2008年1月11日 (金)

PMサプリ106:プロには才能は関係ない

「プロには才能は関係ない、自分の才能で勝つ方法を探すことが重要だ」(松本整 クラブコング代表)

【効用】
・PM体質改善
  リーダーシップ発揮、顧客感度アップ、問題解決能力向上
・PM力向上
  ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分】

◆プロフェッショナルは自分の才能で勝つ方法を探す
◆スペシャリストとプロフェッショナル
◆プロジェクトマネジメントではどちらが重要か?

このサプリを服用したい方はこちら

2008年1月10日 (木)

【補助線】失敗の回避はゼロサム、プラスサムにしてこそプロジェクトマネジメント

◆コーエン&ブラッドフォードモデル

今日、コーエン&ブラッドフォードの「Influnence without Autohrity」を日本に紹介され、ビジネスの展開をされている高嶋成豪さん、高嶋薫さんにお会いした。2時間弱のディスカッションだったが、有益な時間を過ごすことができた。

アラン・コーエン、デビッド・ブラッドフォード(高嶋薫、高嶋成豪訳)「影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル」、税務経理協会(2007)
https://mat.lekumo.biz/books/2007/12/post_df63.html

コーエン&ブラッドフォードが提唱している影響力の法則は

法則1:味方になると考える
法則2:目標を明確にする
法則3:相手の世界を理解する
法則4:カレンシーを見つける
法則5:関係に配慮する
法則6:目的を見失わない

の6つを順に回していくモデルだが、今日はひたすら法則1に話題が集中した。実は、この本が出てから、何度か、コーエン&ブラッドフォードのモデルをセミナーや講演で紹介したことがあるが、やはりこの部分に反応する人が多い。

◆敵になると思うから敵になる

多くの人は、ステークホルダに対して、敵だという先入観を持って接する。そうすると、自分たちが望んでいるように動いてもらうことはほぼ絶望的になる。セミナーでうなずいている人はたぶんそのことを実感している人だと思う。

なぜ、そんなにネガティブにものごとを考えるかということが問題だ。答えは一つ。

失敗したくないからである。プロジェクトを失敗させないためにプロジェクトマネジメントをやりだした組織は、ステークホルダをリスク要因だと考える。そして、言葉は悪いが、「足を引っ張られないためにはどうすればよいか」をひたすら考えるのだ。

心情的にはよく分かるのだが、このような発想パターンはジレンマだと思う。どんなプロジェクトでもステークホルダとの信頼関係を構築でき、ステークホルダの協力が得られれば失敗確率は劇的に少なくなるだろう。失敗したくなければ、これが正道だ。

ところが、失敗したくなければないほど相手を信頼できるハードルは高くなる。すると相手が中立的でも敵に見える。人間同士、付き合い方によって味方にもなれば、敵にもなる。敵だと見なされれば、そのプロジェクトに対して中立的な立場だった人が敵になるのは当然のことだ。結果として敵を増やすことになり、失敗の原因を作ることになる。

このジレンマを解消する答えはどこにあるのだろうか?

ここで重要な考え方はプラスサム(WinWin)だ。ゼロサムであれば、敵でも味方でもないステークホルダは敵だというのは間違いではない。しかし、プラスサムを目指すとすれば間違いである。

◆失敗の回避はゼロサム、プラスサムにするのがプロジェクトマネジメント

ここでよく考えてほしいのは失敗を回避するというのはゼロサムにすぎないということだ。

プラスサムにするというのはどういうことか。失敗を回避するのではなく、すべてのステークホルダが満足する結果を出すということだ。つまり、ストレッチされた目標を達成することだ。

プロジェクトであるので多少の差はあるにしろ、計画段階では目標に対して合意はできているはずだ。ところが、ゼロサムの発想で作られた目標のほとんどは不安定なバランスである。みんながぎりぎりの譲歩をし、三方一両損で、なんとか合意しているケースが多い。そのため、ちょっと計画からずれると瞬く間にバランスが崩れて、利害対立が起こる。

