2008年6月 1日 (日)

スペシャルサプリ~プロジェクトマネジャーズ憲章を作る

【PMサプリ(スペシャル):自分の根っこにある価値観を整理する】

リーダーとしての、自身の根っこにある価値観や意志を整理してみる
                     (柴田陽子、柴田陽子事務所代表)

【効用】
・PM体質改善
  自信をつける、リーダーシップ発揮、自己統制力アップ、問題解決能力向上
・PM力向上
  プロ意識の向上、ピープルマネジメント力向上、
    ステークホルダをコントロールする力の向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上

【成分】

今回は第5木曜で休みだが、おまけということで、いつもと趣向を変えてお届けする。実際に手を動かして、読んでみてほしい。

◆明確なビジョンを示さずに働かせるのは無責任

まず、サプリであるが、今回は飲食店のコンサルティングを展開されている柴田陽子さんの著書「部下を暗闇の中で働かせていませんか?」からのものである。柴田陽子さんはリーダーが明確なビジョンを示さずに部下を働かせることは無責任だと言い、明確なビジョンを示すためには、自分の根っこにある価値観や意志を整理して、自分が大切にしてきたものや、これからも大切にしていきたいものを考えてみればよいと言っている。

◆ビジョンにより成果物の品質が変わる

ここでいうビジョンとは、プロジェクトでいえば、

・誰も作っていない商品を作りたい
・顧客に貢献したい
・競合に負けないヒット商品を作りたい

といったようなものだ。

このようなビジョンを持つことと、プロジェクトの目標(成果物)を達成することはある意味で、まったく別の次元の話である。ある意味でというのは、ビジョンがなくても成果物ができないわけではないという意味。

しかし、ビジョンによって目標達成の品質が変わってくることは十分に考えられる。たとえば、顧客に貢献するというビジョンを掲げていれば、単に顧客の言いなりにものやサービスを提供するだけではなく、顧客のニーズを真剣に考え、顧客の提示する以上に顧客が求めるものを提供することが可能になる。つまり、ビジョンを持つことにより、プロジェクトのすべてのメンバーや関係者に対して、方向性を示し、ベクトルをそろえてプロジェクトを遂行することが可能になり、結果として品質の高い成果物を作り上げることが可能になる。

◆プロジェクトマネジャーズ憲章を作ってみよう

さて、柴田陽子さんがいっている価値観や意志の整理の方法として、著者はプロジェクトマネジャーズ憲章を作ることを推進している。

プロジェクトマネージャーズ憲章とは、

自分がプロジェクトマネージャーとして、プロジェクトマネジメントを行う際の原則、法則、方針を表現したもの

である。たとえば、

・自分とプロジェクトメンバーの間の関係を理解し、深め、プロジェクトの推進力にしていく

・常に目的に立ち返り、プロジェクトのメンバーを正しい方向に導いていく

といったものだ。このようなものを作ろうとすると、今までの経験の整理と将来、そして現在を合わせて考える必要がある。そのため、以下のようなステップでプロジェクトマネジャーズ憲章を作成することを推奨している。

◆ワーク

実際に、書き出しながら考えてみてほしい

【プロジェクトマネジャーズ憲章の作成手順】

ステップ1:過去の経験から学んだことを思い出す
あなたがプロジェクトマネージャーとして経験から学んだことを5つ上げる。また、最高に満足したことを5つ上げる。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)

ステップ2:将来において達成したいことを考える
5年後に成功像をイメージし、あなたがプロジェクトマネージャーとしてやり遂げたことをリストにする
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)

ステップ3:重要なことを洗い出す
現在、プロジェクトマネージャーとして価値を感じることを10個、あげる
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
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(9)
(10)

