2012年11月 7日 (水)

現代の管理職に求められるものと、その達成方法を学ぶ

4480066799樋口 弘和「理想の上司は、なぜ苦しいのか: 管理職の壁を越えるための教科書 (ちくま新書)」、筑摩書房(2012)

お奨め度:★★★★★

管理職のあり方について書いた本は多いが、この本は、管理職に求められるものがどのように変わってきたか、そして、その変化にどのように対応していけばよいかを解説している。

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アイデアイノベーション~ファシリテーション・スキルズ・シリーズ第6弾

4532318467堀 公俊、加藤 彰「アイデア・イノベーション―創発を生むチーム発想術」、日本経済新聞出版社(2012)

お奨め度:★★★★★

PMstyleでお世話になっている加藤彰さんが、堀 公俊さんと共著されているファシリテーターのバイブル「ファシリテーション・スキルズ・シリーズ」に新刊が出ました。

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2012年11月 6日 (火)

【ランキング】2012年10月ベスト3

Best310月のベスト3です。
ブログで紹介した本の間に挟まれて、facebookで何回か取り上げたMAKERSが2位に食い込みました。

【お知らせ】ビジネス書の杜 リニュアルのお知らせ

Newいつも、「ビジネス書の杜」ブログおよび、「ビジネス書の杜」facebookページをご利用いただき、ありがとうございました。最近、更新が滞っており、申し訳ありません。

ビジネス書の杜は、MBAコースに行っているときに、浴びるように本を読み、何か残しておかないともったいないと思って、ホームページとして始めたものです。今年が15年目になります。

この何年かは、ブログでは4000字程度の丁寧な紹介記事を書いています。また、昨年からはfacebookの方でもfacebookページを作り、1000字程度の紹介を書くというスタイルをとってきました。また、facebookで多くの人がいいね!をしてくれた本をブログで紹介するという連携もしてきました。

ブログの方は、1年位前からかなり負担を感じており、リフォームのタイミングを計っていました。

facebookページですが、facebookの見られ方を見ていると、今の形態が、必ずしも、適切ではないと思うようになりました。

これらの状況を踏まえ、以下のようにすることにしました。

・facebookには、読んだ本をメモとして紹介する。また、読んだ本以外の情報でも、ビジネス書に関連する情報は広く紹介する

・ブログの方は、詳細な紹介記事は止め、いま、facebookに掲載している程度の分量で、選りすぐった本の書評を書く

ということで、これからも、「ビジネス書の杜」をよろしくお願いいたします。

2012年10月 9日 (火)

コンセプト立案力を高める4つのステップ

4478021570木谷 哲夫「成功はすべてコンセプトから始まる」、ダイヤモンド社(2012)

お奨め度:★★★★★+α

facebook記事「「思い」を「できる」にかえる

元マッキンゼーのコンサルタントの書いたコンセプトを中心にした仕事術。今、もっとも求められるのはコンセプト立案力であり、経験や蓄積が競争に役立たなくなっている中で、いかにコンセプトで競争をするかを述べた本。

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2012年9月24日 (月)

顧客起点のしくみづくり

4478020981電通コンサルティング「しくみづくりイノベーション」、ダイヤモンド社(2012)

お奨め度:★★★★★

facebook記事:「顧客を起点にビジネスをデザインする

電通コンサルティングのMDBD(Marketing Driven Business Design)という戦略アプローチを解説した本。なのだが、内容はMDBDについて説明しているというよりも、このアプローチのフレームワークに沿って、いま、世の中でどういうやり方が注目されているかを非常に適切に解説しているビジネスモデルイノベーションの教科書といってよい内容の一冊。

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2012年9月17日 (月)

天才でなくてもイノベーションを達成できる

4822231437小林 三郎「ホンダ イノベーションの神髄――独創的な製品はこうつくる」、日経BP社(2012)

お奨め度:★★★★★

facebookページ:「イノベーションの本質を突き止める

ホンダを題材にしたイノベーション論。ホンダという企業の面白さもあるが、切り口が鋭く、多くの企業やマネジャーが明日から実践できる、非常に実践的なイノベーション論にまとまっている。

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2012年9月11日 (火)

部族という新しい組織の形

4062176009セス・ゴーディン(勝間 和代訳)「トライブ 新しい“組織”の未来形」、講談社(2012)

お奨め度:★★★★★


稀代のマーケッタであり、コンサルタントであるセス・ゴーディンの新作。翻訳は勝間和代さんで、彼女自身が持ち込んだ企画だそうだ。まえがきに、自分自身はこの本が出る前からこういう活動をやっていたよと言わんばかりの自身の活動を書かれているのが本としてはちょっと残念だが、トライブという概念自身は本物で、本もよい本だと思う。自分の活動スタイルを模索している人には、ぜひ、一読をお奨めしたい。

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2012年9月 3日 (月)

無駄のないイノベーションの方法

4822248976エリック・リース(伊藤 穣一解説、井口 耕二訳)「リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす」、日経BP社(2012)

