。しかし、プラスサムを目指すとすれば間違いである。

◆失敗の回避はゼロサム、プラスサムにするのがプロジェクトマネジメント

ここでよく考えてほしいのは失敗を回避するというのはゼロサムにすぎないということだ。

プラスサムにするというのはどういうことか。失敗を回避するのではなく、すべてのステークホルダが満足する結果を出すということだ。つまり、ストレッチされた目標を達成することだ。

プロジェクトであるので多少の差はあるにしろ、計画段階では目標に対して合意はできているはずだ。ところが、ゼロサムの発想で作られた目標のほとんどは不安定なバランスである。みんながぎりぎりの譲歩をし、三方一両損で、なんとか合意しているケースが多い。そのため、ちょっと計画からずれると瞬く間にバランスが崩れて、利害対立が起こる。

このような状況を回避するには、当初の合意の方法を変えるしかない。ゼロサムの三方一両損ではだめなのだ。目標を上げることによってプラスサムにするしかない。

たとえば、IT業界ではプロジェクトの失敗率が上がったというのが定説になっている。それはそうかもしれないが、顧客、プライム、ベンダーの範囲でプラスサムになっている気配はない。二次受け、三次受け、派遣契約、挙句の果てはオフショア、あくまでもゼロサムでなんとかしようと考えている。サルティナブルではないなあ。。。

2008年1月 7日 (月)

【補助線】支援プロジェクトは顧客

◆前回の復習

前回は、プロジェクトマネジメントに対して適切な支援をしようと思えば、プロジェクトマネジャーの価値観を理解し、その価値観を考慮した支援が必要であるという話をした。

プロジェクトマネジャーの理解
https://mat.lekumo.biz/ppf/2007/12/post-ce7f.html

◆支援「してあげる」?!

この意見に対して、「そもそも、支援するのに、なぜ、プロジェクトマネジャーに媚を売るようなことを考えなくてはならないのか」という意見を頂いた。この議論は、PMOの在り方の本質的な議論だと思う。トップダウンでPMOを作った組織は、確かに、PMOにそれなりの権限を与えていることが多いし、この方の言われるように、「そもそも」支援をしてあげているのにという考え方もあると思う。

しかし、この考え方は、一昔前の官が民間企業を支援するときの発想である(実は意見をくれた人は準公務員である;笑)。何が言いたいかというと、支援する側に成果がいらなければそのとおりだということ。実は民間企業でも僕がいた頃には業務支援部門はこういう発想だった様に思う。変わってきたのは成果主義になってきて、業務支援にも成果が求められるようになってきたためだ。

成果を上げるためにはどうすればよいかを考えることを求められる。自分の業務がどのように事業や企業経営の業績に結び付くことが一人ひとりに求められるようになってきた。

◆支援先は顧客である

違う言い方をすれば、支援部門も支援先を顧客だと考えないとつじつまが合わなくなってきているのだ。プロジェクトマネジメントでいえば、プロジェクトマネジャーは明確な成果責任を負っているのだから、それに役に立たない支援など受けたくもないし、実際に断る人も少なくない。これに対して、無理強いをするのは、役に立たない商品を売りつけているのと同じだ。役に立つ商品を売ろうとすれば、相手を理解しなくてはならないというのが前回の議論の前提である。

一言でいえば、PMOは提供するサービスがプロジェクトマネジャーに受け入れられて、それでプロジェクトマネジャーからの支持を受けることによってはじめて前々回に議論した互恵関係が成立する。そのやり取りの手段がカレンーなのだ。

脱線ついでにもうひとつ脱線するが、PMOの評価で悩んでいる組織は多いが、基本はこれだと思う。要するにプロジェクトマネジャーから支持されないPMOは必要ないという単純な話だ。

◆PMOのジレンマ

こういうと、現実のニーズは、リカバリー支援とか、マネジメント作業労働力の提供とかに偏ってしまうという人がいる。これが現実であることは認めるが、なぜ、そうなるのかというと、プロジェクトマネジメントのやり方に問題があるからであり、それに対して責任を持つべきなのはPMOに他ならない。

決めたことをやってくれないという悩みを持つPMOも少なくない。これは、やらないからプロジェクトがうまくいかない、ゆえに、PMOの決めたことは非現実的で、だからやらないという悪循環になっていくパターンだ。