このような状況を回避するには、当初の合意の方法を変えるしかない。ゼロサムの三方一両損ではだめなのだ。目標を上げることによってプラスサムにするしかない。

たとえば、IT業界ではプロジェクトの失敗率が上がったというのが定説になっている。それはそうかもしれないが、顧客、プライム、ベンダーの範囲でプラスサムになっている気配はない。二次受け、三次受け、派遣契約、挙句の果てはオフショア、あくまでもゼロサムでなんとかしようと考えている。サルティナブルではないなあ。。。

2008年1月 7日 (月)

【補助線】支援プロジェクトは顧客

◆前回の復習

前回は、プロジェクトマネジメントに対して適切な支援をしようと思えば、プロジェクトマネジャーの価値観を理解し、その価値観を考慮した支援が必要であるという話をした。

プロジェクトマネジャーの理解
https://mat.lekumo.biz/ppf/2007/12/post-ce7f.html

◆支援「してあげる」?!

この意見に対して、「そもそも、支援するのに、なぜ、プロジェクトマネジャーに媚を売るようなことを考えなくてはならないのか」という意見を頂いた。この議論は、PMOの在り方の本質的な議論だと思う。トップダウンでPMOを作った組織は、確かに、PMOにそれなりの権限を与えていることが多いし、この方の言われるように、「そもそも」支援をしてあげているのにという考え方もあると思う。

しかし、この考え方は、一昔前の官が民間企業を支援するときの発想である(実は意見をくれた人は準公務員である;笑)。何が言いたいかというと、支援する側に成果がいらなければそのとおりだということ。実は民間企業でも僕がいた頃には業務支援部門はこういう発想だった様に思う。変わってきたのは成果主義になってきて、業務支援にも成果が求められるようになってきたためだ。

成果を上げるためにはどうすればよいかを考えることを求められる。自分の業務がどのように事業や企業経営の業績に結び付くことが一人ひとりに求められるようになってきた。

◆支援先は顧客である

違う言い方をすれば、支援部門も支援先を顧客だと考えないとつじつまが合わなくなってきているのだ。プロジェクトマネジメントでいえば、プロジェクトマネジャーは明確な成果責任を負っているのだから、それに役に立たない支援など受けたくもないし、実際に断る人も少なくない。これに対して、無理強いをするのは、役に立たない商品を売りつけているのと同じだ。役に立つ商品を売ろうとすれば、相手を理解しなくてはならないというのが前回の議論の前提である。

一言でいえば、PMOは提供するサービスがプロジェクトマネジャーに受け入れられて、それでプロジェクトマネジャーからの支持を受けることによってはじめて前々回に議論した互恵関係が成立する。そのやり取りの手段がカレンーなのだ。

脱線ついでにもうひとつ脱線するが、PMOの評価で悩んでいる組織は多いが、基本はこれだと思う。要するにプロジェクトマネジャーから支持されないPMOは必要ないという単純な話だ。

◆PMOのジレンマ

こういうと、現実のニーズは、リカバリー支援とか、マネジメント作業労働力の提供とかに偏ってしまうという人がいる。これが現実であることは認めるが、なぜ、そうなるのかというと、プロジェクトマネジメントのやり方に問題があるからであり、それに対して責任を持つべきなのはPMOに他ならない。

決めたことをやってくれないという悩みを持つPMOも少なくない。これは、やらないからプロジェクトがうまくいかない、ゆえに、PMOの決めたことは非現実的で、だからやらないという悪循環になっていくパターンだ。

これに対する楔は一つしかない。プロジェクトを成功させることのできる手法なり、標準を提案していくことだ。ただし、どんな優れた手法であっても適用効果を出すためにはプロジェクトマネジャーの協力が不可欠である。したがって、PMOはすぐれた手法という楔を準備する一方で、互恵関係を構築していかなくてはならない。そのためには、真剣にカレンーを考えることが必要だ。

