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2007年5月 1日 (火)

【補助線】分ける文化のマネジメントは合わせる文化に馴染むか?

米国人は分ける文化を持っている。これは、コンサルタントのキャメル・ヤマモトさんの指摘だ。

鷲・龍・桜
https://mat.lekumo.biz/books/2007/04/post_46a2.html

この本を読んだときに、ピンときた。

ゴールデンウィークで多少気持ちの余裕があったので、それぞれの文化というのがどういうものかというのを、ショートストーリー仕立てにしてみた。

合わせる文化【ストーリー編】
https://mat.lekumo.biz/ppf/2007/04/post_8f2d.html

分ける文化【ストーリー編】
https://mat.lekumo.biz/ppf/2007/04/post_5872.html

プロジェクトマネジメントといった話は抜きにして、どちらの進め方がよいと思われるだろうか?意見をお持ちの方は、ぜひ、ブログにコメントを頂きたい。

どちらがよいかは別にして、確実にいえることがいくつかある。

一つ目は、分ける文化の方が実行が易しい。もっと正確にいえば、組織としての実行が易しい。今回のストーリーの場合でも、父親がしっかりとしていればこういうやり方はできる。つまり、リーダーがしっかりしていれば、分ける方が組織としての生産性は高くなる可能性が高い。

誰でもできるようするには分ける方がよいと即答する人もいるだろう。注意しなくてはならないのは、確かに実行者の能力が低い場合に有効な方法だという一面はあるし、これが一義的であるが、そのほかに、非定型なことをする際には分けることによってスムーズにできるという側面もある。合わせる方法だとある程度の適応期間が必要になる。

農耕民族が毎年同じ場所に土壌の改良をして少しでも多くの収穫を上げようとする場合には合わせる文化のほうがよい。ところが、狩猟民族が毎日少しでも多くの獲物を得るためには分ける文化が必要である。大学(システム工学科)の卒業式のときに、先生が「みなさんは狩猟のできる農耕民族を目指せ」と言われたのにひどく感動したことがある。結局、バランスの問題なのかもしれない。

二番目。
合わせる文化の方が、その成功が人間に依存する割合が高い。これは一番目の合わせることは実行が難しいという事実と関係が深い。人間に依存する割合が高いので、一朝一夕にはできない。積み重ねが必要だ。

三番目。
合わせる文化の人が分けるやり方をするのはしんどい。あるいは、分ける文化の人が合わせるやり方をするのはしんどい。
そもそも、「仕事を分担する原理」を発明したのはテーラーであるが、テーラーの原理には、「経済的刺激」によってワークモチベーションを生み出していることへの批判が常について回っている。形は違うが、この発想は目標管理として引き継がれている。ビジネス組織でいえば、分ける仕事の方法と目標管理はだいたいワンセットになっており、これが合わさってストレスになっている感がある。
昨今、ストレスマネジメントが注目されているが、合わせる文化を持つ組織が、ストレスの発生する仕事のやり方を受け入れて、ストレスマネジメントに注力するか、あるいはストレスを発生しない仕事のやり方にいくかは微妙なところだ。
特に、この議論をする場合には、これまた、最近、注目の「クリエイティブクラス」といった新しいガバナンスの概念も気になるところである。

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好川哲人

技術経営のコンサルタントとして、数々の新規事業開発や商品開発プロジェクトを支援、イノベーティブリーダーのトレーニングを手掛ける。「自分に適したマネジメントスタイルの確立」をコンセプトにしたサービスブランド「PMstyle」を立上げ、「本質を学ぶ」を売りにしたトレーニングの提供をしている。