2007年7月11日 (水)

【補助線】管理者は失敗から学び、マネジャーは成功から学ぶ。

拓真さん(29歳)から戦略ノート55回にメッセージを戴いた。以下に、引用させていただく。

===
先日、とあるセミナーを聴講した際、講師の方がこんなことを言っておりました。
「失敗から学ぶようでは二流。一流は成功から学ぶ」と。
===

※ 戦略ノート55回「失敗は繰り返す」
    http://www.pmos.jp/honpo/note/note55.htm

この違いだと思う。拓真さんが話を聞かれた講師さんの言われていることに賛成である。失敗から学んでいる限り、一流にはなれないと思う。失敗をしなくなるだけだ。それだけでは一流とはいえない。

僕は、10のプロジェクトを全部失敗しないでできる(期待どおりにできる)プロジェクトマネジャーは、高く評価すべきだと思うが、一流だとは思わない。このような人は、たぶん、永久に期待を上回る成果を結果を残すことはないだろう。失敗しない方法は知っていても、成功する方法はしらないからだ。

10のうち、9つ失敗してもいいので、ひとつだけでも、意図して期待をはるかに上回る結果を出せる人こそ、一流だと思う。成功する方法を知っているからだ。組織は必ずしも成功を求めていないので、評価はされないだろうが、、、

ただし、ひとつ、付け加えたい。自身の失敗から学ばないのは三流以下だ。

さて、メルマガで、管理とマネジメントの違いという議論をずいぶんしてきた。最近、しなくなったのは、僕なりに結論にたどり着いたと思ったからだ。

  管理は失敗から学ぶ。マネジメントは成功から学ぶ。

2007年7月 9日 (月)

【補助線】定着化サイクルの作り方

◆定着化サイクル

前回、プロジェクトマネジメントの普及においてマーケティングの発想が重要だと述べた。今回は、もう少し、話を進めて、どのようなマーケティング活動を行い、定着化サイクルを構築していくかを考えてみたい。

Cicle PMOによる定着化のサイクルはどこでもやっているように

 通知 → 教育 → 奨励

という3つのステップが基本になる。程度の差はあっても、これはどこの組織でもやっていることだろう。おそらく多くの方は、サイクルを見て、

 標準やツールの開発 → 通知 → 教育 → 奨励

という流れを思い浮かべられたのではないかと思う。

◆プロダクトアウトでは標準は定着化しない

前回も述べたが、手法や標準の展開をする際に、まず、作って、それを組織内のプロジェクトやあるいは機能組織に知らせていくというやり方はあまり適切とはいえない。製品でいえばプロダクトアウトというやり方である。これでは関心が高まらないばかりか、「また、勝手にやることを増やした」などということで反感を買うのが関の山である。

通知や教育は標準を開発する中で展開していく。つまり、

 通知 → 教育 → 奨励
 ↑    ↑↓
 標準やツールの開発

という進め方をしていくことが必要である。これはマーケットインの発想である。

◆タウンミーティングで通知と教育を行う

もっとも重要なのは通知を行うタイミングと内容である。これは、開発をすることを決めた段階で第一報を行うことが望ましい。この段階で、なぜ、その開発アクティビティを行うのか、それがどのようにメリットをもたらすのかといったことを明確にしておく。

と同時に、その段階から教育を行う。ここにもうひとつのポイントがある。ここでいう教育は標準の使い方そのものではない。この段階では、その標準が入ったときにプロジェクトマネジメントがどのように変わって行くかを教えるような教育である。従って、長時間をかける必要はない。1時間でもいいので、プロジェクトマネジャーに集まってもらい、背景説明を行い、また、方向性について意見を求める。このためには「タウンミーティング」を開催するとよい。

日本では、タウンミーティングというと小泉内閣のときに開始されたが、やらせ問題や不適切な経費使用であまりよいイメージがないが、タウンミーティングは米国のニューイングランド地方で実施されている

