PM養成マガジン10周年 Feed

2012年3月13日 (火)

【補助線】持論について考える(前)

Jiron3◆標準とは

みなさんならマネジメントにおける「標準」とは何?と聞かれたら、なんと答えるだろうか?簡単そうで、多面性があり、意外と難しい。その中の一つは、

そのとおりにやればうまく行く方法論やプロセス

というものである。

組織がプロジェクトマネジメントの標準を決めるということは、標準に従ってプロジェクトマネジメントを行って、プロジェクトがうまく行かない場合には組織が責任を持つという意味である。ただし、一足飛びにそのような標準を定めることができないので、そこで、標準を実践しながら、問題を見つけ出し、改善しながら、プロジェクトの成功の度合いを高めていく。このような活動を成熟度の向上と呼ぶ。

標準が成熟していないとき、つまり、うまくいく確率がそんなに高くない場合に、プロジェクトマネジャーはどのように対応すればよいのだろうか?プロジェクトをうまく進めるために不十分なところは、自分で決めながら進めることが必要だ。標準をこのように活用すればうまく行くという自分なりの方法を持つことが必要になる。

組織によってはプロジェクトマネジメントの標準が存在しない場合もある。そのような場合には、すべてのやり方を自分で決め、自分なりの方法を確立する必要がある。

いずれにしても、プロジェクトマネジャーは置かれた状況で、プロジェクトの進め方、あるいは、プロジェクトマネジメントの方法について、自分なりに「こうすればうまくいく」という方法論を持たなくてはならない。多くのプロジェクトマネジャーは頭の中にぼんやりとそのような考えを持っているが、それを形式化、文書化したものが持論である。

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2012年3月 5日 (月)

【10周年】一流のプロジェクトマネジャーは持論を持つ

Jiron2仕事柄、プロジェクトマネジャーの評価をすることがあります。評価をするときに、もっとも注目するのは、スキルでも、コンピテンシーでも、経験でもありません。プロジェクトマネジャーとしての「持論」を持っているかどうかです。

なぜでしょうか?

スキルやコンピテンシーは開発する必要がありますが、学習できるかどうかの決め手になるのが持論を持っているかどうかです。プロジェクトマネジャーに必要なスキルは極めて多く、要求されるコンピテンシーも広範です。それらを完全に身につけることは不可能です。

つまり、自分のスタイルを決めて、必要なスキルやコンピテンシーを見極め、それらを磨いていくという方法をとらないと、スキルやコンピテンシーは開発できません。そのスタイルを決めるのが「持論」です。

経験については、時間がたてば経験を積むことができますが、プロジェクトマネジャーを担当するだけでは経験にはなりません。経験を経験として活かすには、自分のやり方を持ち、経験によってやり方を改善していく必要があります。自分のやり方=「持論」と言うわけで、ここでもやはり、持論がポイントになります。

このような考えで、PM養成マガジンはできるだけ、読者の方が持論を持てるように働きかけていますが、10周年記念ということで、「持論を作る」アクティビティを行うことにしました。

持論を持ち、自分を成長させていきたいと思うプロジェクトマネジャーの方の参加をお待ちしています!

参加費は無料ですが、簡単な参加要件があります。参加方法など、詳しくはこちらをご覧ください。

第2弾:アクティビティ「持論を持とう!」

また、長いプログラムですので、スケジュールの確認もお願いします。

2012年2月21日 (火)

【補助線】経験から賢く学ぶ

Keiken◆賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ

ドイツ帝国初代宰相のオットー・フォン・ビスマルクの有名な言葉に、

賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ

という言葉がある。プロジェクトマネジメント関係者の中には、歴史を「自分以外の経験」と読み替える人が多い。たとえば、自分が担当した以外のプロジェクトの経験に学ぶ。この読み替えは正しいのだろうか?

