2008年2月 8日 (金)

PMサプリ110:常に問いなおし、ものごとの本質を掴む

「本当にそうだろうか」と常に問い直し、ものごとの本質をつかむ(セブン&アイ・ホールディングス 鈴木敏文会長)

【効用】
・PM体質改善
  バランス感覚の洗練、アナロジー思考力アップ、顧客感度アップ、創造力アップ、
  問題解決能力向上、
・PM力向上
  ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

◆だらしない人ほどうまくいく
◆常識を疑うことはプロジェクトマネジメントの生命線
◆常識を疑えば、ものごとの本質がみえてくる
◆決済ルールひとつで20%のスケジュール短縮をした例

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【補助線】「安全」はプロジェクトマネジメントの中でどう扱われているか?

◆ITプロジェクトには安全の問題はないのか?

この2~3年、ずっと気になっているのが、この問題だ。なぜ、気になりだしたかというと、ITプロジェクトを中心に発生しているメンタルヘルスの問題。

ITプロジェクトにかかわっている人に安全というと、建設のプロジェクトとかで工事の安全の問題だという風に矮小化して考える人が多いのだが、この認識は正しくない。そもそも安全の問題とは、労働安全衛生の問題であり、「健康問題」、「労働災害」、「快適職場づくり」など、すべての問題を含む。

Photo_2つまり、この2~3年、問題視する企業が増えているメンタルヘルスの問題は、「安全衛生」のもっとも重要な課題の一つだというのが一般的な認識である。

この「安全」の問題はプロジェクトマネジメントではどう扱えばよいか?

僕はプラント工事などの現場の現場の経験もあるが、仮に、ITプロジェクトのような人の働かせ方を工事現場でしていたら、とんでもない話だとしてすぐに改善勧告が入るだろう。

◆プロジェクトの安全管理パターン

通常、工事系のプロジェクトの現場では、「安全管理体制図」がつくられる。これは2つのパターンがあり、社内の投資工事などでは通常、ラインでプロジェクトを推進していくので、組織体制が反映された安全管理体制になる。この場合は、プロジェクトマネジャーが安全管理責任者になるよりは、そのプロジェクトスポンサーになるラインマネジャーが安全管理責任者になるケースが多い。

これに対して、発電所を作るといったオンサイトのプロジェクトでは、顧客側の安全管理体制があり、そこに組み込まれるような形でプロジェクトの安全管理体制を構築する。プロジェクト作業に伴う安全管理についてはプロジェクトの中で見ているわけだ。安全上の問題が発生すれば、プロジェクトの中で自律的に処理される。

◆PMOにメンタルヘルス活動はできない

ITプロジェクトでは、一見、前者の安全管理が行われているようにも見えるが、実際にはオンサイトのプロジェクトが多く、機能していないケースが増えている。そこで、プロジェクトの問題だからということでPMOにおハチが回ってきている組織が多い。

これはむちゃくちゃな話である。経営組織はコンプライアンスと安全衛生については必ずガバナンスが必要である。つまり、この2つの観点から従業員が正しくない行動をしたときに、それを権限を以て強制的にやめさせることができる必要がある。これができないと経営しているとはいえない。

実際にコンプライアンスでは、これまでガバナンスをあいまいにしてきたため、いろいろな問題が噴出している。米国であれば、株主訴訟で企業がつぶれてもおかしくないような事例がいくつもある。

従業員の安全衛生の問題もコンプライアンスと同じくらい重要な問題である。たとえば、従業員が無理をして労働をしようとした場合には、それを強制的に止める機構がなくてはならない。

これは従業員のためだけではなく、常に最高の品質の商品を提供するためでもある。つまりは、従業員と組織のWin-Winの関係を維持するためでもある。

◆安全衛生管理は誰がすべきか

このように考えると、安全衛生は、組織から正当な権限を委譲された人が管理すべき問題であり、これはプロジェクトの業績に対する責任を持つ人でもある。PMOがそのような立場にあることはレアケースだろう。

SIプロジェクトでいえば、顧客に実施体制を示すが、普通に考えると、これが「安全管理体制」である。

百歩譲って、上位管理者が明確に権限を委譲するわけでもなく、プロジェクトの成果責任をプロジェクトマネジャーに丸投げすることは仕方ないとしても、安全管理に対する責任を丸投げするような上級管理者は即刻、辞表をだすべきだろう。

特にSI業界では、この問題は深刻である。

プロジェクトの常識になりつつある、「リソースを渡さない」、「結果を求める」まではいいとしても、そこに、「メンバーの安全衛生管理の責任を持て」という三重苦になると、多くのプロジェクトマネジャーは音を上げてしまうのではないだろうか?