お奨め度:★★★★★

リーンスタートアップとは、早期についてくれた顧客から意見を求め、顧客の望みを中心に、決して顧客の意見を聞かず、ユーザで実験を行いながら意思決定を科学的に行いながらスタートアップを行う方法である。本書はリーンスタートアップについて、考案者であり、IMVUで成功をおさめたエリック・リースがそのポイントをまとめた一冊。

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2012年7月12日 (木)

毎日の小さな実践が大きな変革を起こす

4478016747ダグラス・コナン、メッテ・ノルガード(有賀 裕子訳)「リーダーの本当の仕事とは何か――わずかな瞬間で相手の抱える問題を解決する3つのステップ」、ダイヤモンド社(2012)

お奨め度:★★★★★+α

米国大手食品メーカー、キャンベルスープのCEOとして、急降下していた業績と従業員のやる気を回復させ大きく成長させた評判の著者が、自ら実践して鮮やかな効果をあげた「タッチポイント流リーダーシップ」の本質を語った1冊。

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2012年7月10日 (火)

【ランキング】2012年1月~6月ベスト10

1st2012年上半期のビジネス書の杜売り上げベスト10は以下のとおりでした。

トップはダントツで、ケン・シーガルさんの「Think Simple」でした。ジョブズという人は存在そのものが物語で、、取材本であれば、誰が書いてもそれなりに面白い本になると思っていましたが、この認識が一変しました。

こういう表現方法はあるんだと感銘を受けました。

2位のヴィニート・ナイアーさんの本も名著だと思います。個人的にはこの半年でもっとも気にいった本です。HCLテクノロジーズの企業変革の物語です。本としては、対話による企業変革に焦点を当てていると思うのですが、それ以外のところにも学ぶところ満載でした。4~5回、読み直しました。

第3位は、企画の勝利という感じの本です。

昨年度第1位のアトゥール ガワンデさんの「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?」は5位でした。

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シンプルという哲学

4140815450ケン・シーガル(林 信行監修・解説、高橋 則明訳)「Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学」、NHK出版(2012)

紙版><Kindle版

お奨め度:★★★★★+α

facebookページ:「「シンプル」に忠誠を尽し、複雑さと戦う

アップルの「Think Different」キャンペーンにたずさわり、iMacを命名した伝説のクリエイティブ・ディレクターであるケン・シーガルが初めて明かす、ビジネスとクリエイティブにおける「シンプル」という哲学。多数あるアップル本、ジョブズ本とは一線を画しているのは、ケン・シーガルのデルなど他の企業における経験の紹介がスパイスのように効いている点だ。

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2012年6月29日 (金)

「圧倒的な開発力」を手に入れる方法

4806143545稲垣 公夫「開発戦略は「意思決定」を遅らせろ! ─トヨタが発想し、HPで導入、ハーレーダビッドソンを伸ばした画期的メソッド「リーン製品開発」」、中経出版(2012)

お奨め度:★★★★

facebookページ:「ベールを脱ぐ「リーン製品開発」

今、注目のリーン手法の中の「リーン」製品開発について、日本に紹介した稲垣公夫さんが一般のビジネスマン向けに解説した本。三部構成で、第1部では、食品加工機メーカ「村坂工業」の成長かリストラかというストーリーで、リーン製品開発のイメージを掴め、第2部が理論、第3部が事例紹介という構成になっている。第1部のストーリーを読んでみて、興味があれば第2部の理論を読み、使えると思ったら、第3部の事例で研究するというなかなか、考えられた構成になっている。

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2012年6月 5日 (火)

第二・第三のアラン・ケイは生まれるのか?

ティナ・シーリグ(高遠裕子訳)「 4484121107未来を発明するためにいまできること スタンフォード大学 集中講義II」、阪急コミュニケーションズ(2012)

お奨め度:★★★★

スタンフォード大学アントレプレナー・センターのエグゼクティブディレクターであるティナ・シーリグさんの「20歳のときに知っておきたかったこと」に続く第2弾。

第1弾は講義のエクスサイズの取り組みの紹介や、企業のエピソードなど、抜群に面白かったが、特別講義の講義録のような感じで、あまり、体系的に残らなかった。今回は、「イノベーションエンジン」という概念(フレームワーク)を持ち込んだ内容になっており、前回同様、興味深いエクスサイズ結果やエピソードが体系的に記憶に残るようになっている。

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2012年5月27日 (日)

サーバントリーダーはメンバーの「ニーズ」に応える

4903212351ジェームズ・ハンター(高山祥子訳)「サーバント・リーダー 「権力」ではない。「権威」を求めよ」、海と月社(2012)

お奨め度:★★★★★

2004年にPHP研究所から「サーバント・リーダーシップ」のタイトルで出版されたジェームス・ハンダーの「The Servant」の新訳。原書は1998年の出版だが、ちょうど、勉強会で読む機会があり、すごく大切なことを学んだ本。