ステップ4:プロジェクトマネージャーズ憲章を書く
ここでは、過去(ステップ1)・現在(ステップ3)・未来(ステップ2)のバランスを考えながら、チャーターを作る。
まず、過去、現在、未来と一貫して挙げているものを探す。これがあなたのもっとも重要な価値観である。次に、過去にあげたもので、現在に挙げていないものについて、もう一度、重要性を考えてみる。それがあまり価値がなくなったものであればOKだが、もし、初心を忘れているのだとすれば、重視する。次に、現在と未来で重なっているものを探す。これも中心的な価値観になる。最後に、未来にのみ、登場したものについて再度、憲章に入れるべきかどうかを検討する。
以上の手順で憲章を書く。

書き終えたら、1日~1週間、寝かせておき、見直す。

どうだろうか?あなたの根っこにある価値観や意志は整理できただろうか?もし、こ
れだと思えなければ納得がいくまでステップ4を繰り返せばよい。それでもできない
場合は、ステップ1~3に戻る。この際には先輩や同僚に相談してみるのもいいだろ
う。

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2008年5月26日 (月)

【補助線】ゲームか遊びか?

【チームワーク観A】
・チームワークとはチームのために自分を犠牲にすること
・チームのためにはやりたくないこともやらなくてはならない
・「いいやつ」よりも「勝てるやつ」とチームを組みたい
・勝つことがすべて。だからズルも大目に見られる
・ユニフォームでチームの一員であることを示す

【チームワーク観B】
・チームワークとはみんなが満足できる方法を探すこと
・自分が満足いく働きをすることがチームのためになる
・いい人であれば友だちがたくさんできる
・フェアなのが一番。だからルールは守るべき
・洋服は自分を表現するためのもの

あなたのチームワーク観に近いのはAだろうか、それともBだろうか?

実は、これは「ビジネス書の杜」でも紹介したが、パット・ハイムが書いた「HARDBALL for WOMEN(邦訳:会社のルール)」の中で指摘されている「野球のルール」と「ままごと」のルールである。

もう一度、最初の話に戻る。チームワーク観Aは野球のルールであり、チームワーク観Bはままごとのチームワーク観である。

パット・ハイムの主張は、男性は野球(ゲーム)からルールを学び、女性はままごと(遊び)からルールを学んだため、このような差が出てきたというものである。このようなチームワーク観の背景にあるのは、遊びから学べるものと、ゲームから学べるものの違いであり、遊びから学べるものは

・相手と仲良くする
・対立を避ける
・円満解決を目指す
・過程を楽しむ
・全員で決定する
・みんなで協力しあう

であり、ゲームから学べるものは

・監督の言いつけは必ず守る
・競争するのは当たり前
・チームプレイに徹する
・権力を振るう
・自分を有利に見せる
・批判を受け止める
・ゴールに集中し、勝ちを目指す

だという。

プロジェクトというのは後者のルールで行われるゲームである。少なくともアメリカでは。ところが、日本のプロジェクトマネジメントは実は「遊び」の価値観を取り入れつつある。特に、若者を中心にして。

このルール、どこから始めるかが問題なのだが、とりあえず、ビジネスであれば、「ゴールに集中し、勝ちを目指す」である。ところが、今のプロジェクトマネジメントは、いろいろと気を使いすぎなのだ。とりあえず、ゴールを明確にし、それの達成に一直線に進むといった文化を持つ組織は少ないし、必ずしも、よしとしない。

なぜか?小学生から延々と、協調性の重要性を刷り込まれてきたからだ。競争の重要性を教わってきていないのだ。競争ではとにかく目標を達成すればよい。協調は勝つこと自体にそんなに意味はない。勝負は結果であると考え、プロセスを重視する。

さて、あなたはどちらの道を選びますか?プロジェクトマネジメントはゲームに有効なマネジメントである。遊びに有効なマネジメントもある。日本型のマネジメントである。

2008年5月23日 (金)

PMサプリ125:互いの考えが変わることを前提として話し合う

どちらかが勝つか負けるかではなく、互いの考えが変わることを前提として話し合う
(平田オリザ、演出家)

【効用】
・PM体質改善
  問題解決能力向上、アカウンタビリティ向上、実行力向上、バランス感覚の洗練
・PM力向上
  プロ意識の向上、チームをまとめる力の向上、
  ステークホルダをコントロールする力の向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分】

◆Win-Winの関係は最終解か?
◆勝ち負けにこだわる限り、持続的ない
◆道路問題の決着は妥協?
◆お互いに変わるという前提が必要
◆プロジェクトマネジャーは自分も相手も変わることを信じる度量が必要

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2008年5月19日 (月)

【補助線】持続的動機づけは可能か?