各州によって形態は異なるが、概ね「町」単位で1年に1度開催され、住民の参加により予算、法律、その他自治体に関わる今後1年間の事項を採決する(Wikipedia)

という地方自治体の意思決定方式である。

◆自己決定の形を作ることがポイント

つまり、プロジェクトマネジメントに関する標準を策定することは組織ガバナンス上はPMOの仕事であるが、その定着や効果を考えた場合には、特にプロジェクトマネジャーの「自己決定」の形を作ることが極めて大切である。

従って、もし社内にコミュニティがあればコミュニティを徹底的に利用することが重要であるし、なければタウンミーティングのような場を作る。これにより、通知と教育を行うと同時に、パイロット実施も含めて標準の評価をして、洗練させていく。このサイクルをまわしていかない限り、いくらツールを準備しても、いくらレギュレーション化をしても、その標準が有効に機能するCicle1 ことはないだろう。

◆マーケットアウトを目指して

このような仕組みが定着してくれば、継続的改善の仕組み作りの可能性も見えてくる。継続的改善の仕組みを作るためのポイントはマーケットアウトの発想にある。これは次回。

◆マーケティング用語の説明
プロダクトアウト:自分たちが持っている技術などでできる商品をつくり、市場に出す
マーケットイン:市場の声を聞いて商品にして市場に出す
マーケットアウト:自分たちが顧客の立場で一般顧客が想像しない商品を考え、市場に出す

【補助線】祇園・「置屋」のマネジメントに学ぶ

◆はじめに

2年くらい前に、ある講演でしゃべって、後日、主催者に電話で抗議をしてきた聴講者が出てきたので、封印している話がある。

 置屋発想で、プロジェクトマネジメントはうまく行く

という話。このメルマガの発刊を機に、封印を説きたい。

◆置屋とは何か

置屋というのは祇園にいけば普通に使っている言葉だが、一般にはなじみがないかもしれないので、ちょっと説明しておく。

置屋とは芸者が生活する場所である。置屋は部屋と食事を提供する「おかみ」と呼ばれる女主人によって仕切られている。芸者は15歳くらいでこの世界に入ってくると、まずは置屋に身を置き、そこで生活をしながら、芸や座敷でマナーを身に付けていく。置屋に入り、1年くらいたつと、舞妓になる。舞妓になると、先輩である芸子(芸妓)と一緒にお茶屋に呼ばれてお座敷に出て、お座敷での振る舞いを覚えると同時に、お客さんに顔を覚えてもらう。そして、5年もすれば芸子になっていく。

この過程で、舞妓時代の生活費、稽古代などを一切合財面倒を見るとともに、芸子になった後のマネジメントをするのがおかみである。特に芸子になったあとは、おかみは芸子の付加価値を高めることに全力を尽くすそうである。お客を選ぶ、お客や御茶屋との間にトラブルが発生すれば仲裁すると同時に、芸者としてのあり方を指導し続けていくらしい。

芸子全員というわけではないが、芸子の中には、いずれは自身の置屋を持って生きてこの世界で生きていく人もいる。つまり、次世代のおかみの育成に全力を尽くすそうだ。もちろん、そのことが自身の利益を最大化する方法に他ならない。

◆日本型経営は置屋経営である

日本組織では、従来、置屋のような経営が行われてきた。それが人を育て、また、事業や企業の成長、利益をもたらしてきた。高度成長期という構造的な成長時期が終わった際にこの経営の弊害が強調され、否定してきた。しかし、冷静に考えてみれば、単なる疲労制度であって、それが経営環境の変化と同時にやってきたのではないか?ここをもう一度、考え直してみる必要がある。