話は変わるが、かつて、高度成長期の日本は経験至上主義だった。特に、定型的な業務を行うときには経験は極めて重要である。求人のときに経験者が優遇されるのは、経験が重要だからである。

定型的な業務では、学びより、覚える(倣う)ことが重要である。仕事を覚える。覚えるためには、理屈よりは経験だ。ゆえに、経験は重視される。これは別に日本に限ったことではない。どこの国に行っても同じだ。

ところが、マネジメントのような非定型な業務になると話はそう簡単ではない。経験がいらないかというと、経験は必要である。しかし、覚えるだけではうまく行かない。そこで、「学び」が必要になってくる。

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2012年2月14日 (火)

【10周年】PM養成マガジン10周年記念イベント第2弾 アクティビティ「持論を持とう!」

PM養成マガジン10周年記念イベント第2弾として

JironPM養成マガジン版 プロジェクトマネジャーが知るべき48のこと

という「持論集」を作りたいと思います。

持論は、学生も、働く人も、だれもが持っている「自分なりにどうするか」の実践的理論です。ばくぜんと頭の中にある「暗黙知」を言語化して、みんなに理解してもらえる「形式知」に磨き上げたものを持論と言います。自論ということもあります。

米国に「97 Things Every ○○ Should Know」という大変有名なシリーズ本があります。○○には職業が入ります。それぞれの職業のプロフェッショナル97人の持論を集めて作った本です。もちろん、プロジェクトマネジャー版もあり、昨年、日本語に翻訳されました。

プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと

具体的なイメージを知りたい人は、まずはこの本を読んでみてください。

これのPM養成マガジン版を創ってみようと思います。手順と想定スケジュールは以下の通りです。

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2012年2月13日 (月)

【10周年】第1回「ゲームストーミングを活用したプロジェクト活性手法」の様子

2月11日にPM養成マガジン10周年記念セミナー第1回「ゲームストーミングによるプロジェクト活性手法」のワークショップ、54名の方が参加され、盛会のうちに終了しました。

ファシリテータは国際大学GLOCOM主幹研究員「イノベーション行動科学」プロジェクトリーダー、富士ゼロックス株式会社 KDI(ナレッジ・ダイナミクス・イニシアティブ) シニア マネジャー、K.I.T.虎ノ門大学院ビジネスアーキテクト専攻 客員教授といろいろな活動をされている野村恭彦さんでした。

P2110070(ゲームの進め方を説明する野村さん)

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2012年1月20日 (金)

【10周年】第2回は、システム思考のエバンジェリスト登場

4862761011M養成マガジン10周年記念セミナー第2回

「システム思考は私たちに何をもたらすか?」
日時:4月9日 19-21時
講師:小田理一郎さん((有)チェンジエージェント)

の募集を始めました。講師の小田さんは、日本におけるシステム思考の です。自分の体験からシステム思考の重要性を説き、普及する活動を熱心にされていらっしゃいます。今回の講演タイトルからも分かりますように、システム思考ありきの我田引水的な普及ではなく、問題ありきでシステム思考がどう役に立つかを説いておられます。まあ、そのような説き方ができるのは、システム思考という手法が強力だからではありますが。

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2012年1月16日 (月)

【10周年】第1回はプロジェクトマネジメントをもっとクリエイティブにしたい変革リーダーのためのワークショップ

4873115051PM養成マガジン編集長の好川哲人です。

10周年記念セミナーの第1回(開催決定)のセッション(開催決定)では、野村恭彦(のむら・たかひこ)さんをファシリテータにお迎えして、ゲームストーミングの体得ワークショップを行います。

野村さんは、国際大学GLOCOM主幹研究員「イノベーション行動科学」プロジェクトリーダー、富士ゼロックス株式会社 KDI(ナレッジ・ダイナミクス・イニシアティブ) シニア マネジャー、K.I.T.虎ノ門大学院ビジネスアーキテクト専攻 客員教授を併任されており、イノベーションマネジメントに深い知見をお持ちの方です。

今日は、このセッションへの理解を深めて戴く目的で、ゲームストーミングとはどんなものなのかを

・ゲームストーミングとは何か
・ゲームストーミングというビジネスプロセス
・ゲームストーミングのプロジェクトでの使い方
・野村 恭彦さんからのメッセージ

という順で、ご紹介したいと思います。

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2012年1月12日 (木)

【10周年】プロジェクトマネジメントが深化すべき5つのポイント

SinkaPM養成マガジン編集長の好川哲人です。こんにちは。

PM養成マガジン10周年記念セミナー

プロジェクトマネジメントを深化させるもの
~センスのよいプロジェクトマネジャーになるための6つのスタイル

の開講セッション

第1回 ゲームストーミングによるプロジェクト活性手法(ワークショップ)
講師:野村恭彦氏(国際大学GLOCOM)
日時:2012年2月11日

まで、あと1ヶ月となりました。

10周年記念セミナーは、PM養成マガジンの編集長好川哲人が、PM養成マガジン的視点で、「プロジェクトマネジメントの深化」をテーマに編集した「セレクトセミナー」です。