プロジェクトメンバーのモチベーションを気にするプロジェクトマネジャーが増えている。このテーマで話をしていると、2つのタイプがいることがわかる。

箱の中で満足させようとするタイプと、箱の外を見せて満足させようとするタイプだ。前者は、プロジェクトの作業内容であるとか、作業環境に気を配り、楽しく仕事をしてもらうタイプである。後者はプロジェクトの成果に対する評価を向上させることによって満足させうようとするタイプである。

あなたはどちらだろうか?

前者と後者の絶対的な違いは状況をコントロールできるかどうかである。担当させる仕事とか、環境というのは、上位組織との条件闘争が必要になるにせよ、コントロール可能である。ところが、外部の評価というのは結果と出さない限り得られないし、評価指標すら、状況に応じて変わってしまうことも少なくない。

このような背景があるのだが、「お客に評価されても仕方ない」、「営業に評価されても仕方ない」といった(捨て)セリフを吐くプロマネは意外なくらい多い。このブログを読んでいる方はそんな行動はしないと思うが、心の中ではそう思ったことがある人は多いのではないかと思う。

どちらがいいかは火を見るより明らかである。メンバーを箱の中で満足させて、気持よく仕事をしている、そしてそれが結果的に外部の評価を受けたとしても、持続性はない。この種のマネジメントは麻薬と一緒で、その満足感がなくなると、動機が失われてしまう。結果として何をやってきたかというと、箱の中でメンバーが満足できるロジックを顧客に押し付けるという行動である。過剰な機能の提供、必要性の根拠に乏しい技術開発や新規技術の適用など。この辺まではご愛敬であるが、ここにたとえば、専門性を盾にとった予算水増し、納期の延長などが入ってくるともはや愛嬌では済まない。いくつく先はコンプライアンスの欠如である。これでは持続的になりようがない。

プロジェクトメンバーの動機を持続的に維持するための方法は、顧客満足と連動させるしかない。顧客満足が高めることを動機にする。顧客は満足すれば、要求レベルが上がる。そこでその要求レベルを達成することを動機にする。

このロジックには欠かせない要素がある。顧客満足に対する上位組織(組織内評価者)の評価である。

理想的な企業像は組織がそのような価値観を持っており、従業員は顧客を満足させれば評価も高くなる。しかし、現実には絵に描いた餅である。顧客満足を優先すれば、顧客の言いなりにならざるを得ない。すると、上位組織からは何をやっているのだということになり、評価は逆に低くなることが現実だろう。

この悪循環を断ち切る切り口はどこにあるのだろうか?

「もの」信仰を捨てることだ。上に述べた機能第一主義も結局はここにあるのだが、この悪循環は

 よいものを提供すれば顧客は満足する
   → 欲しがるものを提供すれば顧客は満足する

といった変化はあるものの、もの(商品)で満足させようという発想は全く変わっていないのだ。これをやっている限り、顧客の言うことなど聞こうものなら、コストは青天井になる。

ここを離れて、結局、顧客は何を欲しいのだろうという本質を考え抜く、そこにだけ、問題解決の糸口があるのではないだろうか?