そのような思いが強くなってきたのは、米国式の経営の中で、スポンサーシップがだんだん重視されるようになってきたからだ。リーダーシップからスポンサーシップに重心が移ってきているといっている人も少なくない。日本企業ではリーダーシップの不足が叫ばれ、この10年くらい急速に関心が高まってきたが、置屋を見ればわかるように、日本の社会はリーダー社会ではなく、スポンサー社会である。リーダーシップよりスポンサーシップを重視してきた社会だ。今後、欧米型の経営もこちらに進んでいくのではないかと思われる。

置屋システムを

  芸者=プロジェクトマネジャー
  おかみ=プロジェクトスポンサー

と考えてみると、まさに、これからのプロジェクトマネジメントの考え方そのものだ。

◆置屋システムは専門力を高めるシステム

こういうスポンサーシップを中心にしたやり方は生ぬるいと思う人もいるかもしれない。しかし、それは大きな間違いだ。プレジデント社の「ビジネススクール流知的武装講座」の中に、神戸大学の加護野忠男教授の「京都・祇園に学ぶアンバンドリングという手法」という記事がある。これによると、多くの花街が衰退していく中で、祇園が残っているのは2つの秘密があるという。

ひとつは加護野先生がアンバンドリングと呼ぶコンセプトで、接客のサービスを徹底的に分解(アンバンドリング)し、アウトソーシングしている。京都は大阪や東京とは違って、御茶屋と置屋を分離している。一緒にすると一流の料亭に所属している芸子は芸を磨かなくても客が来るので、芸を磨かなくなる。ところが分離されていると、御茶屋(料亭)から声をかけてもらうために芸子でいるうちはずっと芸を磨くというのだ。

そして、もうひとつの秘密が、教育、特に基礎教育の充実だという。教育の中心におり、継続的に芸を磨くための支援をするのがやはりおかみである。舞やお囃子、お茶などのお稽古に行って夜はお座敷を務める忙しく動き回る芸子や舞妓の時間管理や雑務の代行などをしているのだ。

米国型の経営を見ていると、勝つまでは努力するが、勝ってしまえば果実の摘み取りにかかる。これも製品開発競争など全うな手段で行われている分にはよいが、M&Aでどんどんやっていると顧客には全く利益がない。ゆえにいつかは見捨てられる。この典型が自動車業界だろう。これに較べるとスポンサーシップを基盤として、常に顧客の方を向いている日本型経営はより進んだ経営だといえよう。

◆芸者遊びでベンチマーキングしてみよう!

このほかにも置屋にはプロジェクトマネジメントの成熟のために学ぶべきマネジメントがたくさんある。

例えば、置屋にはメンタリング制度があることだ。舞妓にはめいめい、修業中に手助けをしてくれる「姉さん」がついている。こうして芸者としての伝統的な知識は受け継がれていくのである。これも置屋という母娘、姉妹といった家族制度を基礎とした関係でもって成り立つ組織ならではのことだといえる。プロジェクトマネジャーはこのように育てたいものだ。

もうひとつ、置屋には面白い要素がある。幇間(「たいこ」)もやはり、置屋で属している。幇間は宴席やお座敷などの酒席において主や客の機嫌を取り、自ら芸を見せ、さらに芸者・舞妓を助けて場を盛り上げる専門職。これをPMOだといったら怒られるだろうか?
興味があれば、ぜひ、一度、祇園で遊んでみましょう。ちなみに、京都のしきたりで有名な「一見さんお断り」というのは、御茶屋の文化です。紹介者が必要です。

【補助線】タレント獲得競争

プロジェクトマネジャーで、組織、あるいはリソースマネジャーからの要員の供給に不満を持っていない人は珍しいだろう。プロジェクトマネジャーにインタビューすれば、大抵はここに不満を持っている。

しかし、突き詰めて考えれば、チームマネジメントのスタートは要員の獲得から始まるのだ。どれだけいい人材が取れるかはどう考えても競争だろう。

組織から供給されるメンバーは制約条件である。というのは、どう考えてもおかしい。制約条件であってはならない。他のプロジェクトに負けないように、必要な人材を奪いとってくる。これが普通の感覚ではないかと思う。