◆カレンシーの種類

さて、「影響力の法則」という書籍で自らの方法をモデル化しているコーエン&ブラッドフォードによると、カレンシーには、5つの種類があるという。

(1)気持ちの高揚や意欲を喚起するもの
(2)仕事そのものに役立つもの
(3)立場に関するもの
(4)人間関係に関するもの
(5)個人的なもの

の5つだ。コーエン&ブラッドフォードは、一般的な例として、それぞれに対して、

(1)気持ちの高揚や意欲を喚起するもの
  ビジョン、卓越性、道徳的/倫理的な正しさ
(2)仕事そのものに役立つもの
  新しいリソース、チャレンジ(成長)の手伝い、組織的な支援、素早い対応、情報
(3)立場に関するもの
  承認、ビジビリティ、評判、所属意識/重要性、接点
(4)人間関係に関するもの
  理解、受容/一体感、私的な支援
(5)個人的なもの
  感謝、当事者意識/参画意識、自己意識、安楽さ

といったカレンシーがあるとしている。これはプロジェクトマネジャーがメンバーに対して提供するカレンシーとしてはそのまま使えると思うが、PMOがプロジェクトマネジャーとの互恵関係を構築したい場合にはどのように考えればよいだろうか?

この話は次回。

【補助線】仮説を共有する

◆仮説の共有はできていますか?

プロジェクトを進めていくに当たっては仮説(仮定)の存在を無視できないことは常識になってきている。PMBOKでは仮説を前提条件と呼んでいる。

仮説にはいろいろなレベルのものがあるが、たとえば、どんなプロジェクトマネジャーがプロジェクトでも設定しているものに「みんながプロジェクトを成功させたいと思っている」という仮説がある。ところがこの仮説がきちんとプロジェクト活動(プロジェクトチーム、ステークホルダ)の中で共有されているケースはまれである。

そんな馬鹿なと思う人は、次の問について考えてみてほしい。

あなた(プロジェクトマネジャー)はプロジェクトの進め方のすべてに対して行われる組織内ステークホルダのアドバイスはすべてプロジェクトの成功のために行われていると思うか?

もし、思えば、「みんながプロジェクトを成功させたいと思っている」という仮説は共有されていると考えてよいが、思わなければ共有されていないことになる。

この問いに対する答えとして多いのは、「成功させたいと思っているという仮説は共有されているのだが、成功の定義が違うので、ちぐはぐになっている」というものだ。そこで、成功の定義を共有する、プロジェクトの目的を共有するということになる。

◆プロジェクト活動の行動は仮説に基づく

こうやって文章として書いたものを読んでもらうとわかると思うが、実はこれは、問題解決策になっていない。成功の定義が共有されているという話と、「プロジェクトを成功させたいと思っている」という仮説が共有されているという話は全然別の話だ。

成功の定義が何であれ、仮説が共有されていれば、それを前提にしてそのプロジェクトの成功のために自律的な行動をとるということになる。そこで、コラボレーションが生まれる。しかし、そんなことは極めて稀である。

共有されていなければ、ひとつひとつ確認する。確認できればまだいいのだが、上にあげたような仮説だと確認のしようがない。

少し、考えていただきたいと思い、少し複雑な例をあげたので、混乱したかもしれないが、言いたかったことは仮説の共有というのはかくも難しいものだということだ。にもかかわらず、プロジェクトの中で、プロジェクトマネジャーやメンバー、あるいはステークホルダはそれぞれの仮説に基づいて行動している。

たとえば、プロジェクトメンバーは「自分の状況を報告をすれば、自分の活動を他のメンバーが理解し、問題が解消される」という仮説を持って仕事をしているはずだ。もっと作業的なところでいえば、「計画時に構想した手法でやればうまくいく」という仮説を持っているはずだ。

◆仮説は共有できないと混乱の原因になる

ところがこのようなチームで持つべき仮説は、共有できないと意味がない。意味がないばかりか、混乱の元だ。

たとえば、上の報告に関する仮説をメンバーの誰かが持っていないとしよう。蟻の穴から崩壊していくように、この仮説は成り立たなくなる可能性が大だ。手法の仮説が共有できていないとすれば、勝手な手法の検討するメンバーが出てきて、全体が混乱に陥る可能性がある。

情報を共有するのはある意味で難しいことではない。会議体など、比較的形式的なコミュニケーションでほぼできる。しかし、仮説の共有は極めて難しい。

そして、不確実性の大きいプロジェクトでは仮説の共有がプロジェクトマネジメントの生命線になることが多い。そのためには、プロジェクト憲章のようなスタティックなドキュメントだけでは不十分である。「相互理解」という意味での本当のコミュニケーションを実行していくこと、そして、そのためのコミュニケーションマネジメントが不可欠である。