2008年5月16日 (金)

PMサプリ124:自分の経験の絶対化からは何も生まれない

自分の経験の絶対化からは何も生まれない。経験のある人と経験のない人が対話する
ことによって新しい発想は萌芽する(北川達夫、フィンランド教材作家)

【効用】
・PM体質改善
  リーダーシップ発揮、創造力アップ、リスク管理力アップ、現象観察力アップ、
  バランス感覚の洗練、問題解決能力向上
・PM力向上
  プロ意識の向上、プロジェクト管理力向上
・トラブル緩和
  問題解決

【成分】

◆経験重視の持つ危険性
◆経験者にとって経験は真実
◆あるプロジェクトでの出来事
◆経験者と素人とのコラボレーションが進化を起こす
◆経験を活かすコラボレーション

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2008年5月12日 (月)

【補助線】インフォームド・コンセントを導入しよう

ある中堅SI企業の一事業部が、インフォームド・コンセント制度なるものを取り入れようとしている。提案書にインフォームド・コンセントシートなるものを添付しようとして、今、内容を検討している。

インフォームド・コンセント (informed consent) は、「正しい情報を得た(伝えられた)上での合意」を意味する概念。(Wikipedia)日本ではもっぱら医療行為に対して適用されるが、英語の本来の意味としては「あらゆる」法的契約に適用されうる概念だとある。

たとえば、弁護士の世界で、依頼者に対して、正しい情報を伝え、合意をするというインフォームド・コンセントの考え方があるという。

もう少し、Wikipediaの解説を紹介しよう。

医療行為の患者が説明を受けるべきなのは、

 治療や臨床試験・治験の内容

である。その上で、方針に合意するのだが、問題は説明の内容だ。説明は、対象となる行為の名称・内容・期待されている結果はもちろんだが、

 代替治療、副作用や成功率、費用、予後

まで説明すべきだとされている。つまり、リスクが含まれているのだ。ここがミソ。

SIのような顧客が費用を出すプロジェクトでリスクをどう扱うかは悩ましい。

が、やはり、リスクを隠したままでプロジェクトを進めていくことは、どう考えてもよい影響があるとは思えない。リスクを隠したままでプロジェクトを進めていくことが、コミュニケーションを形骸化させているケースが多いからだ。

あなたのプロジェクトでも考えてみてはどうだろう?

2008年5月10日 (土)

PMサプリ123:PDCA+Aサイクルを回せ!

PDCAサイクルからPDCAAサイクルへ(トヨタ)

【効用】

・PM体質改善
  リーダーシップ発揮、問題解決能力向上、計画力アップ、実行力アップ
・PM力向上
  ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分】

◆トヨタのPDCAAサイクル
◆PDCAサイクルの計画の難しさ
◆PDCAサイクルの難しさ
◆ベネフィットを可視化するPDCAAサイクル

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2008年5月 3日 (土)

PMサプリ122:コミュニケーションの問題は対話力不足にある

コミュニケーションの問題は対話力不足にある(津田塾大学教授・中西雅之)

【効用】
・PM体質改善
  創造力アップ、バランス感覚の洗練、リーダーシップ発揮、顧客感度アップ、
  自己統制力アップ、
・PM力向上
  ピープルマネジメント力向上、チームをまとめる力の向上、リスク対応力向上
・トラブル緩和
  モチベーション向上、チームの士気向上

【成分】

◆なぜ、コミュニケーションは難しい
◆悪い例
◆対話とはWin-Winの関係を「作っていくこと」である
◆Win-Winの関係を作る対話
◆ポイントを押さえた対話が成果のあるコミュニケーションを実現する

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2008年5月 2日 (金)

【補助線】あなたにとって、ステークホルダは敵ですか?味方ですか?