これに対する楔は一つしかない。プロジェクトを成功させることのできる手法なり、標準を提案していくことだ。ただし、どんな優れた手法であっても適用効果を出すためにはプロジェクトマネジャーの協力が不可欠である。したがって、PMOはすぐれた手法という楔を準備する一方で、互恵関係を構築していかなくてはならない。そのためには、真剣にカレンーを考えることが必要だ。

◆カレンシーの種類

さて、「影響力の法則」という書籍で自らの方法をモデル化しているコーエン&ブラッドフォードによると、カレンシーには、5つの種類があるという。

(1)気持ちの高揚や意欲を喚起するもの
(2)仕事そのものに役立つもの
(3)立場に関するもの
(4)人間関係に関するもの
(5)個人的なもの

の5つだ。コーエン&ブラッドフォードは、一般的な例として、それぞれに対して、

(1)気持ちの高揚や意欲を喚起するもの
  ビジョン、卓越性、道徳的/倫理的な正しさ
(2)仕事そのものに役立つもの
  新しいリソース、チャレンジ(成長)の手伝い、組織的な支援、素早い対応、情報
(3)立場に関するもの
  承認、ビジビリティ、評判、所属意識/重要性、接点
(4)人間関係に関するもの
  理解、受容/一体感、私的な支援
(5)個人的なもの
  感謝、当事者意識/参画意識、自己意識、安楽さ

といったカレンシーがあるとしている。これはプロジェクトマネジャーがメンバーに対して提供するカレンシーとしてはそのまま使えると思うが、PMOがプロジェクトマネジャーとの互恵関係を構築したい場合にはどのように考えればよいだろうか?

この話は次回。

【補助線】仮説を共有する

◆仮説の共有はできていますか?

プロジェクトを進めていくに当たっては仮説(仮定)の存在を無視できないことは常識になってきている。PMBOKでは仮説を前提条件と呼んでいる。

仮説にはいろいろなレベルのものがあるが、たとえば、どんなプロジェクトマネジャーがプロジェクトでも設定しているものに「みんながプロジェクトを成功させたいと思っている」という仮説がある。ところがこの仮説がきちんとプロジェクト活動(プロジェクトチーム、ステークホルダ)の中で共有されているケースはまれである。

そんな馬鹿なと思う人は、次の問について考えてみてほしい。

あなた(プロジェクトマネジャー)はプロジェクトの進め方のすべてに対して行われる組織内ステークホルダのアドバイスはすべてプロジェクトの成功のために行われていると思うか?

もし、思えば、「みんながプロジェクトを成功させたいと思っている」という仮説は共有されていると考えてよいが、思わなければ共有されていないことになる。

この問いに対する答えとして多いのは、「成功させたいと思っているという仮説は共有されているのだが、成功の定義が違うので、ちぐはぐになっている」というものだ。そこで、成功の定義を共有する、プロジェクトの目的を共有するということになる。

◆プロジェクト活動の行動は仮説に基づく

こうやって文章として書いたものを読んでもらうとわかると思うが、実はこれは、問題解決策になっていない。成功の定義が共有されているという話と、「プロジェクトを成功させたいと思っている」という仮説が共有されているという話は全然別の話だ。

成功の定義が何であれ、仮説が共有されていれば、それを前提にしてそのプロジェクトの成功のために自律的な行動をとるということになる。そこで、コラボレーションが生まれる。しかし、そんなことは極めて稀である。

共有されていなければ、ひとつひとつ確認する。確認できればまだいいのだが、上にあげたような仮説だと確認のしようがない。

少し、考えていただきたいと思い、少し複雑な例をあげたので、混乱したかもしれないが、言いたかったことは仮説の共有というのはかくも難しいものだということだ。にもかかわらず、プロジェクトの中で、プロジェクトマネジャーやメンバー、あるいはステークホルダはそれぞれの仮説に基づいて行動している。

たとえば、プロジェクトメンバーは「自分の状況を報告をすれば、自分の活動を他のメンバーが理解し、問題が解消される」という仮説を持って仕事をしているはずだ。もっと作業的なところでいえば、「計画時に構想した手法でやればうまくいく」という仮説を持っているはずだ。

◆仮説は共有できないと混乱の原因になる

ところがこのようなチームで持つべき仮説は、共有できないと意味がない。意味がないばかりか、混乱の元だ。

たとえば、上の報告に関する仮説をメンバーの誰かが持っていないとしよう。蟻の穴から崩壊していくように、この仮説は成り立たなくなる可能性が大だ。手法の仮説が共有できていないとすれば、勝手な手法の検討するメンバーが出てきて、全体が混乱に陥る可能性がある。