小説仕立ての本で、世界的なガラスメーカで例をみない若さで工場を任され、順調なキャリアを歩むジェネラルマネジャーが妻から警告され、教会の牧師に相談されることを提案され、牧師から修道院の修道会に参加することを提案される。気乗りはしなかったが、その修道院に伝説の経営者がいることに興味をひかれて、参加する。そして、その伝説の経営者から、リーダーシップを学ぶというストーリー。

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2012年5月21日 (月)

カイゼンとイノベーションのサイクルマネジメント

4492521933井上潤吾「守りつつ攻める企業 ―BCG流「攻守のサイクル」マネジメント」、東洋経済新報社(2011)

お奨め度:★★★★★

イノベーションマネジメントの入門書としてぜひ読んで欲しい本。BCG(ボストンコンサルティンググループ)に所属する著者がBCG流のフレームワークをベースに、一般的に書いているので、ツールがなくても使えるフレームワーク。

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2012年5月17日 (木)

実践的イノベーションマネジメントのガイドライン

4892875112ポール・スローン(若林 暁子訳)「ポール・スローンの結果を出せるリーダーのイノベーション思考法」、北辰堂(2012)

お奨め度:★★★★★+α

facebook記事:「イノベーションをマネジメントするために、マネジメントをイノベーションする


「ウミガメのスープ」で有名な水平思考の大家、ポール・スローンのイノベーションマネジメントの本。原題は、「The Innovative Leader - How to inspire your term and drvive vreativity」である。イノベーションに関する本は増えてきたが、マネジャーレベルでイノベーションのマネジメントを実践方法をまとめた本はあるようでない。内容も、ポール・スローンの面目躍如といったところ。イノベーションの概念的な議論から一歩抜け出し、実践に移したい人には、ぜひ読んで欲しい一冊だ。

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2012年5月14日 (月)

イノベーションに必要なマインドセット

4822248968ピーター・シムズ(滑川 海彦、高橋 信夫訳)「小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密」、日経BP社(2012)

お奨め度:★★★★★

facebook記事:「素早し失敗、素早い学習を繰り返す

シカゴ大学のエコノミスト、デビッド・ガレンソンによるとイノベーターには、「概念的イノベーター」と「実験的イノベーター」の2種類がいるという。概念的イノベーターは非常に大胆に新しいアイデアを追求し、多くは若くして業績を上げる。著者は概念的イノベーターの典型としてモーツァルトを上げている。天才であるが、天才はそうそういるわけではなく、多くのイノベーターは実験的イノベーターである。実験的イノベーターは実験を好み、試行錯誤を繰り返す中で徐々にブレークスルーをしていく。彼らは、ゴールに向かうときに、失敗や挫折を恐れずに執拗に努力をする。その代表はエジソンであり、音楽家でいえば、徐々に自分の形を作っていったベートーベンである。

この本は実験的イノベーターがどのように成功をおさめるかを分析している。成功した実験的イノベーターの手法を紹介している。試行錯誤といっても、行き当たりばったりということではなく、むしろ、分析的であり、戦略的である。

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2012年5月11日 (金)

日本組織の抱えるジレンマ

4478016879鈴木 博毅「「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ」、ダイヤモンド社(2012)

紙版><Kindle版

お奨め度:★★★★

facebook記事:なぜ、日本は同じ過ちを繰り返すのか


一応、組織論の名著「失敗の本質」の入門本と謳った本。「失敗の本質」は、MBAで授業で課題図書になっていたので、かなり読み込んだ。実は、この本をさっと読んで、失敗の本質を引っ張り出してきてもう一度、読んでみた。なぜかというと、そんなことを書いてあったかと思わせる箇所が結構あったからだ。

結論としては、そういう箇所はあるが、それはそれとして、指摘されているジレンマ、また、その指摘のために取り上げているビジネスにおける事例は面白く、日本軍の行動と、現在の企業の行動を比較して「変わらない」という発見は貴重なものだと思う。

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2012年4月30日 (月)

組織的コミュニケーションの秘訣

4492533052坂根 正弘「言葉力が人を動かす―結果を出すリーダーの見方・考え方・話し方」、東洋経済新報社(2012)

お奨め度:★★★★★

facebook記事:「結果を出すコミュニケーション

坂根正弘氏は、21世紀に入ってからコマツの業績をV字回復させ、真の意味でグロ
ーバルな企業に育て上げた名経営者である。その坂根会長が、自らの経験に基づいて展開するコミュニケーション論。コミュニケーションという言葉から、多くの人は対人的なコミュニケーション(マンツーマン、あるいはチームコミュニケーション)を思い浮かべると思うが、この本でいうコミュニケーションは組織的なコミュニケーションである。組織的コミュニケーションは、対人的なコミュニケーションほど意識されないが、リーダーは組織的コミュニケーションに熟達し、組織を動かさなくてはできなくては仕事ができない。そのような問題意識を持っている人にぜひ、組織的コミュニケーションの達人の書いた本書をぜひ読んでいただきたい。

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