「ひらめき」の達人たちはどんなことを考え、行動しているのか
伊藤 穰一(狩野 綾子訳)「「ひらめき」を生む技術 (角川EPUB選書)」、KADOKAWA/角川学芸出版(2013)
お奨め度:★★★★★+α
MITメディアラボで伊藤穣一所長が自分の人脈をつなぎ各界の第一線で活躍するスペシャリスト達を呼んで、学生たちの前でディスカッションする「カンバセーション・シリーズ」の中から、伊藤さん自身が対談した4名の対談録に、伊藤さんの解説をつけた本。
刺激を受けるという点においては、まれにみる一冊だ。
伊藤 穰一(狩野 綾子訳)「「ひらめき」を生む技術 (角川EPUB選書)」、KADOKAWA/角川学芸出版(2013)
お奨め度:★★★★★+α
MITメディアラボで伊藤穣一所長が自分の人脈をつなぎ各界の第一線で活躍するスペシャリスト達を呼んで、学生たちの前でディスカッションする「カンバセーション・シリーズ」の中から、伊藤さん自身が対談した4名の対談録に、伊藤さんの解説をつけた本。
刺激を受けるという点においては、まれにみる一冊だ。
リチャード・コッチ(高遠裕子訳)「並外れたマネジャーになる 80対20の法則」、阪急コミュニケーションズ(2013)
お奨め度:★★★★★+α
マネジャーの陥る落とし穴の一つにアクティブノンアクションと呼ばれる状態がある。日本語でいえば、不毛な忙しさ。
本書は、アクティブノンアクションを回避する方法として、ヴィルフレード・バレードが見つけリチャード・コッチが80対20の法則と名付けた法則のマネジャー版である。アクティブノンアクションの自覚のあるマネジャーは必読の一冊。今年一番のマネジャー向けの啓蒙書。
博報堂ブランドデザイン「ビジネスを蝕む 思考停止ワード44 (アスキー新書)」、アスキー・メディアワークス(2013)
お奨め度:★★★★★
いや~、この本面白い!
このシリーズはまっているが、この本、これまでで最高。
僕もこういう指摘を良くする方だと思うが、全然、気づいていない言葉を多数発見。あっぱれ。いわゆるバズワード集。
処方箋も簡潔に書いてあるので、思い当たる言葉がある人はぜひ読んでみることをお奨めする。
ロバート・B・チャルディーニ(岩田 佳代子訳)「影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく」、SBクリエイティブ(2013)
お奨め度:★★★★1/2
ロバート・B・チャルディーニがセールスマンや広告主の世界に入り込み、人がどのような心理的メカニズムで動かされるのか解明した「影響力の武器」。世界的な大ベストセラーであるが、その後、世界各地の読者から寄せられたレポートを追加した、第2版、六つの原理を実社会で活用した50余りの事例をユーモアを交えて描き、人や組織から同意と承諾を得る方法を、社会の場面にあわせて個別具体的に解説した実践編、そして、理論を実証した本書に行きつく。
ジョン・ガーズマ、マイケル・ダントニオ(ヤマザキマリイラスト, 有賀裕子訳)
「女神的リーダーシップ 世界を変えるのは、女性と「女性のように考える」男性である」、プレジデント社(2013)
お奨め度:★★★★★
最近、米国で話題になっている本が翻訳。「テルマエ・ロマエ」で知られるグローバルな漫画家ヤマザキマリさんの素敵な表紙が目立つ「女神的リーダーシップ」という本。原題は「THE ATHENA DOCTRINE」というタイトルで、ATHENAはアテネの守護神で、知恵・芸術・学芸・戦争などの女神。ATHENAのドクトリン(教義)というわけだ。内容的には大規模なグローバル調査に基づき女性的なリーダーシップの重要性について述べた本である。
2013年11月に書いたブログ記事は以下の2冊でした。
「アグリゲーター 知られざる職種 5年後に主役になる働き方」
「BCG 未来をつくる戦略思考: 勝つための50のアイデア」
売れ筋は1位は初登場で、ロバート・キーガン&リサ・ラスコウ・レイヒーの「なぜ人と組織は変われないのか――ハーバード流 自己変革の理論と実践」でした。難しいけど、割とピンとくるところが多い本で、良い本です。アマゾンでもよく売れていますね。
第2位は「世界で最もイノベーティブな組織の作り方」でした。これも初めて。第3位も初登場で、「シナリオプラニング」でした。この本もアマゾンでよく売れていますね。
記事をかけておらず、facebookで読んだ本を紹介しているだけというのもあるんでしょうけど、ブログ関係なしに、アマゾンの売れ行きがそのまま反映されているような順位になっています。
ということで、ベスト3は以下の通りです。
ネイト・シルバー(川添節子訳、西内啓解説)「シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」」、日経BP社(2013)
お奨め度:★★★★★
野球選手のパフォーマンスを予測する理論"PECOTA"を開発したことでも知られるネイト・シルバーが「予測」をテーマに書いた本。当たる予測と外れる予測を分けるものは何か、その可能性と限界はどこにあるのかなどの問題について、事例に基づき考察している。
天野 祐吉「成長から成熟へ さよなら経済大国 (集英社新書)」、集英社(2013)
お奨め度:★★★★★+α
10月に死去された天野祐吉さんの遺作となるエッセイ。計画的廃品化、差異化、生活大国の3つにキーワードで、戦後の文明を広告を通じて論評している。
相変わらず、軽やかで、本質をついたエッセイもこれで読み納めかと思うと、残念だ。
ダン・ゼドラ(伊東奈美子訳)「5 (ファイブ) 5年後、あなたはどこにいるのだろう?」、海と月社(2013)
お奨め度:★★★★★
書籍ブログを書いていると、数年に一冊くらいの感じで、人にはおしえたくないなあと思う本に出会うことがある。そんな本。
見る、読む、書くで読者の可能性を刺激し、楽しみながら、想像に溢れたこれから5年間の姿を見せてくれる本。実に楽しくて、良い本だ。
瀧本 哲史「君に友だちはいらない」、講談社(2013)
お奨め度:★★★★★