また、これが「改善しない」温床になっていることも事実だ。

長くなってきたので、プロジェクトが自律的に安全衛生を管理するときには、どのように考えて行うべきかは別の機会に譲る。

2008年2月 7日 (木)

「ひとつ上のプロマネ。」の行動トレーニング連載開始

PMstyle.bizで「ひとつ上のプロマネ。」行動トレーニングの連載を始めました。

行動規範にリンクしています。時々、見てください!

【行動規範 その1】(2008.02.07)
高い倫理観を持っている

行動規範 その2
スキルの経済的効用に明確な価値観を持っている

行動規範 その3
自らの仕事の成果を明確に定義している

行動規範 その4
自分を客観的に見ることができ、自己の強みを知っている

行動規範 その5
自分の強みを活かして、行動することができる

行動規範 その6
時間をコントロールしている

行動規範 その7
失敗を次の行動に活かしている

行動規範 その8
成果に直結しない仕事を捨てている

行動規範 その9
強い好奇心を持ち、継続的に自分の領域を広げている

行動規範 その10
成果の定義を発展させている

2008年2月 3日 (日)

【補助線】プロジェクトを成功させるプロマネと失敗させないプロマネ

先日、渡辺貢成さんの現場力セミナーのグループディスカッションをきいていて、ふと思ったことがある。

それは、成功と失敗の関係である。

プロジェクトを失敗させないためには何をすればよいか?

人と同じことをすればよいのだ。そのために、他人はできているが自分はできないところを直していく。これはみんな得意であるし、大好きだ。

これに対して、プロジェクトを成功させるためには何が必要か?

そう簡単に答えはでない。まずは、成功の定義が必要である。成功の定義の中で重要なことは、誰かが一旦やり遂げたのと同じ成果は成功とは言わないことだ。

誰かがやり遂げた時点でそれは当たり前になり、それをクリアするだけでは失敗しなかったに過ぎなくなる。

プロジェクトを成功させるといのは、誰もできなかったような成果を上げることだ。そのためには、人と違うことをすることが必要である。これは嫌いな人が多い。

いろんな理由がある。そんなことをしたって評価されないというのが大きい。それどころか、それで失敗をすれば叩かれるというリスクもあるのだ。

この話はひとつ上のプロマネ。にも通じる。普通のプロマネは、プロジェクトを失敗させないことを目標にする。ひとつ上のプロマネ。はプロジェクトを成功させることを目標とする。

これを成長段階だと考えるべきではない。つまり、失敗させないことができるようになれば、次の段階は成功させるようになることだと考えるべきではない。プロジェクトを失敗させないことを重視するプロジェクトマネジャーのほとんどは、一生、失敗させない努力をして終える。もちろん、その中でのレベルはある。規模や、複雑さが大きなものを失敗させないようにできるようになるレベルアップだ。

しかし、100億のプロジェクトを失敗させないプロジェクトマネジャーが、100万円のプロジェクトを成功させることができるかというと、たぶん、ほとんどできない。これは、100億の事業を管理できる上級管理者の多くが、起業家としては成功しないことと本質的に同じ現象である。一言でいえば、DNAが違うのだ。

もちろん、組織にはプロジェクトを失敗させないプロジェクトマネジャーと、成功させることのできるプロジェクトマネジャーの両方が必要だ。

ただ、成功させるプロジェクトマネジャーが少なすぎる。積極的に開発していかねばならない。「ひとつ上のプロマネ。」の育成である。

そのスタートは、プロアクティブに成功を目指せることである。

「3%の改善は難しくても、30%の改善はぱっとできることがある」という人は意外と多い。たとえば、自動車メーカの役員の講演会でこんな話を聞いたことがある。

ある部品を一生懸命コストダウンをするが、どうしても目標原価に到達しない。ある人が、その部品を使わない構造にしようと言い出すと、設計変更によって部品数が20%減り、コストは30%減った。別に技術的に難しいことしたわけではない。違う方向を向いて普通にやったらそうなったという感覚なのだそうだ。

普通のプロマネとひとつ上のプロマネはパラダイムが違うのだ!