ステークホルダマネジメントがプロジェクトの肝だというのは多くの人が同感するところだろう。ステークホルダマネジメントがうまくできる人がよいプロジェクトマネジャーであるというのも異論はないだろう。

ここで本質的な問題がある。それは

 ステークホルダマネジメントは敵か、味方か

という問題だ。

ある人はステークホルダはリスクだという。ある人はステークホルダは味方だという。

この問題はその人のプロジェクトマネジャーとしての資質を決定づける問題である。はっきりいえば、

・ステークホルダを味方にできる人はAクラス
・ステークホルダを敵にしながらもうまく対処できる人はBクラス
・ステークホルダを敵にしてしまって足を引っ張られる人はCクラス

だとランキングしてまず、間違いない。なぜか?言葉を言い換えてみればすぐに分かる。

Aクラス:自分(のチーム)の能力以上のことをできるプロマネ
Bクラス:自分(のチーム)のできる範囲のことをできるプロマネ
Cクラス:やるべきこともできないプロマネ

となる。

Aクラスの人は、PMstyleでは「ひとつ上のプロマネ。」と呼んでいるプロジェクトマネジャーだ。ステークホルダの「力を借りる」ことができるので、能力以上のことができるのだ。実際に、顧客や組織の力をうまく借りて、プロジェクトを進めている人はあなたの周りにもいるのではないだろうか?

これに対してBクラスはいわゆる「箱の中で仕事をする人」だ。もちろん、能力が高い人は箱の中に入ったままで、完璧に与えられた仕事はする。

Cクラスは論外としても、プロジェクトは与えられた課題を達成する仕事だから、できる範囲のことをきちんとできればよいと思う人もいるかもしれない。

これは間違いだ。

組織はあいつは能力以上のことをやると信頼できれば、目標を高く設定できる。つまり、組織からすれば、より多くの収益、より高い顧客満足を期待できるわけだ。ゆえにAクラスなのだ。

実は、Aクラスと能力の高いBクラスのプロジェクトマネジャーの差というのは、心構え、あるいは、ちょっとしたヒューマンスキルの差にすぎない。ちょっとしたコツを掴めば、Aクラスのプロジェクトマネジャーになることができる。

ぜひ、Aクラスを目指してほしい。

あなたをAクラスのプロマネ。に導くセミナーを2件ご紹介しよう。

【1】ステークホルダーを動かす ~「影響力の法則」
影響力の法則を実践し、プロジェクトステークホルダをうまく動かすことをテーマに
したワークショップ型のセミナーを開催します。2日間のセミナーですが、影響力の
法則の本には書いていない、実践ポイントがわかるセミナーです。

影響力の法則を身につけたい方は、ぜひ、ご参加ください!14PDU発行されます。

〓【開催概要】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◆ステークホルダーを動かす ~「影響力の法則」    ◆14PDU取得可能
  日時:2008年5月8日 10:00~18:00 5月9日 9:30-17:30
  場所:ダイヤモンド社石山記念ホール (東京都渋谷区)
  講師:高嶋 成豪(インフルエンス・テクノロジーLLC)
  詳細・お申込 http://www.pmstyle.biz/smn/influence.htm
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
【カリキュラム】
1 オリエンテーション
2 影響力の基盤
3 影響力の法則
4 現実への応用1
5 現実への応用2
6 現実への応用3
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【2】「ひとつ上のプロマネ。養成講座」~ステークホルダーへの影響力を身につける

ひとつ上のプロマネとは、既存のやり方に拘らず、「考え抜いて」プロジェクトを成
功させるために必要な、姿勢とスキルに裏打ちされたプロジェクトマネジメントを行
うことにより、プロジェクトを成功に導くことのできるプロジェクトマネジメントと
プロジェクトマネジャーです。

第1回ではプロジェクトマネジメントの最も肝要となるところで、ステークホルダを
分析し、そのステークホルダをプロジェクトに協力してもらうようにマネジメントし
ていく方法について議論し、ステークホルダに影響を与え、協力を得る方法について
考えます。

〓【開催概要】〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
 ◆ 「ひとつ上のプロマネ。養成講座」
    第1回 ステークホルダーへの影響力を身につける◆7PDU取得可能
  日時:2008年5月20日(火) 10:00-18:00
  場所:銀座ビジネスセンター(東京都中央区)
  講師:好川哲人(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス)
  詳細・お申込 http://pmstyle.biz/smn/stakeholder.htm
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
【講義】
・ステークホルダはプロジェクトに対して何を求めているか
・プロジェクトにおけるステークホルダ接点の作り方とタイミング
・影響力を与える方法
・ステークホルダコミュニケーションの仕組みづくり