そこで、今日は、セレクトにあたっての「コンセプト」をご紹介したいと思います。



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2011年12月20日 (火)

【10周年】1000号アンケートの10周年企画へのフィードバック

IdeaPM養成マガジン編集長の好川哲人です。

今回は、10周年記念セミナーの企画についてご紹介をしたいと思います。

PM養成マガジンでは、10月に1000号を迎えるにあたって、アンケートを行いました。その中で、PM養成マガジンのこれからの方向性や10周年記念セミナーについてもお尋ねしました。10周年記念セミナーは、その意見をかなり参考にして企画しました。


まず、グランドテーマは、「深化」としました。これはアンケートの意見の中で、「深掘り」というのが一つのキーワードになっているように感じたためです。

また、このキーワードに対して、「内省」というテーマを準備しました。PM養成マガジンの創刊当初からの好川の持論は、プロジェクトマネジメントはスキルではなく、キャリアに立脚するものであるというものです。

要望の中に、「はやぶさ」や「復興支援」などのプロジェクトの事例紹介を希望されている方がいらっしゃいましたが、まさにこういうテーマのプロジェクトはスキルでどうにかなるものではありません。

職業という意味よりもっと広く、人生という意味でのキャリアに立脚して、覚悟を持って取り組むものでしょう。この点において、プロジェクトマネジャーにスキルの指導をしてくれる人はいても、キャリアは自分で深く考えるしかありません。そのためのキーワードが内省(リフレクション)です。

また、「包括的」、「チーム」というキーワードも目立ちました。これらも、深化のキーワードの一つだと思います。話題性も考え、チームについては「ゲームストーミング」、包括については「システム思考」というテーマを準備しました。システム思考については、要望の中にあった、好川とのコラボトークというアイデアを採用させていただきました。希望されていたのは、PM実践者とのコラボでしたが、実はシステム思考の講師をお願いしました小田理一郎さんはMBA取得後外資系の企業で、バリバリのプロジェクトマネジャーだった方で、システム思考をテーマにして、PMの実践トークができるのではないかと楽しみにしています。

さらに、やっぱり多かったのは上のような社会的プロジェクトも含めた「事例紹介」への要望です。全体テーマを「深化」と決めた上で、事例を紹介するテーマということで、今回は、深化に不可欠な

・ユーザイニシャティブ

という切り口を取り上げることにしました。「なんだ、ITの話か」と思われるかもしれませんが、僕はITプロジェクトという切り口はナンセンスだと思っています。どんなプロジェクトにも成果の利用者はいるわけで、プロジェクトの成功のためには、そこで利用者が主体性を持つことが極めて大切だと思います。

たとえば、地域開発の話を聞いてくると、ユーザが主体的に動かないプロジェクトはきれいな技術を駆使して、スバラシイハコモノを作っておしまいです。住民参加というのが成功のポイントになっています。もちろん、ITも同じです。イニシャティブということで、事例をふんだんにお話して戴くセミナーを企画しました。

最後の1テーマは、PM養成マガジンからのプレゼンステーマということで、いろいろと考えたのですが、

オープンリーダーシップ

を取り上げることにしました。スピーカーを探すのに苦労しましたが、結局、僕がこのテーマに関して影響をうけた阪本啓一さんにお願いしました。

以上がアンケートのフィードバックです。ということで、具体的な内容は以下のようにしました。皆様の積極的なご参加を期待しています!

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2011年12月15日 (木)

【10周年】「プロジェクトマネジメントを深化させるもの ~センスのよいプロジェクトマネジャーになるための6つのスタイル」ご案内

PM養成マガジン編集長の好川哲人です。

先日12月10日には、1000号感謝のイベントを行い、たくさんの方に来ていただきました。ありがとうございました。

メルマガセミナーは他のセミナーとは一味違い、メルマガでコンテクストの共有をしているもの同士の「深い」ダイアログを楽しむことができる、心地よい場だと改めて感じた次第です。

このイベントは10周年前夜祭という位置づけで行わせていただきましたが、いよいよ、PM養成マガジン10周年記念セミナーの受付を開始します。

グランドテーマは

「プロジェクトマネジメントを深化させるもの
~センスのよいプロジェクトマネジャーになるための6つのスタイル」

で、「進化」ならぬ、「深化」をテーマに6セッション行います。6回のセッションテーマと講師、日程は以下の通りです。

 

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PMstyle 2024年4月~7月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。