2008年2月 2日 (土)

PMサプリ109:目的と手段を履き違えない

目的を手段を履き違えない(セブン&アイ・ホールディングス 鈴木敏文会長)

【効用】
・PM体質改善
  リーダーシップ発揮、自信をつける、顧客感度アップ、問題解決能力向上、
・PM力向上
  ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分】

◆目先の妥協に目を奪われ、安易に妥協するな
◆プロジェクト憲章に書かれた目的は守られているか
◆目的を貫き通す意味

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2008年1月25日 (金)

PMサプリ108:リーダーには情熱的なフォロワーシップが必要

リーダーこそ情熱的なフォロワーシップを身につけるべき(ジョン・ムーア、コンサルタント)

【効用】
・PM体質改善
  リーダーシップ発揮、実行力向上、問題解決能力向上、自己統制力アップ
・PM力向上
  ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分】

◆スターバックスの行動の原動力はフォロワーシップ
◆サーバントリーダーシップを信条とする
◆プロジェクトマネジャーはレオになれ
◆ゴールに向かう姿勢オーラが必要!

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2008年1月22日 (火)

【補助線】年金問題に学ぶリカバリーマネジメント

◆なりすましを防ぐ?!

消えた年金問題で、年金特別便なる通知で不明者の確認をしようという取り組みが始まった。始まるなり、窓口で本人確認のヒントを与えるような対応を一切するなというマニュアルを作ったとかで、顰蹙を買った。なりすましを防ぐというのがその理由だそうだ。そして、それがマスコミに取り上げられると、1週間もしないうちに、方針を変更し、

「持ち主とみられる人が相談者のみ」で「相談者の他の年金記録の加入期間との重複がほとんどない」場合は、〈1〉事業所の所在地〈2〉事業所の業種内容〈3〉事業所での加入期間――の3情報を伝えることを許可する
(読売新聞より)

と変更したとのことだ。現時点で僕のところには来ていないので、よくわからないのだが、一連の対応に違和感を感じている人は少なくないのではないだろうか?

そもそも、「突合」というのは役所用語なので、どんなアルゴリズムでやっているのかよくわからないのだが、普通のマッチングアルゴリズムで照合をして、特別便を持って窓口に来た人がなりすましをする確率がどのくらいあるのだろうか?

◆年金リカバリーの3つの特徴

この点も含めて、一連の対応には、3つの特徴がある。

(1)責任回避のために対応策を狭める
(2)目先の問題に対応するための朝令暮改
(3)自身の利益を最優先する

まあ、役所の論理だといえば、それまでだが、これはプロジェクトがトラブルに陥ったときに傷口を広げる方法を示唆している。

◆責任回避のために対応策を狭める

まず、この3つの行動の根底にあるのは、(1)の自らは責任がないというスタンスである。このスタンスがある限り、効率のよい問題解決はできない。逆にいえば、適切な問題解決をするためには問題があればあることを認めることがスタートである。

年金問題でいえば、自らの責任であると認めれば、その瞬間に無条件に申請に応じるという選択肢が出てくる。そこで初めて本格的調査をし、その選択肢も含めて、オプションを決定することができる。認めない限り、仮に今の方法が無条件に応じるという方法の倍のコストがかかってもやることになる。もちろん、モデルは作って無条件に応じるという選択肢も検討はしていると思われるが、責任はないということだけは決まっている以上、結論ありきのモデルになりがちだろう。