2008年1月 2日 (水)

【補助線】「主客一体」と「一期一会」はプロジェクトマネジャーの基本精神

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

お正月なので、今年度のテーマを含めて、ちょっと、浮世離れした話をしてみたい。

昨年、「おもてなしの源流」という本が出版された。お正月に改めて読み直してみた。「ビジネス書の杜」ブログに感想を書いているので、また、興味がある人はみていただきたい。

「主客一体」がビジネスの基本

僕の尊敬する思想家・田坂広志先生がこの本に書かれた推薦文によると、日本の「おもてなし」というのは、禅思想を源流とし、「主客一体」「一期一会」の思想を根底に持ち、「主客分離」「関係構築」を前提とした欧米の「サービス」とは全く異質のものだという。この本は、旅館、茶道、花街、祭りなどの日本的な伝統の残る場のフィールド調査で、「主客一体」「一期一会」の思想がどのように実現されているかを丁寧に書き上げた一冊である。

ここで、大胆な提言。

すべてのプロジェクトマネジャーは「主客一体」「一期一会」という思想を持つべきではないだろうか?

プロジェクトマネジメントの中でもっとも重要な仕事の一つはプロジェクトオーナー(顧客)や、そのプロジェクトに利害関係を持つ人との「関係構築」だとされている。重要なことはこれは「主客分離」を前提にして行われていることだ。

その中で、さまざまな意思決定をゆがませている原因が「関係構築」だと言える。たとえば、WinWinの関係の中で、主も客も、お互いに妥協の産物としか思えないような意思決定を行っている。

ビジネスとはそういうものだという考え方もあるだろう。また、主客分離はダイバーシティの原則から出てくるものだという考え方もあるだろう。

このような考えがあることを知りながら、あえて、この前提は本当に正しいといえるのであろうか?と問題提起したい。

まず、最初に考えるべきことはプロジェクトという枠組みは、「主客一体の場」としてあるのではないかということ。

そして、その場は「一期一会」を前提とした場ではないかということだ。

プロジェクトにおける一期一会とは、その機会を一生に一度限りの機会だと考え、「主」はもちろん、「客」も、お互いの出会いを大切にし、その機会を活かすために、プロジェクトに対して全力でコミットすることである。そう考えると、一期一会はプロジェクトが求めているもの、そのものだと言っても過言ではない。

つまりは、主客一体と一期一会はプロジェクトの基本精神であるといっても過言ではなかろう。

このようなおもてなしの根底にある考え方をプロジェクトマネジメントの中に取り込んでゆくと、多くの問題が片付くように思える。

今年のテーマにしてはいかがでしょうか?

2007年12月31日 (月)

【補助線】プロジェクトマネジャーの美学

今年最後のメッセージです。

みなさんはプロジェクトマネジャーとしての品格について考えてみたことがありますか?
なければ、ぜひ、お正月にでも考えてみてください。

たとえば、川北義則さんは著書「男の品格」の中で

   品格とは何か? 美学である。

と書いています。

よく、「昔と比べると最近のプロジェクトマネジャーは小さくなった」という言葉を耳にします。これに対して「経営環境も、プロジェクトの質も違う」という反論もよく耳にします。

僕は基本的には後者の言い分を支持するのですが、たったひとつプロジェクトマネジャーの質で違いがあるとすれば、美学が持つかどうかではないかと思います。

20代でプロジェクトマネジャーを任されて、すでに自身の美学を持っている人もいます。一方で、40代後半で100人規模のプロジェクトを管理しているのに、美学の「美の字」も持ち合わせない人も少なくありません。

必ずしも後者ような人がうまくできていないわけではありません。

だからこそ、美学なのです。ある意味で、自己満足ですが、すべての仕事の最終ゴールは自己満足だともいえます。

これはとても大切なことです。自分が満足できない仕事で、お客さまが満足するなど、あり得ません。ただし、順番を間違えないでください。自己満足は最後にあるゴールです。これを最初のゴールや中間ゴールにしてしまうと大問題になります。

