【イノベーション戦略ノート:036】イノベーションのタイミング
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◆時計におけるパラダイムシフト
イノベーションとパラダイムの関係で有名な事例はいくつかあるが、もっとも有名な事例は時計のパラダイムシフトだろう。多くの人はぴんときたと思うが、機械式の時計からクオーツ時計にパラダムが変わった。
1960年代までスイスは圧倒的な時計王国だった。数字を見るとよく分かる。
販売個数ベースのシェア 65%
利益ベースのシェア 80~90%(推理)
それまでスイスは最高品質の自動巻きの腕時計において、イノベーションを追求していた。ところが、1970年に入り、時計作りのルールが変わり、機械時計から電子時計の時代になった。1981年までに時計作りに携わっていた6万2千人のうち5万人が職を失った。1980年の数字見ると
販売個数ベースのシェア 10%以下
利益ベースのシェア 20%以下
になった。スイスに変わって台頭してきたのが日本である。1960年代にすでに品質ではスイスと肩を並べていたものの、世界でのシェアは1%以下だった。ところが80年代になると、33%以上のシェアを占めるに至った。
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