ただ、この人材獲得競争にはとてつもないエネルギーが必要だ。だから、人材は与えられるものだと考えたくなっているのではないか。こんな覚悟でプロジェクトをやっても、成功するとは思えない。

覚悟をし、まずは人材獲得競争に勝つ。これはプロジェクトマネジャーの真っ先にすべきことである。

「そんなことをしたら他のプロジェクトが困るんじゃないか」と思う人もいるだろう。それはあなたの考えることではない。組織の中でそのような発想をするのはある意味で偽善である。あなたの考えるべきことは、自分のプロジェクトを成功させることである。

そのためには、他のプロジェクトは頓挫してもよいので、自分のプロジェクトに必要な人材を獲ってくることだ。

2007年7月 8日 (日)

大河ドラマプロジェクト

7月7日に名古屋工業大学の公開講座「プロジェクトマネジメント:構想から実現へのロードマップ」でNHKのプロデューサの方の講義「プロジェクト大河ドラマ」でプロジェクトマネジメントの原点を再認識するような話を聞くことができた。ちなみに、来年の大河ドラマは「篤姫」だそうだ。

ドラマ制作のプロジェクトでは、

 セット>照明>かつら、メイク、衣装>出演者スケジュール

という優先順位があるそうだ。今まで、なんとなくだが、ドラマは人(出演者)の都合を中心に作られるのだろうというイメージを持っていた。ところが全然違った。

この順位に従うということは、話の流れの通りにシーン撮影を行うわけではない。セットを組んでしまうと、話の流れや回に関係なく、そのシーンで撮れるものをすべてとるという。

役者のメンタリティというのはよくわからないが、こんなやり方でよく演技ができるなと疑問に思い、講座の後の懇親会で聞いたところ、「記録」という役がいるらしい。そして、各シーンで演技の状況だとか、ニュアンスだとかをきちんと記録して、関連シーンを撮る際に役者に伝えるのだという。

さらに、監督(ディレクター)は一人ではなく、1回1監督というわけでもないらしい。複数の監督が存在しており、シーンごとに監督が変わってもかまわないようなシステムになているらしい。恐ろしく合理化されている。過去の血がにじむようなスケジュール短縮&コストダウンの賜物だそうだ。

このように管理はプロジェクトというより、どちらかというとラインのイメージに近い。ところが作業そのものはこの上なく創造的なのだ。マネジメントを人の都合に合わせれば合わせるほど、合理性は小さくなる。なぜ、人の都合に合わせなくてはならないかというと、作業者がプロフェッショナルではないからだ。

なんとなく、テーラーの科学的管理の話を連想させる部分があるのだが、テーラーの話は管理される人間はノンプロフェッショナルである。プロフェッショナルとノンプロフェッショナルの違いは、内発的動機付けができるかどうかだと思う。ドラマようなマネジメントの中で仕事をするには、相当な内発的動機が必要だろう。

役者だけではなく、ディレクターも同じではないかと思える。

このシステムには、このプロフェッショナリズム以外に、もうひとつポイントがある。記録係の存在だ。ここが機能しないとこのシステムは成り立たない。これはプロジェクトでいえばPMOである。この両方が揃って初めて合理的なプロジェクトの運営ができる。

実は、このシステムにはもうひとつのポイントがある。マネジメントのツールである。この世界では、このマネジメントを1枚の紙でやるツールがある。「香盤」と呼ばれるシステムである。これについてはまた、別の機会にご紹介する。

2007年7月 6日 (金)

PMサプリ82:人心掌握こそ、リーダーの最大の仕事

現場で実際の仕事をしてくれる働く人たちの心の掌握、人心の統一が、企業組織のリーダーの最大の仕事だ(一橋大学教授・伊丹敬之)

【効用】
・PM体質改善
  PM体質の全般に対して効果があります
・PM力向上
  PM力向上の全般に対して効果があります
・トラブル緩和
  モチベーション向上

【成分】

◆人心掌握こそ、リーダーの最大の仕事
◆ある組織の調査結果~プロジェクトマネジャーの望む権限
◆メンバーがプロジェクトマネジャーに付きたがらない!?
◆人が動かせないと、結果も出ない
◆メンバーがプロジェクトマネジャーに望むもの

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2007年7月 2日 (月)

【補助線】プロジェクトマネジメントの定着化

◆問題を複雑に考えていないか?