プロジェクトのトラブルでも同じだが、このように責任論を考えて、リカバリーの選択肢を狭めてしまうことがある。気をつけたいところだ。

◆朝令暮改

次に、朝令暮改。年金においては、これだけむちゃくちゃなことをしておきながら、いまさら、なぜ、世間の目を気にするのかという気もするが、そんなものではないのだろう。これ以上、非難されるのは飛んでもないという思いも強いのだと思う。

プロジェクトでトラブルを起こしたときに、特にプロジェクトマネジャーは同じような心境に陥ることが多い。失敗してしまった。これ以上、失敗の上塗りはできないので、とりあえず、ステークホルダが言い出せば何も戦略を持たずに、方針を変える。

大きなトラブルには必ず、この構図がある。なぜか?ステークホルダが一枚岩ではないからだ。そもそも、トラブル時の判断は非常に難しい判断だ。ゆえに、A部長が白といえば白に見えてくるし、そこにB部長がやってきて黒だといえば黒に見える。そんなものだ。これで迷走をする。

最後に責任を押し付けられるのはどうせプロマネなのだ。A部長の言う通りにやって失敗しても、結局、「プロマネ、おまえは何を考えているんだ」ということになる。開き直って自分の方針を貫くべきだ。

◆顧客の利益を最優先する

年金で最も目につくのは(3)だろう。年金特別便なるもの自体、訳がわからない。なぜ、特別便の代わりに、各地域の事務所から訪問をしないのだと思う。人もいないし、予算の制約もあってできないという。この問題よりプライオリティの高い予算など、人の生死にかかわる問題しかない。それこそ、C型肝炎とか、その類だ。

この期に及んでも、まずは自分の利益を確保し、そのあと、できる範囲で対応するのだ。きっと、このやり方は傷を深くする。

プロジェクトのトラブルでも同じような状況をよく見る。たとえば、SIのプロジェクトであればトラブルのときに真っ先に考えるべきなのは、顧客の利益の確保である。しかし、まず、そんなことはしない。自分たちの利益(赤字になるのなら赤字幅)をして、その上で何ができるかと考える。これでは墓穴を掘っているみたいなものだ。

年金もそうだ。予算がほしければ、国民に不安感を与えず、払うべきものを払い、それによって産業が活性化し、税金が増え、自らの活動の予算が増えるというのが道というものだろう。

自らの利益は、顧客の利益から生まれるものだという商売の原則を思い出す必要がある。

◆セミナーの宣伝

こんな無様なリカバリーをしたくない人はこちらのセミナーへどうぞ!

〓【開催概要】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
 ◆リカバリーマネジメントケーススタディコース(IT編)◆7PDU取得可能
  日時:2008年3月15日 10:00-18:00
  場所:ヴィラフォンテーヌコンファレンスセンター(東京・港区)
  講師:好川哲人(プロジェクトマネジメントオフィス)
  詳細・お申込 http://www.pmstyle.biz/smn/recovery_case_it.htm
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【カリキュラム】
1.リカバリーマネジメントの10ステップ(1時間)
2.リカバリーマネジメントケーススタディ(6時間)
(1)プロジェクトの状況に関する情報収集を行う
(2)プロジェクトの状態を評価し、リカバリーの必要性を検討する
(3)リカバリーシナリオを作る
(4)リカバリーを実施するかどうかの判断をする
(5)ステークホルダの意見を調整し、リカバリーへの協力を取り付ける
(6)リカバリーマネジャーを決定し、リカバリーチームを結成する
(7)プロジェクトリカバリープランを作成する
(8)リカバリープランによりプロジェクトをコントロールする
(9)プロジェクトの状態を安定化させる
(10)レッスンズラーンドを行い、再発防止に努める
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

2008年1月19日 (土)

【補助線】今年はプロジェクトマネジメントの仕組みを撤廃します

◆今年はプロジェクトマネジメントの仕組みを撤廃します

年明け早々、ある中堅機械メーカのH社長からメールが届いた。人とおりの近況報告の後に、こう書かれていた。

=====
今年はプロジェクトマネジメントの仕組みを撤廃することを決心しました。好川さんも、責任があるんだから手伝ってくださいよ。
=====

この企業は弊社のというより、好川の個人事務所(技術士)のクライアントで、8年くらい前に産業用機械の開発プロセスにプロジェクトマネジメントの仕組みを導入するお手伝いをした企業である。