【グループ討議】
・プロジェクトへ影響力のあるステークホルダの見極めと分析
・ステークホルダの求めるものは何か?
・ステークホルダに影響力を与えるには

【ロールプレイ】
・顧客から仕様変更要求があったときの対処ロールプレイ
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

2008年4月30日 (水)

【補助線】ディライトを提供できるのはプレミアムはプロジェクト

◆プレミアムとは

先日、パソナテック様のITプレミアムという事業のオープニングのセミナーの講師をした。事業内容はパソナテックのホームページを見て戴きたいのだが、こういう分野にプレミアムという概念が持ち込まれるようになったかと思い、多少、驚いた。

ベンツに乗って99円ショップに行くという比喩ではないが、最近の消費財(BtoC)の市場傾向として、二極化と、高級(プレミアム)と低級の使い分けという消費者行動が見られるようになってきたという指摘がよくされる。その中で中級だけが苦戦している。

この市場傾向はしばらく続くと思われるが、問題はプレミアム市場で日本企業はまったくの無力だということだ。プレミアム市場を圧巻しているのは海外企業で、ついでにいえば低級品市場ではもう中国にかなわない。そんな市場構造の中で、中級品のニーズがある海外市場で好況感がでているというのが今の日本企業だろう。

そんな中で、昨年、ローランド・ベルガー会長と早稲田大学教授という二足のわらじをはく遠藤功さんが、「では、どうすれば日本発のプレミアム商品を作れるのか?」をテーマに「プレミアム戦略」という本を書かれた。

プレミアム戦略

この本の中で遠藤氏はプレミアムを

 「プレミアム」=「機能的価値」+「情緒的価値」

と定義している。

◆プレミアム商品の作り方

そして、海外のプレミアムブランドは、「物語」や「ストーリー」などを駆使し、情緒的価値を作り上げているのに対して、日本のブランドには情緒的価値が希薄であると指摘している。

これまで、中級市場をメインにやってきた企業がプレミアム市場で成功するのは至難の業であるが、今後はなんとかやりきらなくてはならないのだろう。最近の取組で、このような取り組みで最も目につくのはやはり、レクサスである。海外では中級ブランドとして成功を収めているLexusを2005年に日本ではプレミアムブランドとしての展開を始めた。競合ターゲットは、BMW、メルセデス、アウディといったところだ。この取り組みの中では、立派なショールームを作り、きちんとした対応をするととにも、従来にはないメンテナンスサービスを提供遠藤氏の指摘する物語を重視している。

さて、ここで注目したいのは、この情緒的価値は消費材に限ったことかという話だ。

◆生産財におけるプレミアム

生産財では、当然ながら、機能的な価値を徹底的に追及する。機能的価値がその商品を使う顧客のビジネスの生産性に直結するためだ。ところが情緒的価値がないかというと決してそんなことはない。たとえば、信用である。

みなさんの会社にもいると思うが、顧客からの指名されるプロジェクトマネジャーというのは必ずいる。これは機能的価値が評価されているようにも思えるが、マネジメントは技術と比べると複雑であり、技術者が指名されるよりははるかに情緒的価値が高い。

ある企業が、この点に注目をし、指名されるプロジェクトマネジャーのコンピテンシーやスキルに着目し、プロジェクトマネジメント標準の中にプロセス、および、コンピテンシーとして含めたところ、要件定義の問題が発生したプロジェクトが当初の70%から、20%まで削減できたという事例がある。

これこそ、プレミアムである。このシリーズでずっと述べてきているディライトとプレミアムというのは強い関係がある。

ディライトを提供できるのはプレミアムはプロジェクトなのだ。

PMstyle 2025年9月~12月Zoom公開セミナー(★:開催決定)

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。