情報を共有するのはある意味で難しいことではない。会議体など、比較的形式的なコミュニケーションでほぼできる。しかし、仮説の共有は極めて難しい。

そして、不確実性の大きいプロジェクトでは仮説の共有がプロジェクトマネジメントの生命線になることが多い。そのためには、プロジェクト憲章のようなスタティックなドキュメントだけでは不十分である。「相互理解」という意味での本当のコミュニケーションを実行していくこと、そして、そのためのコミュニケーションマネジメントが不可欠である。

2008年1月 2日 (水)

【補助線】「主客一体」と「一期一会」はプロジェクトマネジャーの基本精神

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

お正月なので、今年度のテーマを含めて、ちょっと、浮世離れした話をしてみたい。

昨年、「おもてなしの源流」という本が出版された。お正月に改めて読み直してみた。「ビジネス書の杜」ブログに感想を書いているので、また、興味がある人はみていただきたい。

「主客一体」がビジネスの基本

僕の尊敬する思想家・田坂広志先生がこの本に書かれた推薦文によると、日本の「おもてなし」というのは、禅思想を源流とし、「主客一体」「一期一会」の思想を根底に持ち、「主客分離」「関係構築」を前提とした欧米の「サービス」とは全く異質のものだという。この本は、旅館、茶道、花街、祭りなどの日本的な伝統の残る場のフィールド調査で、「主客一体」「一期一会」の思想がどのように実現されているかを丁寧に書き上げた一冊である。

ここで、大胆な提言。

すべてのプロジェクトマネジャーは「主客一体」「一期一会」という思想を持つべきではないだろうか?

プロジェクトマネジメントの中でもっとも重要な仕事の一つはプロジェクトオーナー(顧客)や、そのプロジェクトに利害関係を持つ人との「関係構築」だとされている。重要なことはこれは「主客分離」を前提にして行われていることだ。

その中で、さまざまな意思決定をゆがませている原因が「関係構築」だと言える。たとえば、WinWinの関係の中で、主も客も、お互いに妥協の産物としか思えないような意思決定を行っている。

ビジネスとはそういうものだという考え方もあるだろう。また、主客分離はダイバーシティの原則から出てくるものだという考え方もあるだろう。

このような考えがあることを知りながら、あえて、この前提は本当に正しいといえるのであろうか?と問題提起したい。

まず、最初に考えるべきことはプロジェクトという枠組みは、「主客一体の場」としてあるのではないかということ。

そして、その場は「一期一会」を前提とした場ではないかということだ。

プロジェクトにおける一期一会とは、その機会を一生に一度限りの機会だと考え、「主」はもちろん、「客」も、お互いの出会いを大切にし、その機会を活かすために、プロジェクトに対して全力でコミットすることである。そう考えると、一期一会はプロジェクトが求めているもの、そのものだと言っても過言ではない。

つまりは、主客一体と一期一会はプロジェクトの基本精神であるといっても過言ではなかろう。

このようなおもてなしの根底にある考え方をプロジェクトマネジメントの中に取り込んでゆくと、多くの問題が片付くように思える。

今年のテーマにしてはいかがでしょうか?

2007年12月31日 (月)

【補助線】プロジェクトマネジャーの美学

今年最後のメッセージです。

みなさんはプロジェクトマネジャーとしての品格について考えてみたことがありますか?
なければ、ぜひ、お正月にでも考えてみてください。

たとえば、川北義則さんは著書「男の品格」の中で

   品格とは何か? 美学である。

と書いています。

よく、「昔と比べると最近のプロジェクトマネジャーは小さくなった」という言葉を耳にします。これに対して「経営環境も、プロジェクトの質も違う」という反論もよく耳にします。

僕は基本的には後者の言い分を支持するのですが、たったひとつプロジェクトマネジャーの質で違いがあるとすれば、美学が持つかどうかではないかと思います。

20代でプロジェクトマネジャーを任されて、すでに自身の美学を持っている人もいます。一方で、40代後半で100人規模のプロジェクトを管理しているのに、美学の「美の字」も持ち合わせない人も少なくありません。

必ずしも後者ような人がうまくできていないわけではありません。

だからこそ、美学なのです。ある意味で、自己満足ですが、すべての仕事の最終ゴールは自己満足だともいえます。

これはとても大切なことです。自分が満足できない仕事で、お客さまが満足するなど、あり得ません。ただし、順番を間違えないでください。自己満足は最後にあるゴールです。これを最初のゴールや中間ゴールにしてしまうと大問題になります。