マッキンゼー仕込みのチームマネジメントの実践経験を通じて、チームマネジメントのあり方を書いた本。良いチームはたいてい
・小人数である
・メンバーが互いに補完的なスキルを有する
・共通の目的とその達成に責任を持つ
・問題解決のためのアプローチの方法を共有している
・メンバーの相互責任がある
という性質を持っているとし、その実現方法を述べた一冊。
柴沼俊一、瀬川明秀「アグリゲーター 知られざる職種 5年後に主役になる働き方」、日経BP社(2013)
お奨め度:★★★★★
アグリゲーターとはあまり耳にしない言葉だ。この本のあとがきにも触れられているように、いまどき、インターネットで検索してみてもほとんど出てこない言葉だが、組織の枠にとらわれず、才能ある人、技術、チャンスをどん欲に巻き込みプロジェクトを遂行する。そんな人材を「アグリゲーター」と呼ぶ。この本はアグリゲーターとはどんな人で、アグリゲーターを育成することで会社や社会がどう変わるかを議論した本。
マイケル・ダイムラー、リチャード・レッサー、デビッド・ローデス、ジャンメジャヤ・シンハ(御立 尚資監修、 ボストン コンサルティング グループ訳)「BCG 未来をつくる戦略思考: 勝つための50のアイデア」、東洋経済新報社(2013)
お奨め度:★★★★★+α
プロダクトポートフォリオマネジメントで知られるボストン・コンサルティング・グループが50周年を迎えるらしい。50周年に刊行された本がこれ。
彼らの叡智を
・変化対応力
・グローバリゼーション
・コネクティビティ(接続性)
・サステナビリティ(持続可能性)
・顧客視点
・組織能力向上
・価値志向
・信頼
・大胆な挑戦
・組織の力を引き出す
の11のテーマに分けて、50の論文を採録している。羅針盤ともいえるような一冊。
2013年10月に書いたブログ記事は以下の3冊でした。
「USERS 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略」
「キラー・クエスチョン 常識の壁を超え、イノベーションを生み出す質問のシステム」
「言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密」
売れ筋ですが、ガリガリ君が1位でした。2位はダニエル・ピンク、3位は偶然同じ時期に刊行されたボスコン本2冊が仲良く3位でした。
ということで、ベスト3は以下の通りでした。
遠藤功「言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密」、潮出版社(2013)
お奨め度:★★★★★
「見える化」を広めた遠藤功先生がガリガリ君で躍進する赤城乳業を支える「言える化」の謎を解いた一冊。言える化というのは赤城乳業の造語で、文字通りなんでも言おうということで、赤城の製品開発力を支える一つの柱だが、口で言うほど簡単ではないことは「サラリーマン」ならよく分かるだろう。なぜ、赤城乳業は言える化ができたのかが分かり、とても参考になる。
フィル・マッキニー(小坂恵理訳)「キラー・クエスチョン 常識の壁を超え、イノベーションを生み出す質問のシステム」、阪急コミュニケーションズ(2013)
お奨め度:★★★★★
質問に着目した、イノベーションマネジメントの本。FIRE と呼ぶイノベーションマネジメントのサイクルを提唱し、この中でどのような質問をすればイノベーションを加速できるかを述べている。質問をイノベーションの触媒として捉えている本は何冊かあるが、この本は長年集めたという質問を具体的に示しており、実践的な本である。
アーロン・シャピロ(萩原 雅之監訳、梶原 健司、伊藤 富雄訳)「USERS 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略」、翔泳社(2013)
お奨め度:★★★★★
<紙版><Kindle版>
顧客主義ではなく、デジタル時代の卓越した企業の基本理念になると言われるユーザーファーストというコンセプトを示した一冊。
しっかりとした概念構築の上で、デジタル時代を勝ち抜いてきたさまざまな企業の事例を示しているので、コンセプトも分かりやすいし、実践の方法もイメージしやすい。
「非常識な本質――ヒト・モノ・カネ・時間がなくても最高の結果を創り出せる」
https://mat.lekumo.biz/books/2013/09/post-95da.html
「世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業」
https://mat.lekumo.biz/books/2013/09/post-830a.html
「TEDトーク 世界最高のプレゼン術」」
https://mat.lekumo.biz/books/2013/09/post-76b5.html
「世界一の企業教育機関がつくった仕事の教科書」
https://mat.lekumo.biz/books/2013/09/post-8661.html
売れ筋ですが、今月は先月のベスト3から2冊が変わり、ついに、TEDトークが1位になりました。そして、3位になんと、「なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか? 」が入り、ベスト3の2冊が営業関係の本という結果になりました。(3位は同数あり)
ということで、ベスト3は以下の通りでした。
ジェイク・ブリーデン(宮本喜一訳)「世界一の企業教育機関がつくった仕事の教科書」、アチーブメント出版(2013)
お奨め度:★★★★★+α
グーグル、スターバックス、マイクロソフト、IBMなどの企業をクライアントにもち、エグゼクティブ教育では世界一だと言われるディーク・コーポレート・エディケーションで教鞭をとる著者が新しい仕事の常識を述べた一冊。もし、これらの企業においてリーダーがこの本にあるような行動をできているのだとすれば、エクセレントカンパニーであることが納得できると思わせる一冊。すべてのリーダーに読んで欲しい。
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