そして、最初のゴールや中間ゴールではなく、最終ゴールにするために必要なのが「美学」です。来年は美学を探す1年にしましょう。特に若いプロジェクトマネジャーの方は美学を持ってください。

こちらの記事でヒントになる本を紹介しています。

では、来年もよろしくお願いします。

2007年12月28日 (金)

PMサプリ105:部下にはバナナを投げ続けよ

部下にはバナナを投げ続けよ(マイク小池ソニックウォール日本支社代表)

【効用】
・PM体質改善
  創造力アップ、実行力向上、顧客説得力アップ、問題解決能力向上、
・PM力向上
  チームをまとめる力の向上、ビジネスセンスアップ
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分】

◆モンキーマネジメント
◆「投げる」はタブー?
◆「投げる」と「渡す」、どっちが人が育つか?
◆プロジェクトでパフォーマンスを上げる方法

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2007年12月25日 (火)

【補助線】人を好きになろう!~愛と真心のプロジェクトマネジメント

◆近藤さんの人間愛

先日、PMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)のITベンチマーキングSIG「プロジェクトマネジャーの成功条件」の活動で、有限会社ウィンアンドウィンの近藤哲生さんのお話を聞く機会があった。近藤さんは

実用企業小説 プロジェクト・マネジメント

という本で、なかなか、理論的な本では言いにくいさまざまな考えを発表されている方で、僕も注目しているプロジェクトマネジメントコンサルタントの一人である。近藤さんの本を読んでみると、できそうでなかなかできないことが結構書いてある。たとえば、できる人を重用するというのは口でいうのは簡単だが、いざ、やろうとするとさまざまな壁にぶつかる。どうやって評価するのか、評価されなかった人はどうやって動機付けするのか、などなど。

実際にお話を聞いてみると、この本に書かれているようなことをご自身実践されているとのころ。どうすればできるようになるのでしょう?とおたずねした。近藤さんの考えはある意味で単純だった。

「人間愛」

だと断言されたのが印象的だった。

◆愛のないヒューマンスキルなどあり得ない

実は、このSIGもヒューマンスキルに注目しているのだが、最近、プロジェクトマネジャーのヒューマンスキルに注目する人が増えてきた。それはそれでいいことなのだが、どうも釈然としないものがある。それが、近藤さんの言葉でいえば、人間愛があるかどうかだ。僕たちは人が好きかどうかという言い方をしている。

たとえば、メンバーに動いてほしいとしよう。動機付けの方法とか、チームの雰囲気を作るとかいろいろなことをする。しかし、「愛」のない人がいくらやってもあまりよい結果を生まないように思う。

この違いが出てくるところは、「相手を味方だと思えるか」どうかだ。メンバーに動いてほしい。このときに、自分の味方になって動いてくれるだろうと思えるかどうかだ。この点について懐疑的な人は、どうしてもスキルに頼って動かそうとする。

こういう言い方をすると、現実的ではないとか、裏切られるに決まっているという人が結構多い。そう思うこと自体が味方だと考えられない証しだといえよう。

◆ステークホルダを味方になると考えられるか?

これが顕著なのが、ステークホルダマネジメントである。上司や顧客を本当に動かしたいと思うのであれば、まず、すべきことは、味方になると信じることである。ハリネズミにようによろいを身にまとっている限り、交渉も説得もすべて不毛なもののような気がする。
リーダーシップに関心を持つ人であれば、ケン・ブランチャードの名前は聞いたことがあると思う。ワンミニッツ(1分間)シリーズが多くの人に支持されている組織とリーダーシップのコンサルタントである。そのブランチャードが中心になって書いた

新・リーダーシップ教本―信頼と真心のマネジメント

という本がある。この本は、専門経営者と教授と牧師の3人がじっくり考え抜き、議論し、煮詰めたキリストに学ぶリーダーシップ論である。

何人ものリーダーやマネジャーにこの本を紹介してきたが、どうしても宗教的なにおいに引いてしまうようだ。例外なく、これは宗教的だという。しかし、(他)人を愛したり、好きになったりすることは、宗教とは別の次元の話である。

