
◆パーパスは組織と個人を統合する
前回は、コンセプチュアルプロジェクトマネジメントの概要を説明し、ポイントになる目的や本質目標の設定の考え方を説明しました。その中で、プロジェクトの目的には経営からの視点としてのMUST(必要性)、プロジェクトメンバーの視点としてのWANT(願望)があり、これらを統合する必要があることを述べました。そして、そのためにはプロジェクトのコンセプト、すなわち
・プロジェクトの経営的な成果の本質は何か
を考えることが有効であるとしました。
前回はあまり明確にしていませんが、パーパスドリブンのプロジェクトマネジメントとは、文字通り、パーパスに従ってプロジェクトを進めていくことです。
第2回で述べましたように、パーパスという概念の前提は、会社組織のパーパスがあり、そこで働く個人にもパーパスがあり、それらが統一(一致)していることです。言い換えると、その会社で働く一人一人がなぜその組織にいるのかをきちんと説明できることだと言えます。
その中で、プロジェクトはテンポラリーな活動ですので、そのチームや活動は組織のパーパスや個人のパーパスと統一的なパーパスを持つ必要があります。そして、そのパーパスに基づいて前回説明しましたプロジェクトの目的を設定する必要があります。
そのようなプロジェクトにしていくことによって初めてプロジェクトがメンバー一人一人のコミットメントを引き出し、戦略を実行するという経営の要請に応えることのできます。
では、どうすれば組織と個人のパーパスを統一したプロジェクトのパーパスを決定することができるのでしょうか。これが今回のテーマです。
最近のコメント