★イノベーションを生み出すマネジメント(終了) Feed

2012年8月20日 (月)

【イノベーションを生み出すマネジメント】第2話 イノベーションの原動力になる目標設定

Innovative◆思い切った目標設定をする

目標管理の中では、目標は緩やかな成長を目指すものがよいとされる。前年度より少し頑張ればできる目標を掲げ、それを達成してみんなで喜ぶことにより、次の年度の成長の動機になる。たとえば、市場成長率が5%なので、自分たちは6%の売り上げ増を目指そうといった目標設定をする。

このような目標設定は確実に成長を目指すにはよい方法だが、頑張ればできるという思いを植え付け、改善の方向に意識が向かい、画期的な商品だとか、プロセスなどは生まれにくくなる。

イノベーションを起こすには、今までの延長線上でちょっと頑張ればできるといった目標設定は有効ではなく、今までの方法ではどう考えてもできない思い切った目標を設定をすることが肝要である。

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2012年8月 7日 (火)

【戦略ノート291】イノベーションのためのプロジェクトマネジメント

◆牙を抜かれたプロジェクトマネジメント

Innovatio1プロジェクトマネジメントが本格的に認知されるようになって10年余りになる。日本では、この間、ITベンダーを中心に、受注プロジェクトという定常業務への適用を中心に発展してきたため、ある意味で牙を抜かれたような状態になっている。

プロジェクトマネジメントは本来、プロジェクトを実施する目的を実現するために行うものである。目的の実現には度合いがある。たとえば、ブランドの認知を目的だとすると、商品に関心を持つ市場でのブランドの認知なのか、商品に関心を持たない人もいる市場での認知なのかによって、話がずいぶん変わってくる。このコントロールは、目的に対する目標の設定で行う。この例であれば、認知率のようなものでコントロールできる。

そして、この度合の設定はプロジェクトに任されている(上位組織は承認をする)。このためか、プロジェクトマネジメントが「進化」するにしたがって、リスクマネジメントの威を借りて、目標設定が低くなっている。

プロジェクトマネジメントは本来、目標を少しでも高く設定するために行うものだ。できることをできるようにやればよいのであれば、プロジェクトマネジメントは要らない。よく引き合いに出されるのは、ピラミッドの建立のプロジェクトである。巨大な構造物であるが、民というリソースがふんだんにあり、できるときにできればよいのであれば、技術さえあればできる。逆にいえば、これが、技術が重視される理由でもある。

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2012年8月 6日 (月)

【イノベーションを生み出すマネジメント】第1話 イノベーションにはマニフェストが必要である

◆はじめに

Innovativeこの連載は、「ミドルマネジャーがイノベーションを起こす方法」の2つの柱の一つである。一つの柱は、ミドル自体がイノベーターになることで、これをプロジェティスタと呼んでいる。プロジェティスタについては、「プロジェティスタ養成講座」という連載でその活動を議論している。

もう一つがこの連載で、こちらはリーダー、あるいはマネジャーとして、イノベーションを起こす方法である。


◆イノベーションをコミットする仕組み

イノベーションが掛け声だけに終わっている一番の理由は、明確なコミットメントがないことだ。これまでイノベーションはマネジメントの対象にされてこなかった。たとえば、3Mは、「絶えざるイノベーション」で最も有名な企業であり、興味深い社内ルールをいくつか設けている。

もっとも有名なのは、「15%ルール」で、自分の就業時間の15%は、自分の好きな研究の時間として使えるというものだ。これは、いろいろな企業が取り入れ始めている。また、事業レベルの目標として、「25%ルール」というのがある。これは、5年以内に新製品として発売した商品の比率が、常に25%以上あることを目標とするというもの。

このほかにも、自分で社内ベンチャーを作りたい人は、他事業部からでも資金を集めスタートできるが、2年以内に一定の資金を使い果たしてしまえば終わりとするという「スポンサー・シップ」、リスクがあっても失敗を恐れずチャレンジする機会を得られる「Opportunity to fail」など、イノベーションを生み出すことに最も努力している企業の一つだ。

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2012年6月 4日 (月)

【補助線】ミドルマネジャーがイノベーションを起こす方法

Innovationいま、イノベーションが求めらています。イノベーションを実現するポイントは

(1)トップやシニアのビジョンと熱意
(2)ミドルの創造力と行動力
(3)現場の創造力と実行力

の3つだと言われます。

イノベーションにおいて、ミドルマネジャーが中核になるのは間違いありませんが、その道は2つあると思われます。ポイントは創造です。

一つは、創造は部下に任してしまうという方法です。部下の創造力を引き出し、さらには、その実現においても部下に権限委譲し、やらせる。自分は、社内の調整や、部下の支援を中心に動く。この場合、ミドルマネジャーの創造活動は、「質問」で行われます。部下のアイデアを喚起する質問を投げていく。言い換えると、課題を見つけ、どんどん、部下に投げていき、アイデアを求め、よいアイデアにリソースを投入していきます。

もう一つは、ミドルマネジャー自身が創造の中心になることです。みずから、どんどん、アイデアを出していきます。そして、部下を巻き込みながら、そのアイデアを実現していきます。


どちらの方法がよいかは一概には言えません。管理者に求められているものによっても違いますし、業務によっても違うと思いますし、組織風土によっても違うでしょう。

立場的にいえば、前者はスポンサーです。これに対して、後者は「プロジェティスタ」と呼ばれます。

この連載のリードは、2つの連載のリードになっています。一つは、「プロジェティスタ養成講座」、もう一つは「イノベーションを生み出すマネジメント」です。

では、ぼちぼち、書いていきますので、お楽しみください。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。