プロジェクトマネジャーは人を動かさないと仕事にならない。そのためには、Win-Winのような論理的な価値交換が必要なことはいうまでもない。しかし、これは人を愛すること、あるいは、人を好きになるといった感情的な関係を基盤として初めて成り立つ関係である。ビジネスの世界の話なので、愛があれば、お金など関係ないなどというつもりはない。そうではなく、論理的な取引が効力を発揮するために愛が必要なのだ。

ビジネスに感情的な関係を持ち込むのはいやだという人も少なくないだろう。もし、論理的な関係だけで済むのであればそれもよい。しかし、済まないから、コミュニケーションであり、ヒューマンスキルが注目されているのだ。

この領域に足を踏み込むのであれば、人間を愛する、人を好きになるといったことを一度真剣に考えてみる必要がある。

2007年12月24日 (月)

【補助線】プロジェクトマネジメントのポイント

◆「ハーバード流」プロジェクトマネジメントのポイント

最近、この本を読んでいて、プロジェクトマネジメントとして最低限することってなんだろうか?と考えてしまった。

その本とはこれ。

メアリー・グレース・ダフィー(大上 二三雄、松村 哲哉、上坂 伸一、エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社訳)「プロジェクトは、なぜ円滑に進まないのか」、ファーストプレス(2007)この本では、プロジェクトをスムーズに進めるためのポイントとして

・必要なリソースを見きわめる
・目標をはっきりと定める
・途中で必要な修正を施す

という点にポイントを置いている。

◆よく言われるポイント

マネジメントとしてプロジェクトマネジメントをとらえれば当たり前のことだが、今、一般的に考えられているポイントと微妙に違う。いわゆるプロジェクトマネジメントの識者に尋ねると、たぶん、この3つの上の2つの代わりに、「ステークホルダとうまく話をつける」、「リスクを上手に管理する」の2項目が入り、

・ステークホルダとうまく話をつける
・リスクを上手に管理する
・途中で必要な修正を施す

の3つのポイントを上げる人が多いような気がする。組織文化の違いはあるが、おそらく、マネジメント「感」が違うのだと思う。というより、プロジェクト感が違うといった方がよいかもしれない。

◆プロジェクトに対する見方、捉え方

プロジェクトは組織から与えられた目標の達成だと考えていると、だいたい、こういう答えになるだろう。要するに目標達成の阻害要因を排除することと、目標が変わった場合の対処をうまくやることに尽きるということだ。

2004年にダイヤモンド社から、

すぐに解決!プロジェクト―30分で読める!プロジェクト成功の秘訣がわかる!

という本が出版されている。ファーストシンキングシリーズと銘打って何冊か出ている中の一冊だ。この本では、

・プロジェクトの目的が何かを明確にさせる
・本当の責任者を見極める
・周囲の力を借りる

の3つにポイントを置いている。スコープを明確にすることも、リスクに対応することも明示的には入っていない。たとえば、周囲の力を借りることにより、リスクに対応している。

◆トム・ピータースのセクシープロジェクト

また、トム・ピータースの

セクシープロジェクトで差をつけろ!

でも、ポイントになっているのは、

・プロジェクトの目的を明確にする
・多くの人を味方にする
・走りながら考える

の3点である。やはり、プロジェクトやスコープマネジメントは明示的にははいってこない。

この問題は真剣に考えてみる必要がある。

みなさんにとって、3つのポイントを上げるとすればなんですか?

2007年12月21日 (金)

PMサプリ104:非常時にこそ、真の上司の品格が顔をのぞかせる

非常時にこそ、真の上司の品格が顔をのぞかせる(小笹芳央・リンクアンドモチベーション代表)

【効用】
・PM体質改善
 アカウンタビリティ向上、リスク管理能力アップ、実行力向上、問題解決能力向上
・PM力向上
 プロ意識の向上、実行力向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
 弱気克服、プロジェクトにおける辛さの克服

【成分】

◆上司の品格
◆プロジェクトマネジャーの品格
◆品格のないプロジェクトマネジャー
◆品格を保つためには

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。