仕事柄、多くのPMOとお付き合いをしている。その中で常々感じているのが、プロジェクトマネジメントの導入という問題を複雑に考えすぎているのではないかということだ。

導入した手法や標準が使われないという問題と、マネジメントとして何をすればよいかという問題を混乱していため、どんどん深みにはまっているようなケースをよく見かける。

典型的パターンに

 手法を導入した
   → なかなか実践されない
     → 原因を分析すると確かに一理ある
       → では、その原因を解消する手を打とう

というパターンがある。例えば、

 見積もり標準を作った
   → あまり使われていないようだ
     → 精度がイマイチだというのがプロマネの評判
       → もっと精度の高い方法を取り入れよう、ツールも準備しよう

というような感じ。

Miss
◆確認すべきこと

このパターンは山ほどあるのだが、だいたい、この手の話を聞くと、プロマネに以下の2点を確認することにしている。

・標準を知っているか
・標準の使い方(内容)を知っているか、あるいはマニュアルの存在を知っているか

最初の方はだいたい、60~70%は知っているというケースが多い。ところが、後者の方はせいぜい30%である。最近、ちょっとかかわりのあったある企業などは10%に満たなかった。だから、いくら標準の質を上げたところで、使われないという状況が変わるはずがないのだ。

これはある種の思考の罠みたいなところがある。問題分析の仮定で、デリバブルズ(PMOとしての成果物、標準など)の品質にしか、関心が行っていない。標準の質がよければみんなが使ってくれるという仮定を持って展開している。だから、そのような問題解決思考に入ってしまうのだ。

◆仮定の間違い

これは明らかに仮定が間違っている。いくらよいものを作っても、その存在が知られない限り、その標準は使われることがないという自明の理を前提にしなくてはならない。

そうすると、「使われない」という問題の分析として上のような分析を真っ先に行うだろう。仮に、使い方を知っているにも関わらず使われなかったら、これはデリバブルズの問題である。あるいは、一度、使って二度と使わないというのも同じ。

速やかに改善しなくてはならない。しかし、知らなければ、まず、知らしめるために何をすればよいかを考えなくてはならない。次に、今のものを使わせるために何をしなくてはならないかを考えなくてはならない。当たり前の話である。問題は単純なのだ。

この単純な問題を、「知らない」という単純な事実を無視して、こねくり回して複雑にしている。こんなことが起っているのではないかと思う。ストレートにいえば、単純な問題を複雑にしている。

◆プロジェクトマネジメントの導入は難しくない

こんな言い方をすれば、投げやりに聞こえるかもしれないが、プロジェクトマネジメントの導入が難しいのは、マネジメント手法そのものが難しいからではないし、また、何をすればよいかが難しいからでもない。ほとんどのケースはそれ以前の問題で引っかかっている。「知られていない」という問題だ。この問題をプロジェクトマネジメント手法の問題に転嫁している点に最大の問題がある。

これをやっている限り、どんな手法を入れようと定着しない。これは、チェンジマネジメントの問題の中核である定着化の問題だ。

よいプロセスを作ればみんなが使う。みんなが使えば、よい製品ができる。よい製品ができれば顧客が買ってくれる。今、買ってくれない顧客も製品を改善すれば買ってくれるだろう。

こんなマーケッティングレスな発想から早く抜け出したいものだ。

2007年6月29日 (金)

