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2013年11月 6日 (水)

BCGの叡智のおすそ分け

4492557369マイケル・ダイムラー、リチャード・レッサー、デビッド・ローデス、ジャンメジャヤ・シンハ(御立 尚資監修、 ボストン コンサルティング グループ訳)「BCG 未来をつくる戦略思考: 勝つための50のアイデア」、東洋経済新報社(2013)

お奨め度:★★★★★+α


プロダクトポートフォリオマネジメントで知られるボストン・コンサルティング・グループが50周年を迎えるらしい。50周年に刊行された本がこれ。

彼らの叡智を

・変化対応力
・グローバリゼーション
・コネクティビティ(接続性)
・サステナビリティ(持続可能性)
・顧客視点
・組織能力向上
・価値志向
・信頼
・大胆な挑戦
・組織の力を引き出す

の11のテーマに分けて、50の論文を採録している。羅針盤ともいえるような一冊。


変化対応力では

1 なぜ戦略に戦略が必要なのか
2 アダプタビリティ(変化適応力)
3 エコシステム・ベースの優位性
4 アダプティブ・リーダーシップ
5 ケイパビリティ競争

の5編。グローバリゼーションは

6 グローバリティ
7 グローバル・チャレンジャー
8 新興国都市
9 欧米の知らない中国
10 アフリカのチャレンジャー企業

の5編。コネクティビティ(接続性)としては

11 デジタル・マニフェスト
12 渇望されるデータ
13 処理能力と携帯性の衝突
14 中国のデジタル世代3・0

の3編。サステナビリティ(持続可能性)は

15 サステナビリティ志向イノベーション
16 サステナビリティから実質的な消費者価値を生み出す
17 ニュー・サステナビリティ・チャンピオンの潜在的インパクト

の3編。顧客視点には

18 妥協からの脱皮
19 ブランドを軸とした変革
20 ビジネスモデル・イノベーションで新興国中間層をとらえる
21 「宝探し」消費

の4編。組織能力向上には

22 パフォーマンスの高い組織
23 組織ピラミッドの再構築
24 リーン生産方式から学ぶ
25 需要主導型サプライチェーン(DDSC)
26 プライシングを自在に操る
27 変革推進型IT組織

の6編。価値志向としては

28 エクスペリアンス・カーブ再考
29 「The Rule of Three and Four」
30 投資家としてのCEO
31 戦略を軸に企業価値を創出する
32 M&A後の統合マネジメント(PMI)への取り組みを強化する
33 回復力

の6編。ここが一番勉強になった。さらに、信頼として

34 ソーシャル・アドバンテージ
35 相互依存型信頼から評判へ
36 政治家の復権
37 コラボレーション・ルール

の4編。さらに、大胆な挑戦というテーマで

38 新しい箱で考える
39 シナリオ・プランニング再考
40 ビジネスモデル・イノベーション
41 バリューチェーンのデコンストラクション
42 タイムベース経営
43 低コスト・ビジネスモデル
44 ハードボール宣言
45 トランスフォーメーションをリードする

の8編。最後の、組織の力を引き出すには

46 ジャズvs.シンフォニー
47 プロービング(探針)
48 スマート・シンプリシティ
49 戦略的楽観主義
50 チェンジモンスターとの30年間から学んだこと

の5編が採録されている。

PPM のような古いテーマから、サステナビリティ志向イノベーションとか、エクスペリアンス・カーブ再考、回復力、スマート・シンプリシティなど新しいテーマも あるが、いずれも、圧倒されるようなクオリティだ。50本のタイトルで聞いたことがないものはなかったし、専門にしているものもいくつかあるが、たいへ ん、勉強になった。これがボスコンクオリティということだろう。

最後の論文として、チェンジモンスターとの30年間から学んだことという論文が採録されているのが非常に印象的である。

最近、マッキンゼーを描いた本が出たが、この本を眺めていると、マッキンゼーとボスコンの違いというのがよく分かる。経営の方向性を示すという意味では、ボスコンが圧倒しているように思う。

マネジメントの教科書代わりに一冊持っておくとよいだろう。

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