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2012年7月

2012年7月11日 (水)

【イノベーション・リーダーシップ】第3話 ビジョンの源泉

Gensen◆ビジョンとはなにか

前回、ビジョンのチカラとイノベーティブ・リーダーにとってビジョンはどのような意味があるのかというお話をした。

イノベーティブ・リーダーがビジョンを巻き込みにつなげていくには、ビジョンを作ること自体りは、それを他の人に理解し、信じてもらうことが重要であり、もっと重要なのは「自分のこと」として考えてもらうことである。

なぜか?これは、ビジョンというものの性格に関わってくる。前回の記事では拡張されたプロジェクト目的がビジョンであると述べたが、ビジョンは一般的には

・現実から飛躍している
・実現を信じることができる

の側面を持つ構想だといえる。人によってはビジョンは実現できないからビジョンなのだと考える人もいる。これも一つの真実だといえよう。

そのようなビジョンの性格も踏まえて、ミソは、実現を「信じる」ことができるという点である。現実から飛躍しているというポイントは、ある程度の客観性がある。しかし、実現を信じるかどうかは、相当に主観的な部分があって、極論すれば人によって違う。そこで、プロジェクトビジョンを作るためには、信じてもらえるように説得することが極めて重要なファクターになる。

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プロジェクトの補助線オンラインコミュニティ設立記念ワールドカフェのご案内

Cafe日本でも、アジャイル、デザイン思考、リーンなど、これまでのウォーターフォールとは異なる開発やプロジェクトの進め方が何かと話題になるようになってきました。米国では、金融系のシステム開発で、一部のプロセスにアジャイル開発手法を適用しているプロジェクトが50%を超えるという数字があるようで、もう引き返せないところまできていると考えてよいでしょう。

翻って日本では、「関心は高いが、導入のハードルも高い」という戦略マネジメントや、プロジェクトマネジメントで見たような光景が繰り返されています。

ただ、今回の問題はこれまでと少し異なる部分があります。それは、内部の仕事の進め方の変革ではなく、顧客との関係の変革に本質があるからです。

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2012年7月10日 (火)

リフレクションで経験に意味を与える

◆経験でマネジメントを極める

Manabiよく、マネジメントには正解がないといいます。なんか、これも最近では思考停止ワードの一つになっているようで、「自己流でいいんだ」と解釈している人が増えているようです。

もちろん、自己流でいいのですが、無条件というわけではありません。

マネジメントに正解はないということはどういうことか。マネジメントは結果で評価されるということです。マネジメント自体は業務を円滑に遂行するための手段です。その業務がうまくいけばマネジメントはよかったといえますし、うまく行かなければマネジメントが悪かったと評価されるでしょう。

しつこいようですが、うまくいったマネジメントの方法が「正解」というわけではありません。たまたま、その状況でうまく機能しただけかもしれません。似たような別の業務で、同じマネジメントをしてもうまく行くとは限りません。

このようにマネジメントというのは大変厄介なものですが、マネジメントの道を究めるには何をすればよいのでしょうか?

そこで注目されるのが、経験です。

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【戦略ノート289】プロジェクトの成果の質はスポンサーが関わる程度に比例する

◆プロジェクト成果の質を上げる

Isiプロジェクトの成果について、よく言われる法則がある。それは、

プロジェクトの成果の質は最終的な意思決定者が関わる程度に比例する

という法則である。多くの人が共感している法則だ。

ここでいう最終的な意思決定者とは誰だろう。真っ先に思いつくのは、経営トップであるが、経営トップだけだとは限らない。意思決定の権限を持つ管理者、いわゆるプロジェクトスポンサーはすべて該当する。むしろ、現実的にはプロジェクトスポンサーであることが現実的である。

サントリーで、情報システム部長、事業企画部長、工場長、商品開発研究所長、事業
本部長を歴任され、役員にまでなられた、橋本忠夫さんは、

プロジェクトスポンサーが誰かわからないプロジェクトは失敗の確率が高い

と言われているが、この指摘も同じ指摘だと考えることができる。プロジェクトスポンサーが明確でないということは、最終的な意思決定者が経営トップであることになる。このようなプロジェクトは失敗する。

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2012年7月 6日 (金)

【戦略ノート288】プロジェクト要求とプロダクト要求

Yokyu◆2つの要求

スコープにプロダクトスコープとプロジェクトスコープがあるように、要求にもプロダクト要求とプロジェクト要求がある。要求=顧客(ユーザ)要求だと考えていると、ちょっと違和感があるかもしれないので、少し、ITの受注プロジェクトを例にとって商流の整理をしておこう。

ITのプロジェクトではRFPによって、顧客が調達をする際の要求が提示される。RFPではもっぱらプロダクト要求(技術要件)が注目されるが、技術要件以外にも、マネジメント要件が示されるのが一般的である。これらの顧客要求に対して、ベンダーは企業として提案をする。

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2012年7月 1日 (日)

【補助線】オーナーシップの本質

◆オーナーシップとは

Ownerオーナーシップという概念がある。辞書を引くと、所有権、持ち主といった説明がされている。オーナーシップはさまざまなレベルに適用される概念だ。会社、プロ野球球団などのオーナーシップもあれば、会社の業務レベルのオーナーシップもある。あるいは、作業レベルのオーナーシップもあるし、少し、視点を変えれば、問題のオーナーシップという考え方もある。

会社や組織のオーナーシップというのはイメージがあると思うので、それ以外について少し、触れておく。まず、業務のレベルのオーナーシップであるが、その業務の進め方に関する決定権を持つ人である。たとえば、人事や、ファイナンス、マーケティングなどのオーナーシップはどこの会社にいっても明確だ。最近では情報システムや技術についてもオーナーシップを明確にしている会社も増えてきた。オーナーシップを持つ人は、チーフオフィサーと呼ばれ、CHO(人事)、CFO(財務)、CMO(マーケティング)、CIO(情報)、CTO(技術)などのロールが決められている。

プロジェクトマネジメントについても、チーフオフィサーを定めている組織が増えており、CPOと呼ばれている。

【PMスタイル考】第13話:プロジェクトマネジメントのオーナーシップ
https://mat.lekumo.biz/pmstyle/2010/09/style13.html

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。