PMサプリ81:何のために目標をやるかを明確に

数値目標は共有されていても、「なんのためのその目標をやるのか」という根本的な
ところがすっぽりと抜け落ちていることが多い(スコラコンサルティングCEO・柴田昌治)

【効用】
・PM体質改善
  リーダーシップ発揮、自信をつける、顧客感度アップ、問題解決能力向上、
・PM力向上
  ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分】

◆「何のためか」が抜けている
◆プロジェクト計画が有効に活用されているか
◆なぜ、プロジェクト計画が使われないのか
◆計画を内発的動機付けにつかうには

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2007年6月24日 (日)

【補助線】プロジェクトの問題はあってはならないという考え方にこそ問題がある

6月8日に

問題はなかったことにしよう

という記事を書いた。この続き。

ぼくが仕組み作りの相談を受けるような企業はプロジェクトが、そうそう、うまく行くとは誰も思っていない。ところが、この現実に対する組織(マネジメント)の反応は微妙な温度差がある。

典型的な反応は、

「本来、問題はあってはならない」

という反応である。たとえば、スケジュールが遅れていることを問題視する、コストがオーバーすることを問題視する。要するに見たくない、聞きたくない。だから、一時も早く、何とかしろということになる。管理はするが、マネジメントをしないマネジャーの典型的な反応である。

これで、話が収まればよいのだが、残念ながらそうはならない。

問題があることを心情的に認めない。だから、根本的な対応を嫌がる。とりあえず、応急処置で問題を見えなくする。スケジュールが遅れれば、どの作業が遅れているかを分析し、人を投入する、スコープが膨らめば、どのくらい必要かを分析し、予算を増やすように努力する。つまり、現象を分析し、応急処置をする。これがマネジャーの仕事だと思っている。

ここまででも十分な考え違いだが、もっとまずいことがある。問題など見たくもないので、とりあえず、応急処置をすれば、その問題は片付いたとことにする。フォローすらしない。
この影響は他にも出てくる。プロジェクトマネジャーがマネジャーに報告しても、いい顔をされない。じゃあ、報告しないでおこうとなる。すると、プロジェクトマネジャー自身も問題はないと思いたくなる。リーダーの報告に耳を傾けない。なにか言ってきたら、リーダーなんだから責任を持って解決をしてくれと逃げてしまう。この構図がプロジェクトマネジャーからリーダー、リーダーからメンバーと下達され、結局、実作業をしているメンバーが全てのしわ寄せを受ける。

こうなると最悪である。

これに対して、少数派ではあるが、プロジェクトには問題があるものだと思っている組織もある。問題を解決しながら、目標を達成するのがプロジェクトであると思っている。このように考える組織やマネジャーは決して応急処置をしない。スケジュールが遅れれば、現象の分析に留まらず、その原因を考える。そして、原因に対して可能な限りの手を打とうとする。

この2つの対応は初期段階ではたいした違いはない。ものの見方、考え方程度の違いかもしれない。実際に、問題に対して、応急処置と根本原因の解決策はあまり変わらない場合も多い。しかし、結果が大きく違う。

ものの見方、考え方が違うから結果に大きな違いがでてくるのだと考えるべきだろう。

2007年6月22日 (金)

PMサプリ80:いい環境がいい人財を育てる

いい環境がいい人財を育てる(カルマン代表取締役・若松義人)

【効用】
・PM体質改善
  アカウンタビリティ向上、計画力アップ、リスク管理力アップ、実行力向上
・PM力向上
  ステークホルダをコントロールする力の向上、チームをまとめる力の向上
・トラブル緩和
  不要なトラブルの回避

【成分】

◆環境が人財を作る
◆如何に生産性をあげるかではなく、如何に不良品を出さないかという発想
◆頭でわかっても行動できない人が6割
◆環境を変えずに人を変えるとその人は潰れる

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PMstyle 2025年9月~12月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。