人には教えたくない本
ダン・ゼドラ(伊東奈美子訳)「5 (ファイブ) 5年後、あなたはどこにいるのだろう?」、海と月社(2013)
お奨め度:★★★★★
書籍ブログを書いていると、数年に一冊くらいの感じで、人にはおしえたくないなあと思う本に出会うことがある。そんな本。
見る、読む、書くで読者の可能性を刺激し、楽しみながら、想像に溢れたこれから5年間の姿を見せてくれる本。実に楽しくて、良い本だ。
5年後を考えようとか、未来を考えようというときに、問題なのはその方法論ではないと思う。
シナリオプラニングでも、キャリアデザインでもなんでもいいのだ。問題はどれだけ想像できるかにある。
ドライビングフォースは何ですかと聞かれても、そんなに人は想像できるものではない。苦し紛れに何かひねり出すのがオチだ。豊かな未来を描こうと思えば、想像できる環境というか、想像させることが不可欠だ。
この本は実に多くの要素が含まれてる。
この手の本のご多分に漏れず、ミッションはなんだとか、価値はなんだとかを書き出すページがあるかと思えば、突然、
夢を追いかけよう、行くべき道は夢が教えてくれる
といった一つの印象的なフレーズが書かれた見開きページが現れる。こんなはっとするメッセージもある。
最後に「初めてのこと」をしたのはいつ?
と思えば、助けてくれる人を5人書き出してみようとか、1日1日を大切にしようということで、残された時間を計算してみようとくる。クロニクルもある。
と思えば、突然、有名人の言葉の紹介も出てくる。
人生の悲劇は目標が達成できないことではない。悲劇とは達成すべき目標がないことだ。
著者であるダン・ゼドラも語りかけてくる。
わたしたちは常に自分が想像しているよりもはるかに多くのものを持っている。自問すべきは、「できるだろうか?」ではない。「どうすればできるか?」だ。
読んで楽しむ、見て楽しむ、書いて楽しむ、などあらゆる方法で読者を刺激し、5年後の想像を助けてくれる。
年末年始の休暇にぜひ、楽しんでほしい!
コメント