年賀メールにこんなことを書いてきたのは、おそらく、半年くらい前に1冊の本を紹介したところに始まるのではないかと思う。その本とは、米国のコロンビア大学ビジネススクールの教授が技術ジャーナリストと一緒に書いた

エリック・エイブラハムソン、デイヴィッド・フリードマン「だらしない人ほどうまくいく」、文藝春秋社(2007)

である。

もっとも、この本を紹介したのは常々、この社長がこの本に書いてあるようなことを言っていたからなのだが、、、

◆きっちりがいいなど、誰が決めたのだろう?

この本は非常に面白い指摘をしている。

それは、人間はきっちりしなくてはならないと思いこんでいるが、ビジネス(パフォーマンス)という視点で考えたときに、本当に正しいのかという問題提起だ。むしろ、だらしない方がよい場合もあるのではないかと言っている。日本でも、だらしないのは敵のように嫌われるが、なぜ、嫌われるのか?

この問題に対して、

・病的なだらしなさ(片付けられない症候群)は議論の対象外
・たとえば、眼科医のようにだらしないのは論外という仕事もある

という前提を置いた上で、「だらしな系」と「きっちり系」という対立軸を設定して、だらしないことの効用を分析している。

分析内容については、この記事の最後につけておくが、この本も、この議論も結構考えさせられるものがある。おそらく、H社長の会社でもかなりの部分が当たっていたのだと思う。

歴史的に見ても、この種の価値観は為政者の都合のよいように作られるものだ。だらしないよりきっちりしている方がよいなどと誰が決めたのか?

身近なところでも、家庭で整理整頓してあたりまえだというのはたとえば、母親が片付ける手間が省けるので好都合だ。組織で計画的に物事を進めなさいというのは管理する手間が省けるという管理者にとって好都合だ。

これが都合ではなく、経済合理性があると言おうとすれば、エイブラハムソン先生らが言うように、片付けるのにどれだけのコストがかかって、それによってそのコスト以上の生産性の向上がみられる必要がある。

たとえば、プロジェクトマネジャーが計画を作って仕事をすることに対して、そんなことはやってられないと抵抗する背後には理屈がある。ただしいかもしれないし、情緒的な問題を経済合理性を使って言っているだけかもしれない。

◆何も考えずにキッチリがよいというのは思考停止

ただ、いずれにしても、どんな場合でもキッチリが良いのだというのは思考停止以外の何物でもないだろう。

この思考停止が単に整理整頓や計画のコストだけの話であればあまり大した問題ではないかもしれない。しかし、きっちりすることによって、創造性や柔軟性が排除され、機会損失が起こるようであれば、それこそ、きっちりと一度考えてみる必要がある問題だ。

だらしな系のプロジェクトマネジメントなんていうのもあるのではないかと思う。たとえば、ライトブレーンプロジェクトマネジメントやアジャイルプロジェクトマネジメントはその代表例ではないかと思う。

<だらしな系の特徴>
・素早く、劇的に、多様に、より少ない労力で状況に適応し、変化することができる
・異質なものを簡単に内側に取りこむことができる
・環境や情報や変化となじみ、そこから有益な影響を受けられる
・さまざまな要素に触れ、変化を促し、問題を顕在化させ、新たな解決策を導き出してくれる
・比較的少ない労力で目標を達成することができる。労力の一部をアウトソーシングすることができる
・大きく異なる要素でも内に組み込むことができるため、攻撃や妨害や模倣に対する抵抗力がある

<きっちり系の特徴>
・需要の変化や予期せぬ出来事、新たな情報に対して融通がきかず、対応が遅れがちである
・内に含めるものの量や種類を制限する。有益なものや、不可欠なものも排除してしまうことがある
・外部からの影響を遮断して、決して相容れることがない
・未知の存在や不測の事態を嫌い、それが現れると、即座に排除しようとする
・システムを維持するために常に大きな労力が必要になる。その労力はすべて自分で背負いこまなければならない
・強さと弱さを併せ持ち、たやすく破壊されたり、失敗をおかしたり、混乱したり、模倣されたりする

