2014年7月30日 (水)

【イノベーション・リーダーシップ】第26話 イノベーティブリーダーの質問力(9)~感情的/精神的なベネフィットを与える

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Kanjyo

◆機能によるユニークなベネフィットは現実的には難しい

前回に続き、製品に関する質問について考えていく。前回は、

(1)新しいトレンドをどうすれば利用できるか
(2)顧客の煩わしさを取り除き、ユニークなベネフィットを与えるにはどうすればよいか

の2つの質問について考えた。3つ目の質問は

(3)私たちの製品によって顧客はどのような感情的、精神的、立場的なベネフィットが得られるか

というものだ。多くの製品は前回の(2)の質問に答えられなくては存在意義がない。だた、(2)だけでは不十分であることも確かだ。多くの競合製品は(2)において同等な答えを準備しているからだ。



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2014年7月29日 (火)

【イノベーション戦略ノート:043】好き嫌いから始めるイノベーション

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Suki

◆経営者とイノベーティブ・リーダー

楠木建先生の「好き嫌いと経営」(東洋経済新報社)という本が出た。問題の立て方が楠木先生らしく斬新で、仕事には誘因(インセンティブ)と動因(ドライバー)があるという。経営者になるまでは誘因があるが、一旦経営者になってしまうと誘因はその地位を保つくらいしかなくなる。その中で経営者として行動していくにはこれをやりたいという動因が必要である。

そして動因を形成する要因は「好き嫌い」であるというもの。このロジックで、日本電産の守永さん、ユニクロの柳井さんなど、独特の経営を展開している14名の経営者に好き嫌いを中心にインタビューを行い、それぞれの経営者の動因を分析している。経営者でなくても非常に面白いので、ぜひ、読んでみてほしい。

さて、この本で取り上げられているほとんどの経営者は創業者や新規事業の立ち上げに成功した人であることを考えると、イノベーティブ・リーダーにも同じことが言えるのではないだろうか?今回はそんな文脈でこの問題を考えてみたい。



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【プロジェクトマネジメントをコンセプチュアルにしよう!】第3回 プロジェクトで起こりそうな問題を予測する

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◆はじめに

Yosoku

前回はPMBOK(R)について、実行力の源泉がコンセプチュアルスキルという話をした。

今回は、コンセプチュアルスキルが役立つ2つ目のポイントとして

(2)プロジェクトで起こりそうな問題を予測する

について考えてみる。



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2014年7月22日 (火)

【イノベーション戦略ノート:042】クロスインダストリー・イノベーション

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◆アディダスのサッカーシューズ

Kurosu

サッカーのワールドカップで、ユニフォームより目立ったのがシューズだ。

かつてアディダスがランニングシューズを開発する際に、素材開発をするために同じような課題を持つ分野、つまり耐久性とコントロールを高めたいと考えている分野を探した。そこで目を付けたのが、ボールが生地に直接当たり、かつ記事がボールのコントロールに影響を与える球技であるサッカーだったという。そうして生まれたのがサッカーでは全世界で人気を誇る「プレデターパルス」だった。

そして、「プレデターパルス」で使われている素材はランニングシューズでも使われている。



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2014年7月21日 (月)

【イノベーション戦略ノート:041】セレンディピティから生まれるイノベーション

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◆セレンディピティとは

Hirameki


セレンディピティという言葉がある。簡単にいえば、偶然のひらめき。もう少し丁寧にいえば何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つけることである。

厳密にいえば、セレンディピティは現象ではなく、能力である。上の説明が能力だとどうなるか。

ふとした偶然をきっかけにひらめきを得て、幸運をつかみ取る能力

となるわけだ。なんだか神が下りてくるみたいな話になって、本当にそんな能力があるのかという話になる。



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2014年7月17日 (木)

【イノベーション戦略ノート:040】イノベーションを推進するフレーミング

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◆イノベーションに必要なチーミング

Frameエイミー・C・エドモンドソンの

チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ

を読んだいたら、イノベーションとフレーミングの関係の面白い調査の話が出てきたので、今回の戦略ノートはこの話題で。

この本は、従来のチームというのは固定化された集団だが、今、イノベーションや複雑性の高い仕事で必要とされているのは、動的な「活動」であるチーミングだということで書かれた本である。



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2014年7月15日 (火)

【イノベーション戦略ノート:039】クラウドストーミングでオープンイノベーション

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◆クラウドソーシング

Kumo

クラウドソーシングという調達方法が普及してきた。クラウドソーシングは、wired誌のコントリビューティング・エディターだったジェフ・ハウが2006年に提唱した概念で、

特定の仕事を成し遂げるために組織が不特定多数の人々と協働すること

を意味しており、どちらかというとスキル的(労働力)な調達を意味することが多かったが、やがて、クラウドファンディング(資本)、コンピュータ資源、データなど、多くのものが調達の対象になるようになった。

※詳しく知りたい人は、ジェフ・ハウの著書を読むことをお勧めする

ジェフ ハウ(中島 由華訳)「クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす」、早川書房(2009)



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2014年7月14日 (月)

【イノベーション戦略ノート:038】コンセプトについて考える

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◆アイデアの時代?

Concept105

よく技術によるイノベーションの時代は終わった。これからはアイデアの時代だとか、ビジネスモデルの時代だとか、デザインの時代だとかいう議論があるが、正直いうと違和感がある。

たとえば、日本企業には真似ができないくらい、新しいビジネスモデルを創造し、展開しているグーグルの技術開発はすざましい。ITに限らず、新規技術の開発を怠っていると5年後はないだろう。

この話は以下の記事で整理しているので、読んでみて戴きたい。

【イノベーション戦略ノート:029】技術とイノベーション

【イノベーション戦略ノート:030】続・技術とイノベーション

この話の中でちょっとだけコンセプトについて書いた。今回はコンセプトの話をしたい。



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2014年7月10日 (木)

【イノベーション戦略ノート:037】続・イノベーションのタイミング

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◆イノベーションはパラダイム曲線のどこで起こりやすいか

Timming_2

イノベーションの成功に欠かせない視点はタイミングである。イノベーションにとってパラダイムが重要な理由もタイミングの見極めにあるといってもよい。

前回説明したようにパラダイム曲線で見ると、新しいパラダイムは古いパラダイムが終わりかけたことに生まれるとは限らず、パラダイムが普及している段階や、さらには古いパラダイムが認識される途中で起こることもある。

では、イノベーションはパラダイムのどこで起こるのだろうか?今回はこの問題を考えてみたい。

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2014年7月 9日 (水)

【イノベーション戦略ノート:036】イノベーションのタイミング

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◆時計におけるパラダイムシフト

Timming

イノベーションとパラダイムの関係で有名な事例はいくつかあるが、もっとも有名な事例は時計のパラダイムシフトだろう。多くの人はぴんときたと思うが、機械式の時計からクオーツ時計にパラダムが変わった。

1960年代までスイスは圧倒的な時計王国だった。数字を見るとよく分かる。

販売個数ベースのシェア 65%
利益ベースのシェア 80~90%(推理)

それまでスイスは最高品質の自動巻きの腕時計において、イノベーションを追求していた。ところが、1970年に入り、時計作りのルールが変わり、機械時計から電子時計の時代になった。1981年までに時計作りに携わっていた6万2千人のうち5万人が職を失った。1980年の数字見ると

販売個数ベースのシェア 10%以下
利益ベースのシェア 20%以下

になった。スイスに変わって台頭してきたのが日本である。1960年代にすでに品質ではスイスと肩を並べていたものの、世界でのシェアは1%以下だった。ところが80年代になると、33%以上のシェアを占めるに至った。



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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。