そして、最初のゴールや中間ゴールではなく、最終ゴールにするために必要なのが「美学」です。来年は美学を探す1年にしましょう。特に若いプロジェクトマネジャーの方は美学を持ってください。

こちらの記事でヒントになる本を紹介しています。

では、来年もよろしくお願いします。

2007年12月25日 (火)

【補助線】人を好きになろう!~愛と真心のプロジェクトマネジメント

◆近藤さんの人間愛

先日、PMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)のITベンチマーキングSIG「プロジェクトマネジャーの成功条件」の活動で、有限会社ウィンアンドウィンの近藤哲生さんのお話を聞く機会があった。近藤さんは

実用企業小説 プロジェクト・マネジメント

という本で、なかなか、理論的な本では言いにくいさまざまな考えを発表されている方で、僕も注目しているプロジェクトマネジメントコンサルタントの一人である。近藤さんの本を読んでみると、できそうでなかなかできないことが結構書いてある。たとえば、できる人を重用するというのは口でいうのは簡単だが、いざ、やろうとするとさまざまな壁にぶつかる。どうやって評価するのか、評価されなかった人はどうやって動機付けするのか、などなど。

実際にお話を聞いてみると、この本に書かれているようなことをご自身実践されているとのころ。どうすればできるようになるのでしょう?とおたずねした。近藤さんの考えはある意味で単純だった。

「人間愛」

だと断言されたのが印象的だった。

◆愛のないヒューマンスキルなどあり得ない

実は、このSIGもヒューマンスキルに注目しているのだが、最近、プロジェクトマネジャーのヒューマンスキルに注目する人が増えてきた。それはそれでいいことなのだが、どうも釈然としないものがある。それが、近藤さんの言葉でいえば、人間愛があるかどうかだ。僕たちは人が好きかどうかという言い方をしている。

たとえば、メンバーに動いてほしいとしよう。動機付けの方法とか、チームの雰囲気を作るとかいろいろなことをする。しかし、「愛」のない人がいくらやってもあまりよい結果を生まないように思う。

この違いが出てくるところは、「相手を味方だと思えるか」どうかだ。メンバーに動いてほしい。このときに、自分の味方になって動いてくれるだろうと思えるかどうかだ。この点について懐疑的な人は、どうしてもスキルに頼って動かそうとする。

こういう言い方をすると、現実的ではないとか、裏切られるに決まっているという人が結構多い。そう思うこと自体が味方だと考えられない証しだといえよう。

◆ステークホルダを味方になると考えられるか?

これが顕著なのが、ステークホルダマネジメントである。上司や顧客を本当に動かしたいと思うのであれば、まず、すべきことは、味方になると信じることである。ハリネズミにようによろいを身にまとっている限り、交渉も説得もすべて不毛なもののような気がする。
リーダーシップに関心を持つ人であれば、ケン・ブランチャードの名前は聞いたことがあると思う。ワンミニッツ(1分間)シリーズが多くの人に支持されている組織とリーダーシップのコンサルタントである。そのブランチャードが中心になって書いた

新・リーダーシップ教本―信頼と真心のマネジメント

という本がある。この本は、専門経営者と教授と牧師の3人がじっくり考え抜き、議論し、煮詰めたキリストに学ぶリーダーシップ論である。

何人ものリーダーやマネジャーにこの本を紹介してきたが、どうしても宗教的なにおいに引いてしまうようだ。例外なく、これは宗教的だという。しかし、(他)人を愛したり、好きになったりすることは、宗教とは別の次元の話である。

プロジェクトマネジャーは人を動かさないと仕事にならない。そのためには、Win-Winのような論理的な価値交換が必要なことはいうまでもない。しかし、これは人を愛すること、あるいは、人を好きになるといった感情的な関係を基盤として初めて成り立つ関係である。ビジネスの世界の話なので、愛があれば、お金など関係ないなどというつもりはない。そうではなく、論理的な取引が効力を発揮するために愛が必要なのだ。

ビジネスに感情的な関係を持ち込むのはいやだという人も少なくないだろう。もし、論理的な関係だけで済むのであればそれもよい。しかし、済まないから、コミュニケーションであり、ヒューマンスキルが注目されているのだ。

この領域に足を踏み込むのであれば、人間を愛する、人を好きになるといったことを一度真剣に考えてみる必要がある。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。