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2008年1月18日 (金)

PMサプリ107:三知って、その三つを実践する

百知って何もしないより、三知って、その三つを実践する方がよい(師友塾塾長・大越俊夫)

【効用】
・PM体質改善
  リーダーシップ発揮、実行力向上、顧客感度アップ、自己統制力アップ
・PM力向上
  ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分】
◆わかるとは聞いたことを実行すること
◆チームは和気あいあいのいい雰囲気
◆表面的な人間関係と信頼関係は違う
◆有言実行こそが信頼構築の方法

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2008年1月12日 (土)

アーロンチェア

アーロンチェア ポリッシュドアルミニウムベース/ポスチャーフィットフル装備/タキシード


1994年、ハーマンミラーのオフィス・シーティングデザインで活躍するビル・スタンフとドン・チャドウィックによって、「イスは、人が何をしているときでも座っているというからだの負担を感じさせずに、常に快適さを提供するものであるべきだ」という概念のもと生まれました。

アーロンチェアは、エルゴノミクス(人間工学)、キネマティクス(運動学)、健康メカニズムといった考えを取り入れ、それまでのチェアに求める快適さの概念を一変。、独特な外見と優れた性能・機能を持ちあわせたアーロンチェアは、MoMA(ニューヨーク近代美術館)のパーマネントコレクションに選定され、また日本デザイン協会「グッドデザイン賞(Gマーク)」金賞を受賞しています。

世界中のメーカーから毎年多くのワークチェアが発表されていますが、発表されるチェアは常にアーロンチェアと比較され、そして多くのチェアが消えていきます。アーロンチェア発表から20年。今なお進化を続けながらワークチェアの頂点に君臨し続けています。

【主な特徴】

長時間座っても快適で疲れないペリクルサスペンション機構

アーロンチェア独特の外観と快適さを実現する重要要素が、独自のペリクルサスペンションです。ペリクルはメッシュ地の画期的な新素材。着座時に体にフィット&サポートし、体重をシートと背もたれに均等に分散させます。またメッシュ地で通気性がよく、体温がこもらず爽やかに保てるので長時間座っていても快適です。

着座姿勢のあらゆる変化を無理なくスムーズにサポート

アーロンチェアがどんな姿勢の変化の無理なくスムーズにサポートできるのは、独自のキネマット・チルト機構によるもの。足首、膝、腰を回転軸にしてスムーズに身体の動きをフォローしますから、いつでもどんな座り方でも快適な座り心地と最適なサポート感が得られます。

エルゴノミクスをさらに追求したポスチャーフィット

エルゴノミクス(人間工学)の研究は、絶えず進化しています。アーロンチェアではイスに浅く腰掛けて前傾した姿勢を日常的にとる人、コンピュータを使う仕事をする場合などの、背骨の状態や着座感についての調査を続け、その結果をもとにポスチャーフィットを開発しました。
不安定な着座姿勢では背骨は自然なS字カーブを保てず、前かがみになって疲労感を感じ、背中の痛みや腰痛の原因ともなります。ポスチャーフィットは体型や体格に応じて骨盤とイスの背もたれとの間の隙間を埋める事で、座り心地をさらに快適にし、より健康的な着座姿勢を保てるようにしてくれます。

機能詳細>>

「アーロンチェア」ポリッシュドアルミニウムベース/ポスチャーフィットフル装備/タキシード

●サイズ(mm):

●背座:ペリクル(タキシード)

●脚:ポリッシュドアルミニウムベース
●アーム:革張り
●ポスチャーフィットフル装備
●ハーマンミラージャパン社正規輸入商品
●保証期間(通常の状態で使用された場合、購入日より以下の期間)
構造体、機構部、可動部、ペリクルサスペンション:12年
ガス圧シリンダー:2年

※お取り寄せ品の為、お届けに多少お時間がかかる場合がございます。

※説明文中のイメージ写真は、アーロンチェア全体の説明の為のイメージとして掲載しています。このページでご紹介している仕様と異なる場合がございますのでご了承ください。

PMstyle 